島村楽器公式ブログ

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楽器とiPhoneをワイヤレスでつなぐ「Roland Wireless Connect」を試してみました。

こんにちはサカウエです。

先日ローランドさんから発表された、iPhoneと楽器をワイヤレスでつないで音楽を楽しむことができる「Roland Wireless Connect(ローランドワイヤレス・コネクト)」をご紹介いたします。

Roland Wireless Connectで何ができるのか?

簡単に言うとシンセサイザー等の電子楽器を、Wi-FiでiPhoneiPad、iPod Touch)に飛ばして録音したり、世界中のドラマーとV-Drumを通じて交流ができるんですね。これは今までにはないまったく新しい音楽の楽しみ方です。

対応機種など詳しくはローランドさんのサイトをご覧ください。

早速使ってみました

今回はJUNO-Di*1をお借りしたのでこれで試すことにしました(新製品のホワイトバージョン)。

ちなみに実はワタクシの作ったデモ曲が2曲、JUNO-Diには内蔵されているのです(自慢)本題とは全く関係なく恐縮です。

では早速準備。

まずはワイヤレス USB アダプター「WNA1100-RL」をJUNO-Diの USB ポートに装着します。


Wireless Connect対応アプリは、現在「Air Recorder」と「V-Drums Friend Jam」の2種類があります。今回はシンセを録音してみようということでAir Recorderを使ってみました。


あとはJUNO-Di側で無線LANの設定を行えば準備完了。

ちなみに今回、音声はすべてJUNO-Diから出てきます、「iPhoneからは音は出ていない」ということに注目してくださいね。

JUNO-Diの音をiPhoneに飛ばしてデジタル録音

ではJUNO-Diを演奏して「Air Recorder」にデジタル録音してみましたので、その動画を御覧ください。

iPhoneの画面がぼやけているのは個人情報保護のためではありません(スミマセン)

www.youtube.com

いかがでしょう、「ワイヤレスでデジタル録音」凄いですよね。iPhoneに録音された音がJUNO-Diからでてくるのが不思議な感覚、とても感動いたしました~。


ちなみに録音できるフォーマットは、WAV(16bit、44.1KHz),AAC(64.128,192,256kbps)を選択することができます

レイテンシー(音の遅延)問題をクリア

ところで、WiFi経由のデータ転送には必ず遅れが生じるはず。でも全く自然なこの感じ。
なんでー?

ハイ、原理的にはたしかにJUNO-Diの演奏は、iPhone側には「すこし遅れて」届いて記録されているハズですね。しかし実際に演奏している時は、「JUNO-Diの音を直接聞いている」ので全く問題ありません。

ダビングのときも「遅れて転送されてきた」バッキングにあわせて楽器を重ね、それがミックスされて新たなファイルを作成しているので大丈夫なんだと思います。よく考えられたシステムですね。

iTunesの曲をバックにJUNO-Diで演奏できる

Wireless Connectのすごいところは、このように楽器からiPhoneへの一方的なデータ送信では無いところですね。

他にもiTunesに入っている自分の好きな曲を「Air Recorder」に読み込んで再生し、重ねてレコーディングするなんてこともできます。*2

もちろんJUNO-Diから音が出る!やはりなんだか不思議な気分です。

なお読み込んだ曲のスピード、ピッチを自由に変更して再生できますから、コレ練習などにも向いていると思います。

ところでふと思ったのですが、iPhoneに入っている音楽を、シンセに飛ばして再生できるということは?・・・これシンセをオーディオ出力装置としても使えるってことですよね?

そのうちJUPITER-80もWireless Connect対応するらしいので、そうしたらiPhoneの音楽をワイヤレスでJUPITER-80に飛ばし、JUPITER-80のデジタルアウト出力を使って再生できるということ?・・・・と、少々ややこしい使い方も思いつきました。(他にも良いアイデア募集中)

演奏データを他のアプリに転送可能!

さてさてこうして「Air Recorder」で作成した音楽データは「AudioCopy」という規格に対応していますので、他のAudioCopy対応のアプリへコピーして使うことができるんですね。これは凄い。

「Air Recorder」をiPadで使用し、Garage Band for iPadに転送してみました。おー、これは画期的ですね。


他にも「Air Recorder」で作成した音楽ファイルは「OPEN IN」という機能を使って音声ファイルを読み込める他のアプリにエクスポートすることもできます。これでパソコンに読み込むこともできますね。

いやーこれはいろいろな使い方ができそうですね。

無線LAN親機が無くても使える。

最後に、コレなにげに凄いのですが、実は「Roland Wireless Connect」というシステムは、無線LAN親機がない場合でも「アドホックモード」という方法で、JUNO-DiとiPhoneを直接接続することができるんです。

ところでJUNO-Diは電池駆動も可能、、、ということはつまり、キャンプでBBQに飽きたら、JUNO-Di をiPhoneにデジタル録音して遊べるということですね!!

うーんこれは究極のアウトドア提案だ(しないと思いますが、自己責任でお願いします)

まあこれは極端な例ですが、場所と時間を選ばない、まったく新しい音楽制作の可能性をWireless Connectは感じさせてくれます。これから様々なハードに対応し、多くのアプリも生まれるかもしれません。

今後の進化にも注目ですね。

Roland Wireless Connect対象商品、ワイヤレス USB アダプター「WNA1100-RL」は、全国の島村楽器各店、島村楽器オンラインストアでも絶賛発売中です。

それでは。

おまけ

動画で弾いた曲の原曲(Cantaloupe Island / Herbie Hancock)はコチラ

Cantaloupe Island

Cantaloupe Island


リミックスで有名

Hand on the Torch

Hand on the Torch

*1:JUNO-Diはシステムプログラムのアップデートが必要になります

*2:DRM付き楽曲は読み込めませんが、現在は有料でiTunesPlus(プロテクトなし楽曲データ)にアップデートできます。

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