皆さんこんにちは!
中国出張をした為に、大好きな献血に行けず、ムズムズしている、ルシアー駒木です。
海外に行くと献血に制限があるって皆さん知ってました??
www.jrc.or.jp
さて、(出張で不在が多いですけど 汗)私の作業台がある、「島村楽器 ギターリペア工房」。
リペア工房、と名乗っていますので、当然工房で承る殆どのご依頼は「リペア」、、、つまり「修理」な訳です。
私も様々な難治療を行ってきました。ブログでも結構凄いのをご紹介してきましたよね。例えば、
↓続編
↓続編
↓続編
あたりでしょうか。
そんな修理記事の中、時々挟む「カスタム」、、、つまり改造の記事も、ブログでの反応は結構大きかったんです。例えば、
などです。
先日も、とあるお客様から、「他にどんな作業やってるんですか?」と質問されたばかり。
「修理ではない作業」、と言っても一体どんな事してるのか、興味がある方も多そうですね。
そこで今回は、壊れていた訳ではない楽器に、能動的に手を入れた内容を2つばかりご紹介してみたいと思います。
まずはこちらのギター。
なんとも言えないカラーリングで仕上げられています(笑)
実はこのギター、『ルシアー駒木関西イベントツアー』の際、トークショーの最中に、デモンストレーションでブレーシングを削って音作りをした個体なんです。それをお客様が気に入って下さり、折角なら誰も持っていない色に塗ってしまおう、という流れになったものです。
元になっているのはこちらのモデル。
元は完全なナチュラルカラーですね。
これ、一見変な(オーナー様失礼しました 笑 )色ですよね。でも、隠れたテーマがあるんです。さて、何だかみなさん分かるかな~?
ご依頼のポイントは、「露骨にそのものとして何なのか分かるような塗装にはせず、勿論絵でそのものを描くのでもなく、『一見何だか分からないけれど、何なのか知った時に“言われてみれば!”となるカラーリング』にしたい」というものでした。
(以下色画像は、写真をプリントアウトしたものをそのままカメラで撮ったものです。その為色味が少々おかしいのはご容赦下さい)
まず、ヘッドの3色のグリーンが絶妙に絡み合ったカラー↓
そしてこの↓色が茶色家らから緑になっていくところ
は、この↓土と芝の色
もうお分かりでしょうか、そう、隠れテーマは「甲子園球場」(笑)
勿論エアブラシなど用いてリアルな球場の絵を描いたり、写真を転写したりも出来る訳です。
(著作権や肖像権の話は別として)どんなモチーフもリアルに再現する事は出来ます。
でも今回は「一見何だか分からない」というのがオーナーさんの拘り(笑)
確かにそういう感じになりましたね(笑)
こういう遊び心満点の依頼は楽しいです。
次のギターは、、、こちら!
綺麗なギターですね~
内容としてはスキャロップド加工、なのですが、只のスキャロップではありません。
まず7弦ですし、且つオーナー様の演奏スタイルにマッチしたオリジナルの形状で加工しました。
カッコいい(^^)
世の中的にスキャロップド加工というと、よく言うのは「リッチータイプ」と「イングウェイタイプ」。
今回はどちらとも少し異なります。ポイントとしては、、、
ローフレットはリッチータイプに近いけれど、6弦側まで彫られている
フレットとフレットの間で最も深くなる位置を、オーナー様が押さえる位置に合わせてある
という感じです。どうですか??
実は、この楽器は選定にもルシ駒が関わっています。
「良い7弦を探してください!」というご依頼。お話を受けてから買付に行く度に探してきました。
7弦自体はいつの買付でもすぐ見つかります。ですが、売れ線の7弦・イマドキの7弦で良さそうなのがあっても、ルシ駒が納得出来ない個体は買い付けて来ませんので、結果的にご依頼頂いてから随分とお待たせしてしまいました。
しかも最初から「スキャロップをお願いするかもしれない」という前提での選定依頼でしたので、ネックの木材は随分選びました。スキャロップにしても後からの反りが安定する木取りの個体でなければいけません。
ですが、お待たせした価値のある1本を探せたと思っています。
いかがですか?
改造にルールはありません。アイディア次第ですね。当工房には、そのアイディアを具現化する技術があります。遊べてしまうのはギターという楽器ならでは!
学園際に向けて、ピックガードから光線出るようにしたい(笑)とか、ボタン押したらギターから煙が吹き出るようにしたい(笑)とか、小型のミラーボールを組み込んじゃおう(笑)とか、要するに何でもいいんです!
まずはアイディアを雑談しに、島村楽器へGO!!
ルシアー駒木でした