島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

2019年春 弦楽器フランス&イタリア買い付けレポート Part4

皆さま、Bonjorno‼︎
グランフロント大阪店店長の古西です。
4日目はイタリアです!フランスの買い付けの日々を整理しながら、フランスに別れを告げるべくシャルル・ド・ゴール空港へ。
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この日の目的地はイタリア・パドヴァ!
シャルル・ド・ゴール空港から待ち時間を含め10時間の移動です!
まずはイタリア・マルペンサ空港へ。
そこから電車に乗ってミラノ中央駅へと向かいます。そして、いざパドヴァへ!
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パドヴァは、ヨーロッパ最古の大学のひとつであるパドヴァ大学や世界遺産の植物園がある街です。
現在旧市街に残る建物の多くは、この全盛期に建てられたものが主になります。
サンタントニオ聖堂やスクロヴェーニ礼拝堂など中世を感じることができる建物が多数あり、一度はゆっくり感じてみたいものですね!

まず1件目は巨匠・パトリック・ショー氏の工房へ

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早朝フランスから移動のため、夜7時の訪問となりました・・・。
パトリック氏はクレモナのバイオリン製作学校を卒業後、巨匠モラッシー氏の元で研鑽を積みその後、Cremonaに自身の工房を設け独立。
1991年よりRomeへ工房を移し、1998年からはPadovaへ移し、おもにプロフェッショナル・プレーヤー向けの楽器製作を行っています。
2004年ドイツ:フライブルグで開催された「ヤコブ・スタイナー楽器製作コンペティション」バイオリン部門において金賞を受賞。
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同氏の作品は、イタリア・フランス・ドイツ・オーストリア・カナダなどで人気を博し、ベルリン・フィルハーモニー・オーケストラ、カメラータ・ザルツブルグ、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管楽団、パドヴァ・ヴェネト管楽団、ミラノスカラ座フィルハーモニー管楽団、RAI国立交響楽団、ローマ・イタリア放送交響楽団などの有名オーケストラのメンバーが愛用しております。
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パトリック氏は自身のWEBSITEを作らず、さらに宣伝やプロモーション、広告活動など一切行っていないことから、この名匠の存在はプロフェショナル・プレーヤーの間で噂となり、知る人ぞ知る巨匠として、名器が生み出されています。
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今回の訪問は、お客様よりご依頼頂いているヴァイオリン1挺の選定がメインでした。
そのほか、バイオリン含めヴィオラ、チェロなどパトリックの名器を試奏させて頂きます。
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今回、オーダー頂いたお客様の為に選定させて頂いた楽器はこちらです!

Patrick Seaux, Italy - Padova, 2005 Model; Antoniazzi × Antonio Stradivar

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Patrick Seaux, Italy - Padova, 2005 Model; Antoniazzi × Antonio Stradivari
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Patrick Seaux, Italy - Padova, 2005 Model; Antoniazzi × Antonio Stradivari
隠れた巨匠:パトリック・ショー氏の2005年作品。熟成された木材から溢れ出すフルボディの音色は、ヴェネト州のヴィンテージ赤ワインのよう。
音色に様々なアロマが複雑に溶け合う作品です。
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買付予算の都合上(笑)、展示会用の商材として選定することはできなかったのですが、もしPatrick Seaux氏の作品について気になる方がいらっしゃいましたら、是非!お気軽にお問い合わせくださいませ。

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パトリックは約3年入退院を繰り返しておりましたが、見事に復活しました!

ジョバンニ・ラッザーロ氏

次に向かったのは、オーダーしていたバイオリンが仕上がったとのことで、確認のためジョバンニ・ラッザーロ氏のもとへ。
この時点で既に夜9時でした。遅くまでまってて下さったラッザーロ氏に感謝です。
さて、ラッザーロ氏のアトリエにはたくさんの絵が飾られていて、そのうちの1枚には演奏家など、訪れた記念にこの絵にサインを残しており、ちゃっかり私も記載してきました。
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ラッザーロ氏はRiccardo Bergonzi氏、Giancarlo Guicciardi氏の元で製作技術を高め、その後、主にニューヨークの優秀な修復家の元でレストレーションの技術を習得。
ラッザーロ氏の製作する楽器は、プロフェショナル・プレーヤーの元、イタリアの主要なコンサートホール、クァルテット、アンサンブルやオーケストラなどで使用されております。
是非過去のラッザーロ氏訪問のブログもご覧いただければと思います。


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今回確認させていただいたバイオリンは、想像以上のパーフェクトな仕上がりでした。皆さまご期待ください!
では、ご紹介します。

Giovanni Lazzaro, Padova-Italy 2018, Stradivarius model 1705

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Giovanni Lazzaro, Padova-Italy 2018, Stradivarius model 1705
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Giovanni Lazzaro, Padova-Italy 2018, Stradivarius model 1705
年2,3挺しか作らないラッザーロ氏の傑作、Antinio Stradivari 1705年モデル。
この楽器は新イタリア合奏団のコンサートマスターGlauco Bertagnin(グラウコ・ベルタニン)氏にも製作しており、弊社でも図々しく同じモデルをオーダーさせて頂いた次第です。
精巧なクラフトワーク、曇りのない輝かしいニス、もはやヴェネツィアン・スクールを代表する芸術作品。是非、ヴィヴァルディやJ.S.バッハなどを奏でて頂きたいヴァイオリンです。
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夕食はからすみのボンゴレスパゲッティを頂きました!
次回はクレモナ編です!
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それでは、今日はこの辺で。Ciao!

今回買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木が買い付けを行った楽器は、5月〜7月各地(大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・イオンレイクタウン・仙台泉・広島・南船橋・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。

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