島村楽器公式ブログ

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2013年春 弦楽器買付け旅行記 ニューヨーク編その3

Hello!皆様こんにちは!

島村楽器 楽器アドバイザーの糸山です。

ここはNYにあるゴムの測り売りの専門店。世界中の様々なゴムやチューブが揃っています。

当社バイオリン工房で使用する資材を調達しにお買物です。

ラテックスと呼ばれるゴムシートを数メートル購入したのですが、"Latex"という単語が全く思い浮かばず・・・。職人さんのご配慮で無事購入。このラテックスは、日本国内で販売している小売店が見つからないそうですね。

さて、今日訪れるNYの楽器工房は、あのLady GaGaのお父様が経営するレストランが隣にあるという・・・、ニューヨークならではの立地です。

店内で真剣に楽器を選定していると、マイスター茂木がニヤニヤしながら私に近づいてきて「ねぇ、ちょっとこれ弾いてみて」「ねぇねぇどうだった?」・・・と執拗に絡んでくるので「この楽器なんですか?」と聞いてみると、なんと、本物のStradivariusでした(大汗)

Guarneri del Gesuもありました!

ここの工房を取り仕切るマイスターDavid Segel氏は、クレモナのバイオリン製作を学んだのちに、Rembert Wurlitzer(ウーリッツァー)の工房でイタリア名器の研究を続けていたSimeone Fernando Sacconi (サッコーニ)にNYに呼ばれ、オールドイタリーのレストアなどを中心に研鑽を積んだマイスターです。

サッコーニとは、バイオリン製作者の聖書となっている著書「The Secrets of Stradivari」を出版した製作家・研究者。

現代で活躍するアメリカン・コンテンポラリー・バイオリンメーカーの黄金世代(60代ぐらい)は、皆このサッコーニの影響を受けていると言っても過言ではありません。

では、私達がSegel氏の工房で買い求めた、アメリカン・コンテンポラリー・メーカー黄金世代の一人をご紹介致します。

Edward R. Curtz, New York, 2010,

Model; Guarneri del Gesu

ニューヨークで製作をしているカーツは、VSA(Violin Society of America)のコンペティションにおいて1996年と2000年の2度、音響部門でCertificateを獲得している実力派マイスターです。

グァルネリ・デル・ジェスのおそらく「Cannon」であろうと思われるこの作品は、とてつもないパワーと遠鳴りを実現させたソリスト向きの逸品です。

さらに、至高のレストアとして知られるシーゲル氏の調整により、いとも簡単に鳴らせ、かつ均一で深みのあるプロフェッショナルなフィニッシュを施しております。

特に、シーゲル氏のサウンドメイキングは、「G線」のディープな音色にニューヨーカーから定評があります!ぜひ一度ご覧下さい。

それでは今日はこの辺で。

See you later!!

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