皆さんドブリーデン!
島村楽器 南船橋ビビットスクエア店 弦楽器アドバイザーの糸山です。
プラハに到着した初日、私たちはプラハ中心街で工房を構えているマイスターの元を訪れました。ボヘミアン・ヴァイオリンのコレクションを多数所有しているこの店主は、プロレベルの演奏技術を持つヴィオラ奏者でもあります。
それでは、今回購入した楽器のほんの一部をご紹介します。
Otakar Frantisek Spidlen, 1935, Prague
前回春の買付でも入手したオタカール・フランティセック・シュピードレン。前作はこのブログで紹介する前にご成約となりました。希少な名器であることから、展示会の招待状にも大々的に取り上げていたためご覧になれずにいたお客様も多かったかと思います。Otakar → Premysl → Janと続く、正にチェコの歴史を代表するファミリーの大作。充実した広がりのある響き、柔らかいタッチと最高のレスポンス。高音域と低音域のバランスが絶妙だと感じます
Old German Violin , Label; ''Paolo Castello, Genova, anno 1779''
8世紀後半に製作されたオールド・ヴァイオリン。ラベルこそ18世紀後半にジェノバで活躍した巨匠カステッロのものが貼られておりますが、おそらくオールド・ジャーマンではないかと思われます。豪快な音色が最大の特徴で、良く弾き込まれているなぁという印象です。マイスターに尋ねたところ、実はこの楽器は長年プラハ国立歌劇場(Prague State Opera)に勤めていたプロのヴァイオリン奏者の遺品で、彼の奥様が氏を通して売りに出されていたものだったのです。ご縁あって、こんな素晴らしい楽器を本当に良心的な条件で日本へ持ち帰ることができました。18世紀後半に製作されたとは思えないコンディション、まだまだ弾いてあげないと勿体無いぐらいの逸品です。
長旅の疲れも吹き飛ぶような感動的な楽器との出会いと買付を終え、ふと気がつくと・・・
私の上司である照井は、チェコ製ハンドメイドのアコースティックギターが気になっているご様子でした。はい、帰りますよー。
初日を終えてほっと一息、チェコビールで思わず笑顔がこぼれます。私がオーダーしたのは「グラーシュ」というビーフシチューのような伝統料理。 んっ! のんびりした夕食のはずが、思いもよらないデカ盛りの登場にもう笑うしかありません。ちなみに、お隣のドイツ人のテーブルではこの料理を4人で取り分けて食べてました・・・。
この大皿に1対1で挑み「侍魂」を披露。善戦しましたが、「豚油の塊」に完全にノックアウトされレストランを後にしました。(笑)
日曜日はどこの工房もお休みのためオフです。まずはたっぷり寝て、体力の回復に務めたいと思います。では!
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