島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

2017年 春 弦楽器ヨーロッパ買付レポート ヴェネト州編 その2

皆さまBuon giorno!島村楽器楽器アドバイザーの糸山です。
今号は水の都、ヴェネツィアより、祝!日本初登場のヴァイオリンメーカーのご紹介です!!

f:id:shimamura-music:20170319152907j:plain
f:id:shimamura-music:20170319152904j:plain

ヴェネツィア・サンタ・ルチア駅前から広がる風情のある景色!

マイスター茂木がヴェネツィアを訪れるのは新婚旅行以来との事。色々見所が尽きない観光の街ですが、今日は帰りの電車の時間が決まっており、時間もない中で2件のハシゴです。

f:id:shimamura-music:20170319152936j:plain

いろいろ名残惜しいマイスター茂木。急ぎますよ~!
今回訪問するヴァイオリン職人さんは、昨年秋のブログで一度ご紹介したRiccardo Guaraldi(リッカルド・グァラルディ)氏。

f:id:shimamura-music:20170319152949j:plain

ヴェネツィア生まれヴェネツィア育ち、生粋のヴェネツィアメーカーです。

昨年秋のブログをご覧になっていない方は、ぜひチェックしてから先を読み進めてみて下さい!

2016年秋楽器ヨーロッパ買付レポート ヴェネツィア班其の2


f:id:shimamura-music:20170319153049j:plain

年間で製作できるヴァイオリンは4,5本。僅かな製作本数に加え、オールド楽器の修復依頼も絶えません。先日もGuarneriのチェロ大修理が終わったばかり。

f:id:shimamura-music:20170319153104j:plain

息つく暇もなく、現在はオールド名器Carlo Antonio Testore(カルロ・アントニオ・テストーレ)のチェロの大修理。昔々に継ぎ足された内部木材を一度すべて剥がす作業を行うところです。

今回は、昨秋にオーダーしたヴァイオリンを試奏・検品チェックしに、はるばる訪れました。音に納得がゆかなかったり、宜しくない作りだった場合は仕入を見送る・・・という、非常にシビアなミーティングです。

f:id:shimamura-music:20170319153119j:plain

当の本人は、自身満々。それでは、いざ、お手並み拝見!!

Riccardo Guaraldi, Italy - Venezia, 2017

f:id:shimamura-music:20170319153142j:plainf:id:shimamura-music:20170319153148j:plainf:id:shimamura-music:20170319153152j:plain

表板はTrevisoより極上物のイタリアンスプルース(1980年)を使用。裏板はポーランドルーマニア側にあるカルパティア山脈の同じく極上品を使用。

f:id:shimamura-music:20170319153224j:plain

F字孔にフルートを吹くように息を吹きかけ、そこから出てくる音からコンディションを確かめて楽器を調整するのがグァラルディ流。

照りつけるような晴天のヴェネツィアの陽気や、ラグーンの水面から光り輝く日差しのようなイメージを思わせる、美しいニスはマイスター茂木も感嘆の声。下地には地元産の様々な天然有機物をミックスし、上質なオイルニスを3、4回塗り直しする薄めの仕上がり。

f:id:shimamura-music:20170319153237j:plain

音色も大変充実したジューシーなサウンド。ヴィオラを弾いているかのような厚みのある音色の秘密に、マイスター茂木は興味津々です。

モデルについては、昨年秋の帰国後にも色々と細かいやり取りがございまして、最終的にはガルネリという路線は外さずに、グァラルディ氏の作りたいモデルにしてもらいました。

f:id:shimamura-music:20170319153250j:plain

本作は、Pietro Guarneri(ピエトロ・ガルネリ 1695生 - 1762没 Venezia)のモデルをベースに、スクロール部分はEugenio Degani(エウジェーニオ・デガーニ 1840生 - 1915没 Venezia)の造形美を採用し、さらにF字孔はSanto Seraphin(サント・セラフィン 1665生 - 1748没 Venezia)のデザインを採用するなど、いかにも郷土愛に溢れた新作ヴェネツィアン・スタイル!

そう。グァラルディ氏が「記念すべき日本第1号作品」として送り出したかったのは、クレモナ派の作品のコピーではなく、地元ヴァネツィアに所縁ある製作家をリスペクトした楽器だったのです。

f:id:shimamura-music:20170319153306j:plain

ラベルに使用する紙は、地元老舗の紙づくり職人が製作したものを使う徹底したこだわり

f:id:shimamura-music:20170319153320j:plain

もはや恒例のマイスターの質問攻めタイム。技術談義が始まりました。滞在時間が必要以上に長くなる一因です。

彼はCarlos Arcieri(カルロス・アルチエリ)、Curtin & Alf(カーティン&アルフ)だけでなく、アメリカNYでオールドイタリー専門の修復家として有名なHoracio Pineiro(オラシオ・ピネイロ)のもとでもレストレーションを学んだことが発覚。楽器内部のバスバー構築テクニックは同氏の助言を得て完成させたものだそうです。

f:id:shimamura-music:20170319153341j:plain

バスバーの考え方や製作理論について語る同氏。

グァラルディ氏とマイスター茂木の白熱した製作談義の途中、突然、思わぬ来客がありました。
偶然にも、楽器の修理依頼で訪れたヴァイオリニスト:Stefano Zanchetta(ステファノ・ザンケッタ)氏です。

f:id:shimamura-music:20170319153359j:plain

彼はヴェネツィアマルチェロ音楽院教授、新イタリア合奏団のメンバー、そしてヴェネツィアのフェニーチェ歌劇場オーケストラのコンサートマスターを務めている地元ヴェネツィアを代表する巨匠。偶然にもほどがあります!(汗)

f:id:shimamura-music:20170319153411j:plain

ザンケッタ氏は、グァラルディ氏の最新作ヴァイオリンの演奏動画の撮影を快く引き受けて下さいました!Grazie!!!!
それでは、ヴァイオリンの音色をどうぞお楽しみ下さい♪

Stefano Zanchetta(ステファノ・ザンケッタ)氏 R.Guaraldiヴァイオリン試奏動画

youtu.be

Stefano Zanchetta(ステファノ・ザンケッタ)氏 R.Guaraldiヴァイオリン試奏動画

youtu.be

Stefano Zanchetta(ステファノ・ザンケッタ)氏 R.Guaraldiヴァイオリン試奏動画

youtu.be

ザンケロッタ氏の演奏、いかがでしたでしょうか?
厚みのある極太サウンドをお感じになって頂けたら幸いです。

f:id:shimamura-music:20170319153501j:plain

魂柱には1820年スプルース材を使用。これも厚みの出るサウンドの秘密の一つ。

それでは、製作した本人より一言。

Riccardo Guaraldi(リッカルド・グァラルディ)氏ご紹介動画

youtu.be

>
日本の楽器プレイヤーの皆さまお早うございます。
こちらは私が製作したヴェネツィアン・モデルのヴァイオリンです。例えば、ヘッド(スクロール)はEugenio Degani(エウジェーニオ・デガーニ)、F字孔はSanto Seraphin(サント・セラフィン )のデザインを採用しています。全ての製作工程・調整に十分慎重なケアを行い、サウンドも大変素晴らしい作品となっております。そして、1820年のスプルースを魂柱材として使用していることも最も重要な特徴の一つです。

こんな素晴らしい製作家、なぜ今まで日本に紹介されて来なかったのか不思議で仕方ないなぁ、ウンウン・・・とマイスターが感じいっているところ、さらにグァラルディ氏より朗報。

f:id:shimamura-music:20170319153522j:plain

首振り人形のようにウンウン頷き、楽器に恋するマイスター茂木。

なんと私たちが昨秋に初訪問した後、日本のテレビ局の皆さまが取材に訪れたそうなんです!

f:id:shimamura-music:20170319153619j:plain

一体どんな内容で放送されるのか、とても楽しみにしております!!

グァラルディ氏のヴァイオリンは、4月上旬に記念すべき日本初上陸となる予定です。

f:id:shimamura-music:20170319153633j:plain

どうぞお楽しみに!

f:id:shimamura-music:20170319153643j:plain

名物イカ墨のパスタを立ち食い蕎麦かの如くすすり、次のアポイント先へ急ぎます!

それでは今日はこの辺で。Ciao!

2017年春 楽器ヨーロッパ買付レポート その他の記事はこちら











© Shimamura Music All rights reserved.