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広島パルコ店【大喜多崇規ドラムセミナー「”Through the Tone”@広島」セミナーレポート!!】

こんにちは。Webサイト担当のオクダです。
全国の島村楽器 各店舗が配信している、店舗情報・イベントブログの記事の中から、おすすめの記事をご紹介するこのコーナー
今回は広島パルコ店の、ハヤマさんがレポートしてくれている「大喜多崇規ドラムセミナー」の様子をお届け致します!
人気バンド「Nothing's Carved In Stone」のドラマーである大喜多崇規さんによるドラムセミナー。ドラム実演に、演奏のコツなど密度の濃い内容になったようです。
Nothing's Carved In Stoneについて詳しくは公式サイトをご覧ください。
Nothing's Carved In Stone公式サイト
当日の内容をとても分かり易くレポートしてくれていますので、早速ご覧ください!

こちらの記事は、島村楽器店舗ページで掲載している情報の中から、おすすめの記事をそのまま掲載しています。既に開催し終了しているフェア・イベント、販売が終了している商品情報の場合がございますので、ご注意ください。

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皆さんこんにちは!広島店のドラム担当、ハヤマと申します!

2015年9月5日(土)に、"Through the Tone”と題して大喜多崇規さん(Nothing's Carved In Stone)によるドラムセミナーを開催いたしました。
今、大活躍中のドラマーによるドラム演奏の実演と密度の濃いレクチャーにより会場は大盛況となりましたが、今回はその一部始終をレポートと称してお届けいたします!

使用機材

今回大喜多さんが使用したのは、こちらのドラムセット!

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大喜多さん撮影のナイスな一枚!右手の机にはモニター用のPCとミキサー、スティック、ドラマーズグローブ等



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上からの図は・・・こんな感じでしょうか

SAKAE The Celestial シリーズ

バスドラム 22”×16”
サブバスドラム 18”×14”
14”×5.5”ブラス スネアドラム(SDM1455BR)
12”×5”メイプル スネアドラム(SD1250MA オーシャンラッカー)
10”×7”タム
12”×8”タム
14”×12”フロアタム
16”×14”フロアタム

シンバル パイステ(L→R)

Twenty Custom Metal China18"
Twenty Custom Metal Hihat14"
Twenty Custom Full Crash18"
2002 Splash12"
Twenty Custom Metal Ride22"
Twenty Custom Metal Crash18"
Alpha 14China+Twenty Hihat13”(重ね)
2002 Novo China18"

(大喜多さんのシンバルのセットアップには、現在入手困難な廃番品が含まれています)


このキット、なんといってもキックとフロアタムの肉厚感がハンパじゃありません!
そして一度キックを踏めば、そしてフロアタムを叩けばわかる、その音、そして反動の厚いこと熱いこと!
しかし逆にハイタムとロウタムは薄く仕上げてあるので、力をかけ過ぎることなく簡単に鳴らすことが出来ます。
カンカンとなりすぎることもなく、かといってサウンドがぼやけることも無く
正に芯の通った明瞭かつジューシーなサウンド!
「EQを通したような存在感のある音楽的なトーンを生み出すことに成功した」と称されるこの期待の最新シリーズ、セレッシャルキット。
大喜多さん愛用のパイステシンバルのハイファイなサウンドとも相性抜群です!
パワー溢れるこのセット、思わず叩きたくなるのは例えばこんなフレーズ!


www.youtube.com
今回のセミナーでも披露されたNCISの「Brotherhood」。タム主体のフレーズが印象的ですねー



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ベースのスラップサウンドとの絡み合いは、重厚なタムサウンドによってこそ成り立つ


NCISの魅力のひとつ、重低音の迫力を更に際立てること間違いなし!今後のライブでの活躍にも期待です!

同期の中でもグルーヴを生み出すコツ

セミナーの大まかな流れは、「ドラムの音を省いたオケに合わせてのドラムの実演」→「テクニックや曲にまつわるエピソードの紹介」の繰り返し。
大迫力の演奏に会場が盛り上がるのは勿論ですが、実は大喜多さん、トークの腕もかなりのもの。
冗談を織り交ぜながらのレクチャーに会場は終始笑顔に包まれておりました。


演奏に際し、大喜多さんはミキサーとPCを駆使してイヤホンでモニターをなさっておりましたが、同期に惑わされることのないグルーヴ感溢れる演奏、お見事でした!
テンポキープの秘訣はないものかとお話を伺っていると、同期について大喜多さんは
「自分はクリックは余り大音量では聴かない。少し聴こえていればいい」と仰っておられました。
同期もののバンドでドラムを叩いたことがある方ならばわかるかもしれませんが、テンポの固定された打ち込みと生演奏がずれてしまっては曲が成り立たなくなってしまうため、打ち込みのテンポの指標となるクリック音は念のためというか、つい音量を大きめに出してしまいがちです(体験談)。
しかし大喜多さんは、生演奏のノリと演奏感を重視して「自身の叩くドラムのサウンド」を一番大きく。その次にメンバーの演奏を大きく。
クリック音は最小限にと、音量のバランスにも気遣いをしていたわけですね!
もちろんだからといってズレたり走ったりなんてことは無く…安定感のあるサウンドを出し続けられるのは、本当にお見事でございます!
(手数も多くトリッキーな譜割りのフレーズだらけなのに…流石ですなぁ)


また、同期で流れるフレーズとドラムの親和性についても綿密に考えておられるようです!
例えば先にご紹介したセッティング図において、右端にある二つ目のバスドラム、
「どうやって踏むんだろう・・・」とか、「何のためにあるんだろう」とか思われた方も多いのではないでしょうか?
実はこれこそが、同期演奏との親和性を考慮して配置されたアイテムなのです!

こちらのバスドラム、ツインペダルをメインのペダルの右側にもうひとつ設置し、本来左足で踏むペダルを右足で踏むことでシャフトを介して鳴らされているのですが、18インチとバスドラムにしてはかなり小さめです。


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おわかりいただけただろうか


実はこのサイズはあえて「軽い」音を鳴らすために選ばれているのです! 
例えば曲中でシンセサウンドの目立つ展開がやってきたとき、リズムマシンを彷彿とさせるチープなキックの音色で合わせることで、生演奏の迫力ある展開とのギャップを生み出し、曲の展開をよりドラマチックにすることが出来るのですね!
実際に聞いてみると、サウンドのアレンジの広がりの違いが音に立体感を付け加えているのが良くわかります! 
音へのこだわりが機材の選択からも伺えますねー。

大喜多流フレージング術

プレイも勿論ですが、トークの内容もこれまたかなりのボリューム感です!
中でも興味深かったのが、NCISにおけるドラムのフレージングについて!
例として挙げられたのは、NCISのファンならご存知、この曲。


www.youtube.com
NCISの代表曲のひとつ「Gravity」


地を這うように長めの譜割で鳴り渡る重々しいベースに聴覚が刺激される中、次に登場するのは付点八分のディレイとアコースティックなサウンドで鳴り響く16分のギターサウンド。
この刺激的な緩急溢れるサウンドは、イントロとしての掴みはバッチリなのですが、その好印象をどのようにして持続させるかが問題です。
独特のこの雰囲気を如何に崩さず曲を進行させることが出来るか。悩ましい所ですねえ。
そんな中、大喜多さんがここで考えたのは、「中間のフレーズでギターとベースをつなぎ合わせること」だったとのこと。

ということで選ばれたのがこちらのフレーズ。

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00:55からの等間隔キックのフレーズが特に特徴的です。さあ、みんなもやってみよう!


付点八分で等間隔に踏まれるキックドラムと、焦ることなく力強く刻まれる4分のクローズハット。
4分と16分の折衷点とも言える絶妙なフレーズにより、曲の雰囲気を損なうことなく、サビに至るまでのタイトなサウンドを牽引して行くのです。
これが簡単に聴こえて中々難しい…。拍の区切りもベースに合わせて3拍・3拍・2拍と分割出来るようになってますね。
緩急が上手く操れなければ聴き栄えのしない中々の難関フレーズ、レッツトライです!


このように最適解とも思えるフレーズを思いつくことも勿論ですが、叩いたときに違和感なく耳に馴染んでくるのは、やはり大喜多さんのリズム感あっての業と言えるのでしょうね!(個人的な感想ですが、この3・3・2と区切られたフレーズがサビ前で
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1小節目の16分スネア、実際はフラムで始まってます。譜面作成への不慣れさが伺えるぅー

と、もう一回り小さな3・3・2にフィルで区切られ、かと思えばブレイク後に直球4つ打ちに切り変わる、という疾走感溢れる展開がとってもかっこよくて好きです。)

エピソードは溢れるほどにありますが・・・

このほかにも「スティックの選び方」ですとか、
「左手を弄ばないフレージングへのこだわり」ですとか、
「広島に11時入りするための起床時間について(笑)」 だとか、
エピソードはテンコ盛りだったのですが、長くなってしまいますので割愛させていただきます・・・。
要は「オニイは最高に話し上手だった」ということでした(笑)


そんなこんなで会場を飽きさせることなく続いたセミナーはあっという間に時間が経過し、盛り上がったままセミナーは終了!
アフターイベントとして開催されたサイン会でもまだまだ興奮冷めやらぬといった感じで、多くのファンが大喜多さんとの親睦を深めておりました!


最後に島村楽器のスタッフとも記念写真をパシャリ!
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サインを手にして満足気な表情の担当ハヤマ(一番奥)。


勿論サイン入りスネアヘッドは店頭に飾ってありますよ!是非一度ご覧にいらしてください!


こんな感じの長時間にわたる(2時間もやってました)ぎっちりと中身の詰まったセミナーでしたが、その内容はドラマーの方にもそうでない方にも「いい体験だった」と思っていただけるような、幅広さと奥深さのあるものでした! 
特に皆様印象的だったと仰っていたのが、「大喜多さんのドラムに対する真摯さ」でした。
ドラムやその練習などについて大変深く考えられており、大喜多さんが本当にドラムが好きだということが音と言葉に乗っかって客席まで届いていたのは言うまでもありません。


今回のセミナーが、参加してくださった皆様が音楽をプレイすることに興味を持つきっかけとなったり、もしくはプレイヤーの皆様のやる気を奮い立たせるものとなったならば幸いでございます。
大喜多さん、サカエドラムの辻さん、お手伝いいただいたスタッフさん、そしてご来場いただいた皆様へ、この場を借りてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました!

最後に告知!

さあ、ここまで今をときめく実力派バンド「Nothing's Carved In Stone」のドラマー「オニィ」こと大喜多崇規さんによるドラムセミナー、"Through the Tone”のレポートをお送りしてまいりましたが、最後に広島の皆さんにビッグニュース!

Nothing's Carved In Stoneは10月20日に、島村楽器広島パルコ店のひとつ上の階にございます、広島クラブクアトロにて9mmParabellum Bulletの皆さんと共にライブを開催なさる模様です!

www.club-quattro.com
(9mmのかみじょうちひろさんも4月に島村楽器主催でドラムセミナーを開催していただいております! これは何の因果でしょうか!)

パワフルで躍動感溢れるドラムサウンドを、もう一度間近で見ることの出来るチャンスです!是非この機会、お見逃しなく!


そしてそして! 忘れてはならないのがこちら!

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キターーーーーー!!

Nothing's Carved In Stone NEW ALBUM 「MAZE」2015年9月16日リリース & 全国7公演のリリースツアー決定!!

NCIS待望のnewアルバム、MAZEが、ついに本日、発売! そしてそして、ツアーも開催されます!
(広島には来ないだと・・・ぐぬぬ、岡山め・・・)
勿論このMAZE、島村楽器のすぐ隣にございます、タワーレコードさんでもご購入いただけます!
購入なさったらハヤマのところまでご報告にいらしてくださいね!
といったように、その勢いがとどまることを知らないNCIS、今後の活躍を心よりお祈りしております!


以上、大喜多崇規さんによるドラムセミナー「Through the Tone」セミナーレポート、ハヤマがお送りいたしました! 
今後も広島のドラマー事情、どんどんお伝えしてまいりますよー!

大喜多崇規ドラムセミナー「”Through the Tone”@広島」セミナーレポート!! - 島村楽器 広島パルコ店 シマブロ

同期演奏の中でグルーヴを生み出すコツなど、ものすごくためになるお話が盛りだくさんでしたね!
広島パルコ店では今後も楽しいイベントを開催予定ですのでシマブロをチェックしてくださいね!
www.shimablo.com

それではまた次回!

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