島村楽器公式ブログ

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バイオリンの魂柱はこう立てる!弦楽器の修理・調整工具を大公開! vol.1

みなさんこんにちは!シマムラストリングス秋葉原のカギヌシです。
楽器を演奏している方々にとって、無くてはならないのが調整・修理です。
ですが、直接修理を行っているのを見る機会はなかなかないのではないでしょうか?

今回からスタートするこのシリーズでは、普段私たちが修理や調整で使っている工具を、少しずつご紹介していきたいと思います。

魂柱立てと魂柱ミラー

栄えある第1番目の工具は、「魂柱立てと魂柱ミラー」です!
バイオリンからコントラバスまで、楽器の右のエフ字孔から覗くと1本棒が立っているのが見えます。
それが「魂柱」です。

魂柱とは・・・

魂柱はから駒、駒から表板、そして裏板へと音の振動を伝える重要なパーツですが、なにか接着剤などでくっついているのではなく、表板のふくらみ、裏板のふくらみにピッタリになるように合わせて面を削り、長さもピッタリにして突っ張り棒のように立っています。

いざ立てるとき、エフ字孔に指は入らないので、「魂柱立て」と「魂柱ミラー」を使います。

シンプルなつくりで大活躍

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上が魂柱立てで、下が魂柱ミラーです。

なんだか歯医者さんが使いそうな道具ですよね!
この二つの工具を使って魂柱を立てていきます。
順を追って立てる様子をご覧下さい。

魂柱を刺してエフ字孔から中へ

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魂柱の上から3分の1くらいのところに魂柱立てを刺し、エフ字孔からそっと入れます。

コンコンします

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さっき刺していたほうが上になるように持ち替えて、魂柱が真っ直ぐに立つようにコンコンと叩きます。この時エンドピンの穴からも覗いて、きっちり真っ直ぐに立たせます。

隙間がないか確認

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ここで魂柱ミラーが登場です!

上と下の面に隙間がないかを見るのですが、エフ字孔とエンドピンの穴からだけでは全部を見ることが出来ないので、ミラーを使ってくまなくチェックします。

魂柱が立ちました!

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写真の得意なスタッフに撮ってもらいました。(それだけ鮮明に撮るのは難しいです・・・)

それぞれ、エフ字孔から見たのとエンドピンの穴から見た魂柱です。

もし魂柱が倒れてしまったら・・・

なかなか写真にも立っている姿は納められない魂柱は、やはり立てるのも難しいです。
無理に立てようとするとエフ字孔を傷つけてしまったり、真っ直ぐ立てられなかったりするので、倒れてしまったらぜひシマムラストリングス秋葉原やお近くの島村楽器へご連絡下さい。
シマムラストリングス秋葉原のカギヌシでした。

シマムラストリングス秋葉原のご案内

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