こんにちは。Web担当のサトウです。
ギターリペア・管楽器リペア・弦楽器リペアの総合案内サイト『島村楽器のリペア』で配信している記事の中から、おすすめの記事をご紹介します。
ギターリペアのなかでもよくご依頼いただく「ナット交換」について、ギターリペア工房の中野がわかりやすいイラストと共に解説しました。
リペアマンからやったほうがいいと提案することも多いそうです。どんな理由があるんでしょうか?
それでは早速ご覧ください!
こんにちは。Web担当のサトウです。
ギターリペア・管楽器リペア・弦楽器リペアの総合案内サイト『島村楽器のリペア』で配信している記事の中から、おすすめの記事をご紹介します。
ギターリペアのなかでもよくご依頼いただく「ナット交換」について、ギターリペア工房の中野がわかりやすいイラストと共に解説しました。
リペアマンからやったほうがいいと提案することも多いそうです。どんな理由があるんでしょうか?
それでは早速ご覧ください!
皆さま、Bonjorno!!
グランフロント大阪店店長の古西です。本日はクレモナ最終日です。シマムラストリングス秋葉原店店長の糸山と私は、クレモナの清々しい朝日を浴びながら、早々と朝食を済ませ、Gianluca Montenegro((ジャン・ルカ・モンテネグロ)氏とお会いしました。
現代フィレンツェ派の中でも最も才能のあるメーカー:モンテネグロ氏は、新作らしからぬ音色・外観を作り上げる名工です。
1978年 イタリアはラツィオ州ローマの白ワインの名産地:マリーノ生まれ。グッビオのヴァイオリン製作学校にて、名工Guerriero Spataffi(グエリエロ・スパタフィ)に指導を受ける。
卒業後、ナポリの工房で働いた後にフィレンツェへ移住。2005年より、フィレンツェを代表する弦楽器製作と修理の名店で勤務し、10年以上に渡りオールド楽器の修復と新作楽器の製作とに従事。その後独立されています。
私は3年前初めてフィレンツェでモンテネグロ氏を訪れて以来です。
非常に当時のフィレンツェの思い出が懐かしく、その時のモンテネグロ氏の楽器のインパクトが凄まじく、強烈な印象でした。今でも鮮明に覚えています。
それ以来、買付チームは毎年お会いして仕入れさせていただきますが、すぐにSOLD OUTになる人気製作家であり、今回も大いに期待を膨らませ、選定開始です。まず見た目は、イミテーションモデルとして最上級のクオリティーで仕上がっています。これだけでも、モンテネグロ氏の技術の高さを確認できます。ただ一番衝撃的なのはやはり音色です。選定にお持ちいただいたバイオリンはこれまでのモンテネグロ氏のバイオリンの印象を覆すほど、SUPER!!な仕上がりです!どのポジショニングでも確かな発音と、豊かな音量感、繊細な音作りから、伸びやかな中高音域、どれをとても一度手にすれば良さを十分に感じていただけれる逸品に仕上がっています。
今回はこちらのモデルを仕入れさせていただくことにしました!
ではご紹介します。
Gianluca Montenegro, Italy - Firenze, 2019, Model; Guarneri del Gesu 1734 "Prince Doria"
本作は、Guarneri del Gesu 1734年の名器”Prince Doria”をモデルにしています。
この名器をモデルに、モンテネグロ氏の手で精巧に作られたこのバイオリンに出会うことができたことは、非常にうれしい限りです。
モンテネグロ氏を見送り、我々は更に他の製作家の方と出会い選定を行うため、クレモナの中心街を巡りながら一息入れ、次はクレモナの街の外へ。
次に訪れたのはJens.G.Johannson(イエンス.G.ヨハンソン)氏のアトリエです。
イェンス・G・ヨハンソン氏は、イタリア・クレモナのヴァイオリン製作者の間でも評判の「製作家が認める製作家」です。
イタリアで独立する前には、日本の有名弦楽器店でも働いておりました。
その後、ドイツの老舗弦楽器工房で勤務したのち、クレモナで自身の工房を構えています。彼の元には、複数の「ヴァイオリンメーカー」からの困難なオールド楽器修復依頼が舞い込み、日夜作業にあてっている日々。
そんな経験豊富なレストアとしてのキャリアから導き出される作品は、どれも玄人をうならせるものばかりです。
今回は5月10日(金)~12日(日)のグランフロント大阪店の弦楽器フェスタに合わせて、ヨハンソン氏に来日いただき、2019年製作のバイオリンとチェロの先行展示、11日には「StradivariusとGuarneriの違い」の題目でセミナーを開催しますのでその打ち合わせを兼ねて、オーダーしていましたバイオリンの確認に訪れました。
トップレベルのクオリティをコントロールする為、とてもゆっくり、丁寧に製作するヨハンソン氏。「まだ仕上がってないかもね~」なんて言いながら、まぁ途中経過だけでも確認できたらな・・・というぐらいの気持ちで訪れましたが、なんと!!マエストロから「もうできてるよ~」とのこと。糸山も私もほんとですか?!と前のめりになりながら、早速見せていただきました。
ヨハンソン氏は、2016年10月にイタリア・ローマで開催されましたサンタ・チェチーリア国際ヴァイオリンコンペティション(Santa Cecilia International Violin Competiton)におきまして、アンティーク・ヴァイオリン製作部門で「第1位」を見事受賞し、一躍「時の人」なっております!
何度も訪れてはヨハンソン氏のバイオリンを何本も確認し、熟知してきた糸山も、この完璧な仕上がりに、試奏も更にのってきます♪
精巧に作られたこのバイオリンは、アンティークバイオリンとして完璧なるコピーバイオリンと言えるでしょう。長時間眺めていても飽きないほど素晴らしいイミテーションです。
Jens Gosta Johansson, Italy - Cremona, 2019, Model; Antonio Stradivarius 1714 "Il Cremonese"
また、同時にチェロもオーダーしており、チェロに関しては丁度製作途中とのことで工房を覗かせていただきました!早く完成したマエストロのチェロを弾いてみたいものですね♪全貌は弦楽器フェスタでお披露目です!お楽しみにしていてください♪また、ヨハンソン氏のアトリエでは、伊藤亮介さんという日本人の方がマエストロのもとで、アシスタントを務められておられ、非常に素晴らしい楽器を製作されておられました!
クレモナの製作学校を卒業されてから、長年イタリアで技術を磨かれておられます。色々とお話を伺っているとなんと、グランフロント大阪店の弦楽器技術者:吉村あずさと同期と知り、更にお話が盛り上がりました。日本に届くのが楽しみですね!皆さん是非弦楽器フェスタにご来場くださいませ。
次に訪れたのは、Aressandro Camilletti(アレサンドロ・カミレッティ)氏のアトリエです。私はカミレッティ氏とお会いするのは3年ぶりです!1979年イタリア:マルケ州、アドリア海沿岸に位置するアンコーナ近くの村、Castelfidardo出身。
幼いころから音楽に接していたことがきっかけで、楽器製作の道を志す。2006年クレモナ・ヴァイオリン製作学校を卒業。その後、いくつかの複数のマエストロのもとで研鑽を積み、伝統的なクレモナーゼ様式を踏襲したスタイルを確立しています。
カミレッティ氏のバイオリンの特徴は、なんといってもクリアで非常に伸びやかな透明感のある音色ではないでしょうか。
この方の音色はこれまで多くの弦楽器奏者を虜にしてしまう魅力的なバイオリンを製作されます。
これまで何度も仕入れをさせていただいておりますが、今回は初めて、アンティークバイオリンをオーダーさせていただきたく、訪問させていただきました。まずはどのモデルを元に製作を依頼するか入念に打ち合わせです。
モデルも決まったところで、カミレッティ氏から
「木材選びます?(語尾が⤴感じで関西風に)」なんと!?実は先ほどから気になっていた上質そうな木材の数々でしたが、選定させていただけるとは、なんと素晴らしいご提案をされるカミレッティ氏でしょうか。
ワクワクしながら1つ1つ木材の説明を受けさせていただき、選定いたしました!!
ありがとうございますマエストロ!仕上がりがとても楽しみですね!!カミレッティ氏のアンティークバイオリンを早く見てみたいものです。
皆さま期待してください!詳細は次回の買い付け時にご紹介させていただきます。
カミレッティ氏のアトリエを離れ、新バイオリン博物館 Museo del Violino前のオブジェを眺めながら、今回の買い付け最後に訪れるのはマエストロ、マウリツィオ・タディオリ氏のアトリエです。実は前日もタディオリ氏のアトリエを坂本さんとご一緒に訪問しており、最終チェックを行うため今回2度目の訪問です。
おなじみのタディオリ氏ですが改めてご紹介です。
イタリアを代表するアンティーク楽器製作のエキスパートであるMaurizio Tadioli氏。
彼の作品は、イタリアの名手:Matteo Fedeli(マッテオ・フェデリ)氏、そして、カナダ出身の世界的バイオリニスト:Yi-Jia Susanne Hou(イージャ・スザンヌ・ホウ)氏などをはじめ、世界各地の数多くのソリストから依頼を受け楽器を提供しております。
プロフィール
1967年 クレモナ生まれ。学生時代は優れたオルガニストでもあった。祖父Carlo Pizzamiglioの影響で弦楽器製作のキャリアをスタートさせる。
1984年 バーニャカヴァーロ・コンペティション1位(Violin)
1990年 同コンペティション2位(Violin)
1992年 同コンペティション3位(Violin)・2位、 ほかアメリカなどでも受賞歴多数。
アンティーク風楽器製作のエキスパート。彼の楽器入手は世界的に入手困難。
現在は製作の傍ら、Pisogne国際バイオリン製作コンクールの審査員、ピラストロ社の商品開発のアドヴァイザーを務めるなど、多忙を極める。
ストラディヴァリウス所有のマテオ・フェデッリ氏、ガルネリ・デル・ジェス使用のスーザン・ホウ氏ら、オールド銘器所有のプロプレイヤーが使用楽器のレプリカ製作の依頼することも多い。
アンティーク風新作楽器製作における、今やクレモナの最先端シーンを先導する名工。
Maurizio Tadioli使用演奏家: Matteo Fedeli (マテオ・フェデッリ), Yi-Jia Susanne Hou (イージャ・スザンヌ・ホウ), Jenny Scheinman, Harry Skura ... ほか。
今回は写真の4本を含め、5本のバイオリンがアトリエに並んでおりました。圧巻です!!
私はタディオリ氏のバイオリンがこれだけの本数眺められる経験は初でしたので感無量です!ちゃっかり記念撮影を行いました。
今回は、後のフランクフルトでの展示会に出品予定とのことでその準備の為、バイオリンもこれだけ本数があるとのことでした。
タディオリ氏のバイオリンは世界各国のユーザーからオーダーが入っているため、なかなか入手困難を極めます。
因みに日本では、島村楽器のみ仕入れを行うことができます。
以前よりオーダーしておりましたGuarneri del Gesu(グァルネリ・フェル・ジェス)が1743年に残した名器 "Il Cannone"(イル カノーネ)を今回はじっくり選定してきております。
Guarneri del Gesuの"Il Cannone"は「悪魔に魂を売った代償に凄まじいテクニックを手に入れた」と言われるほど、伝説的な超絶技巧のヴァイオリニスト:Niccolò Paganini(ニコロ・パガニーニ 1782年生-1840年没)。そのパガニーニが、1802年から「生涯のパートナー」としてこ愛用した言わずと知れた歴史的名器です。
現在はジェノヴァの「宝」として、パガニーニ国際コンクールの優勝者のみが一時的に演奏可能なこの歴史的名器を、タディオリ氏によるハンドメイドで再現しております。
トップアーティストが好んで楽器提供を依頼されるほどのバイオリンであり、素晴らしい仕上がりです!私はタディオリ氏のGuarneri del Gesuのモデルの中でも"Il Cannone"が一番好きであり、今回仕入れることができ嬉しい限りです。
尚、"Il Cannone"モデルは、スーザン・ホウ氏に演奏頂いた動画も公開中であります!
www.youtube.com
"Il Cannone"を含め他の4本も一緒に選定させていただきました。どれをとっても最高の楽器です。
しかし、その中で1本気になる楽器が。"Il Cannone"のダイナミックかつオールドバイオリンを彷彿とさせる音の仕上がりとはまた少し違ったニュアンスで、奥ゆかしく非常に味わい深い芳醇な音色のする楽器が!
弾けば弾くほど、虜になりどうしても気になり、伺ってみるとGuarneri del Gesu 1735 “EX.Plowden”。ガルネリの代表作の1つです。
あまりにも素晴らしい楽器のため、この楽器について尋ねていると、後のフランクフルトでの展示会に出品する大作の1本とのことで仕入れるのは難しい状況でありました。
しかし、そこは百戦錬磨の糸山です。ダディオリ氏との交渉の末、なんとこの素晴らしい逸品も仕入れることができました!流石!!
それでは、最後にご紹介の2本はタディオリ氏と一緒に!いつもながら素晴らしい楽器に巡り合わせていただけるタディオリ氏に感謝です!極上の楽器をありがとうございます!
最終日も素晴らしい製作家のもと、極上の逸品に出会うことができ、ホテルに戻る糸山もいささか足取りが軽やかなように感じます。
ここまでお送りしてきました2019年春の弦楽器買い付け紀行はいかがでしたでしょうか?
毎回新たな発見、新たな出会いがあり弦楽器の世界は奥が深く、だからこそ知りたい欲求が更に掻き立てられ、製作家の素晴らしいインスピレーションに幾度となく驚かされます。
ご紹介させていただきました、弦楽器は弦楽器大展示会、弦楽器フェスタ各拠点にて、展示いたします。是非お気軽にお問い合わせくださいませ。
各会場にて皆様のご来店心よりお待ちしております。ブログをお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
今回マイスター茂木が買い付けを行った弦楽器は、5月〜7月各地(大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・イオンレイクタウン・仙台泉・広島・南船橋・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。
今回のレポートと同時進行で買付模様だけでなく、弦楽器に関する様々な情報をお伝えしていきたいと思いますので、是非フォローをよろしくお願い致します!
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皆さま、Bonjorno!!
グランフロント大阪店店長の古西です。
本日よりクレモナ入りするシマムラストリングス秋葉原店店長の糸山と私は、クレモナ入りの前に是非お会いしたい方がいるため、先にブレシア入りを敢行。
ブレシアは、イタリア共和国ロンバルディア州にある都市で、その周辺地域を含む人口は約20万人。ロンバルディア州では2番目に人口の多い都市であります。
サッカーでも有名なブレシアは、かの有名なロベルト・バッジョ氏も現役最後に所属していたチームでもあります。
サッカーの話題はさておき、今回のブレシアでの目的は、Fillippo Fasser(フィリッポ、・ファッサー)氏の工房を訪れるためです!
ブレシアのfantasista、ファッサー氏の作品は数々のプロフェショナルプレイヤーに愛用されており、今ではオーダーして4年待ちという状況です。
ファッサー氏は、Gasparo da Salò,(ガスパロ・ダ・サロ)やGiovanni Paolo Maggini(ジョヴァンニ・パオロ・マッジーニ)といったブレシア派と呼ばれる楽器製作に陶酔している、数少ない製作家です。
中でも、彼の製作するヴィオラには世界一流のプレーヤー達が魅了されており、クラシック音楽界の第1線で活躍する多くの音楽家達によって愛用されております。
工房ではファッサー氏の楽器を愛用するプロフェッショナル・プレイヤーの写真がずらり。
2008年VSA(バイオリン・ソサエティ・オブ・アメリカ)コンペティション ヴィオラ部門においてシルバーメダルを受賞。
主な使用アーティスト: Yuri Bashmet, Luca Ranieri, Moshe Friedman, Danilo Rossiほか多数。
今回は挨拶とオーダーしているチェロの状況を伺う程度でしたが、工房に入ると気になるチェロが。
チェリスト、Antonio Meneses氏が愛用している、2012年製のファッサー氏のチェロです。
このジョバンニ・パオロ・マッジー二モデルは、なんと現在とあるチェリストの意向により委託販売中との事です。
何とも言えない異彩を放ったチェロであり、品格が備わり、非常に惹きつけられる風貌です。では早速選定開始です。
正直一言、、、、驚愕です。
活字にするのが難しいほど、なかなか出会うことのできない特別なサウンド。
価格も勿論高額ではありますが、新作のチェロとしては世界最高峰の素晴らしいチェロです。
やはり素晴らしい弦楽器に出会うとなかなか手放せません。長い時間ファッサー氏のプライベートホールで堪能させていただきました。
モデルであるジョバンニ・パオロ・マッジー二はストラディバリウスやガルネリに大きな影響を与えた、弦楽器製作の歴史において重要な人物です。
ダブルパーフリングが魅力的ですね。
今回は長い時間吟味した結果、このコンテンポラリー最高峰のチェロを、日本の皆さまへご紹介することにしました。
Filippo Fasser, Italy - Brescia, 2012, Violoncello Model ; Giovanni Paolo Maggini
上質なチェロをお探しの方、ご興味のある方は是非お問い合わせください。
ファッサー氏については、過去の訪問時のブログもご覧ください。
ブレシアをあとにし、向かったのは弦楽器の聖地クレモナ。
到着後、久々のクレモナの空気を感じながら、街並みを横目に、チェックインを済ませた我々は、ヴァイオリニスト:坂本瑠美さんと合流をしアトリエへ。
onedayonemusic11.wixsite.com
イタリアでのコンサート&マスタークラスの為、ボローニャを訪れておられるそうで本日はご一緒に工房を訪問です!
まず1件目はValerio Ferron(ヴァレリオ・フェロン)氏です。
フェロン氏は、クレモナのバイオリン製作学校を卒業後、いくつかの名工のもとで学び自らのスタイルを完成させ、弱冠24歳でイタリア国内のコンクールで3冠を獲得し成功を手にしています。
フェロン氏のバイオリンは、アジアでは当社がはじめて仕入れを行い話題となりました。
今回は以前よりオーダーしておりました、ガルネリ・デル・ジェス1740年製作"Ysaye"(イザイ)モデルを選定に訪れました。
ガルネリ・デル・ジェス1740年製作"Ysaye"(イザイ)は、1896年よりベルギーのヴィルトーゾEugene Ysaye(ウジェーヌ・イザイ 1858年生-1931年没)によって演奏されておりました名品です。
イザイはこの名器の中に小さなラベルを貼り、"Ce DEL Jesus fut le fidele compagnone de ma vie"(このデル・ジェスは私の生涯の良き伴侶であった。)とフランス語で書き残しています。
その後も、数々の名人によって使用され、-1998年-2001年 Isaac Stern(アイザック・スターン 1920年生-2001年没)-2003年-2009年 Pinchas Zukerman(ピンカス・ズーカーマン)-2010年-Sergey Khachatryan(セルゲイ・ハチャトゥリアン)・・・と、錚々たる面々によって演奏されている名器です。
なんと、今回は我々が入手したこの作品を、チューリッヒ歌劇場のコンサートマスターの方に演奏して頂いた動画が公開されております!是非、ご覧ください。
じっくり選定をさせていただき、演奏者にとって重要な、より音つくりの可能性を広げてくれる1本を選定することができました。
Valerio Ferron, Italy - Cremona, 2019, Model; Guarneri del Gesu 1740 "Ysaye"
過去に訪問した際のブログも是非ご覧下さい。
選定後は奥様のアレクサンドラさんとも一緒に皆で食事に。相変わらず結構なボリュームです!
次にに訪れたのはアンドレア・シュッツ氏のアトリエです。
シュッツ氏とはかれこれ15年近いお付き合いとなります。
アトリエに入ると、私たちの目的をすでに熟知いただいており、多数楽器を揃えていただいておりました。
今回はマエストロのもとで研磨を積む方々の、バイオリン、チェロをじっくり選定させていただきました。
なかなか仕入れることが難しいチェロですが、いつもながら確かな技術と、クオリティーを提供してくれます。
重厚な低音から落ち着いた高音域まで、非常にクオリティーの高いチェロを仕入れることができました。それではご紹介です。
Andrea Solzi、Italy - Cremona, 2019 Violoncello
続いてバイオリンの選定です。毎回Diego Plaza氏のバイオリンは人気でありすぐにSold Outですが、今回も期待を膨らませ選定です。私が隣でコンクール受賞作品である、コントラバスに惚れ込んでいる間、隣で糸山が「このバイオリン凄い!」と一言!
Diego Plaza氏は毎回素晴らしバイオリンを仕入れることができていますが、今回のバイオリンは更にクオリティーが増しています!
抜群の音量感と伸びやかな中高音域。どれをとっても満足の逸品です。
Diego Plaza, Italy - Cremona, 2019
更に3名の素晴らしい製作家のバイオリンも仕入れることができました!!
ご紹介致します!
Andrea Solzi, Italy - Cremona, 2019
Lorenzo Locatelli, Italy - Cremona, 2019
Luca Maria Parlato, Italy - Cremona, 2019
ここまで1本1本検品も含めて細かく確認しながら、長時間選定させていただき満足のいく仕入れができた我々は、少し休憩をとりながら最終チェックを行い一息。
シュッツ氏の若かりし頃の写真を眺めながら周囲を見渡すと、マエストロがおもむろにチェロを我々の前に持ってきてくださり、いきなりクイズの出題です!
シュッツ氏:「さて、このチェロは何でしょう??」
糸山&古西:「・・・・・・・・・・??」
一先ずオーラをまとっていることは確認できましたが、、、、さてどういったチェロなのか。見た目は非常に奥ゆかしく、保存状態も非常に良い逸品です。いろんな製作家を口にしてみましたが、、、、あたりません。マエストロそろそろ教えてください~!
シュッツ氏:「 Vuillaume 」
なんと!!!あのヴィヨームですか!?私はイタリアの新バイオリン博物館Museno del Violinoでしたかお目にかかったことがありません。どんな音がするのか。糸山と私は興味津々です。
マエストロが我々を察していただいたのかタイミングよく弾いてみる?とのことで、早速試奏させていただきました。
Super Deep Sound !!!
流石の音色に感心しきりの糸山と私はヴィヨームの音色に引き込まれていきます。
やはり気になるのは、、、、一応どのぐらいのお値段か伺ってみますと、マエストロから納得のお値段の返答が(汗)
仕入れることはできませんが、ご興味のある方是非お問い合わせくださいませ。
クレモナでの濃密な時間が終了し、すっかり日も暮れ、夕食をとりながら明日への英気を養います!今回は糸山も私もパスタずくしです。
それでは次回はクレモナ最終日です!
Ciao!!
今回マイスター茂木が買い付けを行った弦楽器は、5月〜7月各地(大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・イオンレイクタウン・仙台泉・広島・南船橋・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
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皆さま、Bonjorno‼︎
グランフロント大阪店店長の古西です。
4日目はイタリアです!フランスの買い付けの日々を整理しながら、フランスに別れを告げるべくシャルル・ド・ゴール空港へ。
この日の目的地はイタリア・パドヴァ!
シャルル・ド・ゴール空港から待ち時間を含め10時間の移動です!
まずはイタリア・マルペンサ空港へ。
そこから電車に乗ってミラノ中央駅へと向かいます。そして、いざパドヴァへ!
パドヴァは、ヨーロッパ最古の大学のひとつであるパドヴァ大学や世界遺産の植物園がある街です。
現在旧市街に残る建物の多くは、この全盛期に建てられたものが主になります。
サンタントニオ聖堂やスクロヴェーニ礼拝堂など中世を感じることができる建物が多数あり、一度はゆっくり感じてみたいものですね!
早朝フランスから移動のため、夜7時の訪問となりました・・・。
パトリック氏はクレモナのバイオリン製作学校を卒業後、巨匠モラッシー氏の元で研鑽を積みその後、Cremonaに自身の工房を設け独立。
1991年よりRomeへ工房を移し、1998年からはPadovaへ移し、おもにプロフェッショナル・プレーヤー向けの弦楽器製作を行っています。
2004年ドイツ:フライブルグで開催された「ヤコブ・スタイナー弦楽器製作コンペティション」バイオリン部門において金賞を受賞。
同氏の作品は、イタリア・フランス・ドイツ・オーストリア・カナダなどで人気を博し、ベルリン・フィルハーモニー・オーケストラ、カメラータ・ザルツブルグ、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団、パドヴァ・ヴェネト管弦楽団、ミラノスカラ座フィルハーモニー管弦楽団、RAI国立交響楽団、ローマ・イタリア放送交響楽団などの有名オーケストラのメンバーが愛用しております。
パトリック氏は自身のWEBSITEを作らず、さらに宣伝やプロモーション、広告活動など一切行っていないことから、この名匠の存在はプロフェショナル・プレーヤーの間で噂となり、知る人ぞ知る巨匠として、名器が生み出されています。
今回の訪問は、お客様よりご依頼頂いているヴァイオリン1挺の選定がメインでした。
そのほか、バイオリン含めヴィオラ、チェロなどパトリックの名器を試奏させて頂きます。
今回、オーダー頂いたお客様の為に選定させて頂いた楽器はこちらです!
隠れた巨匠:パトリック・ショー氏の2005年作品。熟成された木材から溢れ出すフルボディの音色は、ヴェネト州のヴィンテージ赤ワインのよう。
音色に様々なアロマが複雑に溶け合う作品です。
買付予算の都合上(笑)、展示会用の商材として選定することはできなかったのですが、もしPatrick Seaux氏の作品について気になる方がいらっしゃいましたら、是非!お気軽にお問い合わせくださいませ。
次に向かったのは、オーダーしていたバイオリンが仕上がったとのことで、確認のためジョバンニ・ラッザーロ氏のもとへ。
この時点で既に夜9時でした。遅くまでまってて下さったラッザーロ氏に感謝です。
さて、ラッザーロ氏のアトリエにはたくさんの絵が飾られていて、そのうちの1枚には演奏家など、訪れた記念にこの絵にサインを残しており、ちゃっかり私も記載してきました。
ラッザーロ氏はRiccardo Bergonzi氏、Giancarlo Guicciardi氏の元で製作技術を高め、その後、主にニューヨークの優秀な修復家の元でレストレーションの技術を習得。
ラッザーロ氏の製作する楽器は、プロフェショナル・プレーヤーの元、イタリアの主要なコンサートホール、クァルテット、アンサンブルやオーケストラなどで使用されております。
是非過去のラッザーロ氏訪問のブログもご覧いただければと思います。
今回確認させていただいたバイオリンは、想像以上のパーフェクトな仕上がりでした。皆さまご期待ください!
では、ご紹介します。
年2,3挺しか作らないラッザーロ氏の傑作、Antinio Stradivari 1705年モデル。
この楽器は新イタリア合奏団のコンサートマスターGlauco Bertagnin(グラウコ・ベルタニン)氏にも製作しており、弊社でも図々しく同じモデルをオーダーさせて頂いた次第です。
精巧なクラフトワーク、曇りのない輝かしいニス、もはやヴェネツィアン・スクールを代表する芸術作品。是非、ヴィヴァルディやJ.S.バッハなどを奏でて頂きたいヴァイオリンです。次回はクレモナ編です!
それでは、今日はこの辺で。Ciao!
今回マイスター茂木が買い付けを行った弦楽器は、5月〜7月各地(大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・イオンレイクタウン・仙台泉・広島・南船橋・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。
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みなさま、Bonjour‼︎
グランフロント大阪店、店長の古西です。
フランス3日目はリヨンです!
リヨンはローヌ川とソーヌ川の合流点に位置しており、円形のローマ劇場、旧市街にある中世やルネッサンス時代の建築、半島のプレスクイルにあるモダンなコンフリュアンス地区などがこの街の 2,000 年の歴史が物語っています。
各所にあるトラブールと呼ばれる建物内の通路がリヨン歴史地区とラクロワルースの丘をつないでいます。
そして何より美食の街として有名ですね!
本日もハードスケジュールで、美食にありつけるのかどうか、、、はさておき、リヨンにて本日も極上の弦楽器に出会うべく出発です!
パリより電車に揺られ、リヨンに到着。
2時間はあっという間です。到着後すぐさまホテルにチェックインし、いざリヨンの街へ!
仕上がったばかりのGuarneri del Gesu 1742年"Dushkin"のモデルを拝見。
噂に違わぬ素晴らしいヴァイオリンでした。
今回、幸運にも日本で初めてオーダーさせて頂くことになり、入荷は2023年(!!!!?)を予定です。
訪問時にヒアリングできた彼の詳細な凄技テクニックについては、また4年後にお話しすることにしましょう!
続いては、Christian Charlemagne Luthierへ。お目当てはモダンチェロです。
初めての訪問にも関わらず、こちらの要望にお応えいただき、選定開始。
まずびっくりしたのは、状態の良さです。常に音質が最高の逸品であっても、状態に難ありなのがモダンチェロでありますが、今回確認できたチェロは、非常に素晴らしいコンディションです‼︎
弾き手の引き出しをいくつも増やしてくれる柔らかな音色に、膨よかで豊かな音量が魅力のモダンチェロ。
音もコンディションも、パーフェクト!! クリスチャン一押しのモダンチェロです。
ラベルテと言えば昔の量産メーカーのイメージが先行しがちですが、20世紀初期にはGeorges Apparut、Charles Brugere、Joseph Aubry、Camille Poirsonらの手によって、世界屈指のプロダクションチームが結成されておりました。
この作品は、正にその時代に製作された"Highest Class"の逸品で、現代に至る今もディープな低音とベルカントな高音が備わった絶品サウンドをお楽しみ頂けます。
コンディションは世界中どこを探してもでも類をみない素晴らしい状態です。
その後は、Christianの工房を見せていただきました。
今回はご本人の楽器はないとのことで拝見出来なかったのですが、ビオラを現在製作中とのこと。アマティモデルのそのビオラは製作工程にも非常にこだわりがあり、仕上がりが楽しみな逸品です。
次はこちらからの要望を細かく伝え、今回以上の選定が可能になりそうです‼︎
次回のChristianの元での買い付けも期待してください。
実はこの日は土曜日で、お昼からお店を閉めるところが多く、今回はわざわざ工房を開けていただき、対応いただきました。Merci!!
迎えてくれたのは、Franck Daguinの娘、Alice Daguinさんです。
非常にチャーミングな彼女は、父親の伝統的かつ、オリジナルクオリティを継承し、素晴らしい弓を製作されています。
今回は非常に運が良く、選定に十分な弓を揃えていただきました。
お父さんの弓と合わせて早速選定です!
Franck Daguin氏は18歳よりJ.Schmittの元で弓製作を学び、その後、Daniel Scafflと働いた後に、自身の工房をリヨンに開いています。
数多くの一流プレイヤーのオールド弓の修復、修理など経て、現代の世界最高の弓製作家の1人として認められております。
入念に選定しながら、フェルナンブーコの材質チェックも欠かさず、見極めていきます。
非常に力強く、しなやかなこの弓は流石巨匠と言ったハイクオリティです。フェルナンブーコ材も極上で、思わず興奮を抑えられない逸品に出会えることができました!
また、Aliceの弓も選定して1本購入することができています!
その後は、工房を見せていただき、非公開の諸々を伺い、貴重な資料も見せていただきました。
リヨンの名弓、皆さん是非一度お試していただければと思います!
お昼はとっくに過ぎており、夕方になっている事を忘れて買い付けに没頭していた我々ですが、ここで一息。
次のアトリエの目的を確認し、いざLaurent Vallee Luthierへ。
目的はお手頃な価格のモダンフレンチバイオリンです。
しかし、今回は残念な事に希望するバイオリンを買い付けることができず、次の目的地Alexander Snitkovski Luthierのもとへ。
お洒落なオブジェと、店内の高級感が物語るように、こちらは上質なモダン、オールドフレンチの専門店です。
出迎えていただいた方は、Demitri Hoffman。
Kalaidos Musikhochschuleに所属していた、プロフェショナルバイオリニストです。
こちらの要望を伝え、用意される楽器の音色は、どれをとっても上質な音色であり、素晴らしいの一言です。
流石プロ奏者の選ぶバイオリンです。
その中でもいくつか候補に上がり、かなり試行錯誤しながら検品。
非常に日本に持ち帰りたいバイオリンが多数ありましたが、寸法、コンディション全てを確認し、今回は買い付けを断念。
しかし、またLyonの訪問時にお会いするお約束をして、良いリレーションシップを築くことが出来ました。
3日目もあっという間の1日であり、初のリヨンを無事終えることができました。Merci!!
さぁ、4日目はイタリアです!イタリアでも多数の製作家とお会い出来る予定ですので、ご期待ください!
今回マイスター茂木が買い付けを行った弦楽器は、5月〜7月各地(大阪・横浜みなとみらい・名古屋みなとアクルス・イオンレイクタウン・仙台泉・広島・南船橋・札幌クラシック)の島村楽器で開催される、島村楽器弦楽器フェスタにて展示・お試しいただくことが出来ます。
順次情報を公開致しますので、弦楽器フェスタページもあわせてご覧ください。
今回のレポートと同時進行で買付模様だけでなく、弦楽器に関する様々な情報をお伝えしていきたいと思いますので、是非フォローをよろしくお願い致します!
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