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管楽器応急処置シリーズその1「トランペットのつば抜き(ウォーターキイ)コルクの交換編」

こんにちは、管楽器リペア専門店のハラシマです。

先日、私が所属する吹奏楽団体の練習に参加してきました。
団員の年齢層は、年上の方から現役大学生までさまざまです。
仕事や学校行事などで、練習にも毎回参加できる方から、たまにしか参加できない人などいます。でもこのような話は、どこの団体でも同じようなことを聞きますよね(笑)

その中で、久々に参加したトランペット奏者が練習前に、困った顔をしながら私のところへ楽器を持って来て、「久々に、この楽器を使おうと思ったら、抜差管が抜けないんだけど・・・。」って言うんです。
演奏の練習に来ただけでしたので、工具は全く持っていない状況です。

とりあえず、練習場や周りの演奏者から使えそうな工具を借りて、その場での応急処置を行い事なきを得ました。
原因は、抜差管内のグリスと汚れによる固着でした。つまり演奏後のメンテナンス不足によるもの。
そんなことから、今回からは、いざというときに役立つ、管楽器の応急処置をお伝えしたいと思います。
あくまでも、応急処置ですからね。
演奏後は速やかに技術者に預けて、適正な修理をしてもらってください。

記念すべき第1回は、トランペットの応急処置をお伝えします。
突然、つば抜きコルク(ウォーターキイコルク)がとれたり、欠けたりした経験はありませんか?
今回はコルクの交換の仕方をご紹介します。

最初に注意しておきますが、今回の内容は楽器を傷つけたりする可能性がありますので、もし自分の楽器で行う場合は自己責任の範囲内で行ってください。
また作業内容は、プレイヤー自身で行う応急修理用に書いています。
私達が行う作業方法とは異なる部分もあることをご理解ください。

用意するもの

  1. まずトランペットに適合するコルクが必要です。これはトランペットメーカーによって大きさや厚さ、材質が違いますので、必ず自分の楽器に合うコルクであることを必ず確認しましょう。
  2. 接着剤 瞬間接着剤(例:アロンアルファ)やゴム系溶剤形接着剤(例:コニシ G17)などがいいですね。ここにあげたものは、一般家庭で入手がしやすいものです。
  3. マイナスドライバー ドライバーの先端が約5mmくらいのものがいいです。
  4. ビニールテープ お好きな色でかまいません。セロハンテープはテープをはがしにくいと思うので、あえてビニールテープにしました。
  5. ティッシュペーパー まあ説明はいりませんよね(笑)
  6. 綿棒

実践編

【1】楽器本体が組まれた状態ですと、作業しにくいので、楽器から主管抜差を抜きます。

【2】主管抜差に付着しているグリスをティッシュペーパーでふき取ります。


なぜふき取るかというと、コルクを貼り替える際にグリスがホコリなどの汚れを拾ってしまいますのでふき取りが必要になります。

【3】つば抜きを押した状態で、ビニールテープをキイに巻きつけます。


ここでキイを開けたままの状態にすれば、この後の作業がしやすいです。
色々なトランペットメーカーによっては、バネが強くビニールテープでは押さえつけられない場合があります。
その場合は無理に作業せずに、お近くの修理窓口や島村楽器へ持っていきましょう。
また古いトランペットは、バネが錆びているのでバネが、非常に折れやすい状態にあることがあります。充分ご注意してください。

【4】コルクをはがします。


これは単純にはがしてください。はがれにくい場合はドライバーや綿棒を使ってはがしてください。

【5】コルクの受け皿に接着剤を塗りましょう。


量の目安は、瞬間接着剤なら半滴弱。ゴム系溶剤形接着剤の場合は皿に塗りにくいので、コルクに薄く塗りましょう。

【6】受け皿にコルクを入れます。


接着剤がはみ出した際には綿棒やティッシュペーパーでふき取ってください。

コルクはサイズがピッタリな物もあるので、そういう場合は押しこむ感じで入れます。焦って入れるとコルクが斜めに入ったりしますから、気をつけてください。

【7】ビニールテープをはがしましょう。

【8】コルクをつば抜きの穴に押し付けます。


コルクを押し付けることで、コルクにワダチをつけます。


ワダチをつけることで、機密性を上げます。
これで完成です。

コルク交換の注意事項

バネが錆びていたり、折れていたりする場合がありますので、作業をする際には、ケガなどに充分な注意が必要です。
管体表面に瞬間接着剤が着いてしまうと、塗装が剥がれたりする場合があります。作業中は接着剤をなるべく楽器から離れたところに置くようにしましょう。
あくまでも応急処置です。演奏後は楽器をしっかり点検に出すために、お近くの修理窓口や島村楽器に持っていき、技術者に点検してもらいましょう。

管楽器だけでなく、ほかの楽器でも日頃のメンテナンスはとても重要です。
この機会に、楽しい音楽生活を共にする自分の相棒(楽器)を、メンテナンスしてみませんか?
きっと相棒(楽器)も喜んでくれて、いつもより良い音や演奏になるかもしれませんよ♪

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