みなさんこんにちは。
そろそろこのシリーズも終わりに近づいてきました。今までお読み頂き、本当にありがとうございます。
今回は、いままで紹介しきれなかった素晴らしい工具たちをご紹介いたします。いわゆる「番外編」のはじまり〜。
「使えそう?な工具ではなく、絶対に使える工具を揃える!」
とにかく情報収集!同業者の工具カバンの中身と作業風景は有力情報の宝庫!!!イケてる工具を使っている人を見つけたら、とにかく色々聞いてみる。
「自分で作れそうな工具は、自作する!」
数時間も工具売り場に居座るより、時間と体力を使って必要な物を作り出す。
という訳で、社内の同僚達の工具カバンの中を隅から隅まで漁らせて頂きました。予想はしていましたが、やはり各自こだわりの逸品を隠し持ってました。
この際ですので皆さんにそのいくつかをご紹介させていただきます。
センターピンケース
センターピン(ピアノのアクションの中に使われているピン)を入れているケースです。
太さ別に10種類以上もあるピンを、分別して収納するようになっています。量張らず、ピン選定時にピンが混ざったりする事もなく、大変重宝します。
ネジ磨き台
ベニヤ板に多くの穴を開けただけのものです。錆びて変色したネジの頭を磨く時に使います。
2枚目の写真のように穴にネジを入れて、その上からまとめてゴシゴシとネジを磨きます。1本1本手でつまんで磨いたり、様々な錆取りの薬品を使用したりする事もなく、ゴシゴシ磨くのみです。その効果は絶大です。
製作費用 | タダ。余った木片にドリルで穴を開けるだけ。 |
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製作時間 | 10分弱 |
整音台
これは木片に切れ込みをいれてフェルトを張っただけのものです。アップライトピアノの整音をする時に使います。アップライトピアノの整音をする時には、アクションを手前に倒して作業をするのですが、整音台を鍵盤の上に載せ、ハンマーをしっかりと下から支え安定させます。
無造作に切れ込みを入れている訳ではなく、黒鍵の間隔を考慮し緻密に計算して切り込みを入れてあります。もちろん鍵盤を傷つける事のないようにフェルトを貼ってあります。
製作費用 | 数百円。木片とフェルト |
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製作時間 | 数時間。 |
素晴らしい様々なアイデア工具いかがでしたか?
技術者のこだわり、熱意、むしろ執念?が伝わったのではないでしょうか。部署内一の工具ヲタを自負しておりましたが、周りの技術者の工具へのこだわりを改めて目の当たりにし、少々自信をなくしてしまいました。(笑)
これからもしょげることなく、時間と体力を工具売り場で浪費することなく、工具ヲタの同志たちのアイデアや工夫を参考にして、万年工具貧乏を脱出していきたいと思います。
さて、調律師のカバンの中身紹介もそろそろ大詰めです。
次回は、今まで工具紹介をさせていただいたウチヤマとナカウチが、それぞれ一番お気に入りの逸品と工具への熱い想いを存分に語らせていただきたいと思います。お楽しみに。
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ピアノセレクションセンターは、専用工房を併設したアコースティックピアノ専門のショールームです。
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