島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

2020年春 弦楽器買い付けレポートその2「フランス編 Part2」

今回の買い付けは、2020年2月13日~2020年2月21日に行いました


Bonjour‼︎ グランフロント大阪店店長の古西です。
買い付け2日目は早速マイスター茂木と合流し、Paris Gare de Lyonへと向かいます。午前中に訪れるアトリエは今回初の訪問です。

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電車を乗り継ぎ向かった先はYann Porret 氏のアトリエ。

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非常に洗練されたアトリエであり、2階には演出されたショーケースに多数陳列されています。

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早速ですが我々の要望を伝え、モダンフレンチを中心に選定開始です。
糸山、マイスター茂木はバイオリンを入念に検品&選定を行う一方、筆者はチェロを選別し選定。

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お互いに様々な角度から意見を出し合い、選定が進んでいきます。
全体的に非常に音が良質な為Porret氏に調整お伺いすると、バスバーは年月をかけて劣化してくる為、全て新しく変えているとのことです。
なかなか手間のかかる作業で進んでやる作業ではないため、全て変えているとは驚きです。
またPorret氏が手がける楽器は、駒も全て変更、隅々まで調整が行き届いており、マイスター茂木も太鼓判です。
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選定が進む中、分数チェロを発見!見せていただくと非常に状態も良く、1/2サイズとは思えないパワフルなサウンドに惹きつけられます。
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一通りチェロの選定が終わり更に気になるチェロが2挺、、、、。両方とも抜群のコンディション。
なかなかチェロでコンディションの良いものには出会えません。他のチェロも再度吟味に吟味を重ねて今回はその内の1挺を仕入れる事にしました。

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Mirecourtのモダンフレンチ。見た目はThe Mirecourtといった風貌であり、音はパワフルかつディープサウンド、高音は華やかさを兼ね備えた、魅力的なチェロです。

Modern French cello , Mirecourt 1920

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また、バイオリンは多数選定した結果、3艇買い付けることが出来ました。

Label Antonio Stradivarius 1715, France - Mirecourt, ca1930

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Jerome Thibouville Lamy, France - Mirecourt, 1910

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Jerome Thibouville Lamy, France - Mirecourt, ca1910

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モダンフレンチ特有の気品のある華やかさ、落ち着きを兼ね備えたバイオリンです。比較的リーズナブルな価格でご提案できる3挺です。



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マイスター茂木が再度何やら吟味中。やはり1/2のチェロが気になっています。再度徹底検品。
コンディションが抜群であり、モダンチェロの分数は滅多に出会う事がないため、悩んだ末こちらも仕入れる事に決めました。

*Modern German cello ,1/2 Markneukirchen 1930

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3時間かけての選定は非常に素晴らしい時間でした。Porret氏は非常に気さくな方でです!Merci!!!

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午後の買い付けに備えてまずは食事へ。
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次の場所は、Rue de Rome通りに戻り、Guy Coquozへ。ここでもお目当てはモダン、オールドバイオリンです。
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気になるモダン、オールドバイオリンをチョイスし、地下の試奏室へ。どれも抜群の鳴りです!!

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弾き心地も良く、非常に深い音色は魅力的ですね。ただ、音色が良くてもコンディション、で状況は変わりますので、検品開始。

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悩んだ末今回は買い付けを断念しました。必ずしも買い付ける事ができるとは限りませんので難しいところです。

Rue de Roma通りにある C.Bechstein Paris
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次に訪れたのは、Pierre Caradot氏の工房。お目当てはChristoph Schaefferの弓です!

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Pierre Caradot氏のもとでも、入念にChristoph Schaefferの弓を選定&検品です!木材の状態、重量、弾き心地を慎重に確認。

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オールドフレンチボウ最後の巨匠、ベルナール・ウーシャ(Bernard Ouchard)より材料を譲り受けた後継者とされる、現代最高のフレンチ弓職人のひとり Christoph Schaefferの弓は、世界のプロ奏者のオーダーが絶えない、素晴らしいフレンチBowメーカーです。

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今回はなんと!3本買い付けることができました。非常に幸運です!3本とも弾き心地が全く違いバリエーション豊富なChristoph Schaefferのバイオリン弓を仕入れる事ができました。
その内2本をご紹介。

Violin Bow; Christoph Schaeffer, France - Avignon, 2020
Christoph Schaeffer Violin Bow 60.8g

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Violin Bow; Christoph Schaeffer, France - Avignon, 2020
Christoph Schaeffer Violin Bow 60.6g

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Violin Bow; Christoph Schaeffer, France - Avignon, 2020
Christoph Schaeffer Violin Bow 61.1g

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また、Gold Bowを2本オーダーすることにし、チップや材についても細かく最終確認を行いました。
仕上がりはまだ未定とのことで、確認できるのが待ち遠しいですね.
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2日目の買い付けはこれにて終了です!
3日目はパリに次ぐ第2の規模をであるリヨンを訪れます!A bientôt!

今回買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木が買い付けを行った楽器は、5月〜7月各地(グランフロント大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・松本パルコ・南船橋・イオンレイクタウン・仙台泉・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。


2020年春 楽器買い付けレポート

2020年春 弦楽器買い付けレポートその1「フランス編 Part1」

今回の買い付けは、2020年2月13日~2020年2月21日に行いました


グランフロント大阪店店長の古西です。
今回の買い付けは、フランス、オーストリア、チェコ、ドイツ各国の工房を巡ります。
今回もシマムラストリングス秋葉原店長の糸山と一足先にフライトです!マイスター茂木は後々登場しますので、是非お楽しみに♪

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12時間のフライトを経て、シャルル・ド・ゴールに到着。

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早速我々は楽器屋さんが通りにずらりと並ぶRue de RomeにあるSandrine Raffin氏の工房へ。

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サンドリーネ氏は昨年グランフロント大阪の楽器フェスタにて、弓のセミナーを開催頂きました。
大盛況で幕を閉じ、また弓の毛替えも限定10名で行っていただけ、あっと言う間に満席と、当日は皆さま大変ご満足いただけ、注目度の高さが伺えます。

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前回の楽器フェスタでの弓セミナーの様子

www.shimamura.co.jp


楽器屋さんが通りにずらりと並ぶRue de RomeにあるSandrine Raffin氏の工房へ。

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毎回ご好評いただいております、Sandrine Raffin氏ですが、再度紹介させていただきます!
Sandrineは1972年フランス生まれ。
19歳で弓づくりをはじめ、1992年から世界最高のオールド弓鑑定家である父:Jean Francois Raffinのもとで弓働き始めます。
2012年フランス政府より最も優秀な職人にのみ与えられる称号「Maitre Artisan en Metier d'Art(Master craftsman in bow making)」を授与され、創造性溢れる芸術的センスに富んだ弓製作家には、パリに立ち寄る多くの有名演奏家からの信頼を集めています。

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部品からすべてオールハンドメイドですので、沢山製作ができませんし、メールオーダーではなく、1本1本入念に検品しながら選定を行い、上質な弓の中から、極上の逸品を探す作業となります。
Sandrineは、父Jean Francois Raffin氏の仕事を手伝うことが多く、オールド弓修復のエキスパートとしてここRue de Romeで腕を鳴らしています。

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選定を重ねた結果、今回は以下の弓を仕入れことに決めました。

Sandrine Raffin, France - Paris, 2020
Model; Eugene Nicolas Sartory

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このモデルは20世紀最高の弓製作家:サルトリーの弓を再現した逸品。コシがあり力強くアグレッシブな演奏を可能にし、レスポンスの良さとクリアーな音色が、演奏家のインスピレーションを表現してくれます。

また、父:Jean Francois Raffinセレクト、1930'sのブラジルウッド・オールドボウを、お手頃価格の新しいカテゴライズとしてご提案させて頂く予定です!

Old German Bow with French Frog, 1930

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こちらはおよそ90年前に製作されたブラジルウッド材を使用したドイツ製弓。J.F.Raffin氏の鑑定により、毛箱はフランス製であることが分かっています。J.F.Raffinレターが特別に付属します。

Jerome Thibouville Lamy, France- Mirecourt, 1930

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こちらもJ.F.Raffin氏の鑑定によってミレクールのJTL工房で製作されたオールドボウだということが分かってまして、同じくブラジルウッド古材を使用しています。J.F.Raffinレター付属。

また今年も素晴らしい弓を買い付けることができました。皆さんに是非見ていただきたい逸品です。

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フランスに到着して既に3時間経過。そろそれお腹も空いてきた頃で、皆で食事に!

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夕食は"Salade de gesiers"。砂肝のサラダで、いつも必ず食べているお気に入りのメニュー。サラダでお腹いっぱいになります。料理をする糸山曰く、自宅で再現できそうで出来ない、中毒性のある味です。

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真ん中のお嬢さんは、今J.F.Raffinのもとで修行中のサンドリーネの次女:Jade Bigotさん。未来の巨匠です♪

それでは、Au revoir!!

今回買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木が買い付けを行った楽器は、5月〜7月各地(グランフロント大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・松本パルコ・南船橋・イオンレイクタウン・仙台泉・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。


2020年春 楽器買い付けレポート

ルシアー駒木のギターよもやま話 その107「前回当選出来なかった皆さまへ朗報!!」

皆さまこんにちは。
先日休憩の時に喉が渇いたのでコンビニに向かったのですが、店頭で美味しそうな肉まんが目につき購入。
食べ終わって、、、飲み物を買うのを忘れていた事に気が付いた、
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ルシアー駒木です。


今日は、
もったいぶらずにいきましょう!

もう説明不要。

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おかげさまで、晴一さんファンの皆様にもメインギターの1本と認知して頂きました、

Jimmy Wallace Korina FV
コリーナウッドの抜けるサウンドは最高ですよね。

晴一さんの1号機に続く2号機の入荷は、さすがに応募殺到となりました。

応募頂きながら、楽器をお届け出来なかった皆様へは申し訳ない想いでいっぱいでした。
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そんな皆様へ、朗報を!!

そうです、年末の旅

で、3号機を入荷いたしました!!
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いかがですか!?
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たまらん!カッコよすぎる!
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今回も素晴らしい仕上がりです。
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という事で、今回も購入希望の方を募らせて頂き、厳正なる抽選のもと、お届けしたいと思います。

前回同様になりますが、申し込みは、わたくしがトークショーツアーを行った以下の店舗でお願い致します。

抽選エントリー受付期間 2020年2月13日(木)~2月19日(水)
抽選結果発表 2020年2月20日(木)12:00

を予定しております。

ファンの皆さま!お待ちしております!!

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ルシアー駒木でした。

その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

ルシアー駒木のギターよもやま話 その106「JIMMYのサプライズ」

みなさんこんにちは!

冬は食べ物がおいしい!出張中の外食も増量しがち。

腹はパンパン、ズボンもパンパン、上着もパンパン、
だけど財布がスッカスカ
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ルシアー駒木です。

さて、今回は緊急サプライズ速報です!
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以前のブログ
ルシアー駒木のギターよもやま話 その92「春はやっぱりダラスが熱い!」前編 - 島村楽器公式ブログ
でまず皆さんをザワつかせ(笑)

こちらの(大輔さんゲスト出演)山口和也さんの動画
www.youtube.com
がとどめとなり、問い合わせ殺到となりました、

JIMMYTONE!!

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動画では大輔さんも鳴らしてくれました。
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ブログ&動画アップの後、大袈裟でなく問い合わせ殺到しちゃいまして、
こりゃ困ったぞと。
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どうやって販売しようかなと、思いまして、、、

実は、
こちらのブログ
ルシアー駒木のギターよもやま話 その96「緊急告知!!!」 - 島村楽器公式ブログ
で告知をした、「アメリカ買い付けギターショー全国ツアー」の会場でのみ、
トークショー参加者だけが予約可能!という形を、コッソリと取らせて頂いておりました。
更に参加者の中でも各会場数名だけの個数限定。

予約された皆様は、「冬頃入荷」というものすごくザックリした納品時期(笑)に、きっとヤキモキしながら待たれていた事と思います。

そしてついに!先日のJIMMYギャラリー訪問の際に、無事持ち帰る事が出来ました!!!
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大変お待たせいたしました。
という事で、2月に入る頃に、各店舗に発送が出来る予定です。
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、、、でね(笑)
ここでサプライズなんですヨ。

流石はJIMMY!やってくれます!

いいですか?いきますよ?




ドドン!!!!!
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何と!全部色違い!!!!!
この写真でも全色写してはいません。

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すげえ!!そして全部カッコいい!!


中には、一見同じカラーの物もあるのですが、
見てこれ
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ノンエイジドとエイジドになってるの。流石です。

これさ、JIMMYのこのサプライズ感満天のお遊びを尊重して、私、色見ないで各店に発送する事にします(笑)
何色が届くかは到着してのお楽しみ!全員世界で1個のエフェクターだ!

店からの入荷連絡を楽しみにしててね~!

ルシアー駒木でした。
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その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

ルシアー駒木のギターよもやま話 その105「あのとんでもないサウンドを解析しちゃおう!」

皆さまこんにちは!

先日郵便局に行ったのですが、帰りしな「寒い中有難うございます(ニコリ)」と声をかけてもらい、

ああ、人ってこういう一言で幸せになれるもんだなあ、とホッコリした
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ルシアー駒木です。
私もそういう一言が自然に出てくる人になろう。そんな1年にしよう。


さて、
話題となりました、こちらの回。

こちらのツール、ブログ掲載後も継続してテストを実施。
かなりいい具合。
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ですが楽器を弾くのが私では限界があります。演奏は本業ではないですからね。
そうなるとここはプロの手を借りる必要があります。

そうだなあ・・・
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どなたがいいかなあ・・・

・・・
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そうだ!
うん。
あの人しかいないですね。



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福田洋也さん

ヒロヤさんには過去にもブログ登場して頂いていますが、HistoryのNT-S3というモデルを元にしたカスタムギターを使用して頂いております。
イベントに参加された事がある方や、ヒロヤさんのライブで体験された方ならばわかって頂けると思いますが、これがとんでもないんです(笑)
え?アコギこんな音出る!?って驚く事間違いなし。

言葉で書くと上手く伝わらないんですが、パワフルなんです。
すんごい音量と音圧。だからこそ繊細さも活きる。
なんですけど、「力任せ」ではないんです。その証拠に、が切れない。
ギターテック的にお手伝いさせて頂いた時も、レコーディングでも、
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切れないんです。
つまり「単なる力任せに強く弾く」、、、ではない訳です。もしそうなら切れるはず。
じゃああの音圧はどこからくるんだろう。

解析して見たら、何か少しはこの謎に迫れるかもしれません。
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解析する対象(ヒロヤさんすみません笑)としてこれほどピッタリの方は他にいらっしゃいません。

場所は錦糸町パルコ店
部屋内にマイクを設置して、集音していきます。
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後から細かな解析が出来るように、録音もしておきます。
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では、録音した音を波形で見てみましょう。(赤がピーク、緑が3秒後です)
ヒロヤさんの波形がこれ。
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出力充分ですし、波形が綺麗に整っています。
3秒後の波形を見ても奇麗にそのまま時間経過に応じて減衰した感じですね。

そして比較として私が普通に弾いたものがこれ。
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波形の感じは似てはいますが、明らかにヒロヤさんよりも出力が小さい。
上の方の倍音も少ないですね。3秒後の落ち込みも大きいようです。

そして私が聴感上の音量がヒロヤさんと同じ位になるように真似して強く弾いたのがこれです。
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確かに出力は近くなりましたが、波形がヒロヤさんのように綺麗ではありませんねえ。私が普通に弾いた時とも違って、形が乱れています。振動が乱れているって事ですね。

要は倍音がグチャグチャの状態。力任せに弾いたので多分こうなってしまったのでしょう。
しかも振動が乱れているから、強く弾いたのにサスティーン(緑の波形)でもヒロヤさんとの差は歴然。



それにしてもヒロヤさん、凄いピッキングです。
やっぱり、パッと見た感じだと、「強く」弾いているように見えるんですよね。
ですが、
www.youtube.com


こうしてスローで見ると、ピックの深さとしてはそれ程深くに入っていないのが分かります。でもはメッチャ揺れている。

切れないのはに不要な力が加わっていないからですし、今の波形比較でも、私は振動が「乱れていて」、ヒロヤさんの振動は「乱れていない」訳なのでやっぱりヒロヤさんは力任せでは無い訳です。


ポイントはここだなあ、と感じつつ、、、
ボディTOP面の振動計測に入ります。
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センサーを取り付けて、これまでは出来なかった計測のスタートです。

結果を見てみましょう。
ヒロヤさんに弾いてもらった時のTOP材。
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ピークが0.289KHzにあります。(すみません、少しチューニング狂ってたみたいですね汗)
そこから倍音が並んでいきますが、上の方の倍音でも十分にTOPが揺れている事が分かります。

そして聴感上の音量がヒロヤさんと同じ位になるように真似して強く弾いた時がこれ。
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TOPの振動がヒロヤさんより少ないのが分かります。倍音も少ない。。。上の方全然揺れてない。。。
そもそもピークの位置まで違いますね。。。
つまり私が強く弾いても強く揺れたのがだけで、TOP材を揺らせていない事になります。

なるほど。
まとめると、、、

ヒロヤさん
 ⇒弾く事でを十分(安定した形で)振動させ、その振動がTOPを十分揺らしている

駒木
 ⇒弾く事で十分にが揺らせておらずTOPも揺らせていない

駒木が強く弾く
 ⇒強く弾く事では(乱れた形で)振動させている、が、TOPは揺らせていない

という違いが分かりました。
つまり私は強く弾いてもを揺らしているだけ、
ヒロヤさんは振動がTOPの振動にきちんと伝わっている、
というのが大きな差
である事が分かりました。

音声の波形だけでなく、TOP材そのものの振動を計測することで、
力任せにを強く弾いても、必ずしもそれが木材の振動に直結している訳ではない事が証明されました。
どんな力で弾くか以上に、どう弾くか、が大切な訳ですね。
つまりヒロヤさんは、は充分揺れていますが、私の様に乱れていない。安定したまま大きく揺らせているからこそ、TOPが十分揺れている事が分かります。
どうやらヒロヤさんの弾き方は「強い」というよりも「鋭い」「早い」という表現の方が適切なようです。にヒットする瞬間が鋭いからを揺らせている。力任せな「圧」ではないので振動は乱れないし、TOPは充分に響かせられる。
だからも切れない訳ですね。
なるほど、それは真似できない(笑)


そして、
ヒロヤさんは、「ルシ駒君、Historyいいよ、いいギターだよ!」といつも言って下さるので、このタイミングでギターの比較もしてみましょう!
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という事で、
私が某M社の同サイズアコスを同じように弾いた波形がこちらです。
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あれ?なんかショボいなあこの波形(笑)

分かりやすいように私がヒロヤさんのギターを弾いた波形をもう一度。
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明らかにこっちの方が波形的には「良い」ですよね。

先ほどまでは「同じギターで弾き手が違う比較」でしたが、
これは「同じ弾き手でギターが違う比較」なので、楽器の差が見えている事になります。

うん、これを見ると、ヒロヤさんのHistory NT-S3カスタムがどれほど(私が弾いてもw)鳴る楽器かが分かります。

結論!!
「ヒロヤさんの無敵のピッキング」×「私が弾いてもw鳴るHistory の組み合わせがこのサウンドを作っている訳ですね!
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皆さんもお近くの島村楽器でHistory弾いてみよう!
ヒロヤさんと同じ仕様へのカスタムも承りますよ!
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ルシアー駒木でした。


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