「ピック」は、ギターやベースなどの楽器を弾く際には必須のアイテム!
楽器店には、何十種類にも及ぶピックが並んでいますよね。厚さ、形状、素材など種類も豊富ですし、アーティスト・モデルも多数ありますよね。その中から自分に合ったピックを選ぶことって、ビギナーの方は特に難しいと思うんです。
「ピックなんてなんでもいい」って思う方もいるかもしれませんが、弦に直接ニュアンスが伝わるピックこそこだわり、自分に最適なピックを改めて考えてみませんか?
まずは、きっかけとして
- 自分の好きなアーティストが使用しているピック
- アーティストモデルのピック
- プレイヤーの使用頻度が高いピックや人気のピック
など、いろいろなピックを試してみることも大事ですよね。
ただ、自分で選んだピックは、本当に自分に合ってるのか・・・。悩んでしまう、なんて方もいるかと思います。
ビギナーの方はもちろん、改めてピックに関心を持ってみようと思ってる方、これから書いていくことを参考にしてみてはいかがでしょうか。
ピックの「厚さ」
ピックには、様々な「厚さ」(硬さ)があります。その中でも、ポピュラーな4種類の厚さはこちらになります。
- Extra Heavy(約1.15mm~)
- Heavy(約1mm)
- Medium(約0.7mm)
- Thin(約0.5mm)
ん~、厚さが多少違うことはわかりますが、数値だけ見てもピンときませんね。
では、Extra Heavy(約1.15mm~)と、Thin(約0.5mm)を画像で見てみましょう。
Extra Heavy(約1.15mm~)
Thin(約0.5mm)
1mm未満の差しかないのですが、この2つの画像を見比べてみると、かなり厚さが違いますよね。
厚さが違うことはわかりましたが、硬さはどうなんでしょうか。
それでは・・・曲げて見ましょう (笑)
Extra Heavy(約1.15mm~)
厚さが違うと、どう違うの?
厚い(硬い) ピック
アタック感があり、レスポンスも早く、エッジの効いた音になります。ロックやメタルをプレイされる方や、ベースを弾く方は、厚いピックを選ぶことが多いと思います。
アコギには不向きというわけではないですのでご安心を。アコギでエッジを効かせたパーカッシブなカッティングをするなら、厚いピックを選ぶ方も多いですし、ピックの厚みが出音に影響しやすいのもアコギの特徴なので。
ただ、「パチン」とした強いピッキングになるので弦への反発も大きく、弦を押さえてる指の負担もかかってしまうので、長時間弾いてると指に疲れが出てきます。
薄いピック
ニュアンスを出しやすいので、ファンキーなカッティングやコードストロークに良いです。繊細なタッチでのプレイにも優れています。ただし、Thinなどの極薄になると、やわらかすぎて逆にニュアンスを殺してしまったり、力いっぱいストロークすると割れてしまうこともあるので注意が必要です。
アコギのコードストロークがメインなら、Thinを選ぶ方もいますよね。ストロークしてもLowが暴れにくく、落ち着いたバランスの良い和音になります。「しなり」がある分、太い弦に対して優しいピッキングになるんです。
「Heavy」と、「Thin」を弾き比べてみよう
では、実際に厚い「Heavy」と、薄い「Thin」のトライアングルで弾き比べてみましょう。できるだけ音の違いを伝えられるように、クリーントーンで設定してます。
さぁ、どのような差が出るのか、気になりますよね。
Heavy(約1mm)
エッジの効いたガッツある音でレスポンスも素早く、力強いです。ピッキングの強弱が素直に出てる印象ですよね。Lowがほどよく出ていてパワフルです。
Thin(約0.5mm)
「サラ~」っとした感じで、繊細な印象です。ストロークをすると、Heavyとニュアンスが違う印象ですよね。薄くて柔らかい分、エッジが弱くLowが控えめに聴こえますが、比較的まとまったサウンドになってるのではないでしょうか?
ピックの「形状」
トライアングル
先端3箇所とも同じ角度になっています。すなわち、3箇所ピッキングができるってことは・・・経済的ですよね(笑)。素早いピッキングをするには、それなりに長い付き合いが必要になるかもしれませんが、ストロークやカッティングなどには最適です。
単音弾きには不向きってことはないのですが、先端の角度が緩いので深くピッキングする必要があります。それゆえに、弦に引っ掛けてしまうこともあるので、最初は細かいフレーズは苦労するかもしれません。
ピックの面積が広いので親指のグリップ位置をちょこっとずらし、ピッキングニュアンスを変えやすい事もポイント。自分のスタイルにあった「親指の位置」を改めて探してみましょう。
こちらは、ポピュラーな形状のトライアングル。
こちらは、若干角度が違うタイプ。
ティアドロップ
「ティアドロップ」とは、涙のしずくの意味です。ティアドロップのピックを逆さまにすると・・・
こんな感じです。なるほど~、たしかに「しずく」ですね。
先端がシャープな角度になっていて、ピッキングがすばやくスムーズにできるので、速弾きをよくする人はティアドロップを使用している方が多い印象ですよね。
もちろんオールジャンル使えますし、一番多く使われているピックの形状なのではないでしょうか。
こちらは、ポピュラーなタイプ。
このように凹凸になっているタイプもあります。(滑り止めになります。)
Jazzギタリストやハードロックギタリストなども愛用している、先端の角度がさらにシャープになっているものもあります。「JAZZ系ピック」なんて言われ方もしてますね。
ピックの「材質」
では、ピックの素材も様々なのはご存知でしょうか? 素材によってもピッキングやサウンドに影響があるので、材質について書いていこうと思います。
セルロイド
(左右ともFender製)
古くからジャンル問わず使われている、ピックの中で一番ポピュラーなものです。ちなみに、眼鏡などにも使われていますよね。そこまでツルツル滑ることはないですし、多少ですがザラつきがあるので、どなたでも扱いやすいと思います。
ナイロン
(左:Fernandes製、右:Jim Dunlop製)
硬めな材質なので摩擦に強いのですが、多少滑りやすいです。サウンドはローミッドが良く出る印象。アタック感が弱い方かもしれませんが、曲がりにくいということもあり、こちらもよく使われている材質ですね。
デルリン
(左:Wedgie製、右:Jim Dunlop製)
軽い材質なのですが、耐久性が若干低いので、削れやすい印象です。ツルっとしていて滑りやすいですが、左の黄色のピックのように、くぼみがあり、滑りにくくするなどの工夫がされているものもあるんですよ。サウンドは、輪郭がありシャープな音で、なめらかなピッキングが可能です。
ビギナーの方にはどのようなピックをオススメするか。
冒頭でもお話ししたように、いろいろなピックを試してみてはいかがでしょうか。ピッキングに慣れるまでは、ポピュラーなセルロイド材の「Medium」のティアドロップとトライアングルの2つのピックを弾き比べ、「こっちの方がいいかも」程度でもいいので、普段のプレイスタイルにストレスが少ないと思う方のピックを使い続けてみるのもいいと思います。
「ピッキング、ちょっと進歩してきたかな。」と思ったら、その都度改めていろいろなピックを触ってみてはいかがでしょうか。アタック感がもう少し欲しいと思ったら「Heavy」を試してみたり、材質を替えてみたり。速いフレーズを弾いてみたいと思ったら「ティアドロップ」にしてみたり。そうすることによって、新たな発見もあるかもしれませんよね。
「ピックなんてなんでもいいや。」をできるだけなくし、ピックにこだわり続けるのも、上達への近道なんだと思いますよ。
最後に・・・
みなさん、いかがでしたでしょうか。
「厚さ」、「形状」、「材質」がいろいろあるんだな、そんな風に思っていただければと思います。なんとな~くピックを選ぶより、
- まずは触ってみて下さい。
- 弾いてみてください。
- ストロークや単音弾きをしてみてください。
あなたにとって、相性ピッタリのピックと出会えますように。。。
今回記事にしたピック以外にも、特殊な形状のピックや、変わったコンセプトのピックなど、「ちょっと変わったピック」もあるので、またこのような機会があれば紹介していこうと思ってます。若干マニアックな記事になるかもしれませんが(笑)、ご期待くださいね。
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