皆さま、Bonjour‼︎
グランフロント大阪店、店長の古西です。
本日もパリを中心に時間が許す限り、訪問したいと思います。
とその前に、まずは朝食を♪Rue de Rome通りを離れ、まず最初に訪れた素晴らしい製作家をご紹介致します。
Emmanuel Carlier
買い付けブログではもう既にお馴染みの弓職人、ムッシュ・エマニュエル・カリエール氏です!
カリエール氏については、数年前のブログで紹介しています。
カリエールの弓は、全て1人でパーツから手作りで行っています。
数年間の楽器と弓製作の修行を経て、ベルギー・ブリュッセルの巨匠、ピエール・ギョーム氏のもとで、弓製作のアシスタントを務めながら、弓の修理とオールドボウの造詣を深め、自身のスタイルを固めてゆきました。
今回は秋のフェスタに向けて、バイオリン弓とチェロ弓の"Gold Edition"のオーダーと、カリエールを日本に招いてのイベントの打ち合わせを行いました。
詳細はまた後日改めて。是非お楽しみに!次に訪れたのは、昨日に引き続きRue de Romeの楽器街にある、サンドリーヌ・ラファンのアトリエへ。本日のお目当はオールドボウです。今回はCharles Nicolas Bazin、Emile Ouchardなど皆さまに見ていただきたいオールドボウが多数ありましたが、入念に選定を重ね、こちらの弓に決まりました。
Charles Nicolas Bazin, France - Mirecourt, 1890 Certificate: J.F.Raffin
上質なフェルナンブーコを使用したこの作品は、むだな力を要せず、滑らかに弾くことができ、細やかな音のニュアンスまで作り込むことが出来る表現力豊かな弓です。
次は、Guy &Francesco Coquozへ
こちらは非常に良質なバイオリンやチェロ、弓が揃っており、フランスの新作バイオリンからオールドバイオリン、またモダンチェロまで、入念に選定をしましたが、なかなか決めきれず、一先ずステイし次の目的地へ。
次の訪問先は、Pierre Caradot‼︎
お目当は、Christoph Schaefferの弓となります。
オールドフレンチボウ最後の巨匠、Emile Ouchardより材料を譲り受けた後継者とされる、現代最高のフレンチ弓職人のひとりChristoph Schaefferの弓を選定してきました。今回も多数用意いただき、いざ選定へ。その中でも弦に吸い付くような抜群の弾き心地、そして愛器を次のステージへ運んでくれるかのような、引き出しの数々を弾き手に与えくれるChristoph Schaefferの弓を今回も買い付けることができました。
Violin Bow; Christoph Schaeffer, France - Avignon, 2019
Violoncello Bow; Christoph Schaeffer, France - Avignon, 2019
次に訪れたのは、Hugues Paumier。
Hugues Paumier氏に迎えていただき、まずはお願いしていたJ.J.Millantの工房製のヴィオラ弓を確認。
世界最高の弓のエキスパートMillant工房は、フランス伝統的な弓作りを元に自分の個性を取り入れ、弓製作を行っていました。20世紀の弓製作の先駆者として、伝統あるフランスの弓製作を引継ぎ、多くのプロ奏者に愛用されています。1970年にはフランス最優秀職人賞を受賞しています。
Viola Bow; Jean-Jacques Millant Workshop
ヴィオラ弓を確認後は、モダンフレンチを入念に選定していきます。非常に良質なモダンフレンチが多数あり、どれを買い付けるか検討する中、まずは気になったバイオリンを全て、1本1本を細部まで検品していきます。どれだけ素晴らしい音質であっても、弊社の検品基準をクリアしなければ仕入れることはありません。
そんな中、やっと1本モダンフレンチに出会うことができました。
Charles Jean Baptiste Collin-Mezin fils, 1902 France - Paris, Certificate; Hugues Paumier
こちらのバイオリンは、コランメザンの息子が製作したマスターバイオリンです。
コランメザンはこの時代のクラシック音楽界に大きな影響力を持っていた当時の多くのヴァイオリニストと親交があり、巨匠Joseph Joachimがロンドンのセントジェームズホールでコランメザンのヴァイオリンで演奏したり、Ernesto Camillo Sivoriには彼の師匠パガニーニが愛用したGuarneri del Gesu"Cannone"のコピー楽器をプレゼントするなど、様々な記録が残っています。またParis Exhibitionにて金賞・銀賞を獲得しています。
息子は父親の死後、Mirecourtで家族のワークショップを引き継ぎました。彼は父親のモデルを元に多くのバイオリンを製作しています。
この希少なバイオリンは、透明感のあるクリアな音色であり、かつパワフルな音色が特徴です。是非一度お試しいただければと思います。
そして本日最後に訪れたのは、ジョセフィーヌ・トマショー(Josephine Thomachot
)です。Josephineは2013年に父である現代の世界最高の巨匠である弓製作家Stephane Thomachotと一緒に弓作りを始めています。
彼女は更にバロック弓について知識を深めるために、米国マサチューセッツ州ボストンにあるBow Maker David Hawthorneのワークショップで地位を確率し、Arthur Dubroca et Alexandre Aumontと一緒にl'Atelier d'Arthurで仕事をしています。
2015年以来、JosephineはアイルランドのNoel BurkeとパリのEmmanuel Carlierの両方のワークショップで自分のスキルを磨きました。
2015年9月、Josephineは、イタリアのクレモナにあるAndy Limが主催する現代の象牙弓の展覧会 «Great Bow Makers of the 21st Century»の為の弓を製作しています。
彼女の弓も撮影され、2015年に出版された弓の実寸写真の Andy Lim’s groundbreaking bookに含まれています。
2016年、Josephineはアメリカで行われたVSAコンペティションに参加し、若くしてヴィオラ弓製作部門で賞を受賞しています。
今回は非常に恵まれており、ビオラとチェロの弓を選定することができ、非常に素晴らしい弓に出会うことができました。感無量です。
Viola Bow; Josephine Thomachot, France - Paris, 2019
Violoncello Bow; Josephine Thomachot, France - Paris, 2018
あの若さにしてこの精度、クオリティ。偉大な父:ステファン・トマショーより受け継いだ技術を見事に継承した、若きサラブレッドの登場に是非、最大の賛辞と祝福をお願い致します!
本日は朝から精力的に買い付けを行い、たくさんの素晴らしい製作家と出会うことができ、貴重な経験でありました。余韻に浸りながら岐路に着こうとしたしたその時、隣の糸山氏から「エッフェル塔行く?」、、、、すっかり忘れてました!!全く頭の中からその思考が消え去っていました!
せっかく初めてパリにきたわけですので、疲れた体に鞭打って、駆け足で男二人でParisの名所巡りです。
圧倒されつつ、歴史に浸りながら幸せをかみしめ、シャンゼリゼ通りを歩き、夕食へ。ポトフ専門店でやさしい味を堪能しながら明日の買い付けの打ち合わせを行いました。
それでは皆さん今日はこの辺で。Au revoir!
今回買い付けた弦楽器は、弦楽器フェスタでお披露目します
今回マイスター茂木が買い付けを行った弦楽器は、5月〜7月各地(大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・イオンレイクタウン・仙台泉・広島・南船橋・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。
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今回のレポートと同時進行で買付模様だけでなく、弦楽器に関する様々な情報をお伝えしていきたいと思いますので、是非フォローをよろしくお願い致します!
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2019年 春 弦楽器買付レポートまとめ
- 2019年 春 弦楽器ドイツ買付レポート Part1 - 島村楽器公式ブログ
- 2019年 春 弦楽器ドイツ買付レポート Part2 - 島村楽器公式ブログ
- 2019年 春 弦楽器ドイツ買付レポート Part3 - 島村楽器公式ブログ
- 2019年 春 弦楽器ドイツ買付レポート Part4 - 島村楽器公式ブログ
- 2019年春 弦楽器フランス&イタリア買い付けレポート Part1 - 島村楽器公式ブログ
- 2019年春 弦楽器フランス&イタリア買い付けレポート Part2 - 島村楽器公式ブログ
- 2019年春 弦楽器フランス&イタリア買い付けレポート Part3 - 島村楽器公式ブログ
- 2019年春 弦楽器フランス&イタリア買い付けレポート Part4 - 島村楽器公式ブログ