皆様Buongiorno!!
島村楽器弦楽器アドバイザーの糸山です。
海老とトマトソースのリングイーネ。お味もいーね!
お昼を食べたら、夕方まで2班に分かれて別行動です。
マイスター茂木と間藤は、ラファン氏よりお預かりした新作弓とオールド弓をホテルの部屋で選定に入ります。
部屋で弓を選別するマイスター茂木。
ラファン氏は、私達が落ち着いて弓を選定できるようにとの配慮から、
明日から始まる弦楽器の見本市「モンドムジカ」へ出品予定の全ての弓を、一時私たちに預けて下さいました。
モンドムジカ会場は人も多いし、とても騒がしく、弓の微妙な違いを聞き分ける作業に毎回多くの時間を費やしていたので、本当に本当に感謝です!
弓の重量は、必ず計測して記録に残します。
1本1本、弓の重量を確認するマイスター茂木。間藤も試奏と記録と写真撮影に大忙し。
ラファン氏の新作弓を試奏するマイスター茂木。
1本1本、必ず試奏して弾き心地や出音の具合を確かめて、重量だけに惑わされず持った感触やフィーリングを大事にしているのも当社の買い付けの特徴です。
試奏用のバイオリンも、ラファン氏が気を利かせて持ってきてくれました。さすが、よく分かっていらっしゃる!
弓の繊細な違いを聞き分けるマイスター茂木。
その後、シメオネ・モラッシー氏の工房へとお邪魔したマイスター茂木。
歓迎してくれたシメオネ・モラッシー氏。
何やら打ち合わせをしてきたみたいですね!
※木材について熱く語るシメオネ・モラッシー氏。マイスター茂木の木材への探求は尽きない・・・。
一方の筆者はと言いますと、クレモナの中心からタクシーで移動することおよそ20分、セスト・クレモネーゼの街へやって参りました。
セスト・クレモネーゼの街のシンボル。La chiesa parrocchiale di Sesto Cremonese
ここに、前からぜひ一度お会いしたかった、若きマエストロが住んでおります。
ヴァラザーニ氏ご自宅兼アトリエ。
それではご紹介します。マエストロ・アンドレア・ヴァラザーニ氏です!
ヴァラザーニ氏製作風景
アンドレア・ヴァラザーニ氏は、1982年ナポリ生まれ。
2000年にクレモナのバイオリン製作学校でディプロマを取得。
マッシモ・ネグローニ、ダニエリ・トナレッリの両氏に師事し独立。
アーチのチェックをするヴァラザーニ氏。絵になります。
2008年には、Pisogne国際弦楽器製作コンクールバイオリン部門でブロンズメダルに輝いている期待の逸材です。
アトリエにはイタリアン・スプルース、バルカン産のメイプル材のストックが・・・。
製作途中の風景や、彼の楽器製作に対するパッションをヒアリングしてきました!
彼はなんと、バレーボールのコーチも務めているそうです。バイオリンも作れてスポーツ万能。ずるい!(笑)
製作途中の裏板を見せて頂きました。
それでは、今回買い付けたヴァラザーニ氏の最新作をご紹介致しましょう!
Andrea Varazzani, Cremona, 2014, Model: Guarneri del Gesu
ヴァラザーニ氏渾身のガルネリモデル。
モデルはあくまでモデルであって、ヴァラザーニ氏自身のオリジナリティを加え、ところどころ変化を加えたつくりとなっているとの事。
ただ単に名器をコピーするのではなく、自分なりに先人達のつくりを理解し、
それを昇華させて表現することで現代作品を産み出して行く決意を、この若者から見出しました。
確かにその音質は、一見「真面目」につくられたクレモネーゼ・サウンドかに思わせながら、思わせながら!、
ナポリ生まれのチョイ悪イタリアン・サウンドが時折覗かせる、バラエティー豊かな変化が楽しめ、非常にウィットに富んだ作品となっています。
(彼は決して悪ではありません。笑)
スクロールのアップ。
いやー、遠くまで一人で来た甲斐がありました。ヴァラザーニ氏の最新作、ぜひご期待下さいませ!
そしてクレモナの中心へ戻ってまた皆と合流し、マイスター茂木&間藤が選定したラファン氏の弓を、筆者がさらに選別してゆきます。
最終チェック中。
さらに、今夜は皆様もお馴染みの"あの人"のご自宅兼アトリエにお邪魔して、彼の2014年秋の最新作の試奏と、「2014弦楽器フェア」と当社「弦楽器フェスタ2014」に向けた打ち合わせを行います。
噂の彼を隠し撮り。by間藤。
その模様は次号にて。
それでは今回はこの辺で。
Ciao!!
今回イタリアで買い付けた弦楽器は、弦楽器フェスタでお披露目します
今回マイスター茂木と糸山が買い付けを行った弦楽器は、11月〜12月各地(大阪・川崎・横浜みなとみらい・札幌・新宿・南船橋・福岡・奈良)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
日程等決まり次第順次情報を公開致しますので、弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。
- 島村楽器弦楽器フェスタページへ(内容は前回のものとなっております。ご了承ください。最新情報10月3日公開予定。)
2014年秋 弦楽器イタリア買い付け日記はこちら