島村楽器公式ブログ

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2020年春 弦楽器買い付けレポートその6 「プラハ編」

今回の買い付けは、2020年2月13日~2020年2月21日に行いました

Dobrý den!! グランフロント大阪店店長の古西です。
5日目の買い付けはウィーンから4時間かけて、チェコの首都プラハに入ります!

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チェコ共和国は、神聖ローマ皇帝が創り上げた、美しき装飾が施された建造物が建ち並ぶ美しき帝都があり、長い歴史で知られる中央ヨーロッパの国です。

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首都プラハには 中世の街並みが保存された旧市街、またそこには有名なスメタナの交響詩『我が祖国』の美しい旋律そのままにヴルタヴァ川(ドイツ語でモルダウ川)が流れ、彫像が並ぶカレル橋が架かった、世界遺産であるプラハ城が聳え立ちます。

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我々はプラハに到着し、早速買付へ。
ここでの目的は良質なチェコ・ドイツのモダンバイオリンです。17世紀から続くチェコの伝統的な楽器製作では優秀な製作家が多く、数々の良質なバイオリンが多数存在します。
その中でもシュピードレンファミリーは数々のコンクールを受賞しチェコでは代表的な製作家です。

1軒目は何度も訪問させていただいております、自身が製作家でもありディーラーでもあるMiroslav Bures(ミロスラフ・ブレス)氏のAtelier Paganini(アトリエ・パガニーニ)です。

道中、プラハ国立歌劇場を眺めながら圧倒されつつ向かっていると、ブレス氏から連絡が!我々が要望した内容について、何と‼、バイオリン83挺用意してるよとメールが。
83挺!!

いつもながらありがたい限りです!せっかくご用意いただいたバイオリンを、タイトなスケジュールの中で83本どのようにして選定するか、、、、、、道中協議しながら向かいます。

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ブレス氏より今回ご用意いただいた楽器のご説明をいただき早速選定です。
まずはチェック項目を限定し、糸山と筆者で検品&音のチェック、クリアしたものをマイスター茂木で再チェックしていきます。

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また、Atelier Paganiniはこだわりのオーダーアンティーク什器に、所狭しと楽器が陳列されており、古い楽器を更に際立たせます。

一通りチェックを完了させて更に厳選していきます。冒頭でもご説明させていただいた通り、チェコにも優秀な製作家が多く1挺ごとに確認を行っていきます。

チェコの楽器はフレンチやジャーマンとはまた違った音色を楽しめる為、モダン楽器をお探しの方に、バリエーション豊富な音色の中から最適な1挺をお選びいただけるようにチェコバイオリンも数多く取り揃えております。

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今回は83挺の中から厳選を重ね、9挺買付けることができました。

お値段も40万~100万以内の価格でご案内ができるかと思います。
それではご紹介です。

Josef Patocka 1920, Czech

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Josef Lidl 1928, Czech - Brno

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F.Bocek Schoenbach School, label A.Strad 1723, Czech

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Robert Forberger 1928, Germany

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Ladislav Prokop 1940, Czech

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Julius A.Hubicka Student , Czech

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Josef Antonin Cermak 1932, Czech

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Franticek Zyka 1945, Czech - Brno

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Tirol School ca1800, label F.Ruggeri , Austria

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今回も我々の買付にご尽力いただいたブレス氏の工房を後にし、プラハの中心街へ。

人通りも多く活気にあふれたプラハの町は、大作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの後半生を描いた映画「アマデウス」の撮影がされた場所であり、モーツァルトは幼いころにウィーンからチェコのオモロウツに移り住み、ブルノでのコンサート(当時11歳)やプラハでオペラ、ドン・ジョヴァンニを書き上げ、エステート劇場で初公演が行われるなど、モーツァルトの足跡を辿る上で欠かせない場所となります。

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次に訪れるのは、プラハの市街でお店を構えるHRON(ホロン)氏の元へ。
今回もVaclav Pikrt(ヴァークラフ・ピクルト)氏と事前に連絡を取り、何度も買付を行っているホロン氏のお店で待ち合わせを行いました。

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ピクルト氏は名門シュピードレン一族の4代目、ヤン・シュピードレン氏の1番弟子としてシュピードレン工房で研磨を積み、自身の工房で製作を行っているマエストロです。

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見渡すと数多くのバイオリンが展示されています。もしかしたら全てのバイオリンを弾いたのでは?と思うぐらいじっくりこちらでも選定を行いました。その中でも一際気になるバイオリンが数挺。

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チェコでは最も有名なシュピードレン一族は、Frantisek Spidlen (1867-1916) → Otakar F. Spidlen (1896-1958) → Premysl O. Spidlen (1920-2010) そして現在の4代目 Jan B. Spidlen (1967- )となる名門です。

選定の中で一際異彩を放つバイオリンが。3代目Premysl O. Spidlen (1920-2010) のバイオリンです!
流石ピクルト氏。素晴らしいバイオリンをお持ちです。今回は買付を見合わせましたが、滅多にお目にかかれない逸品です。

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また、チェコ楽器製作協会会長を務めた名工:Karel Vavra(カレル・ヴァブラ)の1985年の作品。
1930年の1枚板ルーマニアン・メイプル古材、1932年のボヘミアン・スプルース古材を使用した、素晴らしいガルネリモデルです!
Vavraオリジナル証明書付きです。

Karel Vavra 1985 , Czech

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そして、厳しい戦時中を南チェコで生き抜いたIgnatius Market(イグナシウス・マルケット)の1947年製作品と、チェコの昔の手工量産メーカーLadislav F.Prokop(ラディスラヴ・プロコッフ)の1926年製ハイエンドモデルです。
こちらのも証明書付きです。

Igunatius Marker 1947 , Czech

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Ladislav Prokop 1926, Czech

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どれも素晴らしい楽器であり、こちらの3本を買付することができました。すべて証明書付きです。
ありがとうございます!

ウィーンから長旅でのプラハ入り買付。非常にたくさんの良質なバイオリンと出会うことができました。楽器フェスタでお披露目できるのが楽しみです。

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すでに日も暮れて、プラハ天文時計を眺めながら、明日のライプツィヒでの万全の買付を行う為、これまでの長旅の「胃」の調子を整えるべく馴染みの中華料理屋へ。

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馴染みの味で調子を整えた後は、折角のプラハでの買付ですので、世界遺産を眺めながら歩いているとGoogle Mapに何やら気になる表記が。
「ジョン・レノンの壁」??
気になるので見に行くことにしました。

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ジョン・レノンもチェコに所縁があるのかなと思いながら調べてみると、チェコでは1960年代の共産党体制により自由を規制されていた時代が長く続き、市民の心の叫びとして、壁にメーセージを書き込み、共産党体制が終わるまで幾度となく塗り替えられてきたようです。

この壁は、ジョンレノンがなくなった1980年に肖像画をはじめ、インスピレーションを受けた若者がメーセージを書き残したことが始まりだとか、、。それ以来自由の象徴として、残されているようです。

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なんともインスタ映えする場所ですね!

次回はライプツィヒ編です。お楽しみに!

今回買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木が買い付けを行った楽器は、5月〜7月各地(グランフロント大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・松本パルコ・南船橋・イオンレイクタウン・仙台泉・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。


2020年春 楽器買い付けレポート

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