島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

PCDJ入門機の新定番!Pioneer DJ DDJ-RB 製品情報&最速レビュー

ddj-rb-angle

Pioneer DJはDDJ-SB2に続く新たな入門機DDJ-RBを発表しました。



主な機能

rekordbox DJフルバージョンが付属

上位機種と同じフルバージョンが付属します。エフェクト他機能をフルで使えます。


上位機種同等の操作感

「JOG」、「PERFORMANCE PADS」、「PLAY」ボタン、「CUE」ボタン、ミキサーのつまみやフェーダー等の各操作インターフェイスを、上位機種同様の操作感でDJプレイが楽しめます。


高い入力音声レベルでも歪まずに、明瞭に拡声できるマイク入力回路を搭載

本体背面にマイク入力端子が搭載されており、クラブイベントやパーティーでマイクを使ったパフォーマンスができます。また「rekordbox dj」に搭載したMIC用の3バンドEQ、エフェクト等を使用することで、より音楽にマッチしたマイクパフォーマンスが可能です。



DDJ-RB最速レビュー

DDJRB_2


パイオニアDJDJコントローラーDDJ-RBを発表しました。

実機を早速見てきましたので、簡単ですがポイントとなる機能をレビューしたいと思います。

DDJ-RBと同価格のDDJ-SB2

DDJRB_1

写真左:DDJ-SB2

写真右:DDJ-RB

付属ソフトが「SERATO INTRO」のDDJ-SB2と「rekordbox DJ」のDDJ-RBを並べてみました。

ぱっと見はサイズも同じで、付属ソフト以外特に違いは無いと思いきや、、


DDJRB_3

PLAY/PAUSEとCUEボタンが独立してます!

DDJシリーズの上位機種やCDJシリーズと同じ仕様になっていますね。

ボタンを配置した分隣に配置されている8つのパッドはDDJ-SB2より一回り小さくなっています。

使い勝手がよいエフェクト

DDJRB_8

非常にシンプル。エフェクトのビート切り替えはDJプレイではよく使うので実用的です。


DDJRB_6

rekordbox DJのエフェクト切り替えもshifiボタンを押しながらFX ONボタンを押すことでエフェクトの選択ができます。


DDJRB_9

PAD FXをONにすることでパッドでエフェクトをかけることもできます。

ループ機能

DDJRB_5

ループ機能も独立しています。


ジョグホイールデザイン

DDJRB_4

ジョグホイールの中央には付属のDJソフトウェア「rekordbox 」のロゴが入っています。


マイク入力にもこだわってます

DDJRB_10

リアパネルに配置されたマイク入力のグレードが上がっているようです。より歪みにくい設計にしたとのこと。


DDJRB_11

さらにはrekordbox DJで音質調整ができ、エフェクトもかけられます。

これからPCDJをはじめる方には最適なコントローラーで、入門機の新定番となりそうですね。


5月20日(金)発売です。ぜひ展示店舗へ実機を触りに来てください!



デジタル楽器のレビューは「Digiland」でチェック!

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あの人はこんな楽器を使ってる!楽器店スタッフの「今一番愛用している楽器」

みなさんこんにちは!Webサイト担当のニシナガです。
最近、島村楽器各店のスタッフに「シマブロ」で色々なお題を元に記事を書いてもらっています。
前回は「楽器店スタッフのクリスマス・お正月オススメアイテム」というお題で色んなアイテムを紹介してもらいました^^

今回も私が登場したということは~!そうなんです!また新しいお題でみんなに記事を書いてもらいました~!

今回のお題は「今一番愛用している楽器」!
普段お店に行った時に話してるスタッフがどんな楽器を使っているかってみなさんご存知ですか?
知らないことの方が多いんじゃないでしょうか?

早速何人かご紹介していきますね!

楽器店スタッフが「今一番愛用している楽器」をご紹介!

イオンモール釧路昭和店 片山の場合

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片山さんは店舗でスタッフとして働きながらフルート講師としても働いています。
そんな彼女の愛用楽器はもちろんフルート!
今一番愛用しているフルートとの出会いのキッカケや、つけた名前、気に入っているところや「もっとこうしたい」とカスタムパーツを使ってカスタマイズしたところなどを語ってくれました。

新浦安ショッパーズプラザ店 橋本の場合

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アイドルマスター、ラブライブが好きだという橋本さんはお客様だった頃に店頭で一目惚れしたというギターを紹介!
フロイドローズ搭載ギターを使っている人なら誰もが直面したことがあるというポイントを改善するために施したパーツ交換を合わせて紹介してくれました!
ブログでは非常にさりげな~~~~く紹介していますが、このパーツ、とても便利そうです!


郡山アティ店 遊佐の場合

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管楽器・ギターと続いてきましたが、遊佐が愛用している楽器は鍵盤ハーモニカ!
相当なこだわりを持っていることが伝わってくる濃厚な説明が続きます。
鍵盤ハーモニカという、小学生でも知っている楽器の中にこんな深い世界があったことを知らなかった方も多いのではないでしょうか?

気になった方は、ぜひ郡山アティ店で遊佐と世間b・・・・・・いえ、楽器の話をしましょう!


八王子店 花井の場合

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現在八王子店にて店長として勤務している花井が松本パルコ店勤務時に紹介してくれた愛器は信州madeのT's Guitarsさんが製作した花井の人生初のオーダーギター!

ブルーにゴールドパーツがカッコいいこのギターですが、なんでこのカラーにしたの?というエピソードには花井がギターと同じように愛する「あるモノ」の影響が…


郡山アティ店 阿部の場合

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デジタル・エリア・マーチャンダイザーという、たくさんのお店のデジタルコーナーを担当する阿部が紹介する愛器はもちろんデジタル…じゃない!?
一見するとマンドリンにも似た、スペイン発祥の楽器、バンドゥーリアを紹介してくれました。
ブログの中ではこれ以外にもたくさんの楽器を紹介しています。
もちろんデジタル楽器も登場しますよ!笑

ちなみに郡山アティ店はスタッフ全員がそれぞれブログを書いてくれたので、まとめブログも掲載されています。

他にもたくさんのスタッフが「今一番愛用している楽器」をご紹介!

いかがでしたか?今回のブログではたくさんのお店が掲載してくれた記事の中から一部だけご紹介させていただきました!
この他にもたくさんのスタッフが「今一番愛用している楽器」を紹介していますので、ぜひご覧下さいね^^


お店のスタッフと「今どんな楽器使ってるんですか~?」なんて話をしてみても楽しいと思いますよ!
ぜひお店に行った時には声かけてみてくださいね!

それではまたお会いしましょう!
Webサイト担当のニシナガでした~

掘り出しモノを発掘せよ!!「デジランドアウトレット」オープン!!

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こんにちは、WEBサイト担当のオオワキです。

「あの楽器欲しいけどちょっと値段が….」
なんて理由で買わずにあきらめた経験はよくありますよね!
そんな皆さんに朗報です!

2015年7月3日に全国の島村楽器で販売中のデジタルガジェット商品からお得な店頭展示品、アウトレット商品を掲載している「デジランドアウトレット」がオープンしました!!

info.shimamura.co.jp

今回はその「デジランドアウトレット」についてご説明します!!

デジランドアウトレットとは

デジランドアウトレットとは、全国の島村楽器にて取り扱っているDTMDAW関連機器、シンセサイザーキーボードDJ&VJ機器、PA機器、マイクなど…デジタル関係の商品の中から、店頭展示品・アウトレット商品のみを掲載して販売するサイトです。

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どんな商品が掲載されているの?

それでは少しだけ商品をのぞいてみましょう!

nord ELECTRO 4 HPが34%OFFに!!

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こちらのオーディオインターフェイスはなんと69%OFF!!

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うーん、見ていてとてもワクワクしますね!

デジランドアウトレットでは、廃盤品から店頭展示品として扱われていた現行品まで多数、取り扱っております。
掘り出しモノはすぐに売れてしまうと思うので、こま目にチェックする必要がありそうですね...。

商品を探す

一覧を眺めているだけでも充分楽しいのですが(笑)
自分の目当ての商品があるかどうかが一番大事ですよね!

ということで、お目当ての商品を探してみましょう!

画面左手をみるといかにも検索できそうな場所がありますね...。
※スマートフォンは1番下までスクロールすると見えてきます。

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カテゴリから検索の上にマウスカーソルを乗せると...

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更に詳細になったカテゴリ一覧がでてきました!
これでお目当ての商品までひとっ飛びですね!

さらに条件を絞って検索したい方は「詳細検索」もできます!

購入方法

目的の商品が見つかったら次は商品を購入したいですよね!

「東京在住だけど九州の店舗に目的の商品があった…。」
なんて方でもご安心下さい!

  • 近くの島村楽器に送って直接買う
  • 宅配便で代引き着払いで買う

など様々な方法でお買い求めできます!

まずは、取り扱い店舗へ購入のご相談をしてみましょう!!

お問い合わせはどこからすればいい?

デジランドアウトレットでは以下の

  • 「お店にご来店頂く」
  • 「お電話で確認する」
  • 「お問い合わせフォームから購入・質問する」

方法で商品の購入・お問い合わせを承っています。
商品についてのお問い合せは商品ページの掲載店舗情報からできます。
皆さんそれぞれに合った方法でお問い合わせくださいね〜。

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info.shimamura.co.jp

いかがでしたか?
「ひと通り商品を見たけど欲しいモノがなかった〜」なんて方もご安心ください!
これからも続々と商品が追加されていくので、頻繁にチェックしているとお目当ての商品に出会えるかもしれませんよ〜!

それでは、またお会いしましょう!

【今さら聞けない用語シリーズ】ハイレゾ音源とは?DSDって何?

au07
※日本オーディオ協会推奨ハイレゾ・ロゴマーク(同協会ニュースリリースより転載

はじめに

ハイレゾ・オーディオ(またはハイレゾ音源)」「ハイレゾ対応」といった言葉を良く耳にしますが、この「ハイレゾ」というのは「ハイレゾリューション=High(高) Resolution(解像度)」の略で「高解像度」を意味します。「音」の場合は、デジタル化する際の解像度のことで、音の解像度が高ければ高いほど「高品質な音」ということになります。

映像の場合は解像度が高くなればなるほど「美しい画像」になるわけですね。家電店の液晶テレビコーナーで、4k(ヨンケー)とか8k(ハチケー)といった表示を見ることがありますが、これはテレビの解像度が横4000ピクセル(※)ですよという意味です。ちなみに4Kはフルハイビジョンの4倍の画素数となります。

※kはキロ(1000)ピクセルは色情報の最小単位、多ければ多いほど精細な表示が可能となります。

ハイレゾ・オーディオ」とは?

ハイレゾ・オーディオが高品位であるということはなんとなくご理解いただけたかと思いますが、では何と比べて高品位なのでしょうか?それを説明する前に「デジタル化された音」についておさらいしておきましょう。

CD、DVDなどのデジタル化された音楽(または音)データは、みな標本化と量子化(ここで覚える必要はありません)といったプロセスを経てデジタル化されています。サンプラーという楽器やDAWなども0と1という数値に音を置き換えてデジタルデータとして記憶するわけですね(代表的なのがPCMという方式)

デジタル化のイメージ
アナログ信号を・・・
analog0-500x422

デジタル化
↓ ↓ ↓ ↓
quantization-500x466

【関連記事】

ここでどれだけの細かさでデジタル化するのか?の単位が「レゾリューション=解像度」と考えてください。たとえばCDの場合は「44.1kHz、16bit」という単位でデジタル化されているのですが、この数字が大きくなればなるほど高解像度となります。

レゾリューションのイメージです(グラフ横軸の細かさがHz、縦軸がbitとお考えください)

1)オリジナルの音声信号

01org

2)低レゾリューション

02arai

3)高レゾリューション

03komakai

ハイレゾ音源の定義はこれまでけっこう曖昧だったのですが、JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)が、昨年その基準を発表いたしました。


これによればハイレゾ・オーディオは「CD スペックを超えるデジタルオーディオであることが望ましい」ということで、まとめたのが以下となります。

  • 384kHz/32bit →(CD スペック超/CD スペック超)→ ハイレゾオーディオ
  • 192kHz/32bit →(CD スペック超/CD スペック超)→ ハイレゾオーディオ
  • 192kHz/24bit →(CD スペック超/CD スペック超)→ ハイレゾオーディオ
  • 96kHz/24bit →(CD スペック超/CD スペック超) → ハイレゾオーディオ
  • 96kHz/16bit →(CD スペック超/CD スペック同等)→ ハイレゾオーディオ
  • 48kHz/24bit →(CD スペック同等/CD スペック超)→ ハイレゾオーディオ
  • 44.1kHz/24bit →(CD スペック同等/CD スペック超)→ ハイレゾオーディオ

以下のものはハイレゾではありません。

  • 48kHz/16bit →(CD スペック同等/CD スペック同等)→ 非該当(※)
  • 96kHz/12bit →(CD スペック超/CD スペック未満)→ 非該当
  • 32kHz/24bit →(CD スペック未満/CD スペック超)→ 非該当
  • 44.1kHz/16bit→(CD スペック)→ 非該当

※DAT/DVD などのフォーマットで使用されている 48kHz/16bit も「非ハイレゾ」となっています(44.1~48kHz/16bitはCDスペックと定義)

というわけで従来のCD、DVD、DATと等と比べて高品位な音楽等を楽しむことができるのがハイレゾ・オーディオということになります。なお「96kHz/24bit」の場合はCDの約3.2倍、「192kHz/24bit」になると約6.5倍の情報量を含むことになります。ただしその分データ・サイズも大きくなります。

UR12

近年、スタジオ・レコーディングでは「96kHz、24bit」で録音するケースも増えているようですが、ならばそのままの解像度で聞きたいと思う方も多くなっているのではないでしょうか?そんな背景もあって、ここ数年でインターネット経由でハイレゾ・オーディオ(音源)を購入できる音楽配信サイトも増えてきました。

さまざまなアーティストの過去の名盤リマスターや、最新のレコーディング機器で録音された最新作等をハイレゾで楽しむことができるようになったのはありがたいことですね。

音声ファイル・フォーマットについて

最近はWAV、MP3、AACのほか、FLAC(フラック / Free Lossless Audio Codec)というファイル形式で楽曲が販売されるケースも多くなってきました。それではここでこれらのファイルの違いについてまとめてみましょう。

262px-Flac_logo_vector.svg photo by wikipedia

詳しい原理等は割愛いたしますが、「非圧縮」のデジタル音声データが「リニアPCM」と呼ばれる「WAV(ワブ)」や「AIFF(エーアイエフエフ)」で、これが一番高品位となります。iTunesで購入できるAAC(Advanced Audio Coding)やお馴染みのMP3、WMAは「圧縮」ファイルなので、WAVと比較すると音質的には負けますが、データサイズが小さくて済むという利点があります。

なおこの圧縮グループのなかには可逆圧縮(ロスレスともいいます)と不可逆圧縮という種類があります。たとえばオリジナルの音声ファイルを圧縮した場合、色々切り捨ててしまってもう元には戻せないのが不可逆圧縮(AAC、MP3、WMAなど)です。

しかしFLACというのはオリジナルの音声を圧縮してデータサイズを小さくできる上に、なぜかまたもとに戻すことができるという可逆圧縮方式ファイルなのです。

しかもオープンソースでライセンス料金が発生しないということで、近頃は音楽配信サイトでもFLAC形式のファイルが採用されているケースも増えてきました。可逆圧縮方式は他にもアップル社のALAC(Apple Lossless Audio Codec)などがあります。

圧縮

DSDとは?

ハイレゾ・ブーム?の昨今、DSD形式のハイレゾ・オーディオというものが注目されています(日本オーディオ協会によってDSDもハイレゾとして扱われています)
DSDというのは「Direct Stream Digital」の略で、CD-DAやDVDビデオのPCM方式(16bit44.1kHzなど)ではなく、ΔΣ変調(デルタシグマへんちょう)とよばれる原理でデジタル化する方式のことです。DSDは高サンプリング周波数、低ビットが特徴で、たとえばCDの64倍の「2.8224MHz(=2822.4kHz)、1bit」という単位でデジタル化されています(5.6448MHz、1bitなどもあります)
PCM方式と比較すると低ノイズ、瞬発力の高さ、データ量の軽減等々の特徴があり、PCMに代わる今後の主流となるといわれているようです。

500px-DSDlogo.svg  photo by wikipedia

この原理を採用しているものには「SACD」がありますが、最近はこのDSDに対応したレコーダーやインターフェース(DAC)などが多く発売されています。また先ごろCakewalk社のDAWSONAR」の最新バージョンではDSDに対応すると発表されています(どのレベルの対応なのかは未定です)

※DSDにはDSDIFF、DSFなど様々なファイルフォーマットがありますがそれぞれに互換性はありません。

注)「1bitオーディオ=DSD」という認識の方もいらっしゃると思いますが、実際にはΔΣ(デルタシグマ)変調だけが1bitオーディオというわけではないとのことです。

ハイレゾ・オーディオを楽しむには何が必要?

さてそれではハイレゾ・オーディオを楽しむためには何が必要なのでしょうか?ざっと以下の様なものになるかと思います。

  • パソコン(ブロードバンド・ネット環境必須)
  • ハイレゾ対応再生ソフト(※)
  • ハイレゾ対応再生機器(DAC、オーディオ・インターフェース、ポータブルプレーヤーなど)

※)ハイレゾ対応ポータブルプレーヤの場合は、再生機能が本体に備わっているので再生ソフトは別途必要ないかと思います。なおリスニングスタイルに応じて

が必要になってくると思います。

パソコンにイヤホンを接続して再生ソフトで再生することもできますが、これではハイレゾの意味がありません(PCのノイズや、再生の時点でハイレゾではなくなっているのです)これは超高画質の映像作品をブラウン管の白黒テレビで見ているようなものですね。そこで上記のような専用機器が必要になってくるのです。

1)ポータブルプレーヤーでどこでもお手軽再生

PC_Player_ear

2)USB-DACまたはオーディオ・インターフェース

DACというのは「digital to analog converter」の略でデジタル信号からアナログ信号に変換する(D/A変換)機器のことです。

広義にはUSB DACもオーディオ・インターフェースの一種ですが、DACはD/A変換=すなわち出力のみのリスニング向けオーディオ・インターフェース。D/A変換だけでなくギターやボーカルなどのアナログ信号をデジタルに変換してパソコンに取り込む機能(A/D変換)=すなわち入出力機能を持っている「音楽制作向けオーディオ・インターフェース」が一般的には「オーディオ・インターフェース」と呼ばれているようです。ややこしくてすみません。

USB-DACとオーディオ・インターフェースの違いをまとめてみます。

  • オーディオ・インターフェース音楽制作向き:入出力対応(AD/DA)
  • USB DACハイレゾに特化したリスニング向き:出力のみ(D/A)

PC_DAC_SP

アンプが内蔵されていないスピーカーを使用する場合は別途アンプが必要となります。

最近は192kHz、24bit対応といったオーディオ・インターフェースも多いので、オーディオ・インターフェースでハイレゾ・オーディオを楽しむことはできます。DSDに対応している音楽制作用オーディオ・インターフェースはまだ少数のようです。DSD音源リスニング・オンリーであればコルグのDS-DAC-100のようなUSB DAC、音楽制作ハイレゾも楽しみたいという方は352.8kHzのPCMと5.6448MHzのDSDにも対応したローランド Super UA 等がおすすめです。

【関連記事】

ハイレゾ再生ソフト

パソコンでハイレゾ・オーディオを再生するためにはハイレゾ対応ソフトが必要です。たとえば無料の iTunes はDSDやFLACは非対応です(2015/2現在)Windows対応「foobar2000」等のフリーウエアや、Windows Media Player 12の場合は、特定のコーデックをインストールしたり、各種設定もかなり複雑なので今回はあえて取り上げませんでした。どうしても無料が良いという方はGoogle検索で色々と出てくるので、自己責任でよろしくお願い申し上げます。

foobar2000

0001

というわけで、ここではKorgAudio Gate3ご紹介いたします。
AudioGate00

「AudioGate3」はダウンロード後にDS-DACシリーズ、MRシリーズ本体を接続してライセンス認証を行うことにより、正規版として使用することができます。同シリーズのユーザーでない場合は、機能制限付きのライト版を無償で使用可能です。

AudioGate01

【ライト版の制限事項】

  • DSD再生は44.1kHzまたは48kHzのPCMへの変換再生になります。
  • 出力サンプリング周波数は44.1kHz、48kHzのみ
  • 編集機能:分割、統合、チャンネルリンク不可
  • エクスポート不可
  • リアルタイム変換処理:低負荷のみ対応
  • デイスク作成

正規版のAudioGateは、MP3やAAC、44.1/48kHz ~96/192kHz のWAV、FLAC、DSDという幅広いファイル・フォーマットに対応しています。また量子化ビット数やサンプリング周波数の違いのみならず、異なるファイル・フォーマットとの混在したプレイリストによる再生も可能となっています。

www.korg.com

2015/6/18 追記:ティアック株式会社が、DSD 11.2MHz/PCM 384kHz 32bit対応の 波形編集ソフトウェア『TASCAM Hi-Res Editor』 Windows版をTASCAM(タスカム)ブランドで無料配信を開始しています。

おまけ:ハイレゾ・オーディオを購入できるサイト紹介


販売されているハイレゾ・オーディオがご自分の機材、環境で正常に再生できるかどうかは必ず各サイトでご確認ください。

そんなわけでハイレゾについて色々とご紹介してきましたが...

そんなわけでハイレゾについて色々とご紹介してきましたが、そもそもハイレゾってほんとうに音が良いの?」「ちゃんと聴き分けることができるの?」といったご意見もあると思います。あと世の中には単にビットレートとアップサンプリングしたいわゆる「偽レゾ(ニセレゾ)」と呼ばれる音源もあるようで話はややこしくなるのですが、上記で紹介した配信サイトには無料ハイレゾ・サンプルをダウンロードできるところもありますので、実際にご自分の耳で確かめていただきたいと思います。それでは~

デジタル楽器のレビューは「Digiland」でチェック!

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これですべらない!? サステイン・ペダルスイッチ「ヤマハ FC4A」を試してみました(実験あり)

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前モデルからなんと44年ぶりにリニューアル発売されたフットスイッチYAMAHA「FC4A」を試してみましたのでそのレポートをお伝えします。

シンセサイザー等、各種キーボードには必須のサスティーン・ペダルスイッチですが、各社からさまざまなモデルが発売されています。ペダルなんてどれもみな同じでしょ?・・と思うのは大間違い!耐久性はもちろんですが、演奏時の安定性はプレーヤーにとって非常に重要なのです。
たとえば複数のキーボードをライブで使用するケース。この場合、おそらく足元はこんな感じではないでしょうか。
少々わざとらしいかも・・・


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演奏中にペダルが滑って動いてしまい、違うキーボードのペダルを踏んでしまった・・という経験をされた方もいらっしゃると思います。ライブステージではガムテープ等で固定したりするのですが、安定していないペダルより安定しているほうが良いにきまっています。

さて、今回発売されたヤマハの「FC4A」はピアノのサステインペダル型スイッチタイプのフットスイッチで、前モデル「FC4」に比べ耐久性の向上、および踏み込み時の安定性の向上を実現したモデルとなっているとのこと・・・というわけで新製品のFC4Aをヤマハさんにお借りしてじっくりチェックしてみました!

ペダルに求められる安定性とは?

前述のとおりサスティーン・ペダルは踏んでもズレにくい =「安定性」が非常に重要なわけですが、まず静止状態にあるペダルについて力学的な見地から考えてみましょう。

ご存知の通り、床に置かれたペダルには重力(W)と垂直抗力(N)という2つの力が働いています。

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垂直抗力というのは質量を支えるために床から受ける上向きの力のことです。このペダルは現在静止しているのでニュートンの運動方程式 F=ma(F:力、a:加速度、m:質量)で表すと、加速度aは「ゼロ」つまり、

m×0=F ⇒ F=0 ・・・力がゼロ!


運動方程式のFは「力の総和」&「残っている力」でもあるので、今は「重力と垂直抗力が釣り合っている(プラマイ=ゼロ)」すなわち

W=N

という平和な状態です。

※注1)「加速度=ゼロ」は必ずしも静止している状態だけを表すわけではありません。仮に氷上のスケートの様に極めて摩擦係数の少ない状態においては、等速度運動となり加速度ゼロでも動いていることになります。映画「ゼログラビティー」「インターステラー」のような感じですが、しかし等速度運動を行うサスティーンペダルを目にする機会はこの先おそらく無いと思いますので、ここでは深く考えなくてけっこうです。

それを踏まえ、

さて肝心の新製品「FC4A」を見てみましょう。

前モデルFC4(左)と新製品FC4A(右)を比較してみます・・見た目のサイズも少々大きくなっていて頑丈そうですね。

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踏み込みインプレッション

FC4Aは前モデルのFC4よりも踏み込み時の安定性が向上しているとのことですが、まずは踏みごこちをくらべてみました。経年で多少ヘタり気味のマイFC4と比較するのは少々アンフェアかなあと思いましたが、それを割り引いても明らかにFC4Aのほうがしっくりきます。ひょっとしてアクション機構が変わったのか?と思ったので調べてみることにしました。

これは前モデルのFC4の裏ぶたを外してみたものです。黄丸の部分に「薄板バネ(?)」が見えますが、FC4はこのバネの弾力を利用している構造のようですね。これは44年間変わっていないのでしょうか?
追記:ほぼ変わっていないそうです。

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つづいて新製品のFC4Aですが・・・・さすがにお借りしているものを分解するのは気が引けます・・ので、スキマからコッソリ覗いてみました。
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こちらは「圧縮コイルバネ(?)」を採用しているようです。スイッチ感知部分の詳しいスペックは後ほど調べてみたいと思いますが、安定した「ふみ心地」はこの「圧縮コイルバネ」機構のおかげなのかもしれません。

安定性が向上

つづいて肝心の安定性はどうなっているのでしょうか?非常に気になるところですが、その前にペダルが「徐々にズレて遠ざかってしまう」という厄介な現象についてあらためて考えてみましょう。

ペダルを踏む際、足は垂直方向からではなく若干斜め方向より踏みつけることになります。したがって力が分解され、ペダルには上から下への力と同時に前方方向への力も加わります(注:図はあくまでイメージです)

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その結果、ペダルには上図では右方向への力(F1)が加わりますが(摩擦力のおかげで)ある限界値以上の力が加わらない限りペダルは動きません(厳密にはさらにごくわずかな空気抵抗も加わっています)

もしペダルと接地面に摩擦力がなかったら、ペダルはきっと地上を永遠にさまよう等速度運動をおこなうことになります(でもケーブルがつながっているから大丈夫!)

さてお馴染みのクーロンの摩擦法則では 荷重を P、比例定数(摩擦係数)を μ とすると摩擦力 F は

F=μP

という式で表すことができます。


つまり物体の質量が大きいほど最大静止摩擦力は大きくなります。以上のことからペダルを安定させるためには下記の2種類の方法が導き出されます。

  1. 質量を大きくする
  2. 摩擦係数を大きくする

手っ取り早いのは質量。高密度の金属などを使用し、ペダルの重量を50kgくらいにすればスケートリンク上でない限りまず大丈夫!しかしコストもかかるし誰も欲しいとは思わないでしょう・・・そこで第二の方法となるわけですが、なんと摩擦係数を大きくするためにこの FC4A にはゴム性のストッパーが前後に装着されているではないですか!

前部:このゴム?の絶妙な角度が抜群の安定性を生み出しているように見えます。

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後部
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前モデルFC4と比較してみましょう・・あきらかにFC4Aの摩擦係数対策は優れているように思えます。

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最初の写真で写っているカーペット上で試したところ、FC4はするする動いていってしまったのですが、FC4Aはびくともしませんでした(通常の演奏です)

安定性実験

「それってほんとうなの?」という方のために論より証拠、FC4とFC4Aの安定性比較実験をおこなってみましょう。どこにでもある一般的なテーブルの上に新旧モデルを並べ徐々にテーブルを傾けていき、どの角度まで滑落を耐えることができるのか試してみました。

注)でんじろう先生立ち会いのもと・・ではないので、あくまで参考としてご覧ください。


(※2)器物破損や大怪我をする可能性があるとても危険な実験です。皆さんは決してマネをしないでください

それではスタート!
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約40~45度傾けたあたりで、早くもFC4は脱落。儚くも奈落の底に落ちていってしまいました。
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予想以上に粘るFC4A・・・しかし、角度が65度付近を超えるとさすがの FC4A もギブアップ。FC4Aはこの直後、実験スタッフの差し出す座布団に無事キャッチされ無事でした。
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では動画でご確認ください。


いかがでしたでしょうか?安定性と耐久性が向上した新しいフットスイッチ「FC4A」は、これからのシンセサイザーキーボードプレイヤーには必須のアイテムとなることでしょう。たかがフットスイッチ、されどフットスイッチ・・・奥が深いですね。

なおハーフペダル機能が必要な方はFC3(ステレオ標準プラグ)をお買い求めください。その際、お使いのキーボードがFC3対応機種かどうか必ずご確認下さい。

左からFC3、FC4、今回試したFC4A
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store.shimamura.co.jp



【関連記事】


踏み込み時の安定性が改良されたサステイン・ペダルスイッチ「FC4A」発売 – Digiland (デジランド) 島村楽器のデジタル楽器情報サイト



※1)FC4Aの動く速度は光速に比べて極めて小さいので相対性理論の運動方程式を考慮する必要はありません。


参考文献:

大人のための高校物理復習帳 (ブルーバックス)

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