島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

スティーブ・ジョブズさんが音楽・楽器業界にもたらした功績についてまとめてみました。

こんにちは。Webサイト担当のトグチです。

みなさんもご存知のように、先日10月5日にApple創業者のスティーブ・ジョブズさんがお亡くなりになりました。

(Photo by wikipedia)


トグチは長年Macユーザーとして、音楽制作にもウェブ制作のお仕事にもジョブズさんが作られたプロダクトをたくさん使っていたので、今回のニュースは本当に残念でした。

ジョブズさんが創り上げた製品・サービスは、ビジネスから個人、グラフィックデザインや3Dなど様々な分野に大きな影響を与えたものだと思いますが、今回はその中で音楽に関する部分についてどのような影響・功績があったのか、Apple創業時から振り返ってみたいと思います。

1984年〜 初代Mac コンピューターミュージックの確立


(Photo by wikipedia)


1976年にAppleが創業し、その後Apple IIが大ヒットし、Appleは急激なスピードで一流企業の仲間入りを果たします。
そして1984年に今発売されているパーソナルコンピュータの元祖とも言える初代Macintoshを発売します。

初代Macは本格的なGUI(画面上のアイコンなどを操作する方法)を、初めて一般的なコンピュータで採用し、表示されたグラフィックがそのまま印刷できるなど、今となっては当たり前ですが当時は革命的な機能が多く実現されていました。

また周辺機器をつなぐポートも用意され、このポートを使った周辺機器として、当時普及が始まっていたMIDI端子を内蔵するシンセサイザーなどを制御するMIDIインターフェースや、MIDIデータを作成するシーケンスソフトが発売(1984年にMOTUから「Professional Composer(のちのPerformer)」発売)されるようになり、多くのミュージシャンが自分の作品作りにMacを使うようになります。
もちろんWindowsでも同じような環境はありましたが、プロが本格的な音楽制作を行うにはMacしか選択肢が無いという位、スタンダードなものとして確立されていました。

1988年〜 NeXTcube


(Photo by wikipedia)


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ジョブズさんは、初代Macintoshを発表後、社内の権力闘争によってアップルを辞め、その後1985年に「NeXT(ネクスト)」というコンピュータメーカーを新たに創業します。
NeXTのコンピュータは、おもに大学などの研究機関で使われるのですが、その中でフランス国立の研究所「IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)」でNeXTのコンピュータに合わせて搭載するDSPを利用したソフトが開発されます。
そのソフトとは、現在エレクトロニカ系アーティスト御用達の「Max/DSP」でした。


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NeXTは研究者や大学生が研究に利用しやすいようにOSやソフトの開発環境が用意されていました。その結果今の音楽シーンで使われるソフトを生み出したきっかけになったと言えるかもしれません。

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1998年〜 初代iMac発表 USBポートの普及


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その後ジョブズさんは、アップルが当時次世代OSの技術獲得としてジョブズさんの会社NeXTを買収することとなり、そのタイミングでアップルに復帰することになります。
そしてアップルの経営トップになったタイミングと時期を同じくして、みなさんご存知のiMacを発売します。

iMacは当時まだまったく普及されていなかったUSBポートを採用し、今まで音楽関連も含めた周辺機器は接続方法や設定が難しかったのを解決することに貢献します。

それは楽器業界にも影響を与え、USB対応の周辺機器はMIDIインターフェースから始まり、その後オーディオインターフェースキーボードDJコントローラーなど様々な機器が発表され、シンセサイザー本体などにも端子が用意されるようになり、USB登場以前に比べ低コストで高性能な周辺機器が沢山発売されたことにより、音楽制作がとても身近な存在になりました。

あとiMacと島村楽器はご縁がありました。
初代iMacを販売するお店として島村楽器が選ばれ、iMac発売日には展示店舗に多くのお客様がご来店されました。

2001年〜 初代iPod登場 音楽の聴き方の再構築


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2001年Appleは、自宅にあるCDアルバムすべてを持ち歩くことが出来る、デジタルオーディオプレーヤーとしてiPodを発表します。
当時すでにデジタルオーディオプレーヤーは発売されていましたが、曲の管理が面倒だったり容量が少なかったりしました。
それに対してiPodは大容量のHDDを搭載し、曲の管理についてもiTunesを用意し簡単に音楽も持ち歩けるようにし、大ヒットします。

そして2003年にはiTunesから直接楽曲が購入できる「iTunes Music Store」のサービスが開始され、新しい音楽の楽しみ方の変化を世界中で提供をするようになります。

2007年〜 iPhone発表 新しいユーザーインターフェース・アプリの普及


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iPodとiTunes Music Storeの大成功で、Appleはコンピュータメーカーに留まらないIT企業に成長していく中、ジョブズさんが「電話の再発明」と表現したiPhoneを発表します。

そして2008年にアプリケーションをインストールできる「App Store」サービスを開始し、iPhoneのタッチパネルの特性を活かした様々な斬新なソフトが登場し、楽器に関するアプリも多く発表され今まで楽器が難しくて演奏することが出来なかった人たちも手軽に演奏を楽しむことが出来るようになりました。

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2010年〜 iPad発表


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そして最後に2010年iPadが発表されます。iPhoneに比べ大きな画面で操作でき、複数の指で操作できるように進化したiPadは、さらに実用的な音楽・楽器アプリが登場します。

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Appleからも2004年にMac用に発表された音楽制作ソフト「GarageBand」のiPad版が発表され、iPadで手軽に本格的な音楽制作が楽しめる時代が到来しています。

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最後に

いかがでしたでしょうか?
Appleやジョブズさんの歴史に詳しい方から見ると、多少こじつけになってしまっている部分もあるかもしれませんが、スティーブ・ジョブズさんが考えた世界観・製品が、これだけ音楽・楽器業界に影響を与えたというのが、お伝え出来ていれば嬉しいです。

それではまた。

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