今回の買い付けは、2020年2月13日~2020年2月21日に行いました
皆さんこんにちは。
シマムラストリングス秋葉原:マネージャーの糸山です。
今年はベートーヴェン生誕250周年のメモリアルイヤーということで、弦楽器買付としては初めて「音楽の都」ウィーンを訪れました。
街にはベートーヴェンのほか、ウィーンゆかりの作曲家たちの石像をあちこちで発見。(モーツァルトだけ探せず・・・。)
まずは歌曲王:フランツ・シューベルト。
交響曲の大家:アントン・ブルックナー。
ワルツ王:ヨハン・シュトラウス2世。(キラッキラ!)
そして、グスタフ・マーラー大先生の石碑。
ベートーヴェンが半生を過ごしたウィーンの街は、4世紀以上に渡ってクラシック音楽の中心地でした。
音楽の繁栄はウィーン市内の作曲家、楽譜出版社、ピアノづくり、そして弦楽器の生産にも大きな影響を与え、目録や領収証等に確認される市の重要なアーカイブ資料には、ウィーンの王族や貴族へ納入した楽器の多くが、地元ウィーンの職人たちが製作したことが分かっています。
今回はウィーンで活躍する演奏家のために日々腕を揮う職人のもとを訪れ、メモリアルイヤーに相応しい楽器を見つけて、『ベートーヴェンゆかりのお宝』とこじつけさせて頂きたいと思います。笑
私がリサーチを重ね、絶対に訪ねると決めた工房はウィーンフィルハーモニー管弦楽団御用達の由緒ある工房。レディース・エン・ジェントルメン。
Wilfried Ramsaier-Gorbach(ヴィルフリート・ラムザイヤー・ゴアバッハ)氏のアトリエです!
なんとここの工房、ウィーン学友協会ホールの「楽屋口」と繋がっているんです!凄すぎ!!
何を隠そうこのゴアバッハ氏。ウィーンフィルハーモニー管弦楽団「専属」の弦楽器修理工として、日々ご活躍されているのです。
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ゴアバッハ氏はウィーンフィルと共に日本にも10回以上訪れており、よく秋葉原の電気街で工具を買い求めているのだそうです。意外に身近な所まで来てたのでビックリです。笑
1800年代のヴァイオリンを中心に、幅広いラインナップを買い付けさせて頂きました。それでは、ここでウィーンフィル御用達の由緒ある工房で買い付けた、選りすぐりのヴァイオリン(の一部)をご紹介させて頂きます!
German Violin "Josef Klotz" Label, ca1860 - 1880
19世紀後半に製作された作品です。個性的なF字が愛くるしいお顔立ちの楽器ですが、可愛らしさのかけらもない渋っ渋のジャーマンサウンド。
Sachsen Arbeit "Antonio Stradivarius 1713" Label, ca1880 - 1900
東ドイツ・ザクセン州で19世紀後半に製作された作品で、よく鳴ります!グランフロント大阪店マネージャー:古西もチョット弾いて『ハイ、もうこれ絶対買い!』ってなりました。面構えもなかなか格好良いですね~。
Sachsen Arbeit, ca1870 - 1880
こちらも上記と同じくザクセン・スクールの作品。経年変化で熟成された音色が楽しめる、素晴らしいジャーマン・ヴァイオリンだと思います!
ゴアバッハ氏にご協力をお願いしまして、今回は100万円以下の楽器についても全て例外なく「証明書」も付属します。お目当てのオーストリッチ・オールド・ヴァイオリンも発見。ウィーンの名工、1795年のMathias Thir(マティアス・ティール)オリジナルラベル入りの楽器を購入しています。
Mathias Thir, Austria - Wien, ca1795
マティアス・ティールは、ハイドンやベートーヴェンが活躍した時代における、ウィーンの代表的なリーディング・メーカーでした。名器:Jacob Stainer(ヤコブ・シュタイナー)に影響を受けたとみられ、ハイアーチを特徴とした宮廷サロン風の作品を作り上げ成功を収めました。
ハプスブルク家の宮廷で演奏されていたかもしれない・・・と考えると、とても有難い気分になります。(あくまで推測です。)音色はブラックな見た目からは想像できないほど、甘いVoice。ゴアバッハ氏から『ベートーヴェンもこのヴァイオリンの音色を聴いたかもね~。』なんていうリップサービスも。笑(あくまで推測です。)
ゴアバッハ氏の工房で選んだ楽器は全部で11本!1件あたりの買付本数としては、異例の多さ。大豊作です!!
ウィーンフィル専属の工房で選定だなんて、とても贅沢な買い付けができたと思います。次回はウィーンの弓職人をご紹介します。
本日はこの辺で。Tschüss!!
今回買い付けた弦楽器は、弦楽器フェスタでお披露目します
今回マイスター茂木が買い付けを行った弦楽器は、5月〜7月各地(グランフロント大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・松本パルコ・南船橋・イオンレイクタウン・仙台泉・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。