島村楽器公式ブログ

全国展開している総合楽器店のスタッフが、音楽や楽器の楽しさや、楽器店にまつわるお話をお伝えします。

マスターメイドと手工量産って?

こんにちは!川崎ルフロン店の楽器アドバイザ−石井です。

皆さん、バイオリンには大きく分けて二つの製作方法があるのはご存知ですか?

それは「マスターメイド」と「手工量産(しゅこうりょうさん)」です。

どちらもハンドメイド、手作りであるという点では一緒なのですが(数ある楽器の中でも、100%ハンドメイドというのは実は少ない!)、その中で、独立した職人が一から十まで作るのが「マスターメイド」、複数の職人がひとつの楽器を手がけるものを「手工量産」とされています。

それぞれに良いところがあり、バイオリン選びにおいても重要なポイントとなります。

「マスターメイド」の楽器は、製作家によってその人の「味」があり、個性的なものが豊富です。なんというか、「これが俺の(私の)楽器だ!」みたいな製作家の魂を楽器から汲みとることが出来る(なんだかスピリチュアルな話になってしまいますが・・)、そんな感じです。製作家は星の数ほどいますから、探すのはなかなか大変ですが、そのなかから自分の魂に呼応する楽器を見つけられたときの感動は、人生指折りの至福の瞬間になることでしょう。

唯一の難点は、それなりに値が張る、ということです。ある意味、効率を無視して一人でとことんこだわって作っているので、コストはかかります。親方クラスであれば150万円以上はしてしまいます。

対して「手工量産」というのは、複数の熟練工が、おのおのの得意とする工程に特化して製作を行い、効率的に楽器を製作することを表します。分業性なので、製作期間も短縮でき、製作本数も増やせるため、コストはずっと下げられ、結果として同じ価格帯であればその分良い材料を使ったり、個々の作業のクオリティをあげるといったメリットも出てきます。

手工量産の価格ラインは数万円~100万円程度までと幅はありますが、高額の手工量産について言えば、マスターメイドのクオリティを凌駕するものも出てきます。

島村楽器が手がけているオリジナルブランド「Claus Hermann(クラウスへルマン)」は、ドイツの大手バイオリンメーカー「Gill(ギル)」社に、当社がオーダーしているオリジナルブランドのバイオリンで、この「手工量産」によって製作されています。

ハイエンドモデルのNO.68シリーズは、この「手工量産」のメリットを最大限に生かして、材質にとことんこだわっています。新作マスターメーカーではなかなか選択出来ないような10年以上寝かせた希少材をさらに厳選して使用することで、「マスターメイド」を圧倒する「鳴り」と「弾きやすさ」を実現しています。

ClausHermann

No.68(ツゲパーツ、エボニーパーツ選択可) ¥714,000(税込)

さぁ、あなたは「マスターメイド」と「手工量産」どちらがお好みですか?

比べて弾いてみたい!というかたは、下記店舗でぜひ体感して下さい。

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