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【2016楽器フェアレポート】DTMソフト、MIDIキーボード、オーディオ・インターフェース編


この記事では2016年11月4日(金)、5日(土)、6日(日)東京ビッグサイト西1・2ホールにて開催された楽器フェア2016の会場で見かけたDTM機器全般をご紹介したいと思います。

Steinberg (スタインバーグ)

現在発売中のオーディオインターフェース「URシリーズ」。上位モデルから「UR824」「UR28M」「UR44」「UR242」「UR22MK2」「UR12」が展示されています。
URのラインナップの中でもここ最近では、プラグインエフェクトとDSPエフェクトが手に入る「UR242」がギタープレイヤーを中心に人気が高まっています。




その展示の中にまもなく発売される「UR22mkII Recorder Pack」もありました。
通常の「UR22mkII」との違いは、マイクヘッドホン、そして「Wavelab LE」が付属する点です。

「Wavelab LE」は、波形編集ソフトといわれ、CubaseなどのDAWソフトと違い、、2トラック(ステレオ)のオーディオ編集を行うことに特化したマスタリングの工程をメインにするソフトのこと。簡単にいうとCubaseなどで仕上がった楽曲を「Wavelab LE」に読み込み最終的なオーディオ(2Mix)仕上げを行います。

ノイズの除去やオーディオレベルの調整、CD-TEXTの埋め込みやISRC コード生成、そしてCDに書き込みまでを担当し、もちろん、「オーディオCD」の制作までができるということは、曲順や曲間の調整が行えるのでノンストップのCDを作ることもできます。


こちらが「UR22mkII Recorder Pack」のセットに含まれるコンデンサーマイクSteinberg 製初(?)となるマイクですね。マイクマウントやマイクケーブルも付属します。
試してみましたが個人的な感想として音質はボーカル向けです。低音楽器の収録は得意としていないかもしれません。


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そしてもう一つセットに含まれるスタジオモニターヘッドホン

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ヤマハの「HPH-MT5」や「HPH-MT8」と同じように耳に当てる部分が斜めになっています。


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Roland (ローランド)


現在発売されているオーディオインターフェース「UAシリーズ」。上位モデルから「STUDIO-CAPTURE」(写真一番下)「OCTA-CAPTURE」(写真中央)「QUAD-CAPTURE」(写真一番上)です。
パープルがかっていますが、カラーチェンジしたわけではありません。照明の関係上この色になっています。



そして、こちらが新製品の「UA-4FX2」。待望の「UA-4FX」の後継機種になります。約6年ぶり(?)でしょうか。。

今は浸透している配信に便利なループ・バック機能ですが、その火付け役になったのが旧モデル「UA-4FX」です。このモデルは生放送配信をされている方に愛用され生産が終了になった時には本当に多くの方から惜しむ声がありました。なぜ?このモデルが配信用のオーディオインターフェースとして好まれたのかにはいくつかの理由があります。

まずはループバック機能。これはパソコンのアプリケーション(例えばiTunesやWindows Media PlayerやInternet ExplorerやChromeなどのWEBブラウザ)からの音と本体に接続した楽器やマイクの音声と一緒にアプリケーションに出力させるというもの。例えばYouTubeの音に合わせて歌ったものをDAWソフトに録音するといったことが可能になります。そのため放送のBGMや歌ってみたなどのカラオケにぴったりなのです。

ただ、このループバック機能は「UA-4FX」よりも前からあった機能なので特別ではありません。人気になった最大の理由はループバック機能に加えエフェクトが掛けられ、しかも操作がシンプルで使いやすいというのが挙げられます。
例えば歌ではリバーブ(カラオケボックスでいうエコーのこと)がないとカラオケ(音源のこと)との距離に違和感が出てしまいます。また、飛び道具的なエフェクト、いわゆるボイスチェンジャーはちょっとしたトークのときに使えます。こういったエフェクトが本体ひとつでしかもツマミを回すだけで得られるため放送用として多くの方に使われるようになりました。



「UA-4FX2」は基本的には「UA-4FX」の”まんま”です。3つのモードをセレクトボタンで選び、各モードに合わせて用意されているエフェクト4つを同時に使うことができます。

「UA-4FX」との違いは、まずエフェクトの質が一新しています。とくにチューブ・シミュレーターはかなり良い。歌でもギターでも”つかえ”ます。次にサンプリング周波数が192kHzまで対応になっています。192kHzで制作される方はまだまだ少ないと思いますが、「UA-4FX」では現在の標準になりつつある96kHzでも制限がかかってしまったのを比べると大きいと思います。そして、ON・AIRスイッチ。これは音声をオン/オフできる便利機能。例えば放送中にトラブルが発生してこちらの音を一時的に遮断したい時にワンタッチ操作で音声のみオフさせることができます。



また、「UA-4FX」はコンパクトなサイズでしたが、さらに「UA-4FX2」ではA6サイズと小さくなっています。文庫本と同じくらいでしょうか。限られたデスクスペースではなるべく省スペースの方が嬉しいですね。
今述べた以外にも細かい部分で違いはありますが、メインとなる違いは以上です。

待ちに待った「UA-4FX」のバージョンアップ。待ちに待ちすぎて違う製品を買ってしまった方も多いとは思いますが、今後は配信用オーディオインターフェースの定番機種の一つになるのは間違いなさそうです。


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KAWAI (カワイ)

こちらはKAWAI ブース。


楽器フェアと同時に発表されたスコアメーカーの新シリーズがお披露目されています。
今回のバージョンはスコアメーカー11ではなく、「スコアメーカー Platinum」「スコアメーカー Standard」「スコアメーカー Elements」とグレード名が語尾に付く形となりバージョン表記はありません。これは機能、使いやすさ、画面の構成を大幅に変更したため新しく生まれ変わったという意味を込めて無印にし新スコアメーカーとしたそうです。


実際に大きく変わった楽譜認識を試してみました。

まず、ナビゲーションが配置されています。下の画像のパソコン画面左側ですね。これに従って進めていくと認識の工程がスムーズに行えます。パソコン画面右側はスキャナで取り込んだミニスコアですが、見開き(2ページ分)が行えることがわかります。これも新機能ですね。


記号は、どこまで抽出するか深さをスライダーで変更します。青くなっているのが認識された記号です。記号はとくに読みにくいので予めなにが認識されているか分かるのは嬉しいですね。


この工程の最中に記号を変更することも簡単に行なえます。


そして、今回より歌詞の範囲指定ができるようになっています。これにより歌詞の認識精度がより高くなります。


そして、認識されたのが下の画像です。まだまだ絶対的にとはいえませんが、他の認識ソフトに比べかなり正確性が高いことがわかります。


微調整は実際の譜面と照らし合わせながら行えます。
例えば、1小節目の16分休符の場所が上手く認識できなかったようなので、それを譜面を見ながら移動することができます。



今回紹介したのは楽譜認識機能のみですが、こちら以外にも大幅に改良され一新されています。詳しくは下記をご覧ください。

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INTERNET (インターネット)

インターネットのブースでは「ABILITY 2.0」が展示。

新製品はありませんでしたが、今年新しく追加されたマイナーバージョンアップ部分を説明していただけました。


まず、ステップシーケンサーが64分音符が入力できるようになっています。


ダブルクリックすると表示されるノートパラメータ変更で2分割(4分割以上も可能)が行えるのですが、こちらは音程変更ができない装飾音的なものと言えばよいでしょうか。例えばドラム―のフラム奏法がこの機能によってできるようになります。


こちらはほとんどのDAWソフトで行えますが、トラックからソフト音源の選択/変更が行えるようになっています。


これらの細かな機能変更はユーザーの意見を元に反映しているそうで、まさにこれは国産DAWだからこそできるカタチですね。
Singer Song Writerの頃は鼻歌入力や楽譜からの打ち込みが定評ありましたが、その部分を残しつつもこうして着実に一歩づつ進化していっているのがわかります。


2016年11月末まで、オーディオインターフェースに同梱するソフト(CUBASE AIやLE、SONAR LEやLive Lite)でもクロスグレードできるキャンペーンを行っていますのでぜひこの機会に導入してみてはいかがでしょうか。例えばABILITY Proであれば通常よりも22000円以上もお安く購入できます。
4,100種類のオーディオフレーズ集、3,400種類のMIDIフレーズ集、「BFD Eco」「KOMPLETE ELEMENTS」も手に入るので現在使っているDAWソフトに組み込むのもおすすめです。

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BITWIG (ビットウィグ)

Surface Bookと一緒にBITWIG が展示されています。


タブレット&PCの10点マルチタッチに正式対応する唯一(*)のDAWソフト(*)ということもあり、画面のみでどこまで制作できるかが試せます。
*タブレットの切り替え可能

エフェクトや打ち込みなど、タブレットでも楽曲を作ることができます。


また、マルチタッチ対応によりピッチベンドを上下同時にすることができます。例えば、ドの音はピッチを上げ、レの音はピッチを下げるといったユニークなことが同時に行えます。


Universal Audio(ユニバーサルオーディオ)
Nektar Technology (ネクターテクノロジー)

今年から国内発売を開始したNektar TechnologyとUniversal Audioのコーナー。

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こちらは、Nektar Panorama 。デザインが良いですね!
制作用でも演奏用としても対応できるよう豊富な機能を搭載しています。

こちらはMIDIキーボード・コントローラー Nektar Impact 。展示は49鍵盤モデルです。

もちろん人気オーディオインターフェース「APOLLO TWIN」も展示されています。


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