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話題のマルチエフェクターLINE6 POD HD500X 製品詳細レビュー!


こんにちは、ギター担当、ギタセレ担当のウスバです。
7月11日に「ギタセレ」の新製品情報でご案内しましたLINE6POD HD500X

発売は8月末とのことで待ち遠しいですが、今日はいち早くその魅力に迫ってみたいと思います!

まずはルックスから

それでは早速ですが、LINE6の新顔とごた~いめ~ん。

箱です。

そして中身は、

ジャン! カッコイイ!

今回のアップデートはマイナー・アップグレードとの事ですが、もともとのポテンシャルが高いPOD HD500。『X』がついてどう変わったのか、細かくチェックしていきたいと思います。

まずは ↓『X』がついてます↓

旧モデルとなるPOD HD500と比べると、スッキリしたロゴになっていますね。
(↓これが旧モデルロゴ)

アップグレード・ポイント

今回のアップデート・ポイントは以下の3点。

  1. フット・スイッチ
  2. ディスプレイ
  3. DSP

それぞれ細かく見て行きましょう。

1.フット・スイッチ

フットスイッチが以前よりも頑丈になり、さらにスムースさを増しているとのこと。
スイッチング・ノイズが軽減されています。

さらにスイッチの周りにはLEDが配備され、暗いステージでも視認性が高まってますね。

部屋を暗くしてみました。

これで踏み間違いもありません♪

2.ディスプレイ

さきほどの画像で、ディスプレイもかなり強烈に光っていると思いますが、こちらもアップグレードされています。
ディスプレイのコントラストが強調され、逆に明るい場所でも見やすくなっています!
視認性UP→操作性UPと、重要なポイントなのでうれしい仕様ですね。

3.DSP(Digital Signal Processing)

今回のアップグレードの一番のポイントはココでしょう。
チップ自体をアップグレードすることで容量が上がっているので、これまでデュアルアンプを使用すると、仕様エフェクト数に限りが出てきていましたが、今回の仕様ではほぼ自由に追加できるようになりました!

実際にデュアルアンプにしてエフェクトを追加してみましょう。


Fender® Twin Reverb®とMesa/Boogie® Dual Rectifier®のアンプシミュレートをデュアルアンプで使用し、その後にディレイを2種類かけてみました。


全く余裕でセッティングできます!

最後の1枠は、さすがにDSPパワーを消費するディレイは追加できませんでしたが、それ以外なら追加できました!

POD HD500Xの実力

今回のアップグレード・ポイントは以上の3点(ロゴ変更も入れれば4点)ですが、PODのフラッグシップモデルであるその実力は、アップグレード前からすでにかなりのもの!
改めてそのサウンドをチェックしていきます。

まずは結線していきましょう。
今回使用するアンプRoland JC-120。

スタジオ、ライブハウス、ほぼどこに行っても置いてある激定番アンプです。

このJC-120のパワーアンプとキャビネットを使用し、POD HD500Xをプリアンプとして鳴らします。
JC-120のCH-2 EFFECT LOOP “RETURN L(MONO)”に、


POD HD500XのUNBALANCED OUTPUT L/MONOから接続します。

これでバッチリ!

...と思いきや、ここで「ちょっと待った!」

POD HD500ユーザーにもぜひ知っておいて欲しい、こちら。

このスイッチでアウトプットをセレクトして下さい。
(今回はJC-120のパワーアンプに直接つなぐので「AMP」を選択します)
※記述の間違いがございました。パワーアンプにつなぐ際は「LINE」が正しい選択です。「AMP」を使用するのはギターアンプのGUITAR INPUTにつなぐ時のみです。(2015年11月27日追記)
POD HD500Xからケーブルでインターフェースにつなぎ、コンピューターでレコーディングする際などは「LINE」です。

そしてVIEWボタンを長押し。


アウトプットを選択して下さい。


これでインピーダンスがマッチして、ナイスなサウンドをプロデュースしてくれますよ~

クリーンサウンドの透明感

まずはクリーンサウンドをプロデュースしていきましょう。

セッティングは、アンプFender® Twin Reverb®シミュレートにして、こちらのエフェクトをかけていきます。


VIEWモード別バージョン↓

クリーン~コンプ~コーラス~ディレイの順でペダルをONにしていきま~す。

どうですか?!

しっかりチューブ感のあるアンプサウンドに、クリアなエフェクトがのりますよね。
トランジスタ・アンプの代表選手、JC-120がチューブアンプになったかのよう!

最後にONしたディレイは、「Dynamic Delay」です。
これは「音数が多いときはディレイ音が薄くなって、白玉音符や音が途切れたときに厚くなってくれるという、便利ディレイ。
だからこそ、カッティングでも邪魔になりません!
空間を演出するのに中の人も愛用のディレイです。

ワウサウンドの可変幅

さっきクリーンサウンドでセッティングしてあった、ワウを踏んでみたいと思います。

この右側に鎮座する大きなエクスプレッション・ペダルこそがそのワウをコントロールするペダルです。
(ちなみに先ほどのクリーンサウンドのエフェクトをONの状態でワウをONにしています)

実際に音を鳴らしてみると...

中域から高域にかけて深めの変化が気持ちいいです。
ワウ特有の、多少の音痩せはあるものの、音質はかなりクリアですね。

ピッチ変化の追従性

そうなんです。ココがけっこうポイントなんです。
オクターブや、ハーモニーを試用してアームダウンやチョーキングしたときに、ハーモニー音が滑らかに追従してきてくれるか。
そこがピッチ系エフェクトを見極めるうえで大切なんです。

では、さきほどのクリーンサウンドのセッティングで、ハーモニーをkey「A minor」5度に設定して鳴らしてみます。

ではまず5開放「A」から。


かなりスムースで、音切れもないですね!

次に15フレット「A」で。


これも気持ちイイ。

さらにビブラートをかけてみましょう。


これでPOD HD500Xのピッチ系の実力が分かりましたね!
かなり良質なハーモニーを生み出せますよ~♪

ディストーションサウンド

それでは次に、PODユーザーに定評のある歪みのサウンドを作ってみましょう。


DSPパワー検証のときに作成したパッチを使います。

アンプFender® Twin Reverb®とMesa/Boogie® Dual Rectifier®のアンプシミュレートをデュアルアンプで。
コンプ/ブースター/コーラス/フェイザー/アンプ(2台)/ディレイ/ディレイ/ヴォリュームペダル/と接続しています。

ブースターは「Screamer」を使用してます。チューブ・スクリーマーをシミュレートしたものですね。
さっそくサウンドをお聴き下さい。

VAN HALEN風サウンドをヘヴィにしたイメージです。
どうでしょう? ノイズも少なく、かなり太いサウンド。
クリーンのアンプセッティングも追加しているので、歪みの中にクリーンな芯があって気持ちイイです。

そしてここからが、近年のPODの素晴らしいトコロ。

歪ませたままギターのボリュームを絞るとクリーンに!

デジタル回路ながら、本物のアンプ同様に、ギターのボリューム側だけでサウンドコントロールができます。
体感してみて下さい。

クリーンから一気にボリュームを上げたときの迫力はチューブアンプそのもの!

いや~、優秀です、POD。

ルーパー

搭載されているルーパーもかなり遊べます!


最大48秒のループ・タイムを装備しているのはもちろんですが、この

  • 1/2 SPEED
  • REVERSE

2つのスイッチでループ・フレーズに変化をもたせて、自由度の高い演奏が出来ます!

エディターが便利!

もちろんPODシリーズですから、エディターでサウンド作りが可能ですよ。

これはさきほどのディストーション・サウンドのセットアップ画面。
ディレイ・タイムはやはり大画面で設定したい! そんな欲求を満たしてくれます。

ダークホース、“チューナー”!

POD HDシリーズ、チューナーの精度、使用感、見やすがイイ!
中の人、これは今まで知りませんでした。 迂闊!

まあ見て下さい。
S-DSC03412
コレです。

「A」の範囲内であれば、ほぼあってます。
でも、さらにビッチリ合わせたい人は、▼にしっかりあわせれば、精度の高いチューニングが可能です!

LINE6チューナーだけ販売するのもアリでは?!」と思ってしまいました。

まとめ

ここまで、変更点も含めてPOD HD500Xの実力に迫ってみました。

いかがだったでしょうか?

ウスバ的評価は...

95点!(5点減点は、POD HD500を持っているので悔しいのと、重いから。)

こんな人にもオススメ

POD HD500X、ライブをやらない人でも、自宅でレコーディングにかなり有効です♪
ギターを持ちながら本体は足元に置いて、エディターで操作。
実際に弾く際は足での本体操作。

これがPOD HD Desktopだと、サイズが小さくていいのですが、追加終えダルが必要になってしまう...

だからこそ、今POD HD500Xの時代ではないでしょうか?!


POD HD500Xは8月末発売です。

ご注文は島村楽器各店や島村楽器オンラインストアにて承りますのでお気軽にどうぞ!

メーカー希望小売価格オープンプライス 販売価格¥57,800(税込)


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