みなさんこんにちは!島村楽器 ピアノセレクションセンター調律スタッフのイイダです。
今回は皆さんが普段なかなか目にすることのないピアノの中身をご紹介してみましょう!
というわけで早速ですが、外装を外してしまいますね。
丸見えです
このような姿をご覧になられたことがある方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?
技術者が調律にお伺いし作業をしている際には、いつもこんな状態になっていますよね。
ではさらに分解していきましょう。
アクションも
すっきりと弦が見えるようになりましたね。
取り外したのはこれです↓
これは「アクション」と呼ばれる、鍵盤の動きを弦まで伝える打弦機構(だげんきこう)
です。鍵盤を押すとこれが動いて弦を叩き、音が出る仕組みです。
アクションについてはまた別の機会に詳しくご紹介いたしますね。
続いては、弦に注目してみます。
1台あたり約230本の弦が張ってあり、低音側(左)にいくにつれ太くなり、高音側(右)にいくと細くなります。
そして、お気付きになられましたでしょうか。真ん中で弦がクロスしております。
これは「交差弦」と呼ばれ、近現代のほぼ全てのピアノはこのように交差させて作られています。
弦はできるだけ長く張ることにより音量や響きが増し豊かな音色になり、微妙な音楽表現が
可能になります。限られた空間でより長く弦を張るための苦肉の策であったとも?
ついに
鍵盤まで外れてしまいました。
鍵盤の下から出ている金属の棒のようなものは、「キーピン」(鍵盤をキーと呼んだりもしますよね。キーのピンです)といい、さらに「バランスピン」「フロントピン」に分かれます。
バランスピンは、鍵盤の動きの支点になります。ここを中心に鍵盤がシーソーのように動きます)。
フロントピンは、鍵盤の動きのガイド役です(ふらふらしないよう動きを支えます)。
このピンが汚れたり錆びたりしてくると鍵盤の動きが悪くなり、重く感じたり、反応がにぶくなったりします。
このように、ピアノの中にはさまざまな部品が使われていて、それぞれに大事な役割があるんですね。
調律時には皆さんが普段目にすることない箇所の点検やお掃除も行っています。
定期的な調律でピアノも健康を保つことができるんですね。
大好評の「ピアノの仕組み」シリーズ、次回も私イイダがお送りします。ピアノの心臓部である「アクション」をご紹介いたします。どうぞお楽しみに!
島村楽器ピアノセレクションセンターについて
ピアノセレクションセンターは、専用工房を併設したアコースティックピアノ専門のショールームです。
フロアには、新品・中古ピアノ、アップライト・グランドピアノを合わせて常時100台以上を展示しております。また、専用工房ではピアノの調整・点検・修理を行い、アフターフォローにもお応え致します。
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- Vol.23「やってみよう!ピアノ簡易健康診断!」
- Vol.22「ピアノの仕組み グランドピアノ編 その1」
- Vol.21「ピアノの外装傷修理」
- Vol.20「ピアノの仕組み その4 アクション」
- Vol.19「外装あれこれその2」
- Vol.18「外装あれこれその1」
- Vol.17「鍵盤のメンテナンスと白鍵の修理について」
- Vol.16「ピアノの仕組み その3 ピアノの中は・・」
- Vol.15「スタインベルグAT-23DC」特集
- Vol.14「PSCでビューティーコロシアム!U30BLさんの場合 7」
- Vol.13「PSCでビューティーコロシアム!U30BLさんの場合 6」
- Vol.12「ピアノの仕組み その2 部品の名前」
- Vol.11「ピアノでビューティーコロシアム! U30BLさんの場合 5」
- Vol.10「ピアノでビューティーコロシアム! U30BLさんの場合 4」
- Vol.9「ピアノでビューティーコロシアム! U30BLさんの場合 3」
- Vol.8「ピアノの仕組み その1 ピアノの材料」
- Vol.7「ピアノでビューティーコロシアム! U30BLさんの場合 2」
- Vol.6「ピアノでビューティーコロシアム! U30BLさんの場合 1」
- Vol.5「突撃!調律師のたまごたちは今!?」
- Vol.4「ピアノの防音対策について」
- Vol.3「突撃!ピアノの意外な使用法!?」
- Vol.2「 あれ?音が出ない!その時ピアノの中では・・・」
- Vol.1「ピアノメンテナンスとザウターピアノのR2について」