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ピアノ再生物語「ピアノはこうして生まれかわります」第12回「修理10 ダンパーフェルト交換」

みなさんこんにちは♪PSCピアノ調律師のカワイです。

ピアノ修理のご紹介も今回でとうとう最終回となります!ここまで12回の連載となりましたが、いつも読んでいただきありがとうございます。

これまでピアノ修理としましてピアノの壊れた部分や部品交換を行なってまいりました。
しかし、美しい音色が奏でられるようになるまでには、整調・調律などまだまだ多くの通過点がございます。今回で修理紹介が終了しても、ピアノ再生物語はまだまだ続きますのでこれからもどうぞよろしくお願いいたします♪

前回までの記事はこちら!

それでは「修理 ダンパーフェルト交換」のスタートです♪

ダンパー【damper】とは

調べてみると

1 振動エネルギーを消散させて衝撃または振動の振幅を軽減する装置。自動車・鉄道車両などに使用。制振器。吸振器。
2 ピアノ・チェンバロなどで、弦の振動を止める装置。

ピアノのダンパーとは、弦をハンマーで叩いて音を出した後にその弦の音を止める役割をする部品です。まさに弦振動を止める部品ですね。



上写真がダンパーです。
弦に触れる部分は白いフェルトでできております。鍵盤を押すとハンマーが弦を叩くと同時にダンパーが弦から離れて音を伸ばし、鍵盤が元に戻ると同時にダンパーが弦を押さえて音を止めるという仕組みです。
今回はこのダンパーフェルトを交換していきます。

まずは修理に必要な道具のご紹介です♪

下写真をご覧下さい。

主な道具は・・・
  1. スケール(定規)
  2. 薄刃(うすば)
  3. 交換用ダンパーフェルト
  4. 専用接着剤
  5. ダンパーフェルトナイフ
  6. ダンパーフェルト裁断ジグ

以上が必要工具です。



上写真のダンパーフェルトナイフは切れ味がよい鋭い刃になっております。
ダンパーフェルトは素材がとても柔らかく形状が変化しやすいのです。
ですので、スパッと真っ直ぐ綺麗にカットする為にこのような特殊な工具が必要です。


上写真のダンパーフェルト裁断ジグは、ダンパーフェルトを真っ直ぐ美しく裁断するのに役立ちます。
断面から見ますと、ダンパーの形にピッタリフィットするように形が異なります。

道具が揃ったところでさっそく修理に入りましょう!

まずダンパーをピアノから取り外し、ダンパーフェルトの大きさをスケールで測り、記録した後、古いダンパーフェルトを取り除きます。


古いフェルトは黄ばんでいて汚いですね。



薄刃できれいに取り除いていきます。



赤い下の部分もフェルトでできているので、この赤いフェルトを傷つけないように慎重に取り除きます。



全て取れました!!


次に新しいダンパーフェルトを用意し…


最初に測った大きさにカットしていきます。切れ味がとても良いので、サクッと切れる感触がとても気持ちよいのです(笑)変に力を入れずに自然に切ると真っ直ぐ綺麗に切る事ができます。



カットできました。続いてこれを専用接着剤で寸法どおりに接着すると…



完成です!!それでは最後にピアノに戻していきましょう。

これで全ての作業が完了です。上写真を見ますと古いダンパーフェルトがどれだけ変色してしまっているかが良くわかりますね。

フェルト類は古くなりますと特に変色・磨耗するので交換対象になりやすい部品です。
修理のフルコースである「オーバーホール」作業では、各種フェルトをはじめ様々な消耗部品の交換をします。「オーバーホール」作業を行ったピアノは、実に生まれ変わったような輝きを放ってくれます。

私事ですが、今はまだ調律師でありながら楽器禁止物件に住んでおりまして、花嫁道具にもらった実家のピアノを弾くことができません…(笑)
思い出の詰まった実家のピアノをいつかオーバーホールして楽器可能な新居に入れて大切に使っていくのが私の小さな夢です!!
皆さんもオーバーホールや部分修理でピアノを元気にしてみませんか?

以上で修理についてのご紹介を終了とさせていただきます。いかがでしたか?
次回からはピアノのタッチに大きく影響する「整調」について、8回連載でご紹介させて頂きます。お楽しみに♪

島村楽器ピアノセレクションセンターについて

ピアノセレクションセンターは、専用工房を併設したアコースティックピアノ専門のショールームです。
フロアには、新品・中古ピアノ、アップライト・グランドピアノを合わせて常時100台以上を展示しております。また、専用工房ではピアノの調整・点検・修理を行い、アフターフォローにもお応え致します。

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