皆様Bonjour!
札幌クラシック店:バイオリンインストラクターの中倫子(なかさとこ)と申します。
カプチーノをいただく筆者。
マイスター茂木と私が訪れたベルギー買い付けの旅行記ですが、もう疲れ果ててフォークも持てない…でも日本食が食べれるならお箸ぐらいなら持てるカモ......という茂木翁に代わりまして、糸山編集長の指導のもと、わたくしが筆を進めて参りたいと思います(笑)
早朝のパリ北駅Garb du Nord。パリからブリュッセル行きの電車はここから発着します。
電車の発着ホームと出発時間を表示する掲示板は、旅の雰囲気満点。
「Train Rouge(赤い電車)」の愛称で親しまれている高速鉄道THALYS。パリとブリュッセルを僅か1時間20分で、最高時速300kmで走行します。
ブリュッセルの素晴らしい建造物とチョコの匂いに感動しつつ、本日の目的地ピエール・ギヨーム氏のアトリエ「Maison Bernard(メイソン・ベルナール)」へお邪魔しました。
「Maison Bernard」の入り口前にて、筆者。
店内には、歴史ある家具や道具が沢山。言葉では表せないくらい素敵なアトリエです。
「三田バイオリン専門店がこんな空間だったらいいな」・・・と独り妄想にふける、瞑想ベルナール茂木。
名器Andrea Guarneriを拝見させて頂くことができました。
目に映るもの全てに興奮してばかりで、本来の目的を見失ってはいけませんね・・・。落ち着いて、弓の選定にはいります。
ギヨーム氏が指をピッと鳴らせば、そこにオールド弓がずらり・・・。
およそ60~70本のオールド弓を、私が1本1本演奏して試していきます。試奏して感触が良かったものを、マイスター茂木が状態を入念にチェック。この本数を選定するのには、相当な時間がかかります・・・。
弓のコンディションチェックをするマイスター茂木。弓の反り、木目、ヘッドの形状、バランスと重心、重量などなど、一見単純なように見えて、実は奥深い弓の世界。
価格、状態、何処の国で誰が作ったのかを考慮しながら色々な弾き方で試していると、アッと言う間に時が過ぎてしまい、気がつけばお昼時。
小エビのコロッケはベルギーの代表的な郷土料理のひとつ。
一旦休憩にしましょう・・・ということになり、ギヨーム氏おすすめのお店でランチをして、選定再開です!
アトリエへ戻る途中、寄り道してチョコレートをば。
それでは、Maison Bernardで数時間かけて、全身全霊を込めて選定致しました、素晴らしいオールドフレンチ弓をご紹介します!
Eugene Sartory, stamped H.C.Sylvestre, certificate by Pierre Guillaume
20世紀の弓製作家の中で、最高峰の評価を受けているサルトリーの名弓。 しなやかな弾力があり、演奏家の思いをそのまま素直に表現しやすく、楽器のポテンシャルを引き出すパワーと繊細さを備えたバランスの良い極上弓です。
Charles Claude Husson, certificate by Pierre Guillaume
19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した製作家です。コントロールしやすくパワーがあります。甘い音色を引き出し演奏家のイマジネーションを掻き立てる名弓です。
何時間も居座り続けていたにも関わらず、熱心にそして紳士的にご対応下さったギオーム氏、大変ありがとうございました!
最後に、実は夕方にもう1件、当社が一昨年から注目しているブリュッセルの若手弓製作家に会いに行きました。ご紹介致します。弓製作家ビクター・ベルナール氏です!
ベルナール氏と筆者。手にしているのは買い付けたバイオリン弓とチェロ弓。
ベルナール氏は1985年フランス・パリ生まれ。イギリス・ニューアークにあるバイオリン製作学校を卒業後、2008年にPierre Guillaume氏のもとで働きながら、オールド弓の知識と高度なレストレーションの技術を習得。現在は独立して、ブリュッセルを拠点として活躍しています。
マイスター茂木の話を熱心聞くベルナール氏。向上心が強く、何かを吸収しようという姿勢が好感が持てます!
それでは、才能溢れるベルナール氏の最新作をご覧頂きましょう!
Victor Bernard, Bruxelles, 2015
彼の共同アトリエにあった他の製作家(より高価)の弓と比較しても、彼のが一番良いと確信して買い付けて参りました。彼の弓は私の一押しです!今後ブレイクすること間違いありません。今回はバイオリン弓とチェロ弓、それぞれ1本ずつしかありませんので、お早めにお問い合わせ下さいませ♪
ブリュッセルの思い出に・・・と、チョコレートのプレゼントのサプライズ。その後、イタリアへの移動中、頂いたチョコレートが無残にも溶けてダメになってしまうことを、私はまだ知らない(笑)
夜のブリュッセルの風景、Grand-Place。
それでは、今日はこの辺で。
Au revoir!
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2015年春 弦楽器ヨーロッパ買い付け日記はこちら
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