島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

6月はベースの季節!? べーシストタナカがエレキベースの選び方を教えます。

こんにちは。バイヤーのタナカです。
もとい、
今回はべーシスト「タナカ」と名乗らせてください!

これまで、記事の中でも度々書いてきましたが、タナカはまじりっけのない(?)純度100%のべーシストでございます!

今回はいつも以上に熱くてすみません。
それもこれも、原因となったのがコレ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

みなさん、ご覧になりました?
苦節ウン十年!「暗い」「地味」といわれ続けたベーシストがついに日の目を見る時代がやってきたのでしょうか?

そんなわけで、今回の記事では、ただ今人気が沸々と上がってきているエレキベースに注目したいと思います。

6月はベースの季節!?

今回の記事のタイトルにもあるように、6月ってベースの季節なんです。
え?なんで?って思う方もたくさんいるでしょう。
実は6月からベースをはじめる人って多いんです。

楽器をはじめるきっかけとして比較的多いのが、中学・高校・大学などの新入学時期。
4月・5月の軽音楽部やサークルの中を覗いてみると、ボーカル志望とギター志望のコで溢れかえっているんです。
で、足りないのがベースとドラムのコ。
そんなことから、ベース探しが始まる。
6月はボーカルやギタリストの友達に誘われてベースを始める・・・というケースが発生しやすい季節なんです。納得ですよね?

ベースの役割

「ベースって目立たないし、何やっているかわかんない・・・」なんて悲しいことをいわれがちなパートですが、バンドの中でのベースはとても重要な役割をしています。

ベースの一番の役割は、[bf:曲に厚みを持たせ、ノリをよくすること]です。

普段何気なく音楽番組を見たりCDを聞いているだけでは感じ取りにくい重低音ですが、実際にベースを触ってみると、その存在感の高さと重要性が理解できるようになります。

ところで、どんなベースがあるの?

ベースにはギター同様、様々な形や種類がありますが、代表的なものはこの2つ。

プレシジョンベースタイプ

プレシジョンベース(略してプレベ)は、1951年にフェンダー社から発売されたエレキベースで、ベースの元祖と言えるモデルです。
特徴をひと言でいうと、[bf:ネックが太く、音も太い]。とにかくパワフルなモデルです。
それまでもエレキベースは存在したのですが、量産販売されたのはプレベが初めてなんです。
今はフェンダー社だけでなく、多くのギターメーカーからそれぞれのカラーを反映したプレベが発売されています。

ピックアップにはスプリット・シングルコイルといわれる小さなタイプが2段一組として搭載されています。プレベ特有の重低音はここから生まれています。

音楽のジャンルで言うと、最近ではパンクやメロコアなどのロック色が強いバンドで使用される印象が強いです。とはいっても最初のベースなので、極端な話、発売当初はどんなジャンルにも使用されていました。

有名な使用ミュージシャンだと、古くはアメリカのレコードレーベル『モータウン』でおなじみのジェームス・ジェマーソン。マーヴィン・ゲイやスティービー・ワンダーなど数々の有名なアーティストの作品に参加しております。
あのマイケル・ジャクソンがいたジャクソン5の名曲「Darling Dear」を演奏しているのもこの方です。

タナカも大尊敬しており、ありがたくコピーさせていただきました。

また、プレベといえば忘れてはいけないシド・ヴィシャス(セックスピストルズ)。

プレベの認知度を高め、パンクのベース=プレベという図式を作り上げた一人です。
演奏面は置いといて(笑)とにかくプレベが似合っていました。

他には、フランシス・ロッコ・プレスティア(タワーオブパワー)やスティーブハリス(アイアンメイデン)あたりも有名ですね。

ジャズベースタイプ]


ジャズベース(略してジャズベ)は、1960年にフェンダー社から発売されたエレキベースです。
プレベよりも幅広い音楽ジャンルに対応できるようにサウンドバリエーションを増やそうという目的のために作られました。
こちらも今はフェンダー社だけでなく、多くのギターメーカーからそれぞれのカラーを反映したプレベが発売されています。


ピックアップには、この形状のものが2個搭載されています。

一般的にこちらのピックアップはそれぞれフロント、リアと呼ばれ、距離を持たせて設置することで異なるサウンドを出すことができるようになっています。
フロントの音はやわらかく、リアの音は硬く輪郭がはっきりしているようなイメージです。
2個のピックアップのバランスを調整することで、幅広いサウンド・メイキングができます。
サウンドバリエーションが豊富なので、ジャンルを問わず様々なタイプのベーシストが愛用しています。

有名なミュージシャンでは
スラップ奏法の生みの親 ラリー・グラハム


音楽プロデューサーとしても活躍しているマーカス・ミラー


伝説のベーシスト ジャコ・パストリアス

ジャコはジャズベースを改造したフレットレスも使用していました。

『プレベ』と『ジャズベ』の違い、お分かりになったでしょうか?
バンド仲間や楽器店スタッフと話すときにもっともよく出てくる単語ですので、しっかりと覚えておいてくださいね。

アクティブタイプとパッシブタイプってなに?

ベース用語としては、『プレベ』と『ジャズベ』と並んで頻繁に登場するのが『アクティブ』と『パッシブ』。こちらもアタマにいれておきたい単語です。

『アクティブ』とは、アクティブ回路が搭載されているベースのことです。
アクティブ回路が搭載されていないものは全て『パッシブ』タイプになります。

アクティブ回路とは、音の出力を上げる目的で使用されるものです。プリアンプを使うことで出力を上げることができます。
プリアンプとは、アンプの一種で、主に音響機器から出力された信号を調節するために用いられるアンプのことです。プリアンプを使用することによって、音の質やトーンを整え、出力される音質の向上を図ることができます。

ちょっと専門的な言葉と内容になってきましたが、わかりやすく特徴をまとめるとアクティブタイプの音は、きらびやかでパワフルってことですね。

アクティブかパッシブか。最も簡単な見分け方は、ボディ裏にある電池穴です。
アクティブ回路には電池が必要です。電池がなくなってしまうと音が出ません。

ちなみに、自分のベースがアクティブタイプってことを知らずに「音が出なくなった」といってお店に修理に持ち込まれる方も多いんです。
モデルによっては電池穴がボディ裏にないタイプもあるので「壊れた!」と焦らずに、まずは確認するのを忘れないようにしましょう。

結局、どれを選べばいいの?

楽器を選ぶのに、これがベスト!という答えはありません。
仮にタナカがベースを選ぶとしたらここを見る!っていうポイントを優先順位つきであげてみました。

  1. 弾きやすさ
  2. 誰が使用しているか

「1番は音でしょう」と言いたいところですが、やはり見た目は重要です。
心からかっこいいと思える楽器でなければ、どんなに音が良くてもタナカは選びません。
ちょっとミーハーですかね。でも長く楽しむには“形から入る”って結構大切です(笑)。
だから1.形 2.色はとても重視します。

続いて3.音ですが、「良い音の基準」って何?といわれると答えは難しいですね。
その時に自分が出したい音、欲しい音というのをイメージするのが良いと思います。
既にベースを持っている方は、サウンドキャラクターが違うものを選ぶのも一つの手ですね。
また、タナカはベースがしっかり鳴っているか確かめるためにアンプを通さず生で演奏して体に伝わってくる振動を感じてみたりと様々な状況で試してみたりします。

弾きやすさはベースのスケールによっても変わってきます。

「ショート」「ミディアム」「ロング」と種類があり、それぞれネックの長さが違います。
一般的にはロングのものが多いのですが、手が小さい方や女性の方は一度ショートやミディアムのものと弾き比べてみることをおススメします。
タナカは手にしっくりくるか、すべりやすいか、の幅などを気にしながら弾いてみます。

誰が使用しているかというのも一つのポイントです。

最初の1本目は好きなアーティストが使っているタイプと同様のものを選べば、必然的に基本的な音も似てきます。音が近ければ、そのアーティストの音作りを探ることも比較的容易です。
自分の音作りの幅を広げる良い方法といえます。逆に、形やタイプを選んでから使用ミュージシャンを探すというのも賢いですね。

とくに自分の欲しいベースのイメージが決まっていないというのであれば、やはりサウンドバリエーションが豊かなジャズベースがおススメですね。

試奏してみよう!

ここまで、なんだかんだとタナカのウンチクを並べてはみましたが、一番は、実際にお店に行って試奏してみることをおススメします。楽器店には、自分の価値観や優先順位を180度覆してしまうような楽器との出会いもあります。
「といわれても、人前で弾くのは恥ずかしい・・・」という方も多いはず。そんなときは店員さんにお願いして、弾いて聴かせてもらうのもアリですよ。そのときに、自分の好きなミュージシャンが誰なのかを店員さんに伝えておけばカンペキ。より具体的なおススメのベースを紹介してくれるはずです。
ご自身にぴったりのベースとの出会いを求めて・・・
島村楽器のスタッフは、みなさんのご来店を心よりお待ちしております。

「お店が近くにない」「まずはネットで調べたい」という方はこちらへどうぞ。
『島村楽器オンラインストア』でも様々な種類のベースを見ることができます。

まとめ

どうでしょうか?少しでもベース選びの参考になれば幸いです。
機会があれば演奏のポイントやコツなどもこの場で紹介させていただくかもしれません。

おまけ。「人力検索はてなアンケート」を使ってアンケートを取ってみました!

せっかくはてなでブログをやっているのだから・・・ということで、はてなのサービスの一つである「人力検索はてな」のアンケートに初挑戦。
Amebaと同じ内容のアンケートをとってみました。今回は限定300人の方にご協力いただきました。

結果はこちら↓


パート 回答数
ボーカル 111
ギター 45
ベース 37
ドラム 23
キーボード 71
その他 13
合計 300

はてな内では、またちょっと違う結果になりました。
1位はバンドの花形であるボーカルです。
2位はなんとキーボードでした。
20代女性の方の投票が多かったことも影響しているのかもしれません。(全71票中56票)
また4位のベースでは30代男性からの投票を多くいただきました。(全37票中23票)
今回は軽音楽のバンドパート中心にアンケートを行いましたが、吹奏楽やジャズバンドとしてのパートが好きという熱いコメントもいただきました。

ご協力いただいたみなさん、ありがとうございます。

では、また来週!

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