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島村楽器グランフロント大阪店店長、弦楽器アドバイザーの古西です。
クレモナ・モンドムジカ編続いては、名工リッカルド・ベルゴンツィの工房、モンドムジカブースでの様子をお届けいたします!
マイスター茂木がモンドムジカへ向かう前に事前に工房を訪問させていただきました。
リカルド・ベルゴンツィ 1961年生まれ。1976年バーニャカヴァッロ展示会で最年少で金賞受賞。その後、同展示会のバイオリン、チェロ部門金賞受賞。1991年トリエンナーレにてヴィオラ部門1位。現在はバイオリンメーカーの他、絵画や彫刻などでも活躍されています。
工房を拝見させていただくこと、壁にはヴァイオリンのパーツを白く塗って展開、構造の説明にもなってます。
材料は北イタリアのアルプスに自ら出向いて厳選しています。特に拘っているのが表板スプルースの質と響き、他の製作家が理想とする軽くて柔らかい響きよりも、堅くてよく通る澄んだ響きの材料を選択。これがマエストロの楽器独特の張りがあり腰が強く、よく澄んだ遠くまで通る音色の秘密のようです。20~40年よく乾燥させたものを使用。
本体ボディだけ完成させて、自然光の下2~3年乾燥させていました。
後日、モンドムジカでリカルド・ベルゴンツィのブースへ!
糸山、筆者ともにマエストロの入魂のバイオリンを早速選定させていただきました。
その中でも、 Riccardo Bergonzi(リッカルド・ベルゴンツィ)氏のプライベート・コレクションより、 1987年製作「Lee Konitz」と名付けられたガルネリ・モデル を発見。弾いた瞬間、糸山、筆者共に納得のバイオリンを見つけることができました。
Riccardo Bergonzi, Italy - Cremona, 1987, Guarneri "Lee Konitz"
パワーがあり、ハイポジでも音の伸びが素晴らしく、澄んだよく通る音、遠くまで音が届く印象です。芯がありクリアーな音色で演奏家が音のイメージを作りやすいバイオリンです。数年間かかって徐々に音色が成熟するように作っているそうで、楽器の作風、作りがモダンイタリーに近いため、大胆で風格がありどこか本人のイメージと重なります。
また奥様のバイオリンも1本買い付けることができました。
Erika Riccardi Italy - Cremona, 2016
旦那さんのバイオリンよりもパワーは抑え気味ですが、非常にダイナミックレンジの広い柔らかい音色であり、1 piece backと非常に鮮やかで魅力的なバイオリンです。
買付チームは、若干疲れを癒しにピアノの展示コーナーへ!
すると見たこともないピアノが展示してありました。
Boganyiというピアノのようで、フレームや一部パーツ類がカーボンでできているようです。
音も出してみましたが、アコースティックの枠内で音を語るには難しい新しいニュアンスの音色でした。一度試す機会があれば是非!