島村楽器公式ブログ

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調律師の必需品大公開「第4回 工具ケース編」

みなさんこんにちは☆
まさしく春到来!桜も満開でウキウキ気分!!セレクションセンターに咲く桜の花のような存在(?)ウチヤマです(^-^)
『調律師の必需品大公開』をシリーズとしてお話させていただいていますが、楽しく読んでいただけていますでしょうか?
まだまだみなさんに御紹介していきたい工具がありますので、これからも楽しみにしていてくださいね!

これまで、調律師の必需品として、工具、カバン、また工具・・・と紹介してまいりました。
今回はまた、工具にまつわるアイテムとして工具を収納する『ケース』についてお話していきたいと思います。

ケースって?

ひと言でケースと申し上げましても、これまた以前こちらのブログでご紹介させていただいた調律カバン同様に、千差万別になっています。
ケースは調律師それぞれが自分の大切な工具を傷つけないように保管するためのものであり、またカバンの中を整理整頓する必需品でもあります。

今回はウチヤマが愛用しているケースをご紹介していきます。

調律工具ケース


ウチヤマの調律工具ケースです。
実は手作りです(*^-^*)この中には調律に必要なチューニングハンマーやミュート類をまとめて入れています。
デニム地で、使い勝手を考えてファスナーを付けています。

工具ケース


ウチヤマの張工具ケースです。張とは、ピアノのが切れたときにを張りなおす際に使用します。
ペンチやワイヤーカッターなど、硬くて重い物が多いです。先が尖ったものや鋭利な工具を収納するので、デニム地も少し分厚いタイプを選びました。これも手作りです。
の時にはこのケースの中身+チューニングハンマー+ピアノのがあれば張ができます。

工具一式ケース


ドライバーやその他工具を一式入れているケースになります。
柄のついている工具が多いので、柄が収納できるようになっています。布製のケースで長いドライバーも収納できます。

ならし定規ケース


ならし定規ケースです。「ならし」とは「整調」作業の一つで、鍵盤の高さを整える作業のことをいいます。
その際1鍵1鍵の高さを定規で測るのではなく、基準を決めてこの長いならし定規で整えていきます。


実際に使用する場合、鍵盤に対してならし定規をこのように当てます。
鍵盤の高さを整えるとても繊細で緻密な作業になりますので、ならし定規は割れないように曲がらないように保管しています。他の工具とは別のケースに入れています。

あがき定規ケース


あがき定規ケースです。「あがき」とは「ならし」と同じく「整調」作業の一つで、鍵盤の深さを整える作業です。
「深さ」とは、指で鍵盤を押し下げる際の鍵盤が下りる距離の事。1鍵1鍵の深さを定規で計るのではなく、この右のキャラメルのようなものを鍵盤にあて、ゆっくりと鍵盤を沈めます。

このようにあがき定規を使い鍵盤の深さを測ります。鍵盤の深さを測るためのとても大切な工具になります。
あがき定規がかけてしまったり、割れてしまわないようにするために、あがき定規専用のケースに入れています。このケースはフェルトで作りました。

パンチングペーパーケース


パンチングペーパーとは、鍵盤の高さを整える鍵盤ならし・鍵盤の深さを整える鍵盤あがきの際に使用するペーパーのことです。
厚さも様々で、必要に応じて選びながらピンに入れていきます。

このように鍵盤の下にペーパーをいれて調整を行ないます。
ペーパーはとても細かいパーツになるので、このようにケースにいれて保管しています。
鍵盤ならしのペーパーと鍵盤あがきのペーパーと大きさが違います。なので鍵盤ならし用とあがき用でケースを分けています。色とりどりのペーパーは可愛いですよ。

ネジケース


ネジやナットなどを入れているケースです。ネジやナットなども細かい部品です。
ネジ・ナットとパーツごとに仕分けできるように仕切られたケースに入れています。細かい部品程、大きなカバンの中で見分けることが難しいのでこのように仕分けし保管しています。

黒いケース


この黒いケースは○印○品で見つけた優れものです。


中に4つの仕切りがあり、私の場合、修理項目ごとに工具を分けて入れています。
「この修理をしたいときにこの工具とこの工具が必要!!」というような目的別に工具を分けているため、修理にさっと取りかかれます。

接着剤など


ピアノの修理ではフェルトやクロスの貼り直しを行なうこともあります。そのために接着剤を持ち歩きます。接着剤は数種類持ち歩いていますので、このように接着剤ケースにまとめて入れています。
余談ですが・・・以前接着剤をケースに入れずにカバンの中にいれていたことがありましたが、蓋をきっちり閉めていないことがありまして・・・重い工具に押しつぶされた接着剤がカバンの中で大爆発を起こしたことがありました(^^;)それからというもの、接着剤はこのようにケースにまとめて入れるようになりました。

細いもの大集合ケース


このケース、可愛くないですか(*^-^*)実はこれ、いただきものなのです。筆箱くらいの大きさなので大きなものは入りませんが細長いものを中心に入れています。ナイフやピンセット、細い鑢などぴったり入ってくれる手ごろなサイズです。

最後に

今回はウチヤマが愛用しているたくさんのケースを御紹介させていただきました。
ウチヤマは手作りケースを中心に使用していますが、調律師によって使用している工具ケースはもちろん違います。必ずこのケースに入れなければならないといった決まりもありません。
自分の大切な工具を収納するケースは、工具を入れるだけのものではなく、調律や整調・修理などを効率よく行なうためのものでもあります。
限られた時間の中で効率よく安全に、そしてキレイに作業をするために、項目ごとに仕分けが出来るケースはとても便利かつ大切な物です。
毎日触れる工具だからこそ、ケースにもこだわって、大切に収納したいものです。

次回もピアノ調律師の工具大公開です。次回からはピアノの整調工具について大公開していきますのでお楽しみに☆・・・ところで整調って何だ???

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