こんにちは。耳コピのすゝめを書いていたサカウエです。
ちょっと新しいシリーズを書き始めました。
(Photo by wikipedia)
シンセの名演をたずね新しきを知ろうということで「シンセサイザー温故知新」第一回目です。やはりトップは「Moog」シンセサイザーです。
今回のお題:エマーソン・レイク&パーマー(ELP)の“TARKUS”
- アーティスト:Lake & Palmer Emerson
- 出版社/メーカー: Colum
- 発売日: 2011/02/25
- メディア: CD
モーグ モジュラーシンセ
モーグといえばELPですよねやっぱり。
ちなみに「Moog」は「モーグ」と読みます。「ムーグ」と呼ぶ方もいらっしゃいますが、これはシンセの祖、故モーグ博士のお名前ですので正しくは「モーグ」です。
Moogは現在も続々と新製品を発売しているアメリカの企業ですが、今回は元祖の「モジュラーシンセ」を使用したサウンド、プレイにフォーカスしてみたいと思います。
で、モジュラーシンセってどんなものかというとこの写真の右側に鎮座している「タンス状態」のものがモジュラータイプです。左の人物はモーグ博士。
(Photo by wikipedia)
日本では冨田勲先生が1970年にアメリカから購入(当時で1000万!)された際、こんな風貌ですから楽器と認められずに、なかなか通関できなかったという逸話が有名ですね。
突然の昔話ですが
コレ、音出すまでが一苦労なんですよね。このワタクシめも昔、松武秀樹氏のMoog Modular(通称タンス)をお預かりさせていただいた会社に在籍していたことがあるのですが、とにかくセッティングから大仕事。
まず大中小の3つのモジュールをタンス状態に重ねてそれぞれをマルチケーブルで接続します。ちなみに見た目よりは全然軽いです。
続いてキーボードコントローラーをごついケーブルでモジュールと接続します。
これで一様セッティングは完了ですが、音出すためにはミキサーとかアンプに接続してやらないといけません・・が,しかし・・・
「音はどこからでてくるんだ?」・・・冨田先生も松武氏も最初そう思われたに違いありませんが、とにかくジャック穴だらけ。まずこの時点で「??」。
仮に最終的に音が出てくる(ハズの)ジャックが見つかったとしても、それだけではダメなんです。
何本かのケーブルでモジュール同士をパッチングしてやらないといけないんですね・・・
マニュアルなんて無いし、実際ワタクシもキーボード弾いて音を出すまで1日かかりました(これホント)デタラメにやっていてもまず無理。
ちゃんとそれぞれのモジュールの意味を理解しないといけないんですね。
モジュラーシンセとキース・エマーソン
ということでこの初期型モジュラーシンセですが、なんとこれをライブで使って有名なのがなんといってもキース・エマーソン。
2013年現在でもバリバリの現役、大スター・キーボーディストです。
アルバムTARKUSはキースがシンセを使い倒し始めた頃のELPの大作です。
4th interval build (フォースインターバルビルド) =4度堆積の和音を中心に作られた組曲「TARKUS」で聴く事ができるのがこのモーグモジュラーのサウンドです。
4th interval buildに関してはこちらの記事も参照していただくとよろしいかも。
1:12~の「ソファソシb」〜サウンドに注目してください。
Emerson, Lake & Palmer - Tarkus [Full Song]
アンプから出しているんでしょうか?あたかも猛獣の咆哮の如き「ワイルドだろー」というサウンドでございます。
おそらくこんな音出せるシンセは現役では絶対無理でしょう・・と書くとこのコーナーも終わってしまうので頑張って行きたいと思います。
今回使用したのはArturiaの「Modular V」ソフトシンセです。
見た目はほぼ一緒なので、同じ音が出せそうですw
VCO(ホントは違うけど)を3個重ねただけのシンプルセッティング。
もちろんノコギリ波です。デチューン(チューニングずらし)かけてミキサーで3オシレーターをミックス、フィルター経由でアンプ部という非常にスタンダードなセッティングです。忘れてならないのはポルタメント。原曲の音痴っぽさを出すためにエンヴェロープ音程をしゃくりあげる効果を与えています。
30分頑張ったんですが、どうでしょう?
それではまた。