こんにちは♪はてなダイアリー初登場☆の、島村楽器「ピアノセレクションセンター」調律師のウチヤマです♪
「ピアノセレクションセンター」……。どこかで聞き覚えがあるような!?
と、思われた方はかなりの「島村楽器のはてなダイアリー」通です(笑)。
そうです。ここの執筆者であり、マニアック調律師としてもお馴染み(?)のイシイと同じ、埼玉県さいたま市にあります「ピアノセレクションセンター」で、私も働いています。
「おお〜!スタインウェイ萌え〜!萌え〜!」と連呼しながら仕事をするイシイの存在を横目に見ながら、コツコツ真面目に調律師としての日々を送っています。
夏ともなれば、毎年猛暑を記録することで有名なココ埼玉県も、最近ではずいぶんと涼しい風を浴びることが多くなり、すっかり秋めいて参りました。
秋といえば芸術の秋! 私はもっぱら食欲の秋ですが(笑)。もうすぐやってくる冬の足音を少しずつ感じながら、おいしい食べ物をたくさん頂き、心も体も潤っております(*^-^*)
秋から冬にかけてといえば、ピアノにとっても潤いが必要な時期。といってももちろん食べ物ではありません(笑)。この季節って、加湿がとっても重要なんです!!
ということで、「ピアノがもっと好きになる簡単メンテナンス Vol.1」は、加湿についてのお話です。
ピアノへの加湿って?
いきなり、ピアノを加湿してあげましょう!といっても、どうしたらよいかわからないですよね?それに「ピアノって、湿気に弱い」なんていう話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
過度の湿気はもちろん大敵。ただ、乾燥にもとても弱い楽器なのです。
秋から冬にかけてピアノのために行う加湿は、ピアノの調律を安定させるため、ピアノのタッチを安定させるため、ピアノ本体の寿命を延ばしてあげるためなどなど、たくさんの目的があります。
冬場を向かえ、冷えた体を温めるために暖房を運転させると、お部屋の湿度は急激に下がり、湿度は30%を切ってしまうこともあります。
つまり、暖房によってお部屋が温かくなると、必然的にお部屋自体は乾燥してしまいます。当然のことながら、そのお部屋に置いているピアノ本体も乾燥してしまいます。
ピアノに適した湿度とは?
50%前後です。季節でいうと、冬場の平均湿度が50%くらいと聞きます。それから比べると、急激にお部屋を暖めたときの湿度30%というのは、理想的な湿度よりも20%も低く、過乾燥といっていいでしょう。
この乾燥が調律の狂い(ピッチの低下)ネジなどの緩み、タッチの狂いを招いてしまいます。せっかく調律したピアノも乾燥にさらされてしまうと良い状態が長持ちできなくなります。
いうまでもなく「ピアノセレクションセンター」内は、24時間365日、適度な湿度に保たれるように設定されています。
もちろん、全国にある島村楽器各店舗、音楽教室もまた、適度な湿度に保たれているんです。ご来店されたことのある方であれば、あのジメっとした感覚、思い出せるのではないでしょうか? 決して換気が悪いわけではございませんので(笑)。
これからの乾燥時期。お部屋に加湿器などを置き、湿度をコントロールしましょう。
加湿器の運転時期
実際に加湿器をお部屋に設置したところで、その加湿器をいつ頃から使ったらよいのでしょうか?体感で「まだ大丈夫、まだ‥‥」なんてやっていてはダメです(笑)。湿度計はかならずひとつは持っておきましょう(デジタル式がお勧め!)。そして実際に湿度を目視して、加湿器運転時期を確認していくことが大切です。
湿度の目視に必要な湿度計
ピアノセレクションセンターのショールームは、快適湿度になるように、季節に合わせて加湿器、除湿器を使用。さらに、目視するための湿度計を設置しています。
ピアノは「急激な温度差」「極端な乾燥や多湿」が大敵です!
温度 | 20℃前後が最適(快適温度:15〜25℃) |
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湿度 | 50%前後が最適(快適湿度:40〜60%) (許容湿度:30〜70%) |
ピアノは楽器であって人間ではありませんが、生き物のようなものです。ただ言葉を話すことはありませんが、色々な症状のサインを私たちに出しています。
たとえば
- 音が狂ってきてビョーンという
- 鍵盤を押すとカチカチ音がする
など。
これらのサインを見逃さないように、ピアノとのコミュニケーションを取りましょう。
これからの乾燥の季節に負けないで!!
次回「ピアノがもっと好きになる簡単メンテナンス」では、ピアノにとって大敵!「害虫」についてのお話をお伝えする予定です。
ぜひお楽しみに!
調律師のウチヤマでした!!
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島村楽器ピアノセレクションセンターについて
ピアノセレクションセンターは、専用工房を併設したアコースティックピアノ専門のショールームです。
フロアには、新品・中古ピアノ、アップライト・グランドピアノを合わせて常時100台以上を展示しております。また、専用工房ではピアノの調整・点検・修理を行い、アフターフォローにもお応え致します。