皆さまBuongiorno!
再び札幌クラシック店バイオリンインストラクターの中倫子(なかさとこ)です。
ミラノ中央駅からヴェネツィア行きの特急に乗り込むマイスター茂木と筆者。
Milano Centrale駅から電車で2時間あまり、マイスター茂木と筆者はPadova駅に到着しました!
パドヴァ駅で筆者。
パドヴァは、ヴェネツィアに程近いヴェネト州の都市のひとつで、大学の町として知られています。町一番の大きな大学「パドヴァ大学」にはかつて、あのガリレオガリレイや地動説を唱えたコペルニクスや詩人のダンテなどが教鞭をとっていたそうです。
さっそく、駅から数分のところにあるGiovanni Lazzaro氏の工房へ。 昨年オーダーしていたバイオリンが仕上がったとのことで、確認のために訪れました!
ラザーロ氏と筆者
昨年9月のラザーロ氏工房の滞在記はこちらからチェックしてみて下さい♪
shimamuramusic.hatenablog.com
今回は呼び鈴を間違えずに押せました♪フライングマイスター茂木。
ラザーロ氏は1985年クレモナのバイオリン製作学校をフルマークで卒業。
アトリエに綺麗に並べられたモルドの数々。
卒業後は、Riccardo Bergonzi氏、Giancarlo Guicciardi氏の元で製作技術を高めました。
経験豊富な技術屋どおしにしか解らない、2人の世界。
その後、アメリカは主にニューヨークの優秀な修復家の元でレストレーションの技術を習得。
バスバーの調整法ひとつをとっても、ラザーロ氏独自の論理が構築されている。
ラザーロ氏の製作する楽器は、イタリアの主要なコンサートホール、クァルテット、アンサンブルやオーケストラなどで使用されております。
ラザーロ氏作品を愛用しているプレイヤーたちを一部ご紹介。左上:Bruno Giuranna、 左中:Federico Guglielmo、左下:Lavinia Soncini、右上:Giovanni Guglielmo、右中:Emy Bernecoli、右下:Glauco Bertagnin
ラザーロ氏は楽器の製作のほか、プロの演奏家の方が所持しているオールド楽器の修理・修復も請け負っております。
オールド名器の修復中。
口を空けながらシャッターを切っている私のことをバイオリンインストラクターだと知ったラザーロ氏は、『これ、良い楽器だから弾いてごらん』と調整中の名器を弾かせて下さいました。
この名器は一体なんでしょう?
見ためも渋く、弾いてみるとパワーもあり物凄く味がある楽器です。
なんとガリアーノでした!
さて、本題の昨年9月にオーダーしたバイオリンの仕上がり具合をチェックしてみたいと思います!それでは、ご紹介致します♪
Giovanni Lazzaro, Italy - Padova, 2015, Model; Giuseppe Guerneri del Gesu 1744 "Ole Bull"
ガルネリ晩年の名作中の名作、"Ole Bull"をモデルにラザーロ氏のオリジナリティとパーフェクトに融合した最新作。
ハッとする魅力的な音色が特徴的な、とてもパワフルな楽器です!
念のため、オーダーしていた以外の楽器も弾いてみて良いよと、ラザーロ氏の作品をほかにも3本試奏。
彼はとても熱意があり、スマートで、そして話が論理的で面白い製作家。これにはマイスター茂木も、「彼はバイオリンメーカーの中でも、特に物事を論理的に説明する人だ」と感心しきりです。
ラザーロ氏は楽器をどう思うか?何かプラスしたいと思ったら何を求めるか?など真剣に聞いてきます。
彼の理論で私が一番面白いと思ったのは、バイオリンのスクロールとネックの木の材質もとても重要で、パワーはボディからネック⇒スクロールを経由して、またボディへ戻ってくるというものでした。
見事な完成度に昇華された"Ole Bull"と共にみんなで記念撮影。
前回訪問でマイスター茂木が訪れた時のサインを発見。
ヴィルトーゾ達のサインに囲まれて優越感に浸る、俺スター茂木(笑)
羨ましそうに見つめていると、「あなたも良かったらどうぞ」ということになり、筆者も便乗してサインして参りました。
どーこーに♪、しーよーおーかなー?っと。♪
では遠慮なく、筆者も失礼します、御免。(笑)
とても気さくなラザーロ氏に、いつか札幌へ来てくれないかオファーしてみました。実現すると良いですね!!
アサリとカラスミのボンゴレ。
では、今日はこの辺で。
Ciao!!
今回買い付けた弦楽器は、弦楽器フェスタでお披露目します
今回マイスター茂木と糸山が買い付けを行った弦楽器は、5月〜7月各地(新宿・横浜みなとみらい・大阪・福岡・船橋・仙台泉・札幌・レイクタウン・広島)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。
2015年春 弦楽器ヨーロッパ買い付け日記はこちら