島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

ルシアー駒木のギターよもやま話 その115「東京工房 リニューアル!」

皆さまこんにちは。
最近白湯ブーム到来中
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ルシアー駒木です。


かつて、ギタリスト宮脇敏郎氏に「馬喰町の秘密基地」と言わしめた、東京のギターリペア工房。
出張が多いルシ駒も、行動の拠点はいつも、馬喰町工房でした。
正に秘密基地と呼ぶにふさわしい、小さいけれど設備の揃った、こんなところにこんな場所が!?という工房でした。
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沢山のミュージシャンが遊びに来ても下さいました。


え?なんで急にそんな話をって??
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実は、この度、
工房が移転!!
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浅草橋の駅徒歩1分という場所に、面積を倍ほどに拡大してリニューアルオープンいたしました!
パチパチ >.<

その名も「浅草橋ギター&リペア」!

分かりやすさ1番!!
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早速ご案内いたしましょう!




JR浅草橋駅の西口改札を出たら(地下鉄の方は地上に出てJRのガード沿いに歩いてくるとここにすぐ出ます)、
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左側に出てもらって、
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そこから斜め左に見える路地に向かいます。
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すると路地の先にセブンイレブンがありますので、
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その脇を左に入ります。
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セブンイレブンの隣のビルにオレンジの看板が見えます。
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歩いていくと、、、
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着きました。
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近っ!!
実際1分もかからないくらい(笑)
超好立地です。


1Fは店舗になっております。
入ってみましょう!
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良い雰囲気。
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国内でも当工房でしか試せない希少な楽器を展示しています。
ルシ駒がオープンに合わせてご用意したのは、ルシ駒のイメージにもなっているかもしれませんね、とっておきのJIMMYWALLACE&ビンテージギター!!
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今後も買い付け品など、希少なものを揃えて参りたいと思っております!
リペアのご相談も勿論どうぞ!
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2Fはメインの作業スペース。各人1台の作業台。
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綺麗でしょ!

そして奥にはバフ機とボール盤、万力付きの作業台を設置してあります。
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機械類は今回移転に合わせてメンテナンスし配置。


3Fは倉庫スペースですが、
ケースにも傷がつかないように、1本毎に仕切られ、全ての個体がPC管理されております。
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3F奥にはミュージシャンの皆さまとミーティング可能な空間&休憩室。
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作業台も完備し、ミュージシャンの方と打ち合わせしながらその場で作業可能
開発中のサンプル検証や、買い付け楽器の検品、撮影等も出来るようにしております。


そして4Fには塗装設備を配置。
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ブースは2基。
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凄いでしょ!
簡易的なブースでは良い作業は出来ません。
見よ!この局所排気装置設備のすばらしさ!
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勿論、労働基準監督署&消防の許可をきちんと受けた設備です。

乾燥室も完備。
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大型機械も4Fの別室に設置。
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工房スタッフの健康にも留意し集塵装置も万全です。
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いかがですか??
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実は、新装開店なので、
ミュージシャンの皆さんに貸し出す前提で確保していたとっておきのJIMMY数本と、
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ルシ駒が隠し持っていたピックアップ
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展示しております。
これは完全に早い者勝ち!!!!!

大急ぎで浅草橋へGO!!!

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ルシアー駒木でした!

その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

ルシアー駒木のギターよもやま話 その114「速報!英三さんとコラボさせて頂きます!!」

皆さんこんにちは!

久しぶりに献血に行ったら、血圧が高くて止められそうになった、

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ルシアー駒木です。
健康第一。


今回はイベント実施決定の速報です!!
こちら!!!
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すごいでしょ!
それではイベント決定までの経緯、ご覧ください。

昨年出来たことの多くが、今年は出来ず、、、


昨年は年間通してとても忙しく全国を回らせて頂いていたルシ駒。

そうそう、丁度今頃、大輔さんや山口さんと遊んで頂いたりもしましたね。


それが今年は、誰も想像していなかった状況になってしまいました。
皆さんそれぞれに、ご苦労があった事と思います。

当然ながらルシ駒イベントの開催は現在でもまだ難しい状況。最後に店舗でイベントを実施したのは、なんと2月末。それ以来イベントが1度も実施出来ていません。
そもそもイベント開催の前に、出張自体本当に必要な最小限に抑えています。

海外渡航も一切出来ませんので、結果買付業務もストップ。
買い付け楽器で遊んだりも出来なくなってしまいました。。

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しかし、ここ最近のブログでご紹介してきました通り、


徐々にですがエンタメ界も「今だからこそ」の活動を模索しながら、じわじわと再開。

ルシ駒もそろそろ動かねば、と思いつつ、私はミュージシャンではないですから、何から始めたら皆さんに喜んでいただけるかな、と悩んでおりました。


大物ミュージシャンからの連絡

そんなある日、大変お世話になっている坂本英三さんから
「10月に広島に行くよ」とのご連絡を頂きました。
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これは楽器メンテナンスをさせて頂きつつ、イベントも絡ませて頂くチャンス!

という事で、
2月以来のイベントの実施が決まりました!!
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英三さんはいつもお一人で弾き語りと楽しいお喋りの配信をされていらっしゃるのですが、視聴者の方から、「ギターの音が良い!」とのコメントを頂く事も少なくありません。

そこで、10月16日の英三さん配信ライブを、島村楽器広島府中店からお届け!!
ルシ駒がコラボ。楽器のお話をさせて頂こうかなと思っております。


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演奏の方も今回はゲストをお迎えして、いつものとは違ったものになるとの噂
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楽しみですね!

是非見て下さいね!
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ルシアー駒木でした。

その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

ルシアー駒木のギターよもやま話 その113「Official髭男dismの配信ライブでRAIMUNDOのフラメンコギターが登場!」

皆さまこんにちは。

夏の暑さもひと段落と思ったら、急に涼しくなってきましたね。
電車の中ですぐ側にいたOLさん達が、肉まんとアンまんとピザまんと、他の変化球系と、どれが好き?という議論をしておられました。





私?全部好きです。
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ルシアー駒木です。



ついに皆さんにお披露目出来ました!

突然ではありますが、
ビッグニュース!!!
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Raimundoのエレクトリックフラメンコギターが、Official髭男dismの配信ライブに登場しました!!

掲載時話題になったブログ

掲載時、多くのファンの方が話題にして下さいました、こちらのブログ

そうです、今をときめくOfficial髭男dismのギタリスト、大輔さんが、
私たちがスペインで製作しているRaimundoのエレクトリックフラメンコギター、
646PE/Sの導入を相談するべく、工房にいらっしゃった時の様子を取り上げた回でした。

予定されていたツアーの中止、、、そして今だからこその価値あるライブ開催

工房でお話させて頂いていた時の予定では、「Official髭男dism Tour 2020 - Arena Travelers -」で使って頂いて、全国のファンの皆さんにその音をお届け出来ると私も楽しみにしていたのですが、
あのコロナ感染拡大でツアー自体がストップ。
それ自体は残念な事でしたよね。
ですが、
決してライブの代わり、ではない、今だからこその最高の形を!
というヒゲダンの皆さんらしい素晴らしいライブが26日に配信されました。




そしてそこで、ついにRaimundoが登場!!
どんなライブだったか、どんな場面で登場したのか、はライブを見た方だけの秘密ですが、
とっておきの1枚をご覧いただきましょう!!!

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※こちらの写真は公式に使用許可を頂いてのブログ掲載となります。
無断転用はしない様にお願い致します。



何とすばらしい1枚!!
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こちらのモデルは数量が限られるモデルですので、購入ご検討の方は、お近くの島村楽器でご相談下さい。
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store.shimamura.co.jp


また、錦糸町パルコ店には、工房で大輔さんが試されたうちの1本が展示されており、
勿論その個体を購入する事も可能です。


大変に有難い事に、
RAIMUNDOやJIMMYWALLACEに限らず、ライブに使用される楽器の多くを、修理やメンテナンスさせて頂いておりますが、
これからもルシ駒、大輔さんを技術面で全力サポートさせて頂きます!

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ルシアー駒木でした!

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ルシアー駒木のギターよもやま話 その112「ツアー先から衝撃の連絡 その2 リペア」

皆さまこんにちは。
この年になってようやく若いころに日焼け止め使っておけば良かったと思うようになった、
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ルシアー駒木です。
紫外線、怖い怖い。

衝撃の連絡から全てが始まった前回

前回、ツアー先から「ネックにヒビが!」という緊急連絡を受け、島村チームの連係プレーで無事ギターチェンジとなりました、梢枝さんのメインギター。

折れたメインギターを確認してみたら、ヒビではなくシッカリ折れていた(変な言い方ですけど)、という前回のブログ。


今回はその続き、修理の様子をご覧いただきます。
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まずは状態確認から

まずはとりあえず、通常のネック折れのセオリー通りに、クランプで仮止めしてみます、、、が、
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うーん、上手くいきません。
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過去のブログでご覧いただいております通り、
ネック折れの多くは、ネックとヘッドの継ぎ目になる角度の付いた部分が折れます。

ところが、今回の折れ方はその定番パターンよりも折れの中心がヘッドから遠く、角度のない「グリップ部分」で折れています。
その上、その範囲が広く、指板近くまで割れています。

その為、クランプを締めると、ネックを潰すような感じで力が掛かり、割れの中心はよいのですが、それと引き換えに、クランプからは遠い指板に近いところに、木材のずれが出てしまう訳です。

さてどうする?

そこで今回は、割れの中心は押さえつけるようにクランプ固定しつつ、指板近くに割れの広がった周囲は、ネック中心に向かって締め付けるような固定をしてみました。
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今度は良さそうです。

油紙で工具や治具の固着を防ぎながら、接着です。
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翌日

クランプを外してみると、
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上手くいきましたね。

正直このまま塗装修正しても、ほぼ割れたことが分からないレベルで仕上がりそうです。
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ご自宅で演奏される事が中心のお客様所有であれば、修理予算によっては、そのまま割れ目の塗装補修だけで完成という形も良いと思います。

ですが、これは今後も過酷なツアーが待っている楽器。
振動がかかる輸送などで再発のリスクがあるのはもってのほかですし、であれば、むしろ修理前よりも丈夫に仕上げて返すのがプロの仕事。


当て木には質の良いマホガニーを選びました。
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折れの修理自体は過去何度か既出の内容なので、サラッと割愛します笑
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狙い通り完璧です。

機械で粗削りして、、、
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手作業で成型していきます。
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この作業、同業者コミュニティで話をすると、カンナや小刀を使う人が多いみたいですね。
私はノミが好きです。
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仕上げは手作りの小刀で
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周囲の塗料を剥がしながら仕上げていきます。
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ここから塗装に入ります

まずは下準備~下地の塗装を。

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写真だと簡単そうだな(笑)

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順調順調

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ルシ駒の悩み

着色前の磨きまで来たところで、悩みました、ルシ駒。
以前もご紹介しましたが、私はタッチアップが結構好き。

私の技術を以てすれば、こんな感じの
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ところからでも、

こんな感じにまで
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木目を書いて、修理した事自体を分からなく隠してしまう自信はあります。

が、今回はアーティストさんの楽器ですから、このネック折れも、ある意味過酷なツアーの証。勲章みたいなものですよね。
なら「直した事が分かる仕上げ」もそれはそれで意味があるなあ。。。と。
でもそのままはカッコ悪い。

なので、今回は、
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ボディと同色で塗る事にしました。

仕上げは見た目と、梢枝さんの弾き方に合った触り心地を兼ねる為、70%つや消しで。
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組み込み工程へ


前回ブログの冒頭部分で、
「その7月のライブにお邪魔した際に、実は追加でいくつかセッティングの希望がありまして、現場でよりもお預かりして工房で行った方が良い内容でしたので、すぐにパーツの手配などして、お預かりする準備をしておりました。」
と書いていたのですが、
その新たなパーツがここで登場!!

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どうですか?このマシンヘッド、メチャカッコ良くないですか??
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サドルやピンも、
ここ何回かのサポート👇


の時に梢枝さんとお話しできた内容を加味して、細かく仕上げていきます。

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完成です!
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皆さんに、日々かりさんの歌声と共にこのギターの音を体感して欲しい!

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日々かりさんは現在ツアー真っ最中!
HISTORYでの素晴らしい演奏を皆さん生で是非体感してみて下さい!
日々かりさんのライブスケジュールはこちら⇓
hibikari.com

皆さんヒストリーのアコースティック、興味あったら弾いてみてね!

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ルシアー駒木でした!

その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

ルシアー駒木のギターよもやま話 その111「ツアー先から衝撃の連絡」

みなさまこんにちは。

バナナを買うと、
シュガースポット出るまで待ちたい、でも待てずに今食べたい、待ちたい、食べたい、
の葛藤と毎回戦っている、

ルシアー駒木です。
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特に意図した事ではないのですが、最近身の回りのトピックスがアーティスト系や買い付けの話など「リペア以外の話題」になる事が多く、必然的にリペア作業をお見せする機会が減っておりました。

「ルシ駒さん、リペアの記事もまた読みたいです!」という嬉しいお言葉も届いてきまして、そうだな、また作業風景何か撮ろうかな、、、

なんて思っていたルシ駒。

そんな矢先に事件勃発!
早速ご覧頂きたいと思います。


ある夜の衝撃連絡

前回のブログでライブ活動が再開された様子をご覧頂き、未編集であの歌の上手さ!スゴ!!、と好評頂いておりました、
日々かりさん。

その7月のライブにお邪魔した際に、実は追加でいくつかセッティングの希望がありまして、現場でよりもお預かりして工房で行った方が良い内容でしたので、すぐにパーツの手配などして、お預かりする準備をしておりました。
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そんな7月30日の夜の事でした。
帰宅し子供と戯れていた私の元に、
衝撃のメッセージが梢枝さんから届きます。

ルシ駒さん、ネックにヒビが!!

(゚д゚)!
大変だああ


気が付いたらヒビが入っていた、との事。
その時点で緊急入院は必至です。
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ルシ駒はすぐにお伝えした訳ですよ。
「梢枝さん!をすぐ緩めて下さい。弾くのを止めて、サブギターのJamesを明日からのライブでは使って下さい!!」

しかしそこで菊Pさんから更なる衝撃のお言葉。

ルシ駒さん、今回荷物の都合で、James君は持ってきていないんです。。。

Σ(゚д゚lll)ガーン

とりあえずを張ってもチューニングとか安定しているんで、、、9月まではこのまま使うしか、、、

ううむ。
現状が張れている、と言う事は、ボッキリといっている訳ではなく、お二人からはおそらくクラックが入ってはいても一見軽傷に見える感じなのでしょう。

ですが、ギターのはチューニング状態で50キロ前後の張力がかかっています。梢枝さんのは少し細めですが、それでも45キロを軽く超えます。

このまま弾き続けたら、確実にとどめを刺すことに。。。どこかの会場で、演奏中にボキーン!と逝ってしまう可能性大です。

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そうなったら、その日のライブはそれ以降、梢枝さんも歌の内容に感情を乗せられなくなってしまうでしょうし、お客様もその後の演奏を純粋に楽しめなくなってしまいます。

何とかせねばなりません。

とはいえ、今(夜です)は何も出来ません。
とりあえず梢枝さんに「とにかく今はを緩めておいて下さい」とだけ伝え、翌日に出来る対応策を何パターンか考えながら眠りにつきました。

島村楽器の連携プレー

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翌日、私が朝イチで連絡したのは、開発を担当しているゴータロー氏。
今回折れたメインギター選定の様子をブログでご紹介した時に、納品時写真で
梢枝さんの隣に写っていた男です。
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ゴータロー、実はギターの知識はかなりのもの。Historyアコースティック開発の中心を担う凄い人なんです。

「ゴータローさん、梢枝さんのギター、ネック折れしちゃったみたいなんです。」
ここまで話すと、ゴータロー氏全てを察し、
「ルシ駒君、では直ぐに1本用意しましょう!」

流石です。
これで私が考えていた「他の対応パターン」は不要となりました。
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日々かりのお二人は東北ツアー中。
そこで、島村楽器の秋田店と連携を取り、秋田店で楽器の入れ替えをお願いしました。


その時の様子は、日々かりのお二人が動画に残して下さっています。
楽器入れ替えの様子は5分30秒くらいからですが、面白い動画なので是非最初から( ´艸`)
youtu.be



「ルシ駒さん、無事受け取りました~」の連絡で、ようやくホットしたルシ駒でした。
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いよいよルシ駒の出番です


私の技術者としての仕事はここからです。
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翌日、秋田店から工房にメインギターが届きました。
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正面からは何も異状なく見えます、、、が内心ドキドキ
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恐る恐る見てみると、、、

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おおう。。。
(;^ω^)

ちゃんと確認してみよう。
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確かにぱっと見はヒビだけのようにも見えます。
ですが、結構広範囲に広がっていますね
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パーツやナットを外して、、、
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手で軽く力を加えてみると
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割と簡単に割れは広がりました。

全然「ヒビ」で済んでないですね(苦笑)
完全に折れています。

直ぐに緩めてもらって良かった。。。
このまま弾き続ける状況にならずに済んで良かった。


過去ブログでもネック折れは取り上げてきましたが、今回は広範囲ですし、横の方にもクラックが広がっています。

さて、どう直しましょうか!
いよいよ次回作業の様子をご覧いただきます!

皆さまこうご期待!!
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ルシアー駒木でした!

その他の「ルシアー駒木のギターよもやま話」を読みたい場合はこちら!

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