みなさまこんにちは!!
島村楽器 随一のマーティン・マニアこと名古屋パルコ店 アコースティック・ギター担当のフルカワです。
6月4日から10日までの1週間 自由の国アメリカに行ってまいりました
目的はアコースティック・ギターの聖地 ナザレスにて行われたマーティン・ファクトリー・ツアーです。
内部はやはり圧巻の連続、スケールの大きさたるや規格外のアメリカサイズでした。
1833年より今なおアコースティック界のレジェンドとして君臨するマーティン・ギター。
只今よりその秘密を余すことなくレポートしていきます。
それでは皆様、最後までお楽しみ下さい!!
ニューヨークより車で約2時間程のペンシルベニア州ナザレスにあるマーティン・ギター・ファクトリー。
閑静な住宅街にあり、のどかで時間のゆっくり流れる場所にマーティン工場はありました。
その前で左から名古屋パルコ店 フルカワ、島村楽器 廣瀬社長、島村楽器オリジナル商品担当 のサイトウさんです。
ヘッドの形状をしたエントランスを期待に胸膨らませながら進みます。
雑誌でしか知りえなかった憧れのマーティン・ファクトリーがもう目の前に、、、。
フルカワかなり興奮してます!!!!
フレット・ボードのエントランスを通り抜けるとサウンドホール内部が受付カウンター。
なんともアメリカ的といいますか、ユニークで遊び心満載の作りとなっております。
ブリッジがスタンド・テーブルと徹底してます。
ここでファクトリーを眺めコーヒーで一息と言いたい所ですが
本来の目的を忘れてはいけませんので先に進みます。
ファクトリー内部にあるマーティン・グッズ ストア。
最終日にマーティン社のご好意により好きなものを1つサプライズでプレゼントして頂きました。
小一時間迷いに迷ったあげくフルカワはパーカーをGETしました!!
ここが夢にまで見たマーティン・ファクトリー入口です。
ここで数々の名器が生まれ音楽界の歴史が創られてきました。
そんな事を考えるだけで私の心拍数は急上昇し自然と笑みがこぼれます。
それではご案内いたします!!
マーティン・ファクトリーを上からみた画像です。
ですが実際はこちらの何十倍もの広さに圧倒されます。
CNCルーターやレーザー、指板のアールを作る機械など最新のマシンが数多く導入されておりました。
私も数々のギター工場を拝見して来ましたが、これだけの規模は初めてです。
木材の産地やグレードごとに分けられたシーズニングルーム。
世界に誇るマーティンだけあってその量は膨大でした。
なかでもクリス・マーティン4世にしか開けることの許されない施錠された木材ルームもあり、
プレミアム・グレードのブラジリアン・ローズウッド等 木材マニアには堪らない光景でした。
ブレイシングを接着させるためのバキューム・ブレス。
ブレイシングを貼る位置はモデルごとに用意された
テンプレートを用いることでわずかなズレも生じないようにしています。
従来の木の張力を利用し圧着する方法に比べ、格段と精度と効率を上げることに成功しました。
洗濯バサミで一個一個ライニングを固定しているところ。
ライニングにはスパニッシュ・シダーが用いられています。
このような地道な作業があってこそ、あの素晴らしいサウンドが産み出されているんですね。
トップに貼られたブレイシングを1本1本手で削ることによって微調整を行っています。
実際目の前で見ていると迷いがなく本当に早いです。
女性ならではの繊細さがマーティン・サウンドに活かされています。
サイド板は1度水に浸すことで柔らかくし専用のヒーターにかけ手でゆっくりと曲げていきます。
熟練の感覚で割れないよう作業を進めていきます。
テンプレートに合わせヴォリュート部分など1本1本手で削っていきます。
細かな部分はサンド・ペーパーで削り滑らかにしていきます。
バインディングを1本1本丁寧に付けて固定していきます。
このような細かな作業があってこそ現代も変わらない
古き良きマーティン・ギターを継承し続けられるんですね。
ネックのフィッティングは最も高い技術を要する重要な工程。
指板の直進性やネック・ジョイントのアングルを計り慎重に調整していきます。
ここでフィッティングが完了したネックは別々に塗装されたあとにジョイントされ、
最後にブリッジ、ナットの取り付けが行われます。
フィニュッシュが施されたボディを短時間で磨き上げる自動バフがけ機。
スタッフの健康面と効率化の両方を実現した巨大ロボット。
実に見事にトップからバックまで磨いていきます。
その模様は近未来的でハイセンスでとても優秀でした。
ここで磨かれた物をさらにハンド・ポリッシングすることで塗装ムラを防いでいます。
最終段階のハンド・ポリッシング待ちのギター達。
その後、細かなセットアップがされた後 各国へ出荷されます。
一部商品はこちらに保管され各国へ出荷されます。
この子達もきっと素敵なご主人様に出会い、生涯を共にするパートナーになっている筈です。
続いてはマーティン・ミュージアムへ。
歴史を紐解く旅に出かけましょう!!
ここで急遽登場!!
創立者クリスチャン・フレデリック・マーティン・シニアから数えること6代目にあたるCEO クリス・マーティン4世。
ロイヤルミルクティーを片手にクリス氏自らマーティン・ミュージアム内の
秘蔵のヴィンテージ・ギターやマーティンの歴史を1時間程かけてお話して頂けました。
歴史溢れるミュージアム内は貴重な商材の宝庫でした。
貴重な年代物のD45をオークションにて買い戻したとご満悦のクリス氏。
その金額なんと3000万円!!!!
スケールが大きすぎて思わず苦笑いの私達でした。
しかしその後クリス氏からそのギターを弾いていいよと一言。
果敢にもわれらがサイトウさんが名乗りを上げジャラーーーンとワン・ストローク。
枯れっ枯れのヴィンテージ・サウンドとはまさにこの事で本当に痺れました。
その後クリス氏と記念に1枚。
恐れ多くも肩なんか組んじゃいました。
マーティン・ミュージアムを出た後はマーティンの歴史が記された分厚い本に
クリス氏の直筆サイン&握手と大満足の内容でした。
広告ディレクター、販売促進、リミテッド・エディション企画等々。
あらゆる部門で数々の功績を残してきたディック・ボーグ氏。
偶然前を通り過ぎられたのであわてて声をおかけしました。
気さくにお話して頂け写真のお願いにも快く了承頂けたので仲良さげに1枚。
マーティン・ファクトリー潜入 レポートに最後までお付き合い頂き有難うございました。
古き良き伝統と最新技術の融合が今年のマーティン・ギターを支える礎を築いているんですね。
歴史の一部に触れる事のできる素晴らしい経験はきっとギター・マニアの一生の財産になります。
ぜひ皆様も機会がありましたらナザレスのマーティン・ファクトリーまで足をお運び下さい。
しかしながら なぜ私が遠路はるばるアメリカ ナザレスまでやって来たのでしょうか?
マーティン・ファクトリーを見学しに来ただけ?いやいやそんな事はありません。
ですが真相は次回までのお楽しみということで、、、。
それではまた。