皆さんこんにちは!
イヤモニのリケーブル沼から最近抜け出せない
ルシアー駒木です。
皆さんHISTORYのギター&ベースって、どうですか??
歴史上のブランドから比べればまだまだ、ではありますが、それでもようやく最近は「なにそれ?」という反応は少なくなってきたように感じます。
少なくとも私のブログを読んで下さる方は皆さんご存知ですよね!
そんなHISTORYブランドで、少し前の事になるのですが、実はルシ駒、HISTORYって何が魅力?というのを皆さんに知らしめるべく、限定で特別モデルを製作しました。
僅か12本の限定なので、読んで頂いて今欲しくなっても欲しくなった皆さんに購入して頂くのはもはや難しい訳ですが、このギターは「HISTORYらしさ」を最大限表に出したギターなので、このギターを紹介する事が、イコール「HISTORYって何が魅力?」という紹介にもなるって事。
と言う事で、今回は改めてルシ駒モデルHISTORY、ご紹介したいと思います。
ルシアー駒木の拘りとは
まずこのギター、私のモデルではありますが『私自身のハンドメイド』とは違う、あくまでも『HISTORYブランドでの駒木モデル』である意味を考えました。
(ちなみに私個人製作のギターもプロミュージシャンが使用しています)
HISTORYらしさとは何か、、、
テーマは
~スタジオにいつも置いておきたい1本~
を目指しました。
敢えて書きますが、ゴージャスな材を使って、人気パーツを付けて、派手な特殊塗装をして、、、
みたいなよくある方向には行きたくなかったんですよね(笑)
売りやすいかもしれませんし、売れるでしょうけど、そんなの安易でしょ。
ルシ駒ですから、「一見普通だけど分かる人には分かる」みたいなのがカッコいいじゃないですか。
背景
HISTORYは、島村楽器が本気でオリジナルの楽器を作っていくと決めた際に、根幹となったブランドです。
丁寧に綺麗に均質に仕上げられる日本製の良さを、本質的に良い物を届けるべく、当時は「ネオビンテージ」をキーワードに進めてきました。
当時HISTORYを試奏されたことで、島村楽器も良いギター作るじゃん!と驚かれたお客様も沢山いらっしゃいましたが、あれからオリジナルブランドも増えましたし、現在は当時よりも少々地味な存在かもしれませんね。
今回の企画、HISTORYは凄い!と多くの方に再び感じてもらう為、HISTORYらしさに拘りました。
レギュラーラインナップのグレードアップ版ではなく、ルシアー駒木の技術者視点・技術によってより「らしさ」を追求した楽器を目指しました。
拘りポイント
「素直で、クリア、明瞭で、歯切れのよい、整合性の取れた楽器」というお褒めの声、そして同時にそのサウンドを「つまらない、冷たい、整いすぎ」というマイナス面に感じられる方もいらっしゃった、当時のHISTORY。
これを今回、「多種多様な楽器を所有する時の物差しの基準になるような楽器、いつでも手に取れるように出しておきたい楽器、スタジオに1本置いておくならこれ」というイメージに置き換えました。
同時に結果として、道具として安定して、いつでも安心感を持って使えるトラブル知らずの楽器になるようにも考えています。
サウンドとしては、
3倍音や5倍音も含むが、基音と2倍音の比率を多く、安定して出せる楽器、を目指しました。
良い意味で、ルシ駒の代名詞にもなりつつあるJIMMYWALLACEのギターとは対極にある良さ、ベクトルの異なった良さ、を目指した形です。
文字が続きますけど、最後に動画もありますので、是非読んで欲しい!
②ネックの鳴り&ヘッドの鳴りを調整する為の塗装とクルーソンペグチョイス
①の要素だけでは駒木のイメージする倍音構成比に対し3倍音が少々欠けます。そこで少ネック自体を鳴らす為にオイルフィニッシュを選択。
しかもヨーロッパで子供用の玩具等に使われる特殊なもの。結果、一般的なオイルフィニッシュより保護性能が高く、ラッカー塗装より薄い、という塗膜になっています。触り心地も抜群です。
口に入っても安心な自然素材なので、手にも優しい。
通常ヒストリーではGOTOのペグを使いますが、駒木の理想とする倍音構成になるが為のヘッド振動を得る為に、重量等を検証しクルーソンを選びました。
「このペグはこういう音」という選び方ではなく、ヘッドの振動を調整する為の選択です。
③ステンレスフレットのサークルフレット仕様
サークルフレッティングシステムは当時のヒストリーを代表する技術の一つです。
独特のピッチ感、響きがあり、クリアでキラキラしたサウンドは好みが分かれますが、「らしさ」の一つですので迷わず導入、それをより際立たせる目的で、フレットはステンレス製を選びました。
結果として耐久性も増し、柾目のネック材と相まって、長く購入時状態を保つことが出来ます。
④ストラトタイプから逸脱しない為のボディチョイス
今回狙った倍音構成を突き詰めると、見た目からイメージするサウンドとの乖離が激しくなる可能性もありました。
そこで、ネックを中心に倍音構成を計算し、この先にあるブリッジとをつなぐ役割、土台となる「ボディ材」には、この形状のギターを弾いた時に無意識化でイメージするストラト系サウンドから逸脱しない為にアルダーを選択。
またボディの塗装は、かつてのヒストリーが注力した「ウレタンを薄く仕上げる事で、鳴りと丈夫さを兼ねる」塗装を再現。
一般的なウレタンやエステルの塗装よりも鳴る事で、アルダー材の響きは感じさせると同時に、ラッカー塗装よりも振動を抑える事で、不要な奇数倍音は抑えられ、「ヒストリーらしさ」につながります。
⑤ブレードランナーブリッジ
通常のシンクロタイプブリッジでは、今回狙った柾目ネックとバランスが合いませんでした。
そこで、より「弦を支える」事が出来、かつアーミングの滑らかさも兼ねたこのブリッジをチョイスしました。
あくまでネックの設計ありきのサウンド目的、のチョイスです。
⑥計算された倍音構成の弦振動を余すところなく拾うピックアップ
ピックアップの音という視点ではなく、①~⑤までで狙った倍音をきちんと拾ってくれるマイク、という視点に立ちました。
しかし適したピックアップが無かった為、JIMMYに製作を依頼しました。このギターの為のピックアップです。
JIMMYには今回狙った倍音を拾うマイクと言う目的且つ、人が「ビンテージっぽい」と感じる周波数帯をやや強調して拾う事を狙ってもらうようにオーダーしました。個別販売無し。
⑦ ①~⑥までの音を壊さずにジャックに届ける為の配線材
単線を中心に、直接線材店に出向き仕入れました。
また丈夫さとビンテージの手ごたえを得られるOAKスイッチ、余計なカットをせずストラトタイプのサウンドを逸脱しないセラミックのコンデンサを使用。リードプレイに適したリアトーンコントロールを導入しています。


まとめ
ネックはコレ、ペグはこれ、ピックアップはコレ、配線は、、、
という、よくある「売る為にそれぞれ単体で人気がある物を組み合わせた設計」ではなく、出したい音ありき、で、まずネックから構成し、すべてがそこに連動してチョイスされていったイメージです。


どうですか??
プロに試してもらう段階へ・・・そして奇跡の配信イベント実施
このルシ駒HISTORYは、特定のジャンルのギタリストだけが気に入ってくれるようなものにはしたくありません。
皆さんがスタジオにいつも置いておきたくなる楽器にしたい。
ルシ駒、どなたにモニターお願いするのか、悩みました。
特定のギタリストの色にイメージ付けしたくなかった訳です。
そうなると、この方しかいない!!
と、
ご協力お願いしたのは
本間昭光氏!!
akimitsuhomma.com
説明不要の日本が誇る名プロデューサー。
音楽を客観的に、ギターをアンサンブルとして観て、聴ける方。
SV-Luthierを試して頂くのにこれ以上の方はおられません。
弾き易いよね、良い音だね、、、だけではない感想を頂ける方。
ご連絡させて頂くと、ご快諾頂きました。
更に図々しくもルシ駒、楽器をお戻し頂くタイミングで、配信イベントまでお願いしちゃったんです!!
ゲストギタリストには佐藤将文さんをお迎えしての贅沢トーク。
ご覧ください!
波形計測結果までお見せしちゃう、スペシャル配信となりました!!
如何でしたか??
HISTORYにこれまで興味の無かった皆さん、知っていたけど試してなかったなあというあなた、
是非店頭でお確かめください!
ルシアー駒木でした!!