皆さま、ぼんじょるの!
マイスター茂木(もてき)です。
クレモナ郊外にあるマエストロの自宅へ車で連れて行ってもらいました、沿道の畑は見渡す限り雪!雪!雪!
こんなに大雪が降ったのはこ珍しいそうです。という訳で、本日最後の訪問は、当社が日本で専属販売契約を締結をしております、マエストロ・タディオリ氏の工房&自宅にお邪魔です。
15年来のお付き合いのあるタディオリさんは、今や世界的にも有名な製作家として、数々の古い名器モデルを生み出し続けています。
今回は、私から特別な注文としてオーダーを出した、2挺のヴァイオリンの仕上がりを見に行きます。とても楽しみです!!
さっそく、工房で待っていたのはこの2本!!
ガルネリ「カノン」と、製作途中のニコロ・アマティの装飾楽器です。
早く弾いてみたい衝動を抑えて、マエストロの説明をメモしてゆきます。
タディオリさんは、いつも同じものを製作コピーしている訳ではありません。毎年ちょっとした改良や修正&工夫を加え、実は毎年違った風合いや音の彩りがあるんです。(そう、ワインのように!)
このガルネリ・カノンモデルは、本物のカノンを管理し研究しているジェノバの製作家:アルベルト・ジョルダーノの詳細なデータ(厚みや膨らみも)を基に、コラボレーションして製作されたスペシャル・バージョンです。
2016年 アルベルト・ジョルダーノ工房訪問記
2017年 アルベルト・ジョルダーノ工房訪問記
ご覧ください、この風格!
ペグボックス裏の紋章スタンプまで再現。
オールド楽器のような外観とシルバトーンの音色は新作楽器とは到底信じられません!!
紛れもなく、マエストロ・タディオリの代名詞的作品。
この「Il Cannone」の実際のサウンドは、ヴァイオリニスト:井阪美恵さんのご協力によって動画撮影されています!是非!ご覧下さい♪
www.youtube.com
ヴァイオリニスト:井阪美恵 オフィシャルHP
www.mieisaka.com
※Maurizio Tadioli氏の本作「Il Cannone」は、本ブログ掲載前にご成約済みとなりました。予めご了承くださいませ。
尚、次回入荷のご予約も承っております。(11月の「2019弦楽器フェア」頃を予定しています。)詳細はお気軽にお問い合わせください。
さて・・・、もう1本のスペシャルな楽器は、もう、ホントに、ホントに、凄いんです。フランス王の注文でニコロ・アマティが製作した装飾バイオリン。
この装飾は、単にペイントしているのではなく、何と、木を削って、掘って、墨を入れているんです。
その手間たるや・・・、私は同じ技術者として心からの敬意を表します。(もうクレモナに足を向けては眠れません!)
なんでもオリジナルには象嵌細工と共に、緑や赤のガラス(らしきもの、、正確には不明)が埋め込まれているとか、、これも見事に再現されます。
未だに解明されていない「神秘のベール」に包まれたその製作法に迫るマエストロ・タディオリ。あなたは、本当に只者ではありません。
ここからは、さらに製作が進んだ時の写真、そして製作完成後の写真を一部公開しちゃいます!
見てください、この見事なメープルの杢と象嵌細工!!!!Bravo!!!!!
アメリカ:ワシントンD.C.にあるスミソニアン博物館群のひとつ「国立アメリカ歴史博物館(英名The National Museum of American History)」に展示されております、Nicolo Amati(ニコロ・アマティ)が1656年に残したヴァイオリン 、"King Louis XIV"。
ダブル・パフリングと、フランス王族と関係の深い紋章『フルール・ド・リス(fleur-de-lys)』を表裏に装飾し、ルイ王朝へ献上したと考えられているこの歴史的名器を、タディオリ氏によるハンドメイドで完全再現しました。
是非、ご期待下さい!
それでは、今日はこの辺で。
Ciao!!