皆様Bonjour!
どーもご無沙汰しております。島村楽器弦楽器アドバイザーの糸山です。いつもありがとうございます!
本日より2015年春の弦楽器買い付けの旅がスタートし、最初の目的地フランス:パリへと入りました。
シャルル・ド・ゴール空港にてエグザイル風に。右・マイスター茂木、中央・福岡イムズ店間藤、左・札幌クラシック店バイオリンインストラクター中(なか)
今回はこのメンバーで張り切ってお届け致します。今年の春の買い付けは、フランス、ベルギー、イタリア、チェコの4ヶ国を10日間で一気に駆け回ってゆく行程です。
その様子を現地からレポートして参りますので、ご愛読頂けたら大変光栄です。最後までお付き合いのほど、どうぞ宜しくお願い致します。
さて、11時間半のフライトを終え、夕方にパリのシャルル・ド・ゴール空港へ降り立った一行には、今やパリを代表する弓職人が多忙のなか空港までわざわざ迎えに来て下さいました!
愛車のシトロエンでお迎え。マニュアル車を乗りこなす姿が様になります。
それではご紹介致します。弓職人マダム・サンドリーヌ・ラファン氏です!
ラファン氏の工房にて、バイオリンインストラクター中(なか)とのツーショット。
ラファン氏は、パリの楽器街Rue de Romeを代表する弓職人。
毎日分刻みで現地を訪れるプレイヤーや世界中の目利き達が、彼女の店を訪れます。
お父様であるジャン・フランソワ・ラファン氏は、世界的なオールド弓鑑定家であることは言うまでもありません。
サンドリーヌ・ラファン氏の店構え。
アトリエ内部は1階と地下1階のメゾネットタイプになっており、我々はいつも地下1階の選定ルームをお借りして、彼女が製作する新作弓を選定しています。
地下1階の選定ルームに並べられた最新作の弓たち。
地下には新作弓を製作する専用の個室もありまして、最新技術を取り入れた機械などは全く皆無なのであります。彼女の弓は、1本1本刃物だけで、丁寧に丁寧に手作りされます。
ラファン氏のワークベンチ。
毎日大勢の来客があるため、弓製作のような集中力が必要な作業はこの個室で、お店の開店前の早朝か閉店後の夜に閉じ篭って行うのだとか。
新作弓のデッサン。イマジネーションが浮かんだら、このような大きな模造紙に設計図面を書き込み、抽象的なイメージを紙に書いて具現化してゆく。このデッサンはModel ”SR”。
反対に、お客様を応接しながら弓の修理や毛替えを行うときは、1階のワークベンチで行っています。先日も、五嶋みどりさんの愛弓の毛替えをしたのだそうです。凄い!!
地下1階の選定ルームで新作弓をするマイスター茂木。
一行はパリに着くやいなや、貴重な時間を無駄にすまいと、さっそく買い付けをスタート!
写真 試奏を始める間藤と中。演奏することによってスティックの繊細なバランスを感じ取って、微妙な違いを見分けて選び抜いてゆく。
買い付け初参戦のバイオリンインストラクター中(なか)。その弾き姿にラファン氏も釘付けです。
バイオリン熱演中。バイオリンを持つと突然オーラが変わります。
チェロ弓も選定!ラファン氏からのサプライズの極上の逸品に一同感激。後にいるサンドリーヌはしてやったりのモナリザスマイル(笑)
選定した弓は、1本1本重さを計測して記録をつけます。
それでは、今回買い付けた弓を皆様にご紹介致します!
Sandrine Raffin, Paris, 2015, Violoncello Bow, ”Concertante”
Concertante(コンチェルタンテ)として昇格できる材料は、ラファン氏が所有する膨大なフェルナンブーコのストックの中でも、ほんの一握りの特別なもの。楽器の音質をブーストさせ、グイグイと引っ張られるようなワンランク上の世界へと誘われます。世界初入荷です。80.0g
Sandrine Raffin, Paris, 2015, Viola Bow, ”Concertante”
こちらは上記のヴィオラ弓バージョン。サイズがどんなに大きなヴィオラでも、この弓ならば乗りこなせます!こちらも世界初入荷。71.0g
Sandrine Raffin, Paris, 2015, Violin Bow, ”Peccatte”
オールド名器ドミニク・ペカットのコピーモデル。弓の重量だけで充分に安定感のある音質が奏でられ、弓先の操作性が素晴らしい。腰の座ったハリのある感じに変化します。61.5g
Sandrine Raffin, Paris, 2015, Violoncello Bow, "Sartory"
こちらもオールド名器ユージン・サルトリーのコピーモデル。音の輪郭がハッキリと出る力強さと躍動感を求めるチェリストに大変お薦めです。現地で活躍するプレイヤーに大変人気のある逸品。81.0g
Sandrine Raffin, Paris, 2015, Violin Bow, Model ”SR”
トルテを研究するラファン氏による
、全く新しいスタイルよって創生された新作弓。角弓と丸弓との対比、シルバーと黒檀との対比を巧みに組み合わせた設計は、『陰』『陽』を表す象徴。奏者が紡ぎ出す光と影の表現力を最大限まで引き出してくれます。62.0g
ラファン氏の工房の帰り道。パリのオペラハウスL'Opera Garnier
買い付けた弓は、3月中旬にも三田バイオリン専門店へ入荷する予定です。
5月8日より、毎年恒例となりました「弦楽器フェスタ」にて、全国を巡回致します。ぜひラファン氏のスピリチュアルな作品たちを会場でお試し頂けたらと思います!
本日の夕食、鴨肉ローストサラダ。
それでは、今日はこの辺で。
Au revoir!
今回買い付けた弦楽器は、弦楽器フェスタでお披露目します
今回マイスター茂木と糸山が買い付けを行った弦楽器は、5月〜7月各地(新宿・横浜みなとみらい・大阪・福岡・船橋・仙台泉・札幌・レイクタウン・広島)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。
2015年春 弦楽器ヨーロッパ買い付け日記はこちら