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島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

【洪栄龍の音故知新】Vol.7 はじめの一歩「ギターによく効く簡単エージング法」

洪 栄龍の音故知新

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皆さん、こんにちは、洪栄龍です。
この音故知新では、ギターのエージングからはじまり前回の特殊奏法まで、通常のレッスンテキストとは少し違った視点でのギターの楽しみ方を書いてきました。
その間、賛否両論さまざまな感想をいただきましたが、中でもエージングに関してのものが多かったこともあり、今回はメンテナンスからのエージングにスポットを当ててお送りしたいと思います。
(過去のエージング紹介と重複する部分もありますが、おさらいという意味で取り組んでいただければと思います)


エージングの基本はプレイヤーとしてのメンテナンス

1.メンテナンス

メンテナンスとは簡単に言えば点検・保守です。基本となるメンテナンスをしっかりやらなければエージングは始まらないのです。締められるネジは軽く増し締めする。アコギもそうですが、エレキは特にネジが沢山ありますので、これを機にチェックしてみてください。

2.楽器のお手入れ

ギターを磨くこと=お手入れのことです。

  • 汚れがあってはエージングにつながらない。
  • 古くなった弦もエージングにはつながらない。
  • ワックスは塗ってふき取るもの。
  • 塗りっぱなしはエージングにつながらない。

弦の交換時は、指板を掃除する絶好の機会です。

3.お手入れの道具(紹介と使い方)

クロス

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クロスはギターについた手垢等の汚れをふき取ります。塗装面だけでなく金属パーツの部分にも使用します。ネック等に手垢を残すと指板移動にスムーズさが無くなります。
金属パーツ部分はサビの原因にもなります。特に弦交換の時には指板とフレットをよく拭きます。汚れを落とすクロスと磨くクロスの2枚持つのが大事なポイントです。

ポリッシュ

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塗装面だけでなく金属パーツにも使用可能なハイクオリティポリッシュ。被膜を作り、汚れを付きにくくする効果もあります。

ネックオイル(指板面オイル)

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弦交換時に塗りますが、人差し指の先に一粒位のオイル玉を作って、1フレットずつ塗り込んでいきます。
最終フレットまで同じように塗り込んだら、最後に余分なオイルも含めて拭き取ります。塗り込んだ時間と同じ分だけ時間をかけて拭き取ります。

ポイントは拭き終わった指板を人差し指で押さえた時にオイルが出てこなければOK.で、浮き出るようであればさらに拭き取ります。

ギター購入後1年目は、湿気が多くなる前の5月ごろと乾燥していく10月ごろに塗れば十分です。塗り過ぎはいけません!!!!
2年目以降は指板を良く見て、乾燥しているようであれば塗りますが、大体1年に1回を目安にしてください。

ghs FAST FRET

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弦潤滑・サビ防止グッズ 弦に直接塗る潤滑剤です。
演奏終了後、手汗などを拭き取ってから軽く1弦ずつ丁寧に塗りますが、演奏途中でも曲間で塗ってスクラッチノイズ(指の移動時に出るノイズ)を軽減させることができます。
ポイントは塗った後に軽く拭き取ることです。


ちなみに、私がいつも常備しているメンテナンスキットはこんな感じです。
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もちろんその時々で中身は移り変わっていますが・・・
ポイントはあくまでプレイヤーとしてのメンテナンスでリペアではありません。


心得としては・・・

  • パーツ取り付けのネジ類の締めすぎはいけません。
  • ピックアップの高さは上げすぎず、あくまでも微調整です。

その他、ブリッジ駒も微調整、ナットの高さ調整に使うヤスリがけも微調整、ギターを自分に合ったお気に入りの楽器にするためには、微調整がポイントです。
※ナットの調整は、はじめは自分でやらずに専門店に依頼してください。

エージングは道具が楽器に変って行くこと?アコギもエレキも!!!

楽器以外にも、オーディオ機器にもエージングがあり、車には慣らし運転があります。
ギターの場合、弦を適度に交換することでギターが弦の張力を覚えていきます。
ですのでレギュラー・チューニングと半音下げ等の変則チューニングを繰り返すことはギターにとって好ましくないことを覚えておいてください。

それでは日常行うと効果的なエージング方法をご紹介したいと思います。

1.ダウンピッキングエージング

ピックと弦を垂直に当てながら、一音一音丁寧にゆっくりダウンピッキングによるアプローチをします。ポジションは0・3・5・7・9・12フレットです。
ダウンピッキング・アプローチに慣れてきたら、ダウンストロークによるエージングにもトライしてみてください。

方法:0フレットは開放弦、3・5・7・9・12フレットは1本指(人差し指等)でセーハ(バレー)したまま6弦から1弦までピッキングしていきます。
その際、押さえるフレットの違いによって変わる響きの違いを聞きながら、がポイントです。


2.ダウンストロークエージング

ゆっくりと肘を軸として手首を使わないように6弦から1弦に向かってダウンストロークしながら弦1本1本の鳴りを確かめます。ダウンストローク・アプローチに慣れてきたら、弦とピックの接触角度に注意をしてダウンアップ・ストロークを行います。

方法: 0フレットは開放弦、3・5・7・9・12フレットは1本指(人差し指等)でセーハ(バレー)したまま6弦方向からストロークを行います。
このエージングによってそれぞれのフレットでの鳴りを馴染ませます。
フレットのポジションによって弦長が変わるので、弦長を意識し各フレットで行うことが重要です。


3.ダウンアップ・ストロークエージング

アップストロークは”上に上げる”というイメージを意識しすぎると、下から上へとかき上げる不自然な動作になりがちです。ダウンストロークを2回弾くと間に弦を弾かないアップ動作があるはずです。弦を弾かなければ空ピック(ストローク)ですが、弾けばこれが自然なアップストロークになるのです。ダウンアップ時のポイントは、アップストロークの際、力まず自然に弦を響かせることです。

方法: 0フレットは開放弦、3・5・7・9・12フレットは1本指(人差し指等)でセーハ(バレー)したまま上下のストロークを行います。


4.カッティングでエージング

カッティングの方法は、大別すると押弦側で行うか弾き手側で行うかの2通りありますが、ここでは押弦側でカッティングをします。
カッティング=音を切る、です。要は音を止めてミュート(消音)した状態を作ります。音を止めるには、押さえている手を緩めます。この時、弦から手を離さないようにするのがポイントです。

方法: 0フレットは開放弦のダウンアップ(カッティングなし)、3・5・7・9・12フレットは1本指(人差し指等)でセーハ(バレー)して、カッティングを行います。


5.ネック裏のクロスがけ

左手のグリップ練習にもなるクロスがけは、特に難しいことはありません。音楽を聴きながら&テレビを見ながらでOKです。

方法:押弦する方の手でネックを自然に握り、クロスをあててナット(上駒)裏からボディ接続部まで、均等に乾拭きをします。
この時に起きる多少の摩擦熱(やり過ぎ禁物)をネックに与えてあげるのも、ネックのエージングにつながります。こうすることで弦振動も良くなります。ただし、前述したようにテレビを見ながら、、、好きな音楽を聴きながら、、、くらいが適当です。半年過ぎた位から鳴りが変ってきたらGOOD!!!個体差があるので気長にやることがポイントです。

MY TONE(自分の音)を構築することも大切です。

これまで紹介してきたエージングを自分のペースで継続的に行うことで、ギターは徐々に自分に合ったものになってきます。こうしたことが出音にも影響してきます。

自分の音、というのは演奏技術を磨くだけではないことを覚えておいてください。

最後に、、、最大のエージングをお伝えします。
自然エージングだけではない、愛着をもってギターと暮らすこともエージングです。
ギターと話をすること、ギターは友達、ギターは恋人、ギターは自分自身にもなります。
永く続けることこそ「才能」だと思います。ギターと一緒に年を重ねること、これが究極素敵なエージングです。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した方法は、どれもカンタンにできると思います。
ギターにとってのエージングは、決して劣化させるものではなくギター本来が持っている(持っていた)音を100%出すことにありますので、ぜひ毎日触れて実践してください。

次回は、ギターメンテのその2として

はじめの二歩「超初心者のためのメンテナンス法」

をお送りしたいと思います。
では、またお会いできるのを楽しみにしています。。。

「洪栄龍の温故知新」シリーズ。他の記事はこちら






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