島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

2020年春 弦楽器買い付けレポートその5「ウィーン編 Part2」

今回の買い付けは、2020年2月13日~2020年2月21日に行いました

どーも皆さんGuten Tag!!
シマムラストリングス秋葉原:マネージャーの糸山です。
先日に引き続き、今年はベートーヴェン生誕250周年のメモリアルイヤーということで、楽器買付としては初めて「音楽の都」ウィーンを訪れています。

本日は、そのウィーンゆかりの音楽家たちが多く贔屓にしている、凄腕の弓職人をご紹介したいと思います。

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ウィーン郊外の閑静な住宅地にある自宅工房を訪れました。

ここウィーンで弓を専門に製作するBogenmacher(ボーゲンマッハー=弓職人)、Thomas M.Gerbeth(トーマス・M・ゲルベス)氏をご紹介致します。

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左から茂木、ゲルベス氏、奥様のアンケさん、グランフロント大阪店店長の古西。親方がTシャツ姿なのは、今日は工房の定休日だったからです。無理を言って我々の訪問アポイントを受けて下さいました。Danke!!


ゲルベス氏は1968年生まれ。
修業時代には、Wolfgang Dürrschmidt(ヴォルフガング・ダルシュミット)、R. Herbert Leicht(R.ヘルベルト・ライヒト)、Günter A. Paulus(ギュンター・A・パウルス)、Steffen Kuhnla(シュテファン・クンラ)、そしてRichard Grünke(リヒャルト・グリュンケ)など、ドイツ各地の弓製作工房で腕を磨きました。

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ゲルベス氏はドイツ仕込みのドイツ語なので、トライリンガル茂木もスラスラとお話していました。

1992年にはイギリス・マンチェスターのコンペティションで金メダルを受賞。1997年にはドイツ・ミッテンヴァルドのコンペティションでも金メダルを受賞しています。

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1996年には当時パリに居た現代巨匠:Stéphane Thomachot(ステファン・トマショー)の工房でスキルを磨き、翌年1997年にここウィーンで独立を果たしました。

独立以来たゆまない研究と製作の結果、音楽の都ウィーン在住の一流演奏家たちが最も頼りにする弓のエキスパートとして名をはせ、ウィーンフィルはじめ多くの演奏家、ソリスト今では日本人を含めて世界中からの注文をこなす毎日だそうです。

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壁にはゲルベス氏がドイツ国家資格「Meister」であることの証明書が飾られています。(マイスター茂木も持っていますよ♪ 「自称マイスター」じゃないですよ♪)

こちらの工房は何名の職人が働いているのか?・・・と聞くと、工房メンバーはゲルベス親方と製作アシスタントが1名。

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アシスタントのザイフェルトさん、この日は粛々とラッピングの仕上げに集中しいました。

そして、毛替えを専門で行う奥様アンケさんと3人で運営されています。

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奥さんのアンケさんは毛替えだけを担当する『毛替えのスペシャリスト』。ご両親はヴァイオリニストで、アンケさんご自身も幼いころからヴァイオリンの英才教育を受けていました。

工房内を案内されながら奥に進むにつれて、これまで数多くの世界的弓工房で買い付けしてきた私達でさえ、見たこともない計測器や工作機械が出てきて驚かされました。

弓製作の本場フランスでは、親子や弟子に製作ノウハウを直にアナログ的に伝えてきた伝統がありますが、ゲルベスさんはその感覚的な部分を可能な限り「見える化=データ化」して自身のオリジナル弓製作に成功している希有な弓製作家であると言えます。

これまで科学的に収集したトルテ、ぺカットなどのいわゆる名弓と言われる弓の膨大なデータから、自身の理想的なオリジナル弓を製作するポイントを説明してくれました。

ブラジルで厳選された理想的な材料

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弓製作に使用するフェルナンブーコ材は、数十年前からゲルベス氏自らブラジルで厳選してきた極上品質の材を、解析した特性別に色分けして自然乾燥保存されています。氏はブラジルでのフェルナンブコ植林活動にも積極的に関わっています。

3D-CADの導入。

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弓のヘッドは自由曲線が多い形状ですので、図面で正確におこすのは至難の業です。ゲルベスさんの工房では三次元計測機を使用し、寸法・形状を精密に測定し、立体図面を360度グラフィカルに確認することが可能です。
多くの優れた古い弓をデータ化することで、自分のオリジナル弓ヘッドの理想的な形状を生み出すことに大いに役立てていると同時に、高精度の名弓コピー製作依頼にも活用しているようです。
マイスター茂木も『弓作りでここまで徹底した解析をやっている職人は初めて。』との事。最先端技術に食い入るように見入っていました。

弓の反りデータ化

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2つめは、この壁にある装置で弓の反りを正確に採寸します。デジタル計の測定子で測定されたデータはすぐにPCに転送されてデータとして取り込まれます。弓の棹は毛を緩めた状態だけでなく、演奏状態にした場合のデータも収集されていました。PCに取り込まれた測定データは瞬時にグラフに描き出されます。
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このほか様々な要素を解析しながら弓製作に生かしますが、製作自体は伝統的なマイスターの技術と経験や感覚を最大限に発揮して行っています。

特にゲルベス氏自身が最も拘っている棹の反り付けは、豊富なデータをもとに得られた理想的なカーブを、1本ごとに異なるフェルナンブーコ材の特性を考慮しながら、手作業で時間をかけて丁寧に付けるそうです。
ゲルベス氏の弓は「まるで名弓で弾いているような、全弓にわたっての楽で自然な弓のコンタクト、ボーイングの安定感、自在なコントロール感覚」が特質してますが、この反り付けも大きく関わっているようで、ウィーンのプロ奏者、世界的ソリストが彼の弓を愛用する理由が納得出来ます。

このようにハイテクと伝統的マイスターの技を屈指して完成した最後には、奥さん(アンケさん)が物凄い集中力で毛替えをして、最後にゲルベス氏と奥さんによる試奏と微調整を加えてようやくほぼ完成するのも弓製作では珍しいことです。
「うちの弓は完成後に試奏して最終調整まで行うので新品でも毛に松脂が塗ってあるけど、中古ということではないので安心して下さい。どんなに最新機器に投資しても、優れた弓を作り出すので(人間の技術と耳=人間の感覚)を一番大切にしています。」これぞ真のマイスター!

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このとき1本だけ完成していた超有名ソリストからのオーダー弓がこちら、ぺカットからインスパイアーされていますが、豊富なデータとゲルベス氏の経験からオリジナルの弓として製作されました。
弾き心地、手に吸いつくフィット感など極上でした。

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今回ゲルベス氏に金黒檀のバイオリン弓とチェロ弓をオーダーしてきました。入荷は5月の予定ですので、完成を楽しみにお待ち下さいませ(完売済、2022年分が次回入荷予定)。また古い弓のコピー製作も合間に受けているそうですので、こちらもご興味ある方は是非当社までご相談ください。

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因みにゲルベス氏の弓愛用者を少し挙げますと、フランクペーターツィンマーマン、タベアツィンマーマン、ジュリアフィッシャー、レオニダスカバコス、ヴェルナーヒンク、ゲルハルトシュルツ、等の錚々たるソリスト、ウィーンフィルなど一流オーケストラ奏者、音楽大学の教授と生徒さんなど書きつくせないほどです。

ウィーンの街はたった1日。非常に名残惜しいですが、翌朝早朝から電車移動。次の行き先はプラハです!
それでは今日はこの辺で。Tschüss!!

今回買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木が買い付けを行った楽器は、5月〜7月各地(グランフロント大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・松本パルコ・南船橋・イオンレイクタウン・仙台泉・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。


2020年春 楽器買い付けレポート

2020年春 弦楽器買い付けレポートその4「ウィーン編 Part1」

今回の買い付けは、2020年2月13日~2020年2月21日に行いました

皆さんこんにちは。
シマムラストリングス秋葉原:マネージャーの糸山です。
今年はベートーヴェン生誕250周年のメモリアルイヤーということで、楽器買付としては初めて「音楽の都」ウィーンを訪れました。

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ベートーヴェンは1770年ドイツ・ボン生まれ。17歳の時にウィーンでモーツァルトと出会い、22歳でハイドンに弟子入りのためウィーンへ移住。以来ボンに戻ることはなく56歳で亡くなるまでの35年間をウィーンで過ごしました。

街にはベートーヴェンのほか、ウィーンゆかりの作曲家たちの石像をあちこちで発見。(モーツァルトだけ探せず・・・。)

まずは歌曲王:フランツ・シューベルト。

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シューベルトの石像。宮廷礼拝堂聖歌隊(現:ウィーン少年合唱団)のメンバーであった生粋のウィーンっ子。ベートーヴェンを崇拝し、ベートーヴェンの葬儀では棺を担いだという話は有名ですね。31歳と短命でしたが1,000曲近くの作品を残しました。


交響曲の大家:アントン・ブルックナー。

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ウィーン国立音楽大学の教授を務めたブルックナーの石像。優秀なオルガニストとして知られていましたがウィーンに移住してから交響曲の創作に集中し、9曲のシンフォニーを遺しました。皆さんは何番がお好きですか?(私は7番かな・・・。)


ワルツ王:ヨハン・シュトラウス2世。(キラッキラ!)

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ウィーナー・ワルツの全盛時代を築いたヨハン・シュトラウス2世の記念碑。ヴァイオリンを弾きながらオーケストラの指揮をする「弾き振り」でブイブイ言わせていたので、このデザインになったとか?毎年恒例のウィーンフィルのニューイヤーコンサートでは、シュトラウスの曲で構成されたプログラムが世界各国で中継されています。


そして、グスタフ・マーラー大先生の石碑。

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マーラーはウィーン国立歌劇場の総監督、ウィーン・フィルハーモニー管楽団の首席指揮者を兼任しました。村上春樹さんの著書:「小澤征爾さんと、音楽について話をする」ではマーラーの音楽について触れられているのですが、読後は聴き方が変わって面白いですよ♪

ベートーヴェンが半生を過ごしたウィーンの街は、4世紀以上に渡ってクラシック音楽の中心地でした。
音楽の繁栄はウィーン市内の作曲家、楽譜出版社、ピアノづくり、そして楽器の生産にも大きな影響を与え、目録や領収証等に確認される市の重要なアーカイブ資料には、ウィーンの王族や貴族へ納入した楽器の多くが、地元ウィーンの職人たちが製作したことが分かっています。

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ドイツ生活時代にウィーンは何度も訪れたというマイスターも、「ウィーン楽友協会ホール(Musikverein Wien)」は初体験。

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私達がウィーンを訪れた3日後に、ここで五嶋みどりさんがシューマンのヴァイオリン協奏曲をウィーン・フィルをバックに演奏する・・・というニアミスを犯しました(泣)もっと早く知っていたら・・・。


今回はウィーンで活躍する演奏家のために日々腕を揮う職人のもとを訪れ、メモリアルイヤーに相応しい楽器を見つけて、『ベートーヴェンゆかりのお宝』とこじつけさせて頂きたいと思います。笑

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ウィーン・コンツェルトハウス。ここも、私たちが訪れた1週間後にNHK交響楽団のヨーロッパツアー・コンサートがあるというニアミス(大泣)

私がリサーチを重ね、絶対に訪ねると決めた工房はウィーンフィルハーモニー管楽団御用達の由緒ある工房。レディース・エン・ジェントルメン。
Wilfried Ramsaier-Gorbach(ヴィルフリート・ラムザイヤー・ゴアバッハ)氏のアトリエです!

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ゴアバッハ氏はドイツ・シュトゥットガルト生まれ。1871年から続くウィーン最古の老舗ヴァイオリン工房を引き継いでいる、凄腕のマイスターです。

なんとここの工房、ウィーン学友協会ホールの「楽屋口」と繋がっているんです!凄すぎ!!
何を隠そうこのゴアバッハ氏。ウィーンフィルハーモニー管楽団「専属」の楽器修理工として、日々ご活躍されているのです。
www.facebook.com

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オーストリアはドイツ語圏ですが、マイスター茂木によるとウィーンのドイツ語は「オーストリアドイツ語」と呼ばれるほど一般的なドイツ語とは結構違うらしく、安全策をとって今回は英語メインで会話をしていました。

ゴアバッハ氏はウィーンフィルと共に日本にも10回以上訪れており、よく秋葉原の電気街で工具を買い求めているのだそうです。意外に身近な所まで来てたのでビックリです。笑

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ゴアバッハ氏が『秋葉原で購入した』と、ニコニコで貸してくれたライトを使うマイスター茂木。この人、職場秋葉原です。

1800年代のヴァイオリンを中心に、幅広いラインナップを買い付けさせて頂きました。

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さすがは御用達とだけあって音作りがとても上手く、選定は非常に悩みました…。
それでは、ここでウィーンフィル御用達の由緒ある工房で買い付けた、選りすぐりのヴァイオリン(の一部)をご紹介させて頂きます!

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ゴアバッハ氏から1挺1挺、楽器の情報を丁寧に教えて頂きました♫

German Violin "Josef Klotz" Label, ca1860 - 1880

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German Violin "Josef Klotz" Label, ca1860 - 1880(証明書付)
19世紀後半に製作された作品です。個性的なF字が愛くるしいお顔立ちの楽器ですが、可愛らしさのかけらもない渋っ渋のジャーマンサウンド。

Sachsen Arbeit "Antonio Stradivarius 1713" Label, ca1880 - 1900

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Sachsen Arbeit "Antonio Stradivarius 1713" Label, ca1880 - 1900(証明書付)
東ドイツ・ザクセン州で19世紀後半に製作された作品で、よく鳴ります!グランフロント大阪店マネージャー:古西もチョット弾いて『ハイ、もうこれ絶対買い!』ってなりました。面構えもなかなか格好良いですね~。

Sachsen Arbeit, ca1870 - 1880

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Sachsen Arbeit, ca1870 - 1880(証明書付)
こちらも上記と同じくザクセン・スクールの作品。経年変化で熟成された音色が楽しめる、素晴らしいジャーマン・ヴァイオリンだと思います!

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・・・と、ここまで全て100万円以下でご提案できる予定です。50万円以下の楽器もあります♪

ゴアバッハ氏にご協力をお願いしまして、今回は100万円以下の楽器についても全て例外なく「証明書」も付属します。

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ウィーンゆかりの「お宝」探し。何度も弾いて、調べて、悩んで、この楽器に決めました!
お目当てのオーストリッチ・オールド・ヴァイオリンも発見。ウィーンの名工、1795年のMathias Thir(マティアス・ティール)オリジナルラベル入りの楽器を購入しています。

Mathias Thir, Austria - Wien, ca1795

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Mathias Thir, Austria - Wien, ca1795

マティアス・ティールは、ハイドンやベートーヴェンが活躍した時代における、ウィーンの代表的なリーディング・メーカーでした。名器:Jacob Stainer(ヤコブ・シュタイナー)に影響を受けたとみられ、ハイアーチを特徴とした宮廷サロン風の作品を作り上げ成功を収めました。
ハプスブルク家の宮廷で演奏されていたかもしれない・・・と考えると、とても有難い気分になります。(あくまで推測です。)音色はブラックな見た目からは想像できないほど、甘いVoice。ゴアバッハ氏から『ベートーヴェンもこのヴァイオリンの音色を聴いたかもね~。』なんていうリップサービスも。笑(あくまで推測です。)

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マティアス・ティールのオリジナルラベル。この楽器にはWilfried Ramsaier-Gorbachの鑑定書が付属します。

ゴアバッハ氏の工房で選んだ楽器は全部で11本!1件あたりの買付本数としては、異例の多さ。大豊作です!!
ウィーンフィル専属の工房で選定だなんて、とても贅沢な買い付けができたと思います。

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秋葉原でお買い物際には、ぜひシマムラストリングス秋葉原にお立ち寄り下さい。Danke!!
次回はウィーンの弓職人をご紹介します。

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ウィーンといえば、ウィンナーシュニッツェル。コンサートは聞き逃しましたが、名物料理は漏れなく頂きました。
本日はこの辺で。Tschüss!!

今回買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木が買い付けを行った楽器は、5月〜7月各地(グランフロント大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・松本パルコ・南船橋・イオンレイクタウン・仙台泉・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。


2020年春 楽器買い付けレポート

2020年春 弦楽器買い付けレポートその3「フランス編 Part3」

今回の買い付けは、2020年2月13日~2020年2月21日に行いました

Bonjour‼︎ グランフロント大阪店店長の古西です。
買い付け3日目はパリに次ぐ第2の規模を持つ都市リヨンへと向かいます。
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TGVで2時間の旅の為、早朝からパリを出発。
こういう移動時間はゆっくり執筆できる貴重な時間です。

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リヨンは、フルヴィエール・古代ローマ劇場やノートルダム大聖堂、サンジャン大教会、旧市街にある中世やルネッサンス時代の建築など、2000年の歴史を感じる素晴らしい街です。

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フルヴィエール・古代ローマ劇場
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ノートルダム大聖堂
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サンジャン大教会

軽く食事を済ませ、早速買い付けです!まず最初は巨匠Franck Daguin氏のアトリエへ

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Franck Daguin氏は18歳よりJ.Schmittの元で弓製作を学び、その後、Daniel Scafflと働いた後に、自身の工房をリヨンに開いています。
数多くの一流プレイヤーのオールド弓の修復、修理など経て、現代の世界最高の弓製作家の1人として認められております。

  • 1991年 Mention Speciale Paris
  • 1992年 Grand Prix des Metiers d Art Lyon
  • 2004年 Mention Speciale Paris

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今回はFranck Daguin氏ご本人にお会いする事ができ、娘のAlice氏と共に出迎えていただきました。Merci!
今回も多数ご用意いただき感謝です!では早速選定開始です。

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まずはFranck Daguin氏のバイオリン弓です!
まず驚かされるのはこの極上虎杢フェルナンブーコ材!なかなかお目にかかれない逸品。
そして弾き手のインスピレーションを最大限に表現できる素晴らしい弓です!正直なところ、、、別格です!

それではご紹介します。

Franck Daguin, France - Lyon, 2020

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正直なぜこれまでにもパーフェクトな弓を作れるのかAlice氏にお伺いすると、、、
「Because Franck Daguin!」
納得のご回答でした!恐れ入ります。
この後は娘さんのAliceの弓を選定させていただき、バイオリン弓2本を仕入れることに決めました。
前回の買い付けた弓は全てSold Outです。
その内の1本をご紹介。

Alice Daguin, France - Lyon, 2020

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またFranck Daguin氏のGold Bowをバイオリン弓1本、チェロ弓1本オーダー。
来年またFranck Daguin氏を訪れるのが楽しみですね。
この後工房も拝見させていただき、現在3月にリヨンで行われるExhibitionに出展する弓の製作を行なっている最中のようで、
出展予定の弓も拝見させていただきました。
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ふと差し出された弓に目を奪われます、、、。
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これは何かと問い合わせてみると、
"Stingray Skin"!、、、、、"Stingray Skin"!??

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一瞬何かわからず差し出されたものを見て驚きです!
そう、「エイの皮」です!入手困難な象牙に代わる新素材として採用しているようです!
皮を触らせていただくと非常に硬い!!
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新しい試みを行いつつ、ここまで昇華させた伝統の技術との融合は非常に興味をそそります。
土曜日の訪問にも関わらずご対応いただき感謝です!Merci !!
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次に訪れたのは、Christian Charmagneのアトリエへ。
ここでは50万〜100万以下でご案内ができるモダンバイオリンを求めての訪問です。
今回はモダンバイオリンの選定を事前に要望し、多数準備いただきました。
それではじっくり選定開始です。Merci!!

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我々は、ネックの角度、高は日本の湿度を考え多少変化が生じることを前提にある程度先まで使用する状況を予測をして計測します。
また、表板、裏板、側板の厚みは音の鳴り方によっては注意しなくてはいけないので調査します。
また、寸法ももちろん重要。基準値外は買い付けることはしません。
その他にも多数チェック項目があります。

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今回は事前に調整をいただいていたこともあり、コンディションは抜群。
リーズナブルな価格帯でご提供できるスペシャルなモダンバイオリンです。
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入念に選定&徹底検品を行い、1本1本製作家の情報の確認。今回はモダンフレンチ、モダンジャーマン含め計8本仕入れることができました。バリエーション豊富なサウンドはきっとお好みの音色に出会っていただけると思います。
それではご紹介します。全て鑑定書ありです。

Mirecourt School , France - Mirecourt

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Jerome Thibouville Lamy, Compagnon, France - Mirecourt

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Marc Laberte, label Stainer 1929, France - Mirecourt

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Jerome Thibouville Lamy, Coussin, France - Mirecourt

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Dresden School, France - Mirecourt

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J.B.Colin, France - Mirecourt

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L.Bernardel, France - Mirecourt

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Jerome Thibouville Lamy, France - Mirecourt

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また事前に用意して頂いた1840年のモダンチェロを選定。著名なオーケストラプレイヤーの遺品であり、超ディープサウンド!!!
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これは凄い逸品です。強烈なインパクトでしたが、残念ながら我々の検品基準に達しなかった為、今回は見送りです。しかし昨年に引き続き素晴らしい買い付けが出来ました。
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午前より4時間ほどの買い付けを終え、少し休憩がてら、リヨンの街並みを眺めに散策です。リヨンはパリとは違い、穏やかで治安も良く過ごしやすい街です。

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疲れを癒した我々が、次に訪れたのはAlexander Snitkovski氏のアトリエ。プロも御用達の高級楽器専門店です。
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迎えていただいたのは、前回同様Demitri Hoffman氏。
Kalaidos Musikhochschuleに所属していた、プロフェショナルバイオリニストです!
モダン、オールドを要望し早速選定開始ですが、やはり出てくるバイオリンは、名のある良い楽器ばかりです。

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今回は今後の買い付けの参考までに立ち寄りましたが、やはり良い楽器は弾き込みたくなるものです。
後ろ髪を引かれつつも今回はこれにて終了!
3日目も満足のいく買い付けができたかと思います。

今日の夕食は軽めにしたいなと、皆でベジタブルな夕食を注文。しかしまた量を間違えました。毎度一品一品が結構なボリュームです。
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フランス3日間の買い付けはこれにて終了。明日はオーストリアに移動して、音楽の都ウィーンでの買い付けです!

今回買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木が買い付けを行った楽器は、5月〜7月各地(グランフロント大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・松本パルコ・南船橋・イオンレイクタウン・仙台泉・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。


2020年春 楽器買い付けレポート

2020年春 弦楽器買い付けレポートその2「フランス編 Part2」

今回の買い付けは、2020年2月13日~2020年2月21日に行いました


Bonjour‼︎ グランフロント大阪店店長の古西です。
買い付け2日目は早速マイスター茂木と合流し、Paris Gare de Lyonへと向かいます。午前中に訪れるアトリエは今回初の訪問です。

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電車を乗り継ぎ向かった先はYann Porret 氏のアトリエ。

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非常に洗練されたアトリエであり、2階には演出されたショーケースに多数陳列されています。

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早速ですが我々の要望を伝え、モダンフレンチを中心に選定開始です。
糸山、マイスター茂木はバイオリンを入念に検品&選定を行う一方、筆者はチェロを選別し選定。

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お互いに様々な角度から意見を出し合い、選定が進んでいきます。
全体的に非常に音が良質な為Porret氏に調整お伺いすると、バスバーは年月をかけて劣化してくる為、全て新しく変えているとのことです。
なかなか手間のかかる作業で進んでやる作業ではないため、全て変えているとは驚きです。
またPorret氏が手がける楽器は、駒も全て変更、隅々まで調整が行き届いており、マイスター茂木も太鼓判です。
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選定が進む中、分数チェロを発見!見せていただくと非常に状態も良く、1/2サイズとは思えないパワフルなサウンドに惹きつけられます。
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一通りチェロの選定が終わり更に気になるチェロが2挺、、、、。両方とも抜群のコンディション。
なかなかチェロでコンディションの良いものには出会えません。他のチェロも再度吟味に吟味を重ねて今回はその内の1挺を仕入れる事にしました。

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Mirecourtのモダンフレンチ。見た目はThe Mirecourtといった風貌であり、音はパワフルかつディープサウンド、高音は華やかさを兼ね備えた、魅力的なチェロです。

Modern French cello , Mirecourt 1920

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また、バイオリンは多数選定した結果、3艇買い付けることが出来ました。

Label Antonio Stradivarius 1715, France - Mirecourt, ca1930

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Jerome Thibouville Lamy, France - Mirecourt, 1910

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Jerome Thibouville Lamy, France - Mirecourt, ca1910

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モダンフレンチ特有の気品のある華やかさ、落ち着きを兼ね備えたバイオリンです。比較的リーズナブルな価格でご提案できる3挺です。



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マイスター茂木が再度何やら吟味中。やはり1/2のチェロが気になっています。再度徹底検品。
コンディションが抜群であり、モダンチェロの分数は滅多に出会う事がないため、悩んだ末こちらも仕入れる事に決めました。

*Modern German cello ,1/2 Markneukirchen 1930

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3時間かけての選定は非常に素晴らしい時間でした。Porret氏は非常に気さくな方でです!Merci!!!

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午後の買い付けに備えてまずは食事へ。
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次の場所は、Rue de Rome通りに戻り、Guy Coquozへ。ここでもお目当てはモダン、オールドバイオリンです。
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気になるモダン、オールドバイオリンをチョイスし、地下の試奏室へ。どれも抜群の鳴りです!!

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弾き心地も良く、非常に深い音色は魅力的ですね。ただ、音色が良くてもコンディション、で状況は変わりますので、検品開始。

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悩んだ末今回は買い付けを断念しました。必ずしも買い付ける事ができるとは限りませんので難しいところです。

Rue de Roma通りにある C.Bechstein Paris
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次に訪れたのは、Pierre Caradot氏の工房。お目当てはChristoph Schaefferの弓です!

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Pierre Caradot氏のもとでも、入念にChristoph Schaefferの弓を選定&検品です!木材の状態、重量、弾き心地を慎重に確認。

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オールドフレンチボウ最後の巨匠、ベルナール・ウーシャ(Bernard Ouchard)より材料を譲り受けた後継者とされる、現代最高のフレンチ弓職人のひとり Christoph Schaefferの弓は、世界のプロ奏者のオーダーが絶えない、素晴らしいフレンチBowメーカーです。

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今回はなんと!3本買い付けることができました。非常に幸運です!3本とも弾き心地が全く違いバリエーション豊富なChristoph Schaefferのバイオリン弓を仕入れる事ができました。
その内2本をご紹介。

Violin Bow; Christoph Schaeffer, France - Avignon, 2020
Christoph Schaeffer Violin Bow 60.8g

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Violin Bow; Christoph Schaeffer, France - Avignon, 2020
Christoph Schaeffer Violin Bow 60.6g

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Violin Bow; Christoph Schaeffer, France - Avignon, 2020
Christoph Schaeffer Violin Bow 61.1g

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また、Gold Bowを2本オーダーすることにし、チップや材についても細かく最終確認を行いました。
仕上がりはまだ未定とのことで、確認できるのが待ち遠しいですね.
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2日目の買い付けはこれにて終了です!
3日目はパリに次ぐ第2の規模をであるリヨンを訪れます!A bientôt!

今回買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木が買い付けを行った楽器は、5月〜7月各地(グランフロント大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・松本パルコ・南船橋・イオンレイクタウン・仙台泉・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。


2020年春 楽器買い付けレポート

2020年春 弦楽器買い付けレポートその1「フランス編 Part1」

今回の買い付けは、2020年2月13日~2020年2月21日に行いました


グランフロント大阪店店長の古西です。
今回の買い付けは、フランス、オーストリア、チェコ、ドイツ各国の工房を巡ります。
今回もシマムラストリングス秋葉原店長の糸山と一足先にフライトです!マイスター茂木は後々登場しますので、是非お楽しみに♪

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12時間のフライトを経て、シャルル・ド・ゴールに到着。

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早速我々は楽器屋さんが通りにずらりと並ぶRue de RomeにあるSandrine Raffin氏の工房へ。

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サンドリーネ氏は昨年グランフロント大阪の楽器フェスタにて、弓のセミナーを開催頂きました。
大盛況で幕を閉じ、また弓の毛替えも限定10名で行っていただけ、あっと言う間に満席と、当日は皆さま大変ご満足いただけ、注目度の高さが伺えます。

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前回の楽器フェスタでの弓セミナーの様子

www.shimamura.co.jp


楽器屋さんが通りにずらりと並ぶRue de RomeにあるSandrine Raffin氏の工房へ。

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毎回ご好評いただいております、Sandrine Raffin氏ですが、再度紹介させていただきます!
Sandrineは1972年フランス生まれ。
19歳で弓づくりをはじめ、1992年から世界最高のオールド弓鑑定家である父:Jean Francois Raffinのもとで弓働き始めます。
2012年フランス政府より最も優秀な職人にのみ与えられる称号「Maitre Artisan en Metier d'Art(Master craftsman in bow making)」を授与され、創造性溢れる芸術的センスに富んだ弓製作家には、パリに立ち寄る多くの有名演奏家からの信頼を集めています。

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部品からすべてオールハンドメイドですので、沢山製作ができませんし、メールオーダーではなく、1本1本入念に検品しながら選定を行い、上質な弓の中から、極上の逸品を探す作業となります。
Sandrineは、父Jean Francois Raffin氏の仕事を手伝うことが多く、オールド弓修復のエキスパートとしてここRue de Romeで腕を鳴らしています。

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選定を重ねた結果、今回は以下の弓を仕入れことに決めました。

Sandrine Raffin, France - Paris, 2020
Model; Eugene Nicolas Sartory

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このモデルは20世紀最高の弓製作家:サルトリーの弓を再現した逸品。コシがあり力強くアグレッシブな演奏を可能にし、レスポンスの良さとクリアーな音色が、演奏家のインスピレーションを表現してくれます。

また、父:Jean Francois Raffinセレクト、1930'sのブラジルウッド・オールドボウを、お手頃価格の新しいカテゴライズとしてご提案させて頂く予定です!

Old German Bow with French Frog, 1930

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こちらはおよそ90年前に製作されたブラジルウッド材を使用したドイツ製弓。J.F.Raffin氏の鑑定により、毛箱はフランス製であることが分かっています。J.F.Raffinレターが特別に付属します。

Jerome Thibouville Lamy, France- Mirecourt, 1930

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こちらもJ.F.Raffin氏の鑑定によってミレクールのJTL工房で製作されたオールドボウだということが分かってまして、同じくブラジルウッド古材を使用しています。J.F.Raffinレター付属。

また今年も素晴らしい弓を買い付けることができました。皆さんに是非見ていただきたい逸品です。

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フランスに到着して既に3時間経過。そろそれお腹も空いてきた頃で、皆で食事に!

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夕食は"Salade de gesiers"。砂肝のサラダで、いつも必ず食べているお気に入りのメニュー。サラダでお腹いっぱいになります。料理をする糸山曰く、自宅で再現できそうで出来ない、中毒性のある味です。

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真ん中のお嬢さんは、今J.F.Raffinのもとで修行中のサンドリーネの次女:Jade Bigotさん。未来の巨匠です♪

それでは、Au revoir!!

今回買い付けた楽器は、楽器フェスタでお披露目します

今回マイスター茂木が買い付けを行った楽器は、5月〜7月各地(グランフロント大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・松本パルコ・南船橋・イオンレイクタウン・仙台泉・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、楽器フェスタページもあわせてご覧ください。


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