皆様Buongiorno!!
島村楽器弦楽器アドバイザーの糸山です。
この日のランチは、あらかじめマイスターの為に調べておいた日本食レストランへ。なんでイタリアまで来て日本食!?…という突っ込みをよく寄せられるのですが、ハードスケジュールをこなす気力・体力維持には欠かせないパワーの源なのです。
日本食でエネルギーチャージ。
本日最後の訪問は、大変優秀な若手メーカーがパドヴァ郊外にアトリエを構え始めた…という情報を聞きつけ、日が落ち始めてきた夕刻に駆けつけました。
工房のワークベンチ
それではご紹介します。
マエストロ・アルベルト・カスッティ氏です!
カスッティ氏と彼の作品とのツーショット。
カスッティ氏は、パルマにあるバイオリン製作学校で巨匠レナート・スコラベッツァ氏にバイオリン製作を師事。その後イギリスへ渡り、ロンドンのフロリアン・レオンハルト氏の工房で、楽器製作と名器修復のアシスタントを務めた若きホープです。
マイスター茂木と議論を交わすカスッティ氏。
独立後も、アンドレア・ガルネリなど名だたる名器修復の依頼を受ける程、腕前は超一級品です。ちょうど我々が訪問した際には、名器ガリアーノの修復途中を見せてもらいました。
名器ガリアーノ・ファミリーの修復途中を見せて頂きました。
カスッティ氏は名器の修復の傍ら、その構造を理解して自身の作品に生かしているそうです。確かに、図鑑の写真を観ながらつくるのと、実物に触れてつくるのでは、大きな差が有りそうです。
例えマイスターであっても、今尚新しい技術の習得意欲には興味が尽きません。
それでは、今回入手した彼のアメージングな作品をご紹介します!
Arberto Cassutti, Padova, 2014, Model; Guarneri del Gesu
Guarneri del Gesuの名器“Kochanski”をモデルにした作品。美しい出で立ちと楽器の反応の良さは、流石はロンドンの超高級店で揉まれてきた逸材です。パワフルな鳴りでいて柔らかく、芯のある音色が愉しめる逸品です。
Arberto Cassutti, Padova, 2014, Model; Matteo Goffriller
同郷ベニスのオールドバイオリン名器Goffrillerにインスパイアを受けて製作したモデル。小ぶりで膨らみのある個性的なルックス、 どんなお客様でも弾き易いハンドリングの良さが特徴的です。含みのある独特の音色が、プレイヤーの演奏意欲を掻き立てること間違いありません。
買い付けた2本の作品と記念撮影
今後がとても楽しみな、要注目のメーカーです!皆様、乞うご期待!!
また、ヴェローナの弓メーカー:エンリコ・ペロッタ氏とも同工房でお会いでき、素晴らしいバイオリン弓を買い付けることができましたので、ご案内致します!
エンリコ・ペロッタ氏
ペロッタ氏はイタリアで弓製作のメソッドを修得したマエストロです。弓職人でありながら、ジャズギターもハンドメイドで製作するマルチなタレントを持っています。
Enrico Perrotta, Violin Bow, Verona, 2014
操作性が優れたサルトリー・モデル。楽器の音色がブーストするようなイメージで、音圧に物足りなさを感じてらっしゃるお客様には特にお薦めの逸品です。
シルバー巻き 60.9g
Piazza della Fruttaの夜景
パドヴァの優秀なメーカー達と初めての出会い。1件1件、予想以上に熱く話し込んでしまった為、すっかり夜も遅くなってしまいました。
雨上がりのパドヴァ
夕食で食べたパスタが、妙に魚介系濃厚つけ麺の味にしか感じなかったのは、きっと疲労のせいだと思います(笑)
鰯のオイルサーディンのトロッコーリ(スパゲッティの太麺)
体調を整えて、明日もまた頑張ります!
マイスター茂木、Palazzo della Ragioneの建造物にて。
それでは、今日はこの辺で。
Ciao!
今回イタリアで買い付けた弦楽器は、弦楽器フェスタでお披露目します
今回マイスター茂木と糸山が買い付けを行った弦楽器は、11月〜12月各地(大阪・川崎・横浜みなとみらい・札幌・新宿・南船橋・福岡・奈良)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
日程等決まり次第順次情報を公開致しますので、弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。
- 島村楽器弦楽器フェスタページへ(内容は前回のものとなっております。ご了承ください。最新情報10月3日公開予定。)
2014年秋 弦楽器イタリア買い付け日記はこちら