こんにちは。ハラシマです。前回の記事はいかがでしたでしょうか?
前回の記事は、お会いするお客様にも好評でしたので、今回も似て非なる修理「ゆがみ直し」についてご紹介します。
楽器はトロンボーン!! トロンボーンのベルのゆがみ直しについてです。
トロンボーンのベルのねじれ、ゆがみ直しスタート
ゲッツェンのトロンボーンの修理がきたので、ご紹介します。
今回もねじれと歪みが大きいものがきました。まずは写真をご覧ください。
パッと見た感じではよくわからないかもしれませんので、少しベルの部分を拡大してみましょう。
どうですか?ベルにうつる景色が、大きく歪んでいるのがわかりますか?
トロンボーンのベルのゆがみが直るまで
修理工程は前回と同じで、芯金工具を使用して直します。
前回の記事から抜粋しておきますね。
管楽器の修理紹介「トランペットのベル 歪み直し」 - 島村楽器公式ブログヘコミ・ゆがみを直す道具について
ベルのめくれや歪みを直す際には、『芯金』と呼ばれる工具に楽器を当て、専用ローラーなどでシゴいたり、専用ハンマーで叩いたりします。
この様々な形の芯金にベルを当て、ハンマーで叩いたり、ローラーなどでシゴイたり、という工程を繰り返して直すのですが、これがとても大変な作業なんです。
普段使わない筋肉を使うために筋肉疲労や、ヘコミや歪みを必死に見るので眼精疲労が激しくでる時もあります(笑)。
ヘコミを直す時はチカラ加減が重要なんです。チカラをかけ過ぎると膨らんでしまい、ゆがみがさらに大きくなりますし、弱すぎるとヘコミや歪みは直らずに、ただ金属をのばしているだけになります。
直すには絶妙なチカラ加減が必要なんです。
修理完成です!
どこまで直るか楽しみだと思いますが、仕上がりました。
どうですか?こんなにキレイに仕上がるなんて、驚きですよね。
拡大して見てもわかりますが、ベルに写る工房の景色が、よく見えますね(笑)。
2枚目の写真を目を凝らしてよく見ると、左上から右下へうっすらと斜めに白いスジが残っています。これは歪んだ際に金属が伸びてしまったために残るシワなんです。
これを直すとなると、塗装を剥がし再塗装をする事になり、音質・響き・吹奏感などが大きく変わると思います。そして修理金額も高額になりますので、メッキやラッカー、そして楽器の状態など様々な条件で値段が変動しますので、おススメはしておりません。
いかがでしたか?
今回の大きく歪んだベルの修正をご紹介しました。
ゆがみやヘコミの修理は、プレイヤー自身にとっては「キレイになおるのか?」とか「どこまで直るんだろう?」といった話が多いですよね。
ヘコミや歪みの状態や、金属の状態によって修正痕が大きく残る場合もありますが、キレイに直して演奏できる状態にしていきます。
楽器のリペアは修理をして完璧にもとに戻すことだけではなく、お客様のご予算や悩みを解決し、また音楽・楽器を楽しめることが大事だと考えますので、是非困った場合はお気軽に相談してくださいね。
今後も、このブログで定期的にヘコミや歪み、塗装などを紹介できればと思いますので、よろしくお願いします。
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