皆様Bonjour!
Rue de Romaの巷で噂の(?)、 筆者に似ていると云う年代物のスクロールの習作…。
どーも、島村楽器弦楽器アドバイザーの糸山です。
パリ買い付けでの小さな幸せ。
それは、朝のクロワッサンとカフェオレに間違いありません(笑)
パリのブラッスリーの朝は早い。
ホテルには朝食がつかないため、パリ買い付けでは、毎朝就業前にパン屋さんでクロワッサンを摂るのが暗黙のルールと言いますか、買い付けチームの慣習となっております。
- クロックムッシュが加わっている事実には触れないで下さい(笑)
それでは、朝からたらふく食べたところで、本日の1件目をご紹介致します。パリのレストレーションにおける名工、ムッシュ・ピエール・カラドゥー氏です!
カラドゥー氏とドイツ人プレーヤーによって使用されている彼自身が製作したバイオリン。
カラドゥー氏は、現代フランスを代表する老舗弦楽器店Vatelot-Rampalで工房長を務めた手腕を持つ素晴らしい名工。
ずらりと並んだ名器の数々。
世界中から集まる名器たちが、このレストレーションの達人による施術を待っているのです。
また、カラドゥー氏は現代フランスの名弓:クリストフ・シェーファー氏の弓を取り扱うディーラーという一面もあり、我々は今回もシェーファー氏の弓を選定させて頂くことを主な目的として訪れました。
シェーファー氏の弓がワッショイと出てきてテンションがあがる中と間藤。
かたや、例によってマイスター茂木の技術的な質問攻めに合い防戦一方のカラドゥー氏。
階段から転げ落ちてしまった演奏家のチェロの修理中。新しい木材を足して接着しています。
と、ここで、穏やかだったマイスター茂木の瞳が、真剣なプロの目利きの眼光に。
その眼差しは、F字孔から覗く、その内部に隠されているという、未だ謎に包まれるミステリアスな黒い斑点を確かに捉えました。
一体、マイスター茂木は何の楽器を見ているのでしょうか?
じっとバイオリンを見つめたまま、固まって動かなくなってしまったマイスター茂木。
Giuseppe Guarneri del Gesu, Cremona, 1742
始めに断っておきますが、この本物のガルネリは買い付けておりませんので、予めご了承下さい(笑)
ガルネリ・デル・ジェスと筆者。
しかぁーっし!、今回はなんと特別に許可を頂いて、本物のガルネリ・デル・ジェスを弾いてシェーファー氏のバイオリン弓を選定させて頂くという、大変贅沢な機会を設けることができました!Merciムッシュ・カラドゥー!!
ガルネリでシェーファー氏のバイオリン弓を選定中。夢見心地ドリームズ・カム・トゥルー茂木。
インストラクター中も。バイオリニスト冥利に尽きる瞬間です。
バイオリンアドバイザー間藤にとっても、世界最高峰のオールドバイオリンを体感する貴重な機会になりました。
それでは、この極上のシチュエーションで選び抜かれた、極上品のシェーファー氏のバイオリン弓をご紹介致します!
Christoph Schaeffer, Avignon, 2015, Violin Bow
数本あったシェーファー氏のバイオリン弓の中から、最もデル・ジェスの潜在能力を引き出したボウです。操作性は非の打ち所がなく、近強さと繊細な表現力を可能にします!
当社の買い付けは『音』が命。とにかく弾きまくって選びます。
そして、入手困難なオールドバイオリンも1本買い付けることができましたので、こちらも合わせてご案内致します!
Old Parisien School, North France, ca1770, certificate by Pierre Caradot
ガルネリと比較しても決して退けをとらない、素晴らしいオールドバイオリンを入手。製作家についてはハッキリとしたことは不明ですが、名工ピエール・カラドゥー氏の鑑定書によると、1770年前後に北フランス(おそらくパリというのが氏の見解)で製作された優れたルチアによる作品とのこと。それもそのはず、良く鳴るのと、オールド特有の渋みと含みをたっぷり備えた、物凄く熟成された音質に仕上がっています。
悩みに悩んでファイナルアンサー直前の筆者。
朝から一同大興奮となりました!
興奮し過ぎてお腹を空かせてしまった方が約1名…。
さっき朝食モリモリ食べたばかりなのに、チョコクロワッサンに自然と手が伸びるハングリー茂木。
それでは、今回はこの辺で。
Au revoir!
今回買い付けた弦楽器は、弦楽器フェスタでお披露目します
今回マイスター茂木と糸山が買い付けを行った弦楽器は、5月〜7月各地(新宿・横浜みなとみらい・大阪・福岡・船橋・仙台泉・札幌・レイクタウン・広島)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。
2015年春 弦楽器ヨーロッパ買い付け日記はこちら