皆さまこんにちは!
先日郵便局に行ったのですが、帰りしな「寒い中有難うございます(ニコリ)」と声をかけてもらい、
ああ、人ってこういう一言で幸せになれるもんだなあ、とホッコリした
ルシアー駒木です。
私もそういう一言が自然に出てくる人になろう。そんな1年にしよう。
さて、
話題となりました、こちらの回。
こちらのツール、ブログ掲載後も継続してテストを実施。
かなりいい具合。
ですが楽器を弾くのが私では限界があります。演奏は本業ではないですからね。
そうなるとここはプロの手を借りる必要があります。
そうだなあ・・・
どなたがいいかなあ・・・
・・・
そうだ!
うん。
あの人しかいないですね。
福田洋也さん
ヒロヤさんには過去にもブログ登場して頂いていますが、HistoryのNT-S3というモデルを元にしたカスタムギターを使用して頂いております。
イベントに参加された事がある方や、ヒロヤさんのライブで体験された方ならばわかって頂けると思いますが、これがとんでもないんです(笑)
え?アコギこんな音出る!?って驚く事間違いなし。
言葉で書くと上手く伝わらないんですが、パワフルなんです。
すんごい音量と音圧。だからこそ繊細さも活きる。
なんですけど、「力任せ」ではないんです。その証拠に、弦が切れない。
ギターテック的にお手伝いさせて頂いた時も、レコーディングでも、
弦切れないんです。
つまり「単なる力任せに強く弾く」、、、ではない訳です。もしそうなら切れるはず。
じゃああの音圧はどこからくるんだろう。
解析して見たら、何か少しはこの謎に迫れるかもしれません。
解析する対象(ヒロヤさんすみません笑)としてこれほどピッタリの方は他にいらっしゃいません。
場所は錦糸町パルコ店。
部屋内にマイクを設置して、集音していきます。
後から細かな解析が出来るように、録音もしておきます。
では、録音した音を波形で見てみましょう。(赤がピーク、緑が3秒後です)
ヒロヤさんの波形がこれ。
出力充分ですし、波形が綺麗に整っています。
3秒後の波形を見ても奇麗にそのまま時間経過に応じて減衰した感じですね。
そして比較として私が普通に弾いたものがこれ。
波形の感じは似てはいますが、明らかにヒロヤさんよりも出力が小さい。
上の方の倍音も少ないですね。3秒後の落ち込みも大きいようです。
そして私が聴感上の音量がヒロヤさんと同じ位になるように真似して強く弾いたのがこれです。
確かに出力は近くなりましたが、波形がヒロヤさんのように綺麗ではありませんねえ。私が普通に弾いた時とも違って、形が乱れています。弦振動が乱れているって事ですね。
要は倍音がグチャグチャの状態。力任せに弾いたので多分こうなってしまったのでしょう。
しかも振動が乱れているから、強く弾いたのにサスティーン(緑の波形)でもヒロヤさんとの差は歴然。
それにしてもヒロヤさん、凄いピッキングです。
やっぱり、パッと見た感じだと、「強く」弾いているように見えるんですよね。
ですが、
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こうしてスローで見ると、ピックの深さとしてはそれ程深く弦に入っていないのが分かります。でも弦はメッチャ揺れている。
切れないのは弦に不要な力が加わっていないからですし、今の波形比較でも、私は弦振動が「乱れていて」、ヒロヤさんの弦振動は「乱れていない」訳なのでやっぱりヒロヤさんは力任せでは無い訳です。
ポイントはここだなあ、と感じつつ、、、
ボディTOP面の振動計測に入ります。
センサーを取り付けて、これまでは出来なかった計測のスタートです。
結果を見てみましょう。
ヒロヤさんに弾いてもらった時のTOP材。
ピークが0.289KHzにあります。(すみません、少しチューニング狂ってたみたいですね汗)
そこから倍音が並んでいきますが、上の方の倍音でも十分にTOPが揺れている事が分かります。
そして聴感上の音量がヒロヤさんと同じ位になるように真似して強く弾いた時がこれ。
TOPの振動がヒロヤさんより少ないのが分かります。倍音も少ない。。。上の方全然揺れてない。。。
そもそもピークの位置まで違いますね。。。
つまり私が強く弾いても強く揺れたのが弦だけで、TOP材を揺らせていない事になります。
なるほど。
まとめると、、、
ヒロヤさん
⇒弾く事で弦を十分(安定した形で)振動させ、その振動がTOPを十分揺らしている
駒木
⇒弾く事で十分に弦が揺らせておらず、TOPも揺らせていない
駒木が強く弾く
⇒強く弾く事で弦は(乱れた形で)振動させている、が、TOPは揺らせていない
という違いが分かりました。
つまり私は強く弾いても弦を揺らしているだけ、
ヒロヤさんは弦振動がTOPの振動にきちんと伝わっている、
というのが大きな差である事が分かりました。
音声の波形だけでなく、TOP材そのものの振動を計測することで、
力任せに弦を強く弾いても、必ずしもそれが木材の振動に直結している訳ではない事が証明されました。
どんな力で弾くか以上に、どう弾くか、が大切な訳ですね。
つまりヒロヤさんは、弦は充分揺れていますが、私の様に乱れていない。安定したまま大きく揺らせているからこそ、TOPが十分揺れている事が分かります。
どうやらヒロヤさんの弾き方は「強い」というよりも「鋭い」「早い」という表現の方が適切なようです。弦にヒットする瞬間が鋭いから弦を揺らせている。力任せな「圧」ではないので振動は乱れないし、TOPは充分に響かせられる。
だから弦も切れない訳ですね。
なるほど、それは真似できない(笑)
そして、
ヒロヤさんは、「ルシ駒君、Historyいいよ、いいギターだよ!」といつも言って下さるので、このタイミングでギターの比較もしてみましょう!
という事で、
私が某M社の同サイズアコスを同じように弾いた波形がこちらです。
あれ?なんかショボいなあこの波形(笑)
分かりやすいように私がヒロヤさんのギターを弾いた波形をもう一度。
明らかにこっちの方が波形的には「良い」ですよね。
先ほどまでは「同じギターで弾き手が違う比較」でしたが、
これは「同じ弾き手でギターが違う比較」なので、楽器の差が見えている事になります。
うん、これを見ると、ヒロヤさんのHistory NT-S3カスタムがどれほど(私が弾いてもw)鳴る楽器かが分かります。
結論!!
「ヒロヤさんの無敵のピッキング」×「私が弾いてもw鳴るHistory」 の組み合わせがこのサウンドを作っている訳ですね!
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皆さんもお近くの島村楽器でHistory弾いてみよう!
ヒロヤさんと同じ仕様へのカスタムも承りますよ!
ルシアー駒木でした。