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【洪栄龍の音故知新】Vol.6 弾いて楽しい♪ 特殊奏法が生み出す ”こんなのアリ?”的な効果音ギター特集

皆さん、こんにちは、洪 栄龍です。
元気に毎日ギターを弾いていますか?
ギターをメンテナンスしてあげてますか?
人が厳しいと思う環境は当然ギターにも厳しいんです。そのことを忘れずにいてくださいね。
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今回はビシッとギターを弾いてる合間に遊べて楽しい、ギターの特殊奏法をご紹介したいと思います。
しかし、特殊といっても、超絶技巧的な弾き方をするわけではありません。
見方によっては何かの実験?・・・のような感じがするかも知れませんが、
音楽とはそうした実験や偶然、そして演奏ミスから生まれる音や奏法が多々あるんです♪

ぜひ楽しみながらトライしてみてください。



ヴァイオリン奏法(ヴォリューム奏法)

ギター特有のピッキングノイズを消すことによって、アタック感のないサウンドを出す奏法です。リードギターのような単音、またはコード(和音)のどちらにも有効です。
方法は、あらかじめヴォリュームをゼロにしておき、ピッキング直後に上げる、、、これだけです。また、ヴォリュームのコントロールは、ギター本体ヴォリュームノブで行うのと、ヴォリュームペダルで行う方法がありますが、ストラトキャスターのようなヴォリュームノブの位置であれば、洪と同じように弾き手で行うことが可能です。
ヴォリュームの上げ方やヴィブラートのかけ方でニュアンス変えられます。

ガムラン奏法

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準備は至って簡単・・・12フレット付近にピックを挟むだけです。低音に挟むとガムラン(インドネシアの民族音楽、打楽器合奏の総称)風のサウンド、高音に挟むとスティールドラム風のサウンドになります。
そのまま普通に弾いても良いとは思いますが、スラップベースのようにを叩くように弾いたりすることで、より一層雰囲気が出せますので動画を参考にいろいろ試してみてください。


動画では途中でピックが落ちてしまいます・・・その後ある対処をすることで、激しく弾いても落ちにくくなります。その対処法とは、、、
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・・・タネを明かしてみれば、ただコレだけです。
でも、こうした工夫をアレコレ試すのがまた楽しいのですね♪

12ギター風サウンド

12ギター風サウンドを出すエフェクターといえば、CHORUS(コーラス)ですが、コーラスを使わずにその効果をアナログ的に出せないか?と考えたのが、この方法です。
本来12ギターは、通常6本のに対して1本ずつ増やして12本のを張りますが、その中でも高音は同じを2本使って音をダブらせています。この2本のの鳴り方に注目したのがアイディアの元になっています。

これが・・・12サウンド製造機ともいえるピックです。
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6から1に弾き下ろすスピードやピックの当て方を変えることで、の鳴り方に変化をつけられます。

バンジョー風サウンド

このサウンドも結構ほのぼのとして楽しいですよ。弾き方はベース音&アルペジオを中心に弾くのがベストですが、難しければスリーフィンガー奏法でも雰囲気が出ると思います。動画を観ていただければわかると思いますが、このサウンドを出すのにはストローをブリッジ近辺のの下に仕込んでいます。高に合わせて(に触れるように)テープを巻いて当たり具合を調整しながら自分専用のバンジョーサウンド用アイテムを作ってみてください。

Pong Pong(ポンポン)奏法

ギターのコードを弾くときは、どんなに速く腕を振ってストロークしても、6から1までの発音には遅れが生じます。そこがギターの構造的な特徴で他の楽器で出しにくいギター特有のニュアンスなんですね。ここではそこを逆手に取って、6~1までを同時に発音させる方法をご紹介します。それによってパーカッシブな新鮮な響きが出すことができるのです。方法は実に簡単で、ギターを菜箸で叩くだけです。また、叩き方を工夫することでリズムに変化をつけられます。

ナットベンディング

一般に、を押し上げ/押し下げて音程を変えるテクニックをチョーキングといいますが、海外ではベンド/ベンディングといいます。最近ではベンド/ベンディングも良く使われるようになり、特にリードギター時に多用される指板上のチョーキング以外はベンディングと呼ぶのが一般的です。
ナットベンディングは、写真のようにナットとストリングポストの間を下に押すことで音程を変化させます。するとチョーキングでもなく、トレモロアームでもない、不思議なベンド表現が演出できます。
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を押し込む際は、いきなりチカラを入れずに少しずつ行うようにしてください。スティール(1-3)では指先の怪我など、特にご注意ください。

おわりに・・・

今回の動画を観てギターという楽器の意外な使い方や面白さが少しでも伝わったでしょうか?
ギターは弾き方だけでも人によってさまざまです。無理のない方法で弾くことは大切ですが、皆がみんな同じやり方をしなければイケナイとは思いません。
ギターを弾いて音楽を作るということに必要なのは柔軟な発想だと洪は思います。
ギターは未完成な楽器です。それだけにさまざまな可能性を秘めています。
ぜひ、練習する時もギターを弾くことの楽しさを感じていただければ幸いです。

次回は、以前このブログでも取り上げている、エージングのパート2としてエージングに入る前の出発点に焦点をあててお送りしたいと思います。
・・・ご期待ください!

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