日本食をお腹に入れてエネルギーチャージ。
洋食に疲れた胃が喜んでいるのが分かります。
でも、あとで冷静に考えてみて、焼き鳥丼はコレで€12(≒¥1,560)はチョット頂けません。
皆様Bonjour!
どーも島村楽器弦楽器アドバイザーの糸山です。
いよいよParis買い付けも大詰め。フランス人と一緒に居ても結構迷ったPorte de Champerret駅前。
さて、続いてご案内致しますオールドバイオリンは、レストレーションのプロフェッショナルの工房で入手しました。
まずは、Parisで活躍する弦楽器のエキスパート、ムッシュ・ヒューグ・パウミエーレ氏をご紹介致します。
パウミエーレ氏のオフィシャルポートレート。
パウミエーレ氏は1954年Paris生まれの御年60歳。20歳で単身クレモナへ渡り、バイオリン製作学校で弦楽器製作のキャリアをスタートさせます。卒業後、Gia Batta Morassi氏とGiorgio Scolari氏のもとで下積みを送ったのちにフランスへ帰国。1980年からParisに自身の工房を構えています。
右にいらっしゃるのは2009年からパウミエーレ氏の秘書を担当している娘のセシールさん。元銀行勤めでバリバリ仕事ができるため、経理や事務に弱い父パウミエーレ氏に代わって(笑)、守りの部分で彼を手伝っている。
新作楽器を製作するために研究していた17世紀の名器に触れるうちに、オールドバイオリンの修理・修復・鑑定に興味が湧き、パウミエーレ氏は17世紀~19世紀のオールドバイオリンのエキスパートとして研鑽を積んできました。
綺麗にレストレーションされた17世紀、18世紀、19世紀のバイオリンたち。フランスものは勿論、イタリアやドイツなど幅広いスクールの見識を持ち合わせている。
いまではイタリア・クレモナ、ドイツ・フランクフルト、中国・上海など、世界各地の展示会へ出展し、ワールドワイドな活躍をみせています。
練習のし過ぎ(?)ではっきりと溝ができるまで弦の跡がついてしまった、とあるバイオリンのフィンガーボード。珍しいので記念に保管しているのだとか。
最終交渉中の筆者。S'il vous plait(シルヴプレ)の波状攻撃に笑うしかないパウミエーレ氏とセシールさん。
それでは、目出度く交渉成立となったところで、本日入手したオールドバイオリンをご紹介致しましょう!
Antoine Nicolas, Mirecourt, ca1770, certificate by Hugues Paumier
ミレクールの製作家アントワーン・ニコラスは未だ謎多きミステリアスな人物ですが、1750年~1780年頃までのとても素晴らしい作品が残っていることから、その存在が知られているそうです。とってもディープな深みのある音色、明るく優雅で色彩感のあるトーンは、バロック音楽好きには溜まらないバイオリンではないかと思います。
Francois Salzard, Mirecourt, ca1830, certificate by Hugues Paumier
美しい1枚板のメイプルとゴールデンバーニッシュが美しいこちらのバイオリンは、フランス・ミレクールで活躍したフランソワ・サルザーの20代の頃の作品と見られています。強めでタフな低音、華やかによく鳴る音色、ソリスト向けのフレンチバイオリンです。
記念撮影は福岡イムズ店弦楽器アドバイザー:間藤と。パウミエーレ氏が手にしているのは、Jean-Baptiste Colin Duchene, Nancy, 1881。こちらも買い付けました、よく鳴りますよ~!
次号は、ベルギー:ブリュッセルよりお届けします!
本日の夕食、メカジキのグリル。
それでは今回はこの辺で。
Au revoir!
今回買い付けた弦楽器は、弦楽器フェスタでお披露目します
今回マイスター茂木と糸山が買い付けを行った弦楽器は、5月〜7月各地(新宿・横浜みなとみらい・大阪・福岡・船橋・仙台泉・札幌・レイクタウン・広島)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。
2015年春 弦楽器ヨーロッパ買い付け日記はこちら