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「Ustream」や「ニコニコ生放送」で、本格的な映像配信に最適な「ローランドVR-5」レビュー(機能詳細編)

こんにちは。Webサイト担当のトグチです。
昨日このブログで、「Ustream」や「ニコニコ生放送」で本格的な生中継を行う際にとっても便利な機材「Rolandローランド) VR-5」について、どんなところが便利なのか、どんなところがお買い得(コストパフォーマンス)なのかを、簡単にご紹介しました。

今日は昨日に引き続きこの「ローランド VR-5」の操作機能の紹介や、実際のライブイベントで使った感想について書いてみたいと思います。

会場・撮影に使用したカメラについて


まず当日は、新宿歌舞伎町にあるライブハウス「OREBAKO」さんで開催させていただきました。

参考に会場のサイズについてですが、観客スペースで約5m四方で150人位がスタンディングで入れるサイズです。

どんなライブイベントだったのかについては、主催した新宿PePe店と、先日このブログで告知した記事をご覧ください。

次に会場で使用したカメラについてですが、ウェブカムなどは使用せずにビデオカメラで撮影した映像をビデオケーブルを使ってVR-5に接続する方法をとりました。

まず1台目のカメラは、長年島村楽器のイベントを文句も言わずに淡々と記録してくれた(笑)、キャノンのXV2というカメラを持ち込みました。
2002年に発売されたモデルで、ハイビジョン撮影には対応していませんが、かなり良いレンズが搭載されていて細かい設定ができるので、今も現役バリバリです。
設置場所は観客スペースの最前列右側に設置をしたのですが、ステージと近い距離だと演奏者の全体を撮るのが難しくなってしまうので、WD-58Hというワイドコンバーターをレンズに装着して、通常のレンズよりよりも広い範囲を撮影できるようにしました。


もう一台のカメラは、ライブハウスに据え置きされているビデオカメラを使用しました。
設置場所は観客スペース後方からステージを見下ろすようにありました。

ちなみにUstreamなどの配信でビデオカメラを使う場合、ハイビジョンで配信を行うのは、パソコンの処理速度やインターネット回線が厳しいのが現状です。
現在主流なのは、HD(ハイビジョン)ではなく、SD(DVDやアナログテレビの画質)での配信になっています。

なので今現在ハイビジョンカメラを持っていて使うのは全然問題ないですが、もしこれからインターネットで生中継を行うためにビデオカメラを用意するなら、「miniDV」というマークが付いている古い規格のビデオカメラでも全然問題なく使用することが出来ますし、上でご紹介したXV2などを中古でゲットするのも良いと思います。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/6/60/Minidv_mark.png

ローランドVR-5も最終的に出力される映像のサイズはハイビジョンではなくSD画質になりますが、Ustreamに配信を行うならベストマッチなスペックですね。

オーディオ・ビデオの配線

次に上で紹介したビデオカメラや会場の音をどのようにVR-5に接続をしたかご紹介します。


まずオーディオについては、ライブハウスのPAミキサーからすべての音がミックスされた音を、VR-5用に用意していただき接続をしました。
VR-5のマイク・ライン入力はTRS/XLR端子に対応しているので、柔軟に対応できるようになっています。



ビデオカメラから出力される映像はS端子とアナログのビデオケーブルを使ってVR-5に接続しました。
それぞれのビデオケーブルは広い会場でも対応できるように20mのものを用意しました。




PC(今回はMacBook Proを使いました)との接続は、USBケーブル一本で済みます。
注意しないといけないのは、接続端子がオス・オスなので、VR-5に付属しているケーブルを無くしてしまうと用意するのがちょっと大変なところです。

あと、トグチは今回VR-5を触るときに一つだけ不安だったのが、パソコンに接続したときの安定性でした。

今までビデオカメラで撮影した映像をパソコンに取り込んで、Ustreamで配信する際はIEEE1394(iLink・FireWire)端子のほうが安定しているという歴史があり、果たして実用に耐えれるのか?という感じでした。

この部分については、VR-5はパソコンとの接続にはOSにあらかじめインストールされている汎用ドライバを使って認識されるので、専用ドライバをインストールする必要もないし、MacOSX 10.6のMacBook Proでは極めて安定した動作をしてくれました。



写真がブレてしまっていてすいません(笑)
今回の配線は映像と音声を最終的にノートパソコンに送るだけなので、非常にシンプルな配線になっています。
VR-5には映像入力だけでなくオーディオ入力やPC用入力、各種出力端子が用意されているので、会場でミックスした音声を出したり、プロジェクターで映像を投影したりなど、より複雑な放送にも対応することが出来ます。



これが最終的なセットアップです。すごいシンプルだし特に配線がすっきりしていますよね。

操作パネルとか


では実際VR-5はどんな感じで操作できるのか書いてみます。



まず二つある液晶パネルのうち左側は、入力される映像信号(カメラ×3・SDカードからの出力)をチェックする画面になります。
凄いのはこの液晶はタッチパネルになっていて、表示させたい映像を指でタッチすると、そのチャンネルの映像に切り替わるようになっています。
またこのパネルは各種設定を変更するための画面としても使うのですが、タッチパネルのおかげ直感的に操作することが出来ました。


右側の液晶は現在出力されている映像が表示されます。



パネル上部の右側には、最終的に出力される映像と音声の出力を調整するつまみがあります。
映像のつまみはブラックアウトとホワイトアウトをすることができ、映像にハプニングがあったときもこのつまみでサッと対応することが出来ます。



パネル下部の左側は、オーディオミキサーが用意されています。今回はマイク・ライン入力にだけ音の信号が入って来ていたので他のチャンネルはフェーダーを下げてあります。

オーディオミキサー1〜4の下には、ビデオセレクトボタンが用意されていて、液晶パネル以外にボタンでも映像の切り替えができるようになっています。それに今どのチャンネルの映像が選択されているのかも分かりやすいですよね。



パネル下部真ん中には、ビデオエフェクトとPCからの映像と音声を調整するためのボタンが用意されています。
ビデオエフェクトは2つのチャンネルを合成するために使う「COMPOSITION」と、映像を切り替える際の効果を設定する「TRANSITION」に分かれています。
このパネルで切り替え時のTRANSITION効果を選択しておいてビデオセレクトボタンを押すと、選択した効果で切り替わる感じです。
効果の細かい設定についても、本番に操作をしている最中でもタッチパネルの液晶で簡単に設定変更をすることが出来るので、慣れてしまえば配信中に場面に合わせて細かい調整ができると思います。



最後パネル下部の右側には、SDカードに仕込んだ動画・静止画・音声をコントロールすることが出来ます。
例えばライブイベントであれば、開演前や休憩時にあらかじめPVを仕込んでおいて再生したり、参加バンドの写真を演奏前に表示させたりすることが出来ると思います。

さらにVR-5にはビデオレコーダーとしての機能も用意されていて、放送中に録画ボタンを押すだけでその時出力されている映像と音声をSDカード上に録画することが可能です。
Ustreamで配信した後に、後日編集を加えた映像をYouTubeにアップするといった使い方が考えられますね。

今まで難しかったことが、普通の人でも簡単にこなせそうなくらい分かり易くまとまったVR-5

いかがでしたでしょうか?
今まで映像配信をするためには様々な機材を用意して接続する必要があったり専門的な知識も必要だったのが、一台にコンパクトにまとまってボタン一つで操作できるようになったVR-5に、トグチは一日感嘆しきりでした。

ビデオデッキの操作を覚えるよりも簡単なのではと思うほど扱いやすく設計されているのか、説明書のページ数がとても少なく、30分位触れば殆どすべての機能がマスターできると思います。

今回はライブイベントをUstreamで配信した際の使い方をご紹介しましたが、例えば研修などを行う会議室や学校の放送室で使ってみたり、商店街のイベントで使ってみたりなどなど、様々な場所やシチューエーションで使える便利な機材だと思います。

  • 本気だけど出来るだけコストを押さえてUstreamにコンテンツを配信したい
  • 難しいことは嫌だけど手軽に複数カメラの映像を記録したい

という人にはVR-5は本当にオススメの機材なので、是非検討してみてください。

ローランドVR-5は、島村楽器各店・島村楽器オンラインストアでお取り寄せ・予約が可能なので、みなさんのご来店を心よりお待ちしております。

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