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2011 買付旅行記その2  買い付けスタート!

こんにちは!川崎ルフロン店アドバイザーの石井です。「2011 買付旅行記」と題して、ヨーロッパでの買付けの模様や旅先での様子をお伝えしています。

一夜明け、いよいよ買い付けがスタート。

早朝から馴染みのディーラーのところに足を運びます。買い付けはとにかく時間との勝負!山のようにある楽器の中からより良い楽器を厳選するためには、とにかく時間が必要なのです。この日も結局タイムリミットぎりぎりまで試奏→点検、試奏→点検になりました。

 

(パリでの買付の様子)

事前にこちらの要望を伝え、用意してもらった楽器は数十本。まずはそれらの状態をチェックします。専用の道具を使い寸法や内部のチェックを入念に行いました。モダン、オールドの楽器は本当にさまざまなものがあります。寸法もいわゆる基準からはみ出したものも多く、少し小ぶりだったり大きかったりとヴァリエーションが豊富です。弾きやすさは楽器選びでも重要なポイントですので、寸法はとても大切になります。また、楽器の健康状態は言うまでも無く重要で、古い楽器ほど状態の良いものを見つけるのは困難です。最初の頃は前提条件を満たしていない楽器が多く、なかなか買えないことがほとんどでした。しかし、今ではディーラーとも長いお付き合いとなり、こちらの要望を熟知してくださっているので、はじめから状態の良いものを出していただけるようになりました。

さて、今回用意していただいた楽器はというと・・・

状態は概ね良し!ということでさっそく試奏テストに入りました。とにかくじっくり弾いてみて、ひとつひとつの特性を見極めます。弓を変えてみたり、他の買い付けメンバーに弾いてもらって客観的に聴いてみたり。時にはメンバー間で意見が割れることもあります。よくよく検討した上で「これは!」というものを厳選して再度状態をチェックします。改めて問題ないことを確認し、いくつか購入しました。

その中で私のお奨めの逸品は「R.M.Millan」のワークショップバイオリンです。

1948年に製作されたこの楽器は、フレンチ特有の気品ある華やかさとダイナミクス溢れる音量が特徴です。モダンバイオリンとはいえ、まだまだこれから弾き込んでどんどんなってくれる楽器だと思います。良い買い物が出来ました。

 

(パリ買付の一押し楽器「R.M.Millan」)

2011 買付旅行記その3に続く・・・

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