島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

2017年秋 弦楽器ヨーロッパ買付レポート Part9

皆さま Bonjour!
シマムラストリングス秋葉原マネージャーの糸山です。

2017年秋買い付けブログ最終号となります今回は、フランス・パリ、そしてベルギー・ブリュッセルでの買い付け紀行をお届け致します。
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パリからは我らがマイスター茂木と合流し、2人で旅先をまわりました。
ビタミン補給のため、軒先に生っていた酸っぱい葡萄をパクリ。海外出張にでると激しく野菜不足を感じる今日この頃です。
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この日は夕方からちょっと郊外へ遠出して、「ビジネスミーティング」という名のご自宅へお呼ばれして夕飯を頂きました。
筆者はフランスの郷土料理であるガレット作りに初挑戦。なかなか上手に出来たのではと思います(!?)
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そして、場所を移しまして、ここはパリ6区にあるサン=ジェルマン・デ・プレ協会。
この地区にはかつて多くの文化人・芸術家が集まり、大変賑わったのだそうです。
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弓作りの発展に多大な貢献を果たしたフランソワ・トルテ(François-Xavier Tourte)も、この教会を中心とした地区において、当時パリで活躍していたヴァイオリニスト:ヴィオッティ等と共に、理想とする音楽を体現するため「弓がどんな進化を遂げるべきか?」を研究し、実験を繰り返していました。(Raffin氏談)
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セーヌ川のほとりに佇む「Cafe du Pont-Neuf」の上階にはトルテの工房があり、このカフェでは日夜、音楽や弓についての議論が行われていたそうです。(Raffin氏談)
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さぁ、そんなセーヌ河と弓作りの深い関係性に触れたところで、「弓」買い付けスタートです!
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まずは、楽器屋さんが通りにずらりと並ぶRue de RomeにあるSandrine Raffin氏の工房を訪れました。
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Sandrine Raffin氏は、1972年フランス生まれ。
19歳で弓づくりをはじめ、1992年から世界最高のオールド弓鑑定家である父:Jean Francois Raffinのもとで弓働き始めます。
2012年フランス政府より最も優秀な職人にのみ与えられる称号「Maitre Artisan en Metier d'Art(Master craftsman in bow making)」を授与され、創造性溢れる芸術的センスに富んだ弓製作家には、パリに立ち寄る多くの有名演奏家からの信頼を集めています。
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おかげさまでSandrine Raffin氏の弓、大変ご好評を頂いておりまして、この春でほぼSold Out状態となりました!
この紙面にて失礼して、筆者から心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます!!
また、欠品が続き大変ご迷惑おかけしております・・・。
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長らく品切れ状態が続いておりましたが、このParis訪問にて若干数(7本!)の補充の運びとなります。
部品から全てオールハンドメイドですので、ラファン氏は沢山作れませんし、メールオーダーではなく私達買い付けチームが1本1本を現地で選定・試奏・検品を行ってから入荷するアイテムですので、どうしても入荷までお時間がかかりますことをご了承下さいませ。

それでは、まずはSanrine Raffin氏の一番人気の弓2モデルをご紹介したいと思います!

Sandrine Raffin, France - Paris, 2017
Modèle Dominique Peccatte

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天才弓メーカー:ドミニク・ぺカットの弓を、ラファンが再現した極上モデル。
ペカットモデルは、演奏家の表現力やひらめき、イマジネーションを大切にしています。
力強さや音量よりも、七色に変化できる楽器本来の「歌うこと」を重視する演奏家にお薦め、欧州のプロプレーヤーの愛用者も多い逸品です。
こちらは今回の選定の結果、2本買い付けました。


Sandrine Raffin, France - Paris, 2017
Modèle Eugène Nicolas Sartory

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プロ/アマ問わず、幅広い人気を誇るラファンの名弓シリーズより、20世紀最高の弓製作家サルトリーの弓を再現したモデル。
サルトリーモデルは力強くタフでアグレッシブな演奏を、人気の高さはレスポンスの良さとクリアーな音色にあります。
サルトリーモデルは、選定の結果3本を選ぶことができました。

そして、今回入手に至りました、滅多に入荷しない希少な限定モデル2品をご案内申し上げます!

Sandrine Raffin, France - Paris, 2017
Modèle Dominique Peccatte “GOLD EDITION”

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このゴールド・エディションは、先100年分はあるだろうRaffin氏の豊富なフェルナンブーコの中から、厳選に厳選を重ねて選び抜かれた理想のスティックで製作された極上の逸品。
楽器の音色を別世界のレベルへと押し上げる名弓です。

Sandrine Raffin, France - Paris, 2017
Modèle KINTSUGI

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"KINTSUGI"は、日本陶器の伝統技法『金継ぎ』から着想された、正にフランスの弓職人の伝統スタイルと和の融合の結晶。
細心の注意を払って吟味された極上材を用い、柔らかく豊かな音表現が魅力的、サンドリーヌ・ラファンの新たな傑作としてプレーヤーからの呼び声の高い逸品です。

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ラファン氏は、11月3日(金)-5日(日)に、開催される日本楽器製作者協会主催『2017楽器フェア』にて再来日致します。
当社ブースにてご紹介させて頂きました名弓と共に、ご来場をお待ちしております!

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さて、Parisでは『フランス製の古い7/8サイズのバイオリンを探し出す』という、ミッションがありまして、7,8件ほどRue de Romeの楽器街をローリングして参りました。
希少なサイズだと言うことと、完品のコンディションを求めると、なかなか思うように見つからないのが実情です。3/4サイズなら沢山あったんですが...。

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そして、この度1本だけ素晴らしい状態の7/8サイズを入手しましたので、ここにご紹介させて頂きます!

J.B.Collin-Mezin, France - Mirecourt, 1930
7/8 Sized Violin

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手の小さなお客様にお薦めの、良質な7/8サイズバイオリンをGETしました。
4/4サイズに比較するとボリューム感が落ちるのは否めませんが、それを補って余りある『音』の面白さがあります。
仏産オールドバイオリンの持つ独特の籠ったような含みのあるフレンチトーンが存分に楽しめる、素晴らしい世界観のあるバイオリンだと思います。

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そして、最終目的地ブリュッセル。ここでは、世界的に有名な弓職人のひとりPierre Guillaume 氏のところで、オールド弓の選定です。

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ギヨーム氏は、 C.A.Bazin、L.Morizot、J.Ouchard など名工の下で弓製作を学び、ブリュッセルきっての老舗Maison Bernardを引き継いだ、日本でも大変有名な巨匠です。

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新作弓の製作もさることながら、オールド弓のエキスパートしても世界的に活躍中しております。
ギヨーム氏の新品トルテモデルの弓の長さについて質問中すると、本物のトルテを2本見せて頂きながら、本当に納得感のある贅沢な解説をして頂きました。
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ここがPierre Guillaume弓製作のアトリエ。ここで1本1本、丁寧に仕上げられているのですね。
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ギヨーム氏のもとで修業を積んだかつてのお弟子さん達の写真を発見。
左から1番目のEmmanuel Carlier(エマニュエル・カリエール)、2番目のVictor Bernard(ビクター・ベルナール)は独立後、彼らの弓を当社で扱っておりますが大変ご好評頂いております!
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◇Emmanuel Carlier作品紹介
www.shimamura.co.jp


◇Victor Bernard 作品紹介
www.shimamura.co.jp


ヴィクトリア女王がイザイにクリスマスプレゼントしたと言われる、大変貴重なサルトリー弓も見せて頂きました!これはもう、超貴重なコレクションですね!!
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そして、肝心のオールド弓選定ですが・・・ドドーンっと70本以上のオールド弓が並びました。キャーこれは大変です・・・。
一体何時間かかるんだろう・・・。ブリュッセルは日帰り旅なんです。下の写真の量にあと2.5倍したぐらいありました。
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試奏は勿論のこと、そのメモを取るだけでも大変です。
だんだん何が何だか分からなくなってきますので、音質・比重・操作性など傾向に分けて細かく分類して絞り込んでゆきます。
Maison Bernardに展示されているJan Strick氏のヴァイオリンコレクションも大変素晴らしいので、ヴァイオリンにもついつい目移りしてしまいますが、ここはグッと我慢して、1本のヴァイオリン(それも4,000万クラス!)で只ひたすら試奏を重ねてゆきます。
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数時間の格闘の末、厳選した弓はこちらの11本!
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どれも皆様にいち早くご紹介したい名弓ですが、その中でも特に1年あちこちで探し続け、ようやく見つけた名品をここにご紹介致します!
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Eugene Sartory, France - Paris, ca1890
stamped “Darche”

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ユージン・サルトリー(1871年生-1946年没)の20代の初期作品。
N. F. Vuillaumeの弟子でブリュッセルで活躍したヴァイオリン製作家でありディーリングのエキスパートでもあるHilaire Darche(1862年生-1929年没)のために製作された弓になります。
オリジナルパーツが残された完璧で美しいコンディション、力強さと繊細さを併せ持った正に「これを名弓と呼ばずして何と呼ぶ!」(マイスター茂木談話より)


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ギヨーム氏の応接間には、このHilaire Darcheのお店の当時の「看板」と思わしきオブジェが飾られておりました。
今回のサルトリー弓の入手と関係性の深いものだけに、運命的なことを感じずにはいられません。

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今回ご紹介した作品たちは、間もなく日本上陸!
皆さま楽しみにお待ち下さいませ!

それでは、これを持ちまして2017年秋の買い付けブログの連載は終了です。
各地で行われます「楽器フェア」にて、皆様とお会いできますことを、スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます!
Au voir!!

今回イタリアで買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木と前田が買い付けを行った楽器は、11月〜12月各地(秋葉原・横浜みなとみらい・大阪・福岡・南船橋・新宿)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
日程等決まり次第順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。

2017年秋 楽器ヨーロッパ買付レポート その他の記事はこちら









2017年秋 弦楽器ヨーロッパ買付レポート Part8

皆さまBuon Giorno!
シマムラストリングス秋葉原マネージャーの糸山です!
茂木・前田とは一人別行動の私からは、まずはジェノヴァ・ヴェネツィアの2都市の訪問についてご報告致します。


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まずはミラノ中央駅から電車で1時間半、リグーリア州の港町ジェノヴァへやって参りました。電車に乗るには、この電光掲示板でプラットフォームの番号から乗り場を確認するのですが、電車が45分も遅れた為、筆者は1時間以上も掲示板の前でずっと立ちっぱなしでした。

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2号車の待ち列には平気な顔で1号車が到着します(笑)皆で慌てて大移動・・・。イタリアへ電車で旅行を計画される方、この国の電車の適当さ加減はAttenzione!です。(アテンション・プリーズ)

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港周辺は大規模なリニューアルにより、昔より治安はだいぶ良くなったそうです。ヨーロッパで2番目の規模を誇る巨大な水族館もあります。
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バジルペーストに、松の実、チーズ、オリーブオイルなどを加えた「ジェノベーゼ」発祥の地としても有名ですね!写真のパスタは「Trofiette(トロフィエ)」と言って、この地方にしかない珍しいショートパスタなのだそうです。
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さて、ここジェノヴァでは、地元を代表する偉大なマエストロ、Alberto Giordano(アルベルト・ジョルダーノ)氏のもとを訪ねて参りました!
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同氏と映っている写真は、ヴァイオリニストNiccolò Paganini (1782-1840)が1802年から「生涯のパートナー」としてこ愛用した言わずと知れた歴史的名器、Guarneri del Gesu 1743 “IL Cannone”(以下カノン)です。
ジョルダーノ氏は現在、このカノンの保管・管理を一任されているキュレーターとしての顔を持つ、凄腕のヴァイオリン製作家なのです。カノンのキュレーターは、Cesare Candi ➡Lorenzo Bellafontana ➡ Renato Scrollavezza ➡ Alberto Giordanoへと代々引き継がれています。


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カノンはジェノヴァの市庁舎の一部が博物館となっているトゥルシ宮にある「Sala Paganini」に展示・保管されています。
ちなみに、カノンの向かいにあるヴァイオリンは、フランス:パリの巨匠Jean-Baptiste Vuillaume (1798-1875)作のカノンのコピーモデル。1833年、パガニーニはヴィヨームへカノンの修理を依頼し、ヴィヨームはその際にカノンを採寸し、フルコピーしたのだそうです。


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「Sala Paganini」は分厚い扉で仕切られており、館内の温度・湿度をカノンにとって最適な環境に保つため、閉ざされた空間の中で展示されています。
博物館内には監視員の方が区画ごとに見張りで立っているのですが、ゆっくり一つ一つの展示物を見ている時間はないので、すっ飛ばしてショートカットでカノンの区画へ急ごうとすると「コラ!順路通りまわれェ!!」と怒られますので、ご注意下さい。
私だけならまだしも、アテンドのジョルダーノさんもキュレーターという立場なのに怒られてしまいました(苦笑)

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カノンが入っている分厚いガラスケースの中には、この機械がジョルダーノ氏の工房と自宅へ、ケース内部の温度・湿度の情報を毎時間おきに発信しています。数値や外的要因で何らかの異常を感知すると、ジョルダーノ氏が呼び出されるシステムとなっているとの事です。

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カノンは「オリジナルニス」の状態のまま保管されています。すなわち、「パガニーニが弾き終えた」そのままのコンディションを維持しているのです。
顎当てを装着しないで演奏されていますので、テールピースの左右はニスが剥げてしまっています。パガニーニはテールピースから右側の部分でも、顎で挟んで器用に弾いていたのですね・・・。
ちなみに、年に数回、優秀なヴァイオリニストに演奏の機会が与えられるのですが、汗の量が多いヴァイオリニストが弾く時は、ジョルダーノ氏はじめ関係者一同は凍り付いたように見守っているのだとか・・・。

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裏板はライトに当てると虎杢の1つ1つが伸びたり縮んだり・・・、ジョルダーノ氏曰く「木目がダンスするんだよ」と言いながらじっくりと観察させて頂きました。
裏板は最大で6.2mmもの厚みがあり、ヴァイオリン製作の常識では考えられない”extreme thickness”な裏板です!
一般的には、板厚が厚すぎると「鳴らない」と言われますが、「余りにも音が大きい」ことから付けられたあだ名がこの「カノン」ですので、一般常識を覆してしまった名器なのですね。


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ジョルダーノ氏解説付きの贅沢なカノン鑑賞を終え、やって参りましたアルベルト・ジョルダーノ氏の工房。
店内にはCesare Candi 1915年、Giuseppe Lecchi 1924年、Oreste Candi 1930年、Lorenzo Bellafontana 1950年などのジェノヴァ派の名器が並ぶほか、ジョルダーノ氏は1890年創刊の世界的な楽器雑誌「The Strad」へ様々な研究発表を行っていることから、それはもう大量の本・図鑑が蔵書されています。

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(写真解説)2016年、イタリア伝統工芸の活動に対して優秀な人材にのみ与えられるMaestro d’Arte e Mestiere(マエストロ・ダアルテ・エ・メスティエレ)がジョルダーノ氏に授与された。

アルベルト・ジョルダーノ氏は1984年クレモナのヴァイオリン製作学校を卒業。
その後はSesto Rocchi、続いてCurtin & Alfと大巨匠のもとで研鑽を積み、1987年に地元ジェノヴァに工房を構えます。
1994年から、Niccolò Paganini使用のカノンのキュレーターに着任しました。

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2001年には偉大なヴァイオリニスト故Ruggiero Ricciが残した名盤「The legacy of Cremona」において、優秀な現代ヴァイオリンの1つとしてジョルダーノ氏のヴァイオリンがセレクトされ、ルジェーロ・リッチの録音に残されています。


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ジョルダーノ氏の代名詞と言えば、この特製MDF素材の内枠モルドでつくられる「Il Cannone」。
カノンをつくり始めたのは彼の輝かしいキャリアの中でも最も遅く、畏敬の念を込めて偉大すぎる歴史的名器に取り組むにあたり様々な研究を重ね、自分自身がカノンを知り尽くして納得してから、カノンのコピーモデルの製作をスタートしています。

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それでは、お待たせ致しました。今秋入荷予定の、カノンのキュレーターであるアルベルト・ジョルダーノ氏がつくる「Il Cannone」をご紹介致します!


Alberto Giordano, Italy - Genova, 2017 Guarneri del Gesu 1743 “Il Cannone”

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ジョルダーノ氏が目指す理想は、「ガルネリが作った当時のオリジナルの状態を再現する」こと。
本物から採寸した細かなデータと長年の研究から導き出したレシピのオイルニスなど、蓄積されたあらゆる情報を結集して作り上げます。
そして、「大砲」と呼ばれた名器の名を汚さぬよう、サウンド・クオリティには充分なケアが施されており、ドーンと飛んでいくような迫力のある音質が楽しめます。
カノンのキュレーターがつくる「カノンモデル」ですので、世界的な注目度、そしてプレッシャーは相当なものなのではとお察し致しますが、その期待に充分すぎるぐらい応えている素晴らしい作品だと確信しました!

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今秋の展示会からご覧頂けますので、どうぞお楽しみに!
ご本人も、東京・科学技術館で開催される日本楽器製作者協会主催「2017楽器フェア」に来日予定ですので、ご興味のある方はお気軽に島村楽器までお問い合わせ下さい!!

来年は3年に一度の楽器製作コンクール「クレモナ・トリエンナーレ」の審査員を務めるそうで、講演や執筆もあって滅多に入荷する製作家ではありません。それでも、今後のご活躍に益々目が離せませんね!

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そして、ジェノヴァを訪れた目的にはもう一つ、大変高名なバロック弓製作家がいらっしゃるとの情報をお聞きし、初訪問して参りました!・・・と言いたいところだったのですが、ジェノヴァ中心から少し離れた彼の工房へ行くには時間が余りにも足りなくなってしまったので、予定を変更してジョルダーノ氏の工房まで来て頂いてしまいました(笑)(ジェノヴァの製作家は皆んな仲良しだから、それで良いのだそうです!)

それではご紹介します、バロック弓製作家:Antonino Airenti氏です!
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アイレンティ氏は1960年ジェノヴァ生まれ。
もともとはヴァイオリンメーカーでしたが、バロック弓の世界に魅了され、1995年からバロック弓一筋20年という珍しい弓製作家です。(モダン弓の製作は行っていません。)
バロック弓は時代ごとに様々な様式があり、プレーヤーからの注文に応じて全てオーダーメイドで製作しています。

Antonino Airenti, Italy - Genova, 2017 Late Baroque Period - English Style

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このモデルは、アイレンティ氏が2005年にブリュッセルの楽器博物館で見て惚れ込んだ、後期バロックのイギリス式モデル。
17世紀~18世紀初期の演奏スタイルを理解する上で、欠かすことのできないモデルなのだそうです。
凄くマニアックな内容なので、説明には部分的な拡大写真が必要になるので省略させて頂きますが、弓の美しさとレスポンスの良さを兼ねた特徴的なスタイルとなっています。
スネークウッドの美しさに囚われてしまうだけでなく、バロック時代に思いを馳せながらその時代の音楽をお楽しみ頂けましたら幸いです!

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そして次はヴェネツィアを再訪しまして、色々な問題で入手に時間のかかっているGregg T.Alf氏の工房を再度訪れて参りました。
結果的に、グレッグ本人の作品は来年2018年の2月頃にということになりましたが、彼の唯一のアシスタントが製作した「衝撃の1本」を入手して参りました。

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入る入ると言ったものの、なかなか入って来なかったグレッグの作品ですが、本作に関しては私自身が手元で持ち帰って参りましたので、もう手元にございます。ご安心下さい!
それでは、グレッグ・アルフ氏のアシスタント作品をご紹介致します!

Carlos Becerra - Alf Studio , Italy - Venezia, 2016

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グレッグ・アルフ氏のアシスタントを務めるカルロスはベネズエラ出身の35歳。以前は名工Jens Gosta Johanssonの元で研鑽を積んでいた実力派です。
本作はアシスタント作品だからと言って、リスペクトに欠けた態度で試し弾きされたら絶対に大火傷しますよ!(笑)音質は古い楽器そのものを実によく再現されており、音抜けの良さは抜群。
グレッグ・アルフの製作思想・理念を理解し、技術を磨き上げたことを伺わせ、偉大すぎる師匠の作品に肉薄するクオリティにまで仕上げてくれました。
尚、本作をご購入の方にはグレッグ・アルフ氏より発行の製作証明書に加え、グレッグが執筆する本作についての解説書が付属致します。
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日本のマーケットに一石を投じるであろうGregg Alf Studioが世に送るこの問題作、ご興味のある方は是非お早めにお問い合わせ下さいませ!

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次は、私よりフランス・パリ、そしてベルギー・ブリュッセルでの買い付けのご報告をお届致します。もう1話、お付き合い頂けましたら幸いです。


それでは今日はこの辺で。Ciao!!

今回イタリアで買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木と前田が買い付けを行った楽器は、11月〜12月各地(秋葉原・横浜みなとみらい・大阪・福岡・南船橋・新宿)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
日程等決まり次第順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。

2017年秋 楽器ヨーロッパ買付レポート その他の記事はこちら









2017年秋 弦楽器ヨーロッパ買付レポート Part7

皆様こんにちは!シマムラストリングス秋葉原の前田です。
いよいよ、買付レポートも本日で最終回!

さぁ、Part6で告知致しましたValerio Ferron(ヴァレリオ・フェロン)氏の工房へ行ってみましょう!

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Valerio Ferron Profile
クレモナのヴァイオリン製作学校を卒業後、いくつかの名工のもとで学び自らのスタイルを完成させ、弱冠24歳でイタリア国内のコンクールで3冠を獲得し成功を手にした天才肌の新生。■2010年 Pisogne楽器製作コンクール バイオリン部門 第1位および音響特別賞受賞。■2011年 Pisogne楽器製作コンクール ヴィオラ部門・チェロ部門 第1位。

前回のフェロン氏工房のブログはこちら


贅沢にもフェロン氏に試奏頂きました!

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ストラドモデル

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ガルネリYsaye(イザイ)モデル

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こちらの2本は11月3日(金)~11月5日(日)科学技術館にて行われる「楽器フェア」当社ブースへ展示予定です。

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イザイモデルはフェロン氏:奥様のご友人であるヴァイオリニストRobert Lakatos(ロバート・ラカトス)氏にも弾いて頂きました!

もぉもぉ、、スゴイ迫力!!
皆様、この若き天才マエストロ:フェロン氏のヴァイオリンは「楽器フェア 島村楽器ブース」にてお試し頂けます。
フェロン氏と共に皆様のご来場楽しみにお待ちしております!

クレモナ滞在最終日に我々はMuseo del Violino(ヴァイオリン博物館)へ。
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もう私、感動です(涙)小さい頃から聞いていた名前が、、本物が目の前にあるのです!
ストラディヴァリ・ガルネリ・アマティなどなど・・・。

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(Part3にてレポート致しましたタディオリ氏のデコレーションチェロと同様デザイン)


続いて、地下のAUDITORIUM GIOVANNI ARVEDI(コンサートホール)でストラディヴァリの最初期1669年製(クリスビー)を使用したコンサートがあるということで先を急ぎました。
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会場は日本人の音響設計による素晴らしいホール

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30分のミニコンサートでしたが、演奏家のキャラクターも伝わるアットホームなコンサートです。


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本日は、16歳のイタリア女流ソリストClarissa Bevilacqua(クラリッサ・ベビラッカ)氏がアンコール含め5曲演奏してくださいました!

そして、過去にはあの超絶技巧の腕を持つDavid Garrett(デヴィット・ギャレット)氏もコンサートをしたようです。
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(ファンなので、是非聴きたかった!!!)

それでは最後に、クレモナでの買付フィナーレにふさわしいCremona Cathedral(クレモナ大聖堂)のてっぺんへ!

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(さぁ~心の準備はいーい?)
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私スニーカーを履いていたので、余裕の表情で2段飛ばしでマイスターを置いてスイスイ登って行きました。

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全然よゆー、、、、のはずでしたが(笑)

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まだスゴイのあるーーーー。(もうこの頃息切れしていてマイスターとの会話ありません)

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マイスター、階段を背中に現実逃避...。(あとで聞いたら7~8年ぶりに登ったとのこと)

さぁ、あと少し!マイスターせっかくだから頂上行きましょう!
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時刻は17時前。我々、無事到着しました。

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空の色も変わり、5日間過ごしたクレモナの街を一望し何だかウルッとしてしまいました。

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(明日日本に帰るのかー。また忙しい日々がはじまるんだぁ~)

でもでも、そんなこと言ってられません!
この度は、初めて買付け任命を受け、素敵な楽器をたくさんそろえることが出来ましたので、日本の皆様へいち早くお試し頂きたい気持ちでいっぱいです!!

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それでは皆様、ここまで私のつたない買付レポートのご愛読誠にありがとうございました!
シマムラストリングス秋葉原に勤務しておりますので、製作家の人柄や楽器についてもっと知りたい!などご興味がございましたら是非、お気軽に当店へ遊びにいらしてください!

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それでは、またお会いできる日まで、Ciao!

今回イタリアで買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木と前田が買い付けを行った楽器は、11月〜12月各地(秋葉原・横浜みなとみらい・大阪・福岡・南船橋・新宿)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
日程等決まり次第順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。

2017年秋 楽器ヨーロッパ買付レポート その他の記事はこちら









2017年秋 弦楽器ヨーロッパ買付レポート Part6

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皆様こんにちは!シマムラストリングス秋葉原の前田です。
Part6では、楽器の祭典:Mondomusica(モンドムジカ)での買付けの様子をお届け致します!


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Mondomusicaは数年前より、ピアノ・管楽器・ギターブースも加わったため本当に人がたくさん!もうこれは、、、ディズニーランドのアトラクション待ちの気分です、、、。


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やっとのことで楽器会場へ到着~
さぁ!地図を見て、まず初めに私たちは島村楽器おなじみのマエストロMarcello Bellei(マルチェロ・ベッレイ)氏のブースへ。

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天使のような優しい笑顔で「楽しみに待ってたよ~」と優しく迎えてくださいました。
Marcello Bellei Profile
フェラーリの街、モデナが生んだ天才マルチェロ・ベッレイ。 ベッレイ氏は、祖父が家具職人だったことで木工製作に興味を持ち、バイオリン職人の道を夢見ますがご両親に大反対され、一度は建物の測量士として就職するが、彼の夢は諦め切れず僅か6ヶ月で退職。パルマにあるバイオリン製作学校の門をくぐり、パルマ派の巨匠Renato Scrollavezza(レナート・スクロラベッツァ)氏のもとでバイオリン製作を学ぶ。


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さぁ、マイスター、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロさっそく弾きましょう!


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1940年Poggi(ポッジ)モデルのヴィオラは、2日前に完成したばかりだという事でしたが、いつもと変わらぬ安定感・しなやかな厚みのある音。


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アマティーモデルのワークショップ/チェロは、上品で柔らかい音色。


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5本あったうち、ガルネリモデルのワークショップ/ヴァイオリンは、まっすぐと先に広がる素直な音、そして力強い低音が魅力です!


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ベッレイ氏、今回も素敵な楽器をありがとうございます!


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さぁ、続いていつも長蛇の列ができる「Bogalo&Clemente」ブースへ!


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少し出遅れていたため購入出来るか不安でしたが、我々が到着した時は行列もなく落ち着いてパーツを選ぶことが出来ました。


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ツゲ材3つGET!シマムラストリングス秋葉原入荷します!


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向かいのブースには、音が安定するという面白い魂柱が‼(カーボン製ではないそうです)


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色々面白いものがあるモンドムジカ、全く飽きません!


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たくさんブースを回って、最後に我々はScrollavezza&Zanre(スクロラヴェッツァ&ザンレ)のブースへ!
ブースは宝石店のようなラグジュアリーな雰囲気でした。
(やはり、オシャレな方はブースのレイアウトもこだわる。)

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Elisa Scrollavezza Profile
パルマで活躍するRenato Scrollavezza(レナート・スクロラヴェッツァ)の娘として、幼少期から楽器製作に親しんできたエリーザ・スクロラヴェッツァ。パルマバイオリン製作学校を1991年に卒業後、その才能を買われ、世界中のディーラーから注目を集めていきます。アメリカでHans J. Nebel(ハンス・J・ネーベル)氏に師事し、音響学、楽器修復についての専門的な知識を習得。ガダニーニの研究者としても名を高め、自身の製作に活かしている。


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今回は、ヴァイオリンの選定です。


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スクロラヴェッツァ&ザンレの特徴、ツヤツヤ・キラキラのスクールヴァイオリンを早速試奏!


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全てが良く、う~ん。。。と頭を抱えていますと、「どれどれ見せてごらんよ」と言われているかのように、後ろからジェノヴァに工房を構えるAlberto Giordano(アルベルト・ジョルダーノ)氏が登場!(笑)

私、前田は、シマムラストリングス秋葉原で買付楽器をケアしていますので、クレモナにいると毎日芸能人に会うような気分になりテンションが常に上がっています♪


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こちらの2本に決めました~!


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今度はマスターヴァイオリン試奏。
ストラド・ガルネリモデルと2本試奏し、30分ほど悩みバランスの良い、音が伸びやかなストラドモデルに決めました!


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(皆、やっと選定が終わりほっと安心の表情。)


次回Part7では、Valerio Ferron(ヴァレリオ・フェロン)氏の登場です!
(11月3日(金)~11月5日(日)科学技術館にて行われる「楽器フェア」島村楽器のゲストとして来日決定!)

さて、モンドムジカでも素敵な楽器に出会え、2017年秋の楽器買付けは終了です!!


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(マイスター、やったーのポーズ!本当にお疲れ様でした!!)


それでは、次回Part7が最終です。 Ciao!

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(ランチの時間があまりとれないためジェラートでカロリー摂取!)

今回イタリアで買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木と前田が買い付けを行った楽器は、11月〜12月各地(秋葉原・横浜みなとみらい・大阪・福岡・南船橋・新宿)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
日程等決まり次第順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。

2017年秋 楽器ヨーロッパ買付レポート その他の記事はこちら









2017年秋 弦楽器ヨーロッパ買付レポート Part5

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皆様こんにちは!シマムラストリングス秋葉原の前田です。
時差ボケ改善のため、朝からストレッチ、そして静かな街を散歩。

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ここ2日で、10分歩いては、「Ciao~」と何人ものマエストロとすれ違います。。。
このシーズンは、楽器の祭典:Mondomusica(モンドムジカ)が3日間開催するため、世界中からたくさんのマエストロがクレモナに集合するのです!


例え急いでいようが、みんな顔を合わせてしまえば10分、いやいや15分はお話していると思います。(皆、おしゃべり大好き!)


そんな中、歩いていると、突然「あ!!」と叫ぶ、マイスター茂木。
マイスターの指さすその方向には、フィッシュマーケットの屋根下で少しお休みされているGregg Alf(グレッグ・アルフ)氏!

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※アルフ氏の構えるヴェネツィア工房へは、シマムラストリングス秋葉原 店長:糸山が訪問致しましたので、買付ブログはそちらをご覧ください♪


マイスター茂木:「写真一緒にOK?」
アルフ氏:「もちろんOKだけど、バックが魚屋でいーの?(笑)」
(マイスター、アルフ氏との再会に喜び、写真の背景を気にする余裕がない...)
楽器が届くの楽しみです!!紳士で笑顔がチャーミングなアルフ氏、Grazie!!


はい、買付2日目ももうすぐ終盤です。我々は、フィレンツェから到着予定のGianluca Montenegro(ジャンルカ・モンテネグロ)氏とホテルロビーでアポイントを取っていました。

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モンテネグロ氏、少しカフェでゆっくりしてお待ちください。。。
Gianluca Montenegro  Profile
1978年イタリア・ローマ生まれ。ウンブリア州ペルージャにあるグッビオ・ヴァイオリン製作学校を卒業。グァリエロ・スパタフィ氏の元で指導を受ける。その後は拠点をフィレンツェへ移し、カルロ・ソルゲントーネ、ミチェーレ・メカッティの両氏の下でアシスタントを務めている。また、彼はニューヨークの巨匠カルロス・アルチエリのもとで楽器修復のコースも受講し、修理・調整も修得している。

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ケースを開けた瞬間、我々もうあまりの美しさに沈黙。


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外の光でもしっかり、チェック。


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モンテネグロ氏の待つカフェへ急ぎ、爽やかな笑顔で「どうだった?」と尋ねる彼の言葉と同時に「WONDERFUL!」と発する我々。

たくさんの有名な工房で高額楽器をレストレーションした経験を持つ彼だからこそ作れるガルネリYsaye(イザイ)モデル。


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モンテネグロ氏、いつも素敵な楽器をありがとうございます!


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予定では、ここで2日目終了予定でしたが、お昼にDaniele Tonarelli(ダニエレ・トナレッリ)氏とバッタリ再会し、ディナー前に工房へ訪問することにしました。
今回は工房訪問のみでしたが(涙)


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試奏させて頂いた重厚な音色のガダニーニモデルを持ってパチリ!


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トナレッリ氏、今晩は「Stradivarius Friend」という会費を払えばグループに入れるというお食事会へ行かれるそうで(先程のアルフ氏も)、とてもワクワクされていました♪

またすぐお会いしましょう!

トナレッリ氏の詳細は過去ブログをご覧ください♪
blog.shimamura.co.jp


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本日のディナーは、製作家のファッサー氏、アポストロウ氏、ヴィガット氏と郊外の素敵なレストランへ。

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苦しくてムリ~って言いながら次のお皿が出てきたらパクパク...。
マイスターと、帰国したら合言葉は「ダイエット」だね(笑)!

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それでは、Ciao!

今回イタリアで買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木と前田が買い付けを行った楽器は、11月〜12月各地(秋葉原・横浜みなとみらい・大阪・福岡・南船橋・新宿)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
日程等決まり次第順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。

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