読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

【今さら聞けない用語シリーズ】ハイレゾ音源とは?DSDって何?

au07
※日本オーディオ協会推奨ハイレゾ・ロゴマーク(同協会ニュースリリースより転載

はじめに

ハイレゾ・オーディオ(またはハイレゾ音源)」「ハイレゾ対応」といった言葉を良く耳にしますが、この「ハイレゾ」というのは「ハイレゾリューション=High(高) Resolution(解像度)」の略で「高解像度」を意味します。「音」の場合は、デジタル化する際の解像度のことで、音の解像度が高ければ高いほど「高品質な音」ということになります。

映像の場合は解像度が高くなればなるほど「美しい画像」になるわけですね。家電店の液晶テレビコーナーで、4k(ヨンケー)とか8k(ハチケー)といった表示を見ることがありますが、これはテレビの解像度が横4000ピクセル(※)ですよという意味です。ちなみに4Kはフルハイビジョンの4倍の画素数となります。

※kはキロ(1000)ピクセルは色情報の最小単位、多ければ多いほど精細な表示が可能となります。

これは4K撮影が可能なウェアラブルカメラ「GoPro(ゴープロ)」ミュージックエディション
バンドのライブやPV制作、" 弾いてみた動画 " で大活躍するマウントがセットになっています。

ハイレゾ・オーディオ」とは?

ハイレゾ・オーディオが高品位であるということはなんとなくご理解いただけたかと思いますが、では何と比べて高品位なのでしょうか?それを説明する前に「デジタル化された音」についておさらいしておきましょう。

CD、DVDなどのデジタル化された音楽(または音)データは、みな標本化と量子化(ここで覚える必要はありません)といったプロセスを経てデジタル化されています。サンプラーという楽器やDAWなども0と1という数値に音を置き換えてデジタルデータとして記憶するわけですね(代表的なのがPCMという方式)

デジタル化のイメージ
アナログ信号を・・・
analog0-500x422

デジタル化
↓ ↓ ↓ ↓
quantization-500x466

【関連記事】

ここでどれだけの細かさでデジタル化するのか?の単位が「レゾリューション=解像度」と考えてください。たとえばCDの場合は「44.1kHz、16bit」という単位でデジタル化されているのですが、この数字が大きくなればなるほど高解像度となります。

レゾリューションのイメージです(グラフ横軸の細かさがHz、縦軸がbitとお考えください)

1)オリジナルの音声信号

01org

2)低レゾリューション

02arai

3)高レゾリューション

03komakai

ハイレゾ音源の定義はこれまでけっこう曖昧だったのですが、JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)が、昨年その基準を発表いたしました。


これによればハイレゾ・オーディオは「CD スペックを超えるデジタルオーディオであることが望ましい」ということで、まとめたのが以下となります。

  • 384kHz/32bit →(CD スペック超/CD スペック)→ ハイレゾオーディオ
  • 192kHz/32bit →(CD スペック超/CD スペック)→ ハイレゾオーディオ
  • 192kHz/24bit →(CD スペック超/CD スペック)→ ハイレゾオーディオ
  • 96kHz/24bit →(CD スペック超/CD スペック超) → ハイレゾオーディオ
  • 96kHz/16bit →(CD スペック超/CD スペック同等)→ ハイレゾオーディオ
  • 48kHz/24bit →(CD スペック同等/CD スペック超)→ ハイレゾオーディオ
  • 44.1kHz/24bit →(CD スペック同等/CD スペック超)→ ハイレゾオーディオ

以下のものはハイレゾではありません。

  • 48kHz/16bit →(CD スペック同等/CD スペック同等)→ 非該当(※)
  • 96kHz/12bit →(CD スペック超/CD スペック未満)→ 非該当
  • 32kHz/24bit →(CD スペック未満/CD スペック超)→ 非該当
  • 44.1kHz/16bit→(CD スペック)→ 非該当

※DAT/DVD などのフォーマットで使用されている 48kHz/16bit も「非ハイレゾ」となっています(44.1~48kHz/16bitはCDスペックと定義)

というわけで従来のCD、DVD、DATと等と比べて高品位な音楽等を楽しむことができるのがハイレゾ・オーディオということになります。なお「96kHz/24bit」の場合はCDの約3.2倍、「192kHz/24bit」になると約6.5倍の情報量を含むことになります。ただしその分データ・サイズも大きくなります。

UR12

近年、スタジオ・レコーディングでは「96kHz、24bit」で録音するケースも増えているようですが、ならばそのままの解像度で聞きたいと思う方も多くなっているのではないでしょうか?そんな背景もあって、ここ数年でインターネット経由でハイレゾ・オーディオ(音源)を購入できる音楽配信サイトも増えてきました。

さまざまなアーティストの過去の名盤リマスターや、最新のレコーディング機器で録音された最新作等をハイレゾで楽しむことができるようになったのはありがたいことですね。

音声ファイル・フォーマットについて

最近はWAV、MP3、AACのほか、FLAC(フラック / Free Lossless Audio Codec)というファイル形式で楽曲が販売されるケースも多くなってきました。それではここでこれらのファイルの違いについてまとめてみましょう。

262px-Flac_logo_vector.svg photo by wikipedia

詳しい原理等は割愛いたしますが、「非圧縮」のデジタル音声データがリニアPCMと呼ばれる「WAV(ワブ)」や「AIFF(エーアイエフエフ)」で、これが一番高品位となります。iTunesで購入できるAAC(Advanced Audio Coding)やお馴染みのMP3、WMAは「圧縮」ファイルなので、WAVと比較すると音質的には負けますが、データサイズが小さくて済むという利点があります。

なおこの圧縮グループのなかには可逆圧縮ロスレスともいいます)と不可逆圧縮という種類があります。たとえばオリジナルの音声ファイルを圧縮した場合、色々切り捨ててしまってもう元には戻せないのが不可逆圧縮AAC、MP3、WMAなど)です。

しかしFLACというのはオリジナルの音声を圧縮してデータサイズを小さくできる上に、なぜかまたもとに戻すことができるという可逆圧縮方式ファイルなのです。

しかもオープンソースでライセンス料金が発生しないということで、近頃は音楽配信サイトでもFLAC形式のファイルが採用されているケースも増えてきました。可逆圧縮方式は他にもアップル社のALAC(Apple Lossless Audio Codec)などがあります。

圧縮

DSDとは?

ハイレゾ・ブーム?の昨今、DSD形式のハイレゾ・オーディオというものが注目されています(日本オーディオ協会によってDSDハイレゾとして扱われています)
DSDというのは「Direct Stream Digital」の略で、CD-DAやDVDビデオのPCM方式(16bit44.1kHzなど)ではなく、ΔΣ変調(デルタシグマへんちょう)とよばれる原理でデジタル化する方式のことです。DSDは高サンプリング周波数、低ビットが特徴で、たとえばCDの64倍の「2.8224MHz(=2822.4kHz)、1bit」という単位でデジタル化されています(5.6448MHz、1bitなどもあります)
PCM方式と比較すると低ノイズ、瞬発力の高さ、データ量の軽減等々の特徴があり、PCMに代わる今後の主流となるといわれているようです。
500px-DSDlogo.svg  photo by wikipedia

この原理を採用しているものには「SACD」がありますが、最近はこのDSDに対応したレコーダーやインターフェース(DAC)などが多く発売されています。また先ごろCakewalk社のDAWSONAR」の最新バージョンではDSDに対応すると発表されています(どのレベルの対応なのかは未定です)

DSDにはDSDIFF、DSFなど様々なファイルフォーマットがありますがそれぞれに互換性はありません。

注)「1bitオーディオ=DSD」という認識の方もいらっしゃると思いますが、実際にはΔΣ(デルタシグマ)変調だけが1bitオーディオというわけではないとのことです。

ハイレゾ・オーディオを楽しむには何が必要?

さてそれではハイレゾ・オーディオを楽しむためには何が必要なのでしょうか?ざっと以下の様なものになるかと思います。

  • パソコン(ブロードバンド・ネット環境必須)
  • ハイレゾ対応再生ソフト(※)
  • ハイレゾ対応再生機器(DAC、オーディオ・インターフェース、ポータブルプレーヤーなど)

※)ハイレゾ対応ポータブルプレーヤの場合は、再生機能が本体に備わっているので再生ソフトは別途必要ないかと思います。なおリスニングスタイルに応じて

  • ハイレゾ対応イヤホン、ヘッドホン
  • アンプ・スピーカー等

が必要になってくると思います。

パソコンにイヤホンを接続して再生ソフトで再生することもできますが、これではハイレゾの意味がありません(PCのノイズや、再生の時点でハイレゾではなくなっているのです)これは超高画質の映像作品をブラウン管の白黒テレビで見ているようなものですね。そこで上記のような専用機器が必要になってくるのです。

1)ポータブルプレーヤーでどこでもお手軽再生

PC_Player_ear

2)USB-DACまたはオーディオ・インターフェース

DACというのは「digital to analog converter」の略でデジタル信号からアナログ信号に変換する(D/A変換)機器のことです。

広義にはUSB DACもオーディオ・インターフェースの一種ですが、DACはD/A変換=すなわち出力のみのリスニング向けオーディオ・インターフェース。D/A変換だけでなくギターやボーカルなどのアナログ信号をデジタルに変換してパソコンに取り込む機能(A/D変換)=すなわち入出力機能を持っている「音楽制作向けオーディオ・インターフェース」が一般的には「オーディオ・インターフェース」と呼ばれているようです。ややこしくてすみません。

USB-DACとオーディオ・インターフェースの違いをまとめてみます。

  • オーディオ・インターフェース:音楽制作向き:入出力対応(AD/DA)
  • USB DACハイレゾに特化したリスニング向き:出力のみ(D/A)

PC_DAC_SP

※アンプが内蔵されていないスピーカーを使用する場合は別途アンプが必要となります。

最近は192kHz、24bit対応といったオーディオ・インターフェースも多いので、オーディオ・インターフェースでハイレゾ・オーディオを楽しむことはできます。DSDに対応している音楽制作用オーディオ・インターフェースはまだ少数のようです。DSD音源リスニング・オンリーであればコルグのDS-DAC-100のようなUSB DAC、音楽制作もハイレゾも楽しみたいという方は352.8kHzのPCMと5.6448MHzのDSDにも対応したローランド Super UA 等がおすすめです。

【関連記事】

ハイレゾ再生ソフト

パソコンでハイレゾ・オーディオを再生するためにはハイレゾ対応ソフトが必要です。たとえば無料の iTunes DSDFLACは非対応です(2015/2現在)Windows対応「foobar2000」等のフリーウエアや、Windows Media Player 12の場合は、特定のコーデックをインストールしたり、各種設定もかなり複雑なので今回はあえて取り上げませんでした。どうしても無料が良いという方はGoogle検索で色々と出てくるので、自己責任でよろしくお願い申し上げます。

foobar2000

0001

というわけで、ここではKorgAudio Gate3ご紹介いたします。
AudioGate00
「AudioGate3」はダウンロード後にDS-DACシリーズ、MRシリーズ本体を接続してライセンス認証を行うことにより、正規版として使用することができます。同シリーズのユーザーでない場合は、機能制限付きのライト版を無償で使用可能です。

AudioGate01

【ライト版の制限事項】

  • DSD再生は44.1kHzまたは48kHzのPCMへの変換再生になります。
  • 出力サンプリング周波数は44.1kHz、48kHzのみ
  • 編集機能:分割、統合、チャンネルリンク不可
  • エクスポート不可
  • リアルタイム変換処理:低負荷のみ対応
  • デイスク作成

正規版のAudioGateは、MP3やAAC、44.1/48kHz ~96/192kHz のWAV、FLACDSDという幅広いファイル・フォーマットに対応しています。また量子化ビット数やサンプリング周波数の違いのみならず、異なるファイル・フォーマットとの混在したプレイリストによる再生も可能となっています。

www.korg.com

2015/6/18 追記:ティアック株式会社が、DSD 11.2MHz/PCM 384kHz 32bit対応の 波形編集ソフトウェア『TASCAM Hi-Res Editor』 Windows版をTASCAM(タスカム)ブランドで無料配信を開始しています。

おまけ:ハイレゾ・オーディオを購入できるサイト紹介

ハイレゾ・高音質音源配信ダウンロードサイト | VICTOR STUDIO HD-Music.
販売されているハイレゾ・オーディオがご自分の機材、環境で正常に再生できるかどうかは必ず各サイトでご確認ください。

そんなわけでハイレゾについて色々とご紹介してきましたが...

そんなわけでハイレゾについて色々とご紹介してきましたが、そもそもハイレゾってほんとうに音が良いの?」「ちゃんと聴き分けることができるの?」といったご意見もあると思います。あと世の中には単にビットレートとアップサンプリングしたいわゆる「偽レゾ(ニセレゾ)」と呼ばれる音源もあるようで話はややこしくなるのですが、上記で紹介した配信サイトには無料ハイレゾ・サンプルをダウンロードできるところもありますので、実際にご自分の耳で確かめていただきたいと思います。それでは~

デジタル楽器のレビューは「Digiland」でチェック!

島村楽器株式会社のデジタルガジェット情報配信サイト「Digiland」
「Digiland」は島村楽器株式会社のデジタルガジェット情報配信サイトです。

デジタル関連商品、DTMMIDIシンセサイザー、レコーディング等に関する最新ニュース、役に立つ情報等を随時お伝えいたします。
島村楽器の専門スタッフが、新製品、各種イベント、コラム等、日々更新してまいります。

松本パルコ店【【イベントレポート】オリジナル「ダンホン」を作ろう!叩こう!】

こんにちは。Webサイト担当のオクダです。

全国の島村楽器 各店舗が配信している、店舗情報・イベントブログの記事の中から、おすすめの記事をご紹介するこのコーナー

今回は松本パルコ店和田さんがレポートしてくれている「オリジナルカホン製作&カホン叩き方講座」の様子をお届け致します!
ダンホンってなに?かと申しますと、「ダンボールで出来たカホン」です。そのままですね!
ダンボールと侮るなかれ、このダンホン、ダンボール加工等を専門に行っている日本の工場にて製作されており、素材は「バイウォールAA」という強化ダンボールで、構造理論上は200Kgの重量に耐えられるとの事です!すごい!
GW最終日、晴天の青空の下、家族や友人と絵を描いたりしながら「オリジナル」のダンホンを製作するという今回のイベント、気持ちよくてとっても楽しそうです!早速ご覧ください!

こちらの記事は、島村楽器店舗ページで掲載している情報の中から、おすすめの記事をそのまま掲載しています。既に開催し終了しているフェア・イベント、販売が終了している商品情報の場合がございますので、ご注意ください。
続きを読む

札幌パルコ店【かみじょうちひろ(9mm Parabellum Bullet)スペシャル ドラムセミナーレポート】

こんにちは。Webサイト担当のオクダです。

全国の島村楽器 各店舗が配信している、店舗情報・イベントブログの記事の中から、おすすめの記事をご紹介するこのコーナー

今回は札幌パルコ店トリヅカさんがレポートしてくれている9mm Parabellum Bullet、かみじょうちひろスペシャルドラムセミナーの様子をお届け致します!
9mm Parabellum Bulletといえば若者から絶大な人気を誇るロックバンド!バンドのドラマーであるかみじょうさんによるセミナーの様子をステージセッティングから余すことなくお届けします!

こちらの記事は、島村楽器店舗ページで掲載している情報の中から、おすすめの記事をそのまま掲載しています。既に開催し終了しているフェア・イベント、販売が終了している商品情報の場合がございますので、ご注意ください。
続きを読む

【洪栄龍の音故知新】Vol.7 はじめの一歩「ギターによく効く簡単エージング法」

f:id:shimamura-music:20150212125430p:plain
皆さん、こんにちは、洪栄龍です。
この音故知新では、ギターのエージングからはじまり前回の特殊奏法まで、通常のレッスンテキストとは少し違った視点でのギターの楽しみ方を書いてきました。
その間、賛否両論さまざまな感想をいただきましたが、中でもエージングに関してのものが多かったこともあり、今回はメンテナンスからのエージングにスポットを当ててお送りしたいと思います。
(過去のエージング紹介と重複する部分もありますが、おさらいという意味で取り組んでいただければと思います)

エージングの基本はプレイヤーとしてのメンテナンス

1.メンテナンス

メンテナンスとは簡単に言えば点検・保守です。基本となるメンテナンスをしっかりやらなければエージングは始まらないのです。締められるネジは軽く増し締めする。アコギもそうですが、エレキは特にネジが沢山ありますので、これを機にチェックしてみてください。

2.楽器のお手入れ

ギターを磨くこと=お手入れのことです。

  • 汚れがあってはエージングにつながらない。
  • 古くなった弦もエージングにはつながらない。
  • ワックスは塗ってふき取るもの。
  • 塗りっぱなしはエージングにつながらない。

弦の交換時は、指板を掃除する絶好の機会です。

3.お手入れの道具(紹介と使い方)

クロス

f:id:shimamura-music:20150212120644j:plain
クロスはギターについた手垢等の汚れをふき取ります。塗装面だけでなく金属パーツの部分にも使用します。ネック等に手垢を残すと指板移動にスムーズさが無くなります。
金属パーツ部分はサビの原因にもなります。特に弦交換の時には指板とフレットをよく拭きます。汚れを落とすクロスと磨くクロスの2枚持つのが大事なポイントです。

ポリッシュ

f:id:shimamura-music:20150212120645j:plain
塗装面だけでなく金属パーツにも使用可能なハイクオリティポリッシュ。被膜を作り、汚れを付きにくくする効果もあります。

ネックオイル(指板面オイル)

f:id:shimamura-music:20150212120646j:plain
弦交換時に塗りますが、人差し指の先に一粒位のオイル玉を作って、1フレットずつ塗り込んでいきます。
最終フレットまで同じように塗り込んだら、最後に余分なオイルも含めて拭き取ります。塗り込んだ時間と同じ分だけ時間をかけて拭き取ります。

ポイントは拭き終わった指板を人差し指で押さえた時にオイルが出てこなければOK.で、浮き出るようであればさらに拭き取ります。

ギター購入後1年目は、湿気が多くなる前の5月ごろと乾燥していく10月ごろに塗れば十分です。塗り過ぎはいけません!!!!
2年目以降は指板を良く見て、乾燥しているようであれば塗りますが、大体1年に1回を目安にしてください。

ghs FAST FRET

f:id:shimamura-music:20150212120647j:plain
弦潤滑・サビ防止グッズ 弦に直接塗る潤滑剤です。
演奏終了後、手汗などを拭き取ってから軽く1弦ずつ丁寧に塗りますが、演奏途中でも曲間で塗ってスクラッチノイズ(指の移動時に出るノイズ)を軽減させることができます。
ポイントは塗った後に軽く拭き取ることです。


ちなみに、私がいつも常備しているメンテナンスキットはこんな感じです。
f:id:shimamura-music:20150212120648j:plain
もちろんその時々で中身は移り変わっていますが・・・
ポイントはあくまでプレイヤーとしてのメンテナンスでリペアではありません。


心得としては・・・

  • パーツ取り付けのネジ類の締めすぎはいけません。
  • ピックアップの高さは上げすぎず、あくまでも微調整です。

その他、ブリッジ駒も微調整、ナットの高さ調整に使うヤスリがけも微調整、ギターを自分に合ったお気に入りの楽器にするためには、微調整がポイントです。
※ナットの調整は、はじめは自分でやらずに専門店に依頼してください。

エージングは道具が楽器に変って行くこと?アコギもエレキも!!!

楽器以外にも、オーディオ機器にもエージングがあり、車には慣らし運転があります。
ギターの場合、弦を適度に交換することでギターが弦の張力を覚えていきます。
ですのでレギュラー・チューニングと半音下げ等の変則チューニングを繰り返すことはギターにとって好ましくないことを覚えておいてください。

それでは日常行うと効果的なエージング方法をご紹介したいと思います。

1.ダウンピッキングエージング

ピックと弦を垂直に当てながら、一音一音丁寧にゆっくりダウンピッキングによるアプローチをします。ポジションは0・3・5・7・9・12フレットです。
ダウンピッキング・アプローチに慣れてきたら、ダウンストロークによるエージングにもトライしてみてください。

方法:0フレットは開放弦、3・5・7・9・12フレットは1本指(人差し指等)でセーハ(バレー)したまま6弦から1弦までピッキングしていきます。
その際、押さえるフレットの違いによって変わる響きの違いを聞きながら、がポイントです。

2.ダウンストロークエージング

ゆっくりと肘を軸として手首を使わないように6弦から1弦に向かってダウンストロークしながら弦1本1本の鳴りを確かめます。ダウンストローク・アプローチに慣れてきたら、弦とピックの接触角度に注意をしてダウンアップ・ストロークを行います。

方法: 0フレットは開放弦、3・5・7・9・12フレットは1本指(人差し指等)でセーハ(バレー)したまま6弦方向からストロークを行います。
このエージングによってそれぞれのフレットでの鳴りを馴染ませます。
フレットのポジションによって弦長が変わるので、弦長を意識し各フレットで行うことが重要です。

3.ダウンアップ・ストロークエージング

アップストロークは”上に上げる”というイメージを意識しすぎると、下から上へとかき上げる不自然な動作になりがちです。ダウンストロークを2回弾くと間に弦を弾かないアップ動作があるはずです。弦を弾かなければ空ピック(ストローク)ですが、弾けばこれが自然なアップストロークになるのです。ダウンアップ時のポイントは、アップストロークの際、力まず自然に弦を響かせることです。

方法: 0フレットは開放弦、3・5・7・9・12フレットは1本指(人差し指等)でセーハ(バレー)したまま上下のストロークを行います。

4.カッティングでエージング

カッティングの方法は、大別すると押弦側で行うか弾き手側で行うかの2通りありますが、ここでは押弦側でカッティングをします。
カッティング=音を切る、です。要は音を止めてミュート(消音)した状態を作ります。音を止めるには、押さえている手を緩めます。この時、弦から手を離さないようにするのがポイントです。

方法: 0フレットは開放弦のダウンアップ(カッティングなし)、3・5・7・9・12フレットは1本指(人差し指等)でセーハ(バレー)して、カッティングを行います。

5.ネック裏のクロスがけ

左手のグリップ練習にもなるクロスがけは、特に難しいことはありません。音楽を聴きながら&テレビを見ながらでOKです。

方法:押弦する方の手でネックを自然に握り、クロスをあててナット(上駒)裏からボディ接続部まで、均等に乾拭きをします。
この時に起きる多少の摩擦熱(やり過ぎ禁物)をネックに与えてあげるのも、ネックのエージングにつながります。こうすることで弦振動も良くなります。ただし、前述したようにテレビを見ながら、、、好きな音楽を聴きながら、、、くらいが適当です。半年過ぎた位から鳴りが変ってきたらGOOD!!!個体差があるので気長にやることがポイントです。

MY TONE(自分の音)を構築することも大切です。

これまで紹介してきたエージングを自分のペースで継続的に行うことで、ギターは徐々に自分に合ったものになってきます。こうしたことが出音にも影響してきます。

自分の音、というのは演奏技術を磨くだけではないことを覚えておいてください。

最後に、、、最大のエージングをお伝えします。
自然エージングだけではない、愛着をもってギターと暮らすこともエージングです。
ギターと話をすること、ギターは友達、ギターは恋人、ギターは自分自身にもなります。
永く続けることこそ「才能」だと思います。ギターと一緒に年を重ねること、これが究極素敵なエージングです。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した方法は、どれもカンタンにできると思います。
ギターにとってのエージングは、決して劣化させるものではなくギター本来が持っている(持っていた)音を100%出すことにありますので、ぜひ毎日触れて実践してください。

次回は、ギターメンテのその2として

はじめの二歩「超初心者のためのメンテナンス法」

をお送りしたいと思います。
では、またお会いできるのを楽しみにしています。。。

「洪栄龍の温故知新」シリーズ。他の記事はこちら

管楽器の修理紹介「トロンボーンのベル ゆがみ直し編」

こんにちは。ハラシマです。前回の記事はいかがでしたでしょうか?

blog.shimamura.co.jp

前回の記事は、お会いするお客様にも好評でしたので、今回も似て非なる修理「ゆがみ直し」についてご紹介します。
楽器はトロンボーン!! トロンボーンのベルのゆがみ直しについてです。

トロンボーンのベルのねじれ、ゆがみ直しスタート

ゲッツェンのトロンボーンの修理がきたので、ご紹介します。
今回もねじれと歪みが大きいものがきました。まずは写真をご覧ください。
f:id:shimamura-music:20150517165358j:plain

パッと見た感じではよくわからないかもしれませんので、少しベルの部分を拡大してみましょう。
f:id:shimamura-music:20150517165359j:plain
どうですか?ベルにうつる景色が、大きく歪んでいるのがわかりますか?

トロンボーンのベルのゆがみが直るまで

修理工程は前回と同じで、芯金工具を使用して直します。
前回の記事から抜粋しておきますね。

ヘコミ・ゆがみを直す道具について

ベルのめくれや歪みを直す際には、『芯金』と呼ばれる工具に楽器を当て、専用ローラーなどでシゴいたり、専用ハンマーで叩いたりします。
f:id:shimamura-music:20150120160049j:plain

この様々な形の芯金にベルを当て、ハンマーで叩いたり、ローラーなどでシゴイたり、という工程を繰り返して直すのですが、これがとても大変な作業なんです。

普段使わない筋肉を使うために筋肉疲労や、ヘコミや歪みを必死に見るので眼精疲労が激しくでる時もあります(笑)。

ヘコミを直す時はチカラ加減が重要なんです。チカラをかけ過ぎると膨らんでしまい、ゆがみがさらに大きくなりますし、弱すぎるとヘコミや歪みは直らずに、ただ金属をのばしているだけになります。
直すには絶妙なチカラ加減が必要なんです。

管楽器の修理紹介「トランペットのベル 歪み直し」 - 島村楽器公式ブログ

修理完成です!

どこまで直るか楽しみだと思いますが、仕上がりました。
f:id:shimamura-music:20150517165400j:plain
どうですか?こんなにキレイに仕上がるなんて、驚きですよね。
f:id:shimamura-music:20150517165401j:plain
拡大して見てもわかりますが、ベルに写る工房の景色が、よく見えますね(笑)。
2枚目の写真を目を凝らしてよく見ると、左上から右下へうっすらと斜めに白いスジが残っています。これは歪んだ際に金属が伸びてしまったために残るシワなんです。
これを直すとなると、塗装を剥がし再塗装をする事になり、音質・響き・吹奏感などが大きく変わると思います。そして修理金額も高額になりますので、メッキやラッカー、そして楽器の状態など様々な条件で値段が変動しますので、おススメはしておりません。

いかがでしたか?

今回の大きく歪んだベルの修正をご紹介しました。
ゆがみやヘコミの修理は、プレイヤー自身にとっては「キレイになおるのか?」とか「どこまで直るんだろう?」といった話が多いですよね。
ヘコミや歪みの状態や、金属の状態によって修正痕が大きく残る場合もありますが、キレイに直して演奏できる状態にしていきます。
楽器のリペアは修理をして完璧にもとに戻すことだけではなく、お客様のご予算や悩みを解決し、また音楽・楽器を楽しめることが大事だと考えますので、是非困った場合はお気軽に相談してくださいね。
今後も、このブログで定期的にヘコミや歪み、塗装などを紹介できればと思いますので、よろしくお願いします。

島村楽器 管楽器リペア専門店のご案内

島村楽器 管楽器リペア専門店は管楽器の修理・点検・調整・関連商品の販売に特化した専門店です。
多くのリペアマンが常駐しておりますので、お客様の管楽器に対する悩みにいつでも相談・対応させていただきます。

またお見積りの際には、お客様の求める音や様々な音楽シーンに合わせた、修理や調整・カスタマイズを提案させていただいております。
まずはお気軽にご相談ください。

皆様のご来店をスタッフ一同、心よりお待ちしております。Wind & Repair(管楽器販売&管楽器修理・リペア専門店) 店舗情報-島村楽器


大きな地図で見る

イオンモール佐久平店【佐久平店初のドラムセミナー!Yosukeドラムセミナーレポート】

こんにちは。Webサイト担当のオクダです。

全国の島村楽器 各店舗が配信している、店舗情報・イベントブログの記事の中から、おすすめの記事をご紹介するこのコーナー

今回はイオンモール佐久平店の小林さんがレポートしてくれている「Yosukeドラムセミナー」の様子をお届け致します!
佐久平店では初開催となった今回のYosukeさんドラムセミナー。一体どんな内容だったのか早速ご覧下さい!

こちらの記事は、島村楽器店舗ページで掲載している情報の中から、おすすめの記事をそのまま掲載しています。既に開催し終了しているフェア・イベント、販売が終了している商品情報の場合がございますので、ご注意ください。
続きを読む

意外にもけっこうハンドメイド? ピック工場潜入レポート

皆さんこんにちは。
開発担当フジモトです。
前回は世界で一つのデザインピックが作れるオーダーピックをご紹介しましたが、今回はそのピックを製造する池田工業さんの工場へ足を踏み入れてきましたので、製造過程をレポートしたいと思います。

前回記事:お気に入りの写真でオリジナルピックを作ろう!オーダーピック オーダー編

f:id:shimamura-music:20150307141037j:plain
ちなみにこの写真は、これまでその工場で受注してきたオーダーピックの数々とのことです。つぶさに見ていくと、ピックオーダーの進化の過程を垣間見ることができます。

それではレポートの前にピックにはどんなものがあるのか?少しご紹介したいと思います。

続きを読む

ルシアー駒木のギターよもやま話 その38「大好評のあのピックアップ、お待たせしました!!」

皆様お久しぶりです!

見た目の通りのデリケートさで、花粉症に苦しむ

ルシアー駒木です

ここのところのブログ

でもイチオシさせて頂いておりました、

JIMMY WALLACE PICKUPS!!!
f:id:shimamura-music:20150422182739j:plain

大好評でして前回の入荷分はあっという間に完売!

第2弾入荷が未定の中、続々と予約を頂戴していくという有難い状況。

ルシ駒、最初に紹介ブログを書いた時には、「次の買い付けで発注個数をJIMMYに伝えて、それから作ってもらって第2弾入荷を、、、」と考えていました。しかし予想以上に早く完売となってしまい、このままでは皆様をお待たせする事に。。。

そこで、買い付けで会うのを待たずに、JIMMYに連絡。何ヶ月か前から第2弾を巻いてもらっておりました。

しかしJIMMYのピックアップは手作り。

当然なかなか出来てきません

(笑)

いつになるかとワクワク待っていたルシ駒だったのですが、

突然JIMMY本人から画像&動画メッセージが!!
f:id:shimamura-music:20150422182738j:plain

ルシ駒、これ見て爆笑

JIMMYの、「どうよルシ駒!」との声が聞こえてくる写真です。

そして動画で更に爆笑!

あまりにも何も起きない動画(笑)な上に、画像が暗かったりするのですが、

あえてそのまま載せてしまいますね!

www.youtube.com

完成してシッピング待ちのピックアップが延々と映っているだけという(笑)

という事で無事工房に到着。

f:id:shimamura-music:20150422182740j:plain

続きを読む