島村楽器公式ブログ

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ルシアー駒木のギターよもやま話 その53「日本に届きました!」

みなさまこんにちは!

暑くなってきましたねえ。今年は過去最高に暑い夏になるんだそうですよ。

シャツをヒンヤリさせるスプレーマニアでもある、ルシアー駒木です

あれ、各社で全然冷え方が違うんですよ~


「ルシ駒さんまだ実物見られないんですか!?」と一体何人の方に言われたでしょう。

ん?何の話?って人もいますよね(笑)

分かる人は待ってました!って感じかな(^^)

本当にお待たせいたしました

ついに「その51」で買い付けてきたギターが日本に入国!!

全てのギターを検査&セットアップしてまいりました。

その様子とともに、どんな楽器が入ってきたのか、たっぷり2話に分けて見て頂こうではありませんか!

最近ルシ駒買付品は、ブログに掲載された段階ですぐご連絡を頂き、あっという間に売れてしまうものも多数。早い者勝ちの要素も出てきてしまいました。
このブログを見て気になる楽器があった方はすぐにご連絡下さいね!お近くの島村楽器でスタッフに声をかけて頂いても大丈夫!全て1本限り!!



こちらは千葉県の海に面したとある倉庫。皆さんをお待たせした楽器たちはこちらに届いているはずです。

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Mrカンノが開梱しているうちに、私は検品の準備を進めます。

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あ、そうそう、前回の買付調整ブログを書いた時に、どんな工具を使っているのか、もっと見たい、という声を頂きました。せっかくですので、今回もルシ駒が重視しているものを一つ紹介しましょう。

それは、チューナー



チューナーは色々な種類がありますよね。ルシ駒も仕事の内容ごとに、視認性を優先したり、コンパクトさを優先したり、クリップチューナーを使ったり、アナログ針が良い場面・LEDが良い場面、など、様々な使い分けをします。

そんな中、今回のような検品やセットアップにはこれを使います。

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技術者定番のPeterson社ストロボチューナーです。とにかく精度の面で信頼性の高いPeterson。私も数機種数台所有しているブランドですが、その中でも検品ではこのモデルを使います。このモデルは充電式なので、電源が取れるかどうか行ってみるまで分からないような現場でも安心なんです。

え?

もういいからギターを早く見せろって?

分かってますって

では、おまちかね、いよいよ今回の入荷楽器を、ご覧頂きましょう!!


まずはこのギターから!日本で目にする事は殆どないと言っていいNOVAESのガットギター、です。モデルはCathedral。

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このギター、鳴らした瞬間びっくりしますよ。素晴らしいサウンドです。なのにカッタウェイ付き。現状は生ギターですが、これならピックアップをつけてエレガット化しても良さそうですね!

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このルックス・このサウンド・この仕上げの良さ、、、初めてのガットギターとして、数本目のガットギターとして、ガットギターメインの方、エレキがメインの方、、、皆さんにお勧め出来ます。

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良いガットを探しているけど、何を買っていいかわからないし、良いのはどれも高いしなあ、、、という貴方!もうこれにしましょう!ルシ駒イチオシです。

次は好きな人はたまらない、コリングス2連発!!

まずは前回ブログ掲載後、「本当に!?」と驚きの反応が多かったこれ!

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コリングス D2HA EricJhonson CUSTOM です。

元になっているのはコリングスD2Hのアディロンダックスプルース仕様、D2HAです。この時点で悪いわけは無いのです。
ただ、ルシ駒、それでけでは買い付けません。コリングス自体は日本でも手に入りますからね。

我々にこの楽器を譲ってくれたトレーダーは、Erick氏とのパイプがあり、本人の為に楽器を用意したり、時に改造などもしているとの事。
そこで、本人が使用した楽器や所有した楽器を紹介してくれました。
このギターはその中の1本だったのですが、このギターはErick氏の要望に応える為に、アコースティックギター一番の弱点とも言えるピッチに焦点をあて、改造を施してあります。具体的にはナットやサドルでの改造なのですが、これが見事。

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技術者の私から見ても素晴らしい作業です。勿論本来の目的である「ピッチの補正」に見事成功しており、鳴らしてみると、気持ちの良い響き方をしています。

世の中にはピッチを正確にする目的でアイディアを盛り込んだギターが様々存在していますが、ピッチのズレこそがギターらしさだったりもする訳で、その頃合が難しいところな訳です。
更に、仮に「開放」や「○○フレット」のように特定のポジションでピッチを合わせても、結局他ポジションでは合わないものですしね。

ところがこのギターは、「聴感上でどうなのか」を、耳の良さで有名なErick氏の「演奏者としての視点」で仕上げてあります。その為、理屈ではなくとにかく気持ちがいい!

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これ、ソロギターの人は勿論ですが、ルシ駒としてのお勧めは、歌いながら弾く人。絶対のお勧めですね。このギターらしさを失わないピッチの安定感は、歌いやすさ抜群だと思います。K&Kピックアップも搭載されています。

因みに、譲ってくれた売り手の方は、Erick氏を生撮りした写真を持っており、それも楽器に付けてくれました。でもここには載せません(笑)。
だって、ネット上にも出回っていない本物の生撮り写真。ここで私がブログ掲載したらネット上に出回ってしまいますからね。楽器を購入して頂いた方だけが、ネット上に無い写真を持てるという特別感を感じて頂きたいですから。

そしてもう1本は小ぶりなこのモデル、01 WALNUT!

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買付の際に楽器を選定するポイントはいくつもあります。しかし気の遣い方に関してアコスは特別注意しています。
湿度を始めとした環境が全く異なる日本に持ってきてどうなるのか、木のゆがみと言った物理的な要素も、「鳴り」という演奏者に最も大切な感覚も含んだ要素も、あくまで日本でよい状態になるものでなければなりません。

その点で、この個体、最高!

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これ沢山の皆さんに鳴らして欲しい1本だな~

そしてお次は、ルシ駒が技術者的に興味を持っていたのですが、数は少ないながらも日本での入手も出来る為、買付ならではの個体に出会えるのを心待ちにしていたブランド、、、HUSS&DALTON!ついに買付ならではの個体に出会えました。モデルはTD-Rになります。

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バンジョー製作を原点とした楽器作りが特長のブランド。そのサウンドは、日本人がどれだけ技術力を高めても得られないものです。
ルシ駒はNAMMを始めとしたアメリカのショーに行った時などにも、よくバンジョーのメーカーを訪ねます。
何故ならそこには私が学んできた楽器の世界とは異なった音の広がりがあるので、勉強になりますし、何より楽しいんですね。
このギターはそのバンジョーから広がる音の世界観をしっかり感じる事が出来る1本です。アコス探しをしている人には是非試して貰いたい!

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次の1本は、探していた人も多いのではないですかね!

Martinの、MC-DSM KOA!!

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Martin175周年記念で100本限定発売されたこのモデル、名前からも通常のMartinとは違うことがわかります。MCはMサイズのカッタウェイモデル、という意味ですが、DSMはDistrict Sales Managersの頭文字との事ですから、通常のモデルではない雰囲気を感じます。

技術者的には本当に興味深いギターなんですよ。

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イタリアンスプルースとコアの材組み合わせ、ドレッドより広いボディ幅に、OOOサイズの厚み、音色もMartinらしいとは思いますが、通常のどのモデルとも違う音です。

中古でもなかなか出回らないモデルです。興味ある方はお早めに!



そして今回はビンテージのアコースティックを2本、入手してきました。

しかも同じモデルの年代違い!GIBSONのB-25です。

まずはこちらの1969年製。

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綺麗な色ですね~

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そして2本目は1965年製。

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GIBSONアコースティックにはGIBSONアコースティック以外で出せない音がありますね。

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しかもビンテージ特有のこの響きは新品では出ないもの。ルシ駒選定の「安心して買えるビンテージ」。是非如何でしょうか。

さあ、まだまだいきますよ~!

ここでアンプにいってみましょうか!

まずはこいつ!

Dr Z MAZ38SR SNR BLUEBELL SP !!

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これを待っていた!という方も多いのではないでしょうか、DrZ!この個体はスピーカーをBluebellに換装してあります。

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スピーカー交換は、「大失敗」という事も少なくは無いのですが、これは見事!鳴らせば納得です。ハイエンドなアンプを探している方は即決でしょう。

そして、FRIEDMAN  SMALLBOX50HEAD !

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いやあ、これ良いですよ~

プレキシのような1Chも、これぞフリードマンというファットなドライブの2Chも、最高です。エフェクトループも付いていますから、使いやすいですよね。100Wを控えめに鳴らしている勿体無いギタリストをよく見かけますが、そらなら50Wをしっかりドライブさせて、「本来のアンプの音」を楽しみましょう!

お次も争奪戦でしょう、MATCHLESS 1995 CHIEF!

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マッチレスはとにかく音圧が凄いですね。

そして、やっぱりこれが好き、という人も多いですよね!

MESA BOOGIE MK II WALNUT !

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フュージョンプレイヤーからメタル系まで網羅し、未だに根強い人気のこのアンプ。ウォルナット材のキャビ鳴りも最高です!

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イマドキの「分かりやすい簡単なアンプ」ではありませんが、「あの音」「本物の音」が欲しい人はこれを機会にGETしましょう!

しかも、ケース付です!

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いかがですか?まだまだありますが、今日はまずこのくらいにしましょうか(笑)

あ、そうそう、「その51」を掲載したときに、「今回は仕事以外のところはあまり掲載しなかったんですね~。半年前のブログで掲載した質屋みたいに、街のほかの要素も見てみたいですよ~」と言われました。

Mrカンノと私はいつも基本節約の旅ですから、観光的なものやご馳走の情報は無いのです。が、せっかくなので、一つ面白いものをお見せしましょう。

ドン!!

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ここはどこかともうしますと、工具屋さんです(笑)

ルシ駒らしい寄り道でしょ?

日本では「小さな工具屋さん」か「大きなホームセンター」という選択になるかと思うのですが、ここは「大きな工具屋さん」という感じでしょうか。日本人の想像するホームセンター的要素もありますが、品揃えは工具屋さんといった方が合っている感じです。

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ルシ駒、ここなら何時間でもいられます(笑)。買いたいものは沢山あるのですが、実際のところ買付業務で時間目いっぱいなので、ゆっくり買い物する様な時間はありません。ですが、折角なので、雰囲気だけでも。

そうそう、こういうの↓が売っているところがアメリカっぽくないですか?
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ログハウスとか作るときに、丸太を引っ張る為の道具。凄いなあ。



ではこの辺で前半編は終わりにしましょう。

次回、検品した楽器後半はすぐアップ(笑)予定!!

ルシアー駒木でした。


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