島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

2016年春 弦楽器ヨーロッパ買付レポート プラハ編 その1

皆様こんにちは!島村楽器みなとみらい店 楽器アドバイザーの石井と申します。
この春、弊社マイスター茂木顕、島村楽器シマムラストリングス秋葉原 リペアマン鍵主有三と3人で、皆様にご紹介する楽器を買い付けて参りました。
今回は、プラハ、パリ、ブリュッセル、フランクフルト、そしてクレモナと各所を訪れ、たくさんの楽器・弓・人と出会うことが出来ましたので、報告させていただきます!
今回買い付けてきた楽器は、今月29日、秋葉原店島村楽器シマムラストリングス秋葉原より始まります楽器フェスタにてご紹介させていただきますので、どうぞご覧ください。

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今回の買い付けメンバー 左よりマイスター茂木、リペアマン鍵主、筆者

成田空港で、馴染みの製作家への手土産を購入した一行は、ブリュッセル経由でプラハに向かいました。
半日以上のフライトは久々でしたが、まだ見ぬ出会いに思いを馳せた筆者は、結局一睡もせずブリュッセルに到着。
乗り継ぎのため1時間程度待つことになったので、小腹を満たすため空港のカフェで軽食。空港のショップなんてどうせ・・・と思ってたらこれが予想外にうまい!
ヨーロッパに来るといつも感動するのがパンの味。安くて美味しいから、ついつい食べ過ぎてしまいます。


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日本時間にして夜中の1時過ぎ、日本から14時間かけてプラハに到着しました。


チェコは通貨がユーロではなくチェコクローネのため、3日分の滞在費を交換。
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無事の到着を祝して、チェコビールで乾杯。
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滞在ホテルのすぐ横にあるPALLADIUMというショッピングセンターで最初の晩餐。
チェコ初飯は、安定の中華。明日から始まる長い長い買い付けに向け、エネルギーを蓄えることが出来ました。
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買い付けスタート!

一夜明け、いよいよ買い付けがスタートしました!チェコの楽器製作の歴史は古く、多くの製作家が200年以上前から伝統的にバイオリンを作ってきました。
優秀な製作家も数多く、数々のコンクールを総なめにしたシュピードレンファミリーはあまりにも有名です。

ここでのミッションは、良質なチェコ・ドイツモダンバイオリン&チェロを入手すること。
比較的お求めやすく、鳴りの良いチェコモダンは、楽器フェスタでも人気のラインナップになりますので、出来るだけ沢山、ご紹介できるように買い付けたいところです。
まず最初に訪れたのが、自身が製作家でもありディーラーでもあるMiroslav Bures氏の工房。
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一年ぶりに訪れた工房は、引越してより広く、ブレス氏のセンスが光る工房に様変わりしていました。
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クラシカル、かつセキュリティーも完璧な什器。お店に欲しい!
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今回も、事前にこちらの欲しいものをオーダーしていたので、セレクションルームにはすでに大量のバイオリンが・・・
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試奏しているそばから次々と楽器が運び込まれてきました。はなからテーブルに置ききれないので、床置き・・・。


チェロも大量に用意してもらっていたので、二手に分かれて選定開始。マイスター茂木と鍵主は、まず状態チェック。
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ライトとミラーを使って中までくまなくチェック。状態の悪いものはまず候補からはずします。


バイオリンは100本程度、チェロは20本程度をすべてチェック。その隙に筆者はひたすら試奏。
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結局、楽器の状態も良くて音も良い!と思えるもので残ったのがバイオリン14本とチェロ2本。
ここからさらに細かくチェック。解体して、エンドピンからのぞいてみると、思わぬ修理後が見つかることも。チェロは、修理跡など問題があり、購入を断念。。バイオリンは10本ほど購入することが出来ました。
ここでの一押し楽器はこちら!

Homolka Workshop 7/8 Size 1844年製

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チェコの名門ホモルカの工房製で、貴重な7/8サイズバイオリン。フルサイズよりやや小さい7/8サイズは、手の小さい女性にとても人気ですが、鳴りもコンパクトで物足りない、というものが多いもの。しかしこの楽器はそれをまったく感じさせません。


掘り出し物に、思わずマイスターもにんまり
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プラハ編二日目につづく・・・

無事に初日の買付けも終了!この日はブレス氏行きつけのお店でカフェ飯。赤ワインで煮込んだ牛肉とニョッキをいただきました。
オススメと言われ、全員同じものを注文するわれわれを見てやや当惑気味の店員さんを横目に、美味しくいただきました。

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選び抜かれた楽器が一堂に会する祭典「第20回 楽器フェスタ」10店舗で開催!

テーマは「Paganini & his Guarineri “ Canone “ パガニーニのカノンガルネリ」

19世紀最大のバイオリニスト、パガニーニが愛用したバイオリンがガルネリでした。その強烈な個性でついたあだ名が「カノン砲(大砲の意味)」。今回そのガルネリモデルを、現代イタリアの名工が見事に再現した名品をご紹介します。同時に現地で選りすぐった様々な個性のモダン~新作の楽器と弓もご用意して、皆様のご来場を心よりお待ちしております。

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